JPH0471666A - 耐低温チッピング性に優れた表面処理鋼板 - Google Patents

耐低温チッピング性に優れた表面処理鋼板

Info

Publication number
JPH0471666A
JPH0471666A JP18306590A JP18306590A JPH0471666A JP H0471666 A JPH0471666 A JP H0471666A JP 18306590 A JP18306590 A JP 18306590A JP 18306590 A JP18306590 A JP 18306590A JP H0471666 A JPH0471666 A JP H0471666A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel sheet
resin
layer
treated steel
plating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18306590A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuka Kikuta
菊田 ゆか
Hideo Ogishi
英夫 大岸
Hajime Kimura
肇 木村
Kenji Takao
研治 高尾
Ryoichi Mukai
亮一 向
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP18306590A priority Critical patent/JPH0471666A/ja
Publication of JPH0471666A publication Critical patent/JPH0471666A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、特に自動車用鋼板として好適に適用される耐
低温チッピング性に優れた表面処理鋼板に関する。
〈従来の技術〉 各種の鋼板に対する防錆要求か年々高まっている。 特
に自動車用鋼板、電気製品等に対する防錆要求は厳しく
、防錆性を向上するための表面処理を施された表面処理
鋼板か各種開発・実用化されている。
このような表面処理鋼板の一つに亜鉛めっき、亜鉛−ニ
ッケルめっきなどの亜鉛系合金めっき等を施した亜鉛系
めっき鋼板かある。
この亜鉛系めっき鋼板は高湿潤下での防錆性に優れる鋼
板であり、自動車ドアの袋構造部のように高湿潤条件下
にさらされる用途に適用した際にも高い裸防錆性を発揮
する。 そのため、この表面処理鋼板は亜鉛系めっきの
上層にクロメート処理、有機被膜の形成等を施され、特
に袋構造部のような塗装不十分な部位を生じやすい、自
動車用鋼板の車体内面側等の用途に好適に適用されてい
る。
これに対し、自動車の車体表面(外面)のように、外装
面を構成する鋼板面では、従来は鮮映性や塗装性のよう
に外観に重点かおかれてきた。 そのため、車体の外面
側となる面には化成処理(リン酸塩処理)性の悪い亜鉛
−ニッケルめっき面を適用するのは好ましくなく、通常
の自動車用鋼板は一方の面のみにめっきか施され、車体
の外面側となる面には非めっき面(冷延鋼板)が使用さ
れている。  しかしなから、近年ではこの外面側にも
高い防錆性が要求されるようになり、また、化成処理液
の改良もあって、従来の冷延鋼板に代って、次第に表面
処理鋼板か使用される割合が高くなっている。
ところで、外装用の表面処理鋼板、特に自動車の外面と
なる鋼板面には、内面側では全く考慮する必要のない性
能を要求される。
このような性能としては、前述のように鮮映性や塗装性
等、各種のものか挙げられるか、重要な性能の一つに耐
低温チッピング性かある。
チッピングとは、自動車の走行中に小石等か車体に当た
り、その衝撃でめっき層等が剥離して鋼板素地が露出す
る現象てあり、特に低温時に起こりやすい。
上述の亜鉛系めっき鋼板、特に亜鉛−ニッケルめっき鋼
板はめつぎ密着性か悪い。 従って、めっき層上に塗装
を施した後は、塗膜(電着塗装、中塗り、上塗り等)の
応力が直接めっき層に掛かるため、亜鉛系めっき鋼板で
は低温チッピングによって鋼板素地とめっき層の剥離が
生し易い。 つまり、亜鉛系合金めっき鋼板は、従来適
用されていた冷延鋼板に比へて耐食性、特に防錆性は格
段に優れるものの、自動車用鋼板の外面側に強く要求さ
れる耐低温チッピング性は冷延鋼板に比べて劣るという
問題点を有している。
〈発明か解決しようとする課題〉 このような問題点を解決するために、亜鉛系めっき鋼板
のめっき密着性を向上させて、耐低温チッピング性を向
上させる改良が各種行われている。
この耐低温チッピング性の改善方法としては、特開昭6
3−143286号公報に開示される初期のめっきを低
電流密度で行い、この鋼板の表面に亜鉛ニッケルのエピ
タキシャル層を形成し、次いて電流密度をあげてZn−
Niめっきを施す方法、特開平1−108400号公報
に開示されるめっき層中のZnを優先選択的に溶解除去
することを特徴とする方法、特開平1−176091号
公報に開示される予め鋼板上に0.9<N i / (
Zn十N i ) <1.0、PH2以下、電流密度5
〜2o。
A / d m 2の条件で50〜1000mg/m2
のZn−Niめっきをおこない引続ぎ通常のN1含有率
のZn−Niめっきを施す方法等のめっき自体の構造に
関する各種の方法が開示されている。
上記の各方法によれは、確かに通常の亜鉛系めっき鋼板
に比へて耐低温チッピング性は向上する。  しかしな
がら、いずれの方7去においても、その耐低温チッピン
グ性は、これに優れる冷延鋼板のレヘルには達しておら
ず、さらなる耐低温チッピング性の向上が望まれている
また、特開昭64−78832号公報には、めっき上に
クロメートあるいはリン酸塩処理皮膜層を設け、さらに
その上にTg点55℃以下でかつ焼付は後の常温におけ
る硬度か鉛筆硬度のH〜2Bである有機樹脂被膜層が0
1〜2.0μmの厚さに設けられていることを特徴とす
る方法か開示されている。
この方法によれば、確かにめっき剥離が減少する。 し
かし剥離部を更に詳細に調査したところ、確かにめっき
一地鉄間の剥離は減少しているものの、この方法で必須
の要件としているTg点55℃以下では樹脂−電着塗膜
間の剥離がかなり認められ、自動車用外板としては実用
的でないことが判明した。 これはTg点55℃以下て
は樹脂−電着塗膜間の密着性が弱くなるためと推定され
る。
外装用の鋼板には、このような耐低温チッピング性およ
び塗料密着性を確保した上で、前述のように耐食性、塗
装性にも優れていることか望まれる。
本発明の目的は前記従来技術の問題点を解決することに
あり、優れた耐低温チッピング性を有し、しかも製造も
容易な亜鉛系めっき表面処理鋼板を提供することにある
〈課題を解決するための手段〉 前記目的を達成するために、本発明者らは鋭意検討を重
ねた結果、亜鉛系めっき表面処理鋼板において、通常行
われているリン酸塩処理が耐低温チッピング性を低下さ
せていることを見出した。 自動車用の亜鉛系めっき表
面処理鋼板では、塗料の密着性(二次密着性)を向上さ
せるために、めっき層形成後にリン酸塩処理を行って水
不溶性リン酸塩皮膜を生成させる。
ところが、本発明者らの研究により、リン酸塩皮膜を有
することにより、得られた表面処理鋼板の二次密着性は
向上するものの、耐低温チ・ソピング性は低下すること
が初めて明らかになった。
また、本発明者らはさらに検討を重ね、亜鉛系めっぎ表
面処理鋼板のめつき層上にクロム系以外の金属酸化物皮
膜層と、所定の有機被覆層、すなわちガラス転移温度が
60〜120℃の樹脂からなる、あるいはガラス転移温
度か30〜120℃の樹脂とシリカの混合物からなる有
機被覆層をo、i〜2.5g/m2 (乾燥重量)有す
ることにより低温チッピング試験におけるめフき剥離は
もちろんのこと、樹脂と電着塗膜間の剥離も大幅に改善
されることを見出した。 さらに、このようなりロム系
以外の金属酸化物皮膜および有機被覆層を有することに
より、仮にリン酸塩処理を行っても、耐低温チッピング
性を低下させるリン酸塩皮膜の実質的な形成を防止する
ことができる。
すなわち、本発明の第1の態様は、少なくとも片面に亜
鉛系めっき層を有し、その上層にクロム系以外の金属酸
化物皮膜を有し、その上層にガラス転移温度が60〜1
20℃の樹脂からなる有8M被覆層を、乾燥重量で01
〜25g/m2有してなることを特徴とする耐低温チッ
ピング性に優れた表面処理鋼板を提供する。
また、本発明の第2の態様は、少なくとも片面に亜鉛系
めっき層を有し、その上層にクロム系以外の金属酸化物
皮膜を有し、その上層にガラス転移温度が30〜120
℃の樹脂とシリカとの混合物からなる有機被覆層を、乾
燥重量で0.1〜2.5g/m2有してなることを特徴
とする耐低温チッピング性に優れた表面処理鋼板を提供
する。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、前述の知見を得ることにより成されたもので
あるが、この点について、図面を参照してより詳細に説
明する。
第2図に示されるように、従来の表面処理鋼板ては、冷
延鋼板】0上に、例えは亜鉛−二・ンケルめっき等のめ
つきFi12を形成し、その上に塗料、つまりカチオン
電着塗装置6、中塗り層18および上塗り層20の密着
性(二次密着性)を向上するためのリン酸塩処理によっ
て形成されるリン酸塩皮@14を有する。
このような構成を有する従来の表面処理鋼板では、耐低
温チッピング性が低く、前述のような各種の改良方法が
提案されているか、いずれの方法でも所望の耐低温チッ
ピング性か得られないのは前述のとおりである。
ここで、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、従来の表
面処理鋼板ではリン酸塩処理によって形成されるリン酸
塩皮膜14を有することにより、耐低温チッピング性か
低下していることを見出した。
その理由は明らかではないか、以下のとおりと考えられ
る。
通常行われているリン酸塩処理では、その上に塗料を堅
固に付着することができる。  これは、リン酸塩皮@
14においてはリン酸塩の結晶が大きく、表面粗度か大
きくなるために、塗料が物理的なアンカー効果を得られ
るためであると考えられている。 従って、このリン酸
塩の結晶により電着塗装とめっきとの接触面積が増大す
るため、塗料の残留応力伝達が促進され、めっぎにひず
みが生しめっ鮒密着性が低下するものと思われる。
ただし、単にこのリン酸塩皮膜を形成せずカチオン電着
塗装置6、中塗り層18、上塗り層20等を形成すると
、十分な二次密着性、特に耐水二次密着性を得ることが
できす、自動車用鋼板、特に外装用の鋼板として実用す
ることは不可能であるのは周知のとおりである。
また、めっき上にクロメートまたはリン酸塩処理被膜層
を設け、さらにTg点55℃以下で、かつ焼付は後の常
温における硬度か鉛筆硬度のH〜2Bである有機樹脂皮
膜層を01〜2.0μm設ける鋼板についてもめっき剥
離はないものの樹脂−電着塗膜間の密着性の低下に起因
すると思われる低温チッピング時の塗膜剥離が生し、や
はり実用的でない。
これに対し、本発明の耐低温チッピング性に優れた表面
処理鋼板(以下、表面処理鋼板とする。)は、第1図に
示されるように、このリン酸塩皮膜(第21符号14)
を実質的に有さす、しかも、耐低温チッピング性を向上
するための所定の有機被覆層22、すなわち、カラス転
B温度か60〜120℃の樹脂からなる、またはガラス
転移温度が30〜120℃の樹脂とシリカとの混合物か
らなる有機被覆層を0.1〜2.5g/m2 (乾燥重
量)有する。
つまり、本発明者らは、更なる鋭意検討の結果、めっき
層12上に所定の有機被覆層22を形成することにより
、各塗料層の残留応力のめっき層への伝達を緩和し、ま
た、その有機被覆層22を、ガラス転移温度が60〜1
20℃の樹脂、あるいはガラス転移温度か30〜120
℃の樹脂とシリカとの混合物より形成する事で耐塗膜剥
離性をも向上させることが可能であることを見出した。
しかも、このような有機被覆層22および所定の金属酸
化物皮@24を有することにより、仮にリン酸塩化成処
理を行ったとしても、実質的にリン酸塩皮膜(第21符
号14)か形成されないことも同時に見出した。
自動車の製造ラインにおいてはリン酸塩化成処理を含む
塗装工程は、各部材を車体の形に組み上げた後に行うの
が一般的であり、車体外面に対しては耐低温チッピング
性の面から不必要なリン酸塩皮膜も、他の部分において
は必要であるため、リン酸塩化成IA理工程そのものを
なくすことはできない。
これに対し、本発明によれば、第1図に示されるように
めっき層12上に所定のクロム系以外の金属酸化物皮膜
24および有機被覆層22を形成することにより、その
うえにリン酸塩処理を行っても、耐低温チッピング性を
低下させるリン酸塩皮膜の実質的な形成を阻止すること
かてきる望外の効果をも有するため、自動車の塗装工程
に何ら変更を加える必要もないのである。
従って、本発明の表面処理鋼板は、前述のように耐低温
チッピング性を低下させるリン酸塩皮膜14を実質的に
有さないことと相俟って、非常に優れた耐低温チッピン
グ性を有する。
以下、本発明をさらに具体的に説明する。
本発明の表面処理鋼板は、鋼板10の少なくとも片面に
亜鉛系めっきからなるめっき層12を有する。 なお、
本発明における亜鉛系めっきとは、低温チッピング性の
問題を内在している亜鉛系めっきてあり、代表例として
はZn−Ni合金めっきが挙げられる。
めっき層12の形成方法としては特に限定はなく、電気
めっき、溶融めっき等各種の方法が適用可能である。
また、適用するめっきがZn−Niめっきである場合に
は、鋼板10とめっき層12との密着性をより良好なも
のとするために、めっぎ層の下方はNi含有量が高くな
るように形成されるのが好ましい。
本発明の表面処理鋼板は、このような亜鉛系めっき層1
2の上に、クロム系以外の金属酸化物皮膜24を有する
ものである。  このような金属酸化物皮膜24を有す
ることにより、リン酸塩皮膜を形成せず、また所定の有
機液NN22を有することにより得られる、高い耐低温
チッピング性に加え、良好な塗料密着性、特に耐水二次
密着性を得ることができ、耐食性にも優れる表面処理鋼
板とすることができる。
本発明における金属酸化物皮膜24の金属種としては、
Cr以外、例えばT1、Ce。
Cd、Zr、Nb%Ta、Mn、Pb、Ni。
MO等が好適に例示される。 また、このような金属を
用いることにより、有害な6価クロムの溶出を懸念する
こともなくなるのである。
この場合の金属酸化物皮膜24の状態は、電着塗装置6
との接触面積の観点から非結晶性であることが好ましい
。 また、同様の理由で結晶性である場合には極微細な
結晶構造を有する金属酸化物であるのが好ましい。
なお、金属種は1種に限ることはなく、2種以上の複合
酸化物皮膜でもよい。
本発明の表面処理鋼板における金属酸化物皮膜24の形
成方法には特に限定はなく、真空蒸着法、スパッタリン
グ法、イオンブレーティング法、浸漬法、電解法等、公
知の各種の方法が通用できる。
本発明の表面処理鋼板は、このような金属酸化物皮@2
4の上層に、第1図の態様においてはガラス転移温度が
60〜120℃の樹脂からなる、また第2の態様におい
てはガラス転移温度が30〜120℃の樹脂とシリカと
の混合物からなる有機被覆層22を、乾燥重量で0.1
〜2.5g/m2有する。
このような構成とすることにより、非常に良好な耐低温
チッピング性を得ることができる。
なお、この有機被覆層22には、必要に応して添加剤を
加えてもよい。
本発明の有機被覆層22に通用される樹脂のガラス転移
温度の範囲は樹脂単独の場合、60〜120℃である。
 60℃未満では、各塗料層の残留応力がめつき層12
にかがることがなく、またaSの伝達が有機被覆層22
でとまるため、鋼板素地からの剥離が生しることはない
が、有機被覆層22とその上層に形成される塗膜層との
間の密着性が低く、この両者の間で剥離が生じ良好な表
面処理鋼板を得ることかできないのは前述の通りである
。 一方、通用する樹脂(有機被覆層22)のガラス転
移温度が120℃を越えると、樹脂の粘度が高い上に各
種の溶媒への溶解性も低下するため、均一に塗布するこ
とが困難であり、やはり良好な表面処理鋼板を得ること
が出来ない。
樹脂にシリカ等の添加剤を加えるとガラス転移温度があ
がる。 従フて、本発明の第2の態様のようにシリカを
添加する場合は、ガラス転移温度が30〜120℃の樹
脂を適用できる630℃未満では、各塗料層の残留応力
がめつき層12にかかることがなく、また衝撃の伝達が
有機被覆J’122てとまるため、鋼板素地からの剥離
が生しることはないか、有機被覆層22とその上層に形
成される塗膜層との間の密着性か低く、この両者の間で
剥離が生じ、良好な表面処理鋼板を得ることがてきない
のは前述の通りである。 一方、有機被覆層22のガラ
ス転移点が120℃を越えると、樹脂の粘度が高い上に
各種の溶媒への溶解性も低下するため、均一に塗布する
ことが困難であり、やはり良好な表面処理鋼板を得るこ
とができない。
本発明の有機被覆層22に適用される樹脂としては、上
記ガラス転移温度を有するものであれば、各種のものが
適用可能であり、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリ
ル樹脂、フェノール樹脂、ポリオレフィン樹脂等が例示
される。
なお、上記の樹脂は2種以上混合して使用してもよい。
また、ガラス転移温度が本発明の範囲未満の樹脂であっ
ても、各種の硬化剤や変性剤等の添加剤を加え、ガラス
転移温度を30℃以上、あるいは60℃以上として適用
することが可能である。
本発明において、この有機被覆層22の量は、乾燥重量
で0.1〜2.5g/m”である。 有機被覆層22の
量が0.1g/m’未満では、金属酸化物皮膜24上に
有機被覆層22を均一に形成することが困難となってし
まう。 また、有機被覆層22の量が2.58/m2を
越えると、この有機被覆層22形成の後に通富行われる
電着塗装置6が行えなくなる。 なお、前述のように、
複数の樹脂を混合して使用する際には、その全体量を0
.1〜2.5g/m’とするものである。
このような有機被覆層22の形成方法には特に限定はな
く、通用する樹脂に応じた各種の溶媒を用い、これに樹
脂を溶解して、スプレーコート、デイツプコート、ロー
ルコート等の方法によって塗布した後、加熱、紫外線照
射等によって乾燥する通常の方法によればよい。
なお、本発明の表面処理鋼板は、所定の金属酸化物皮膜
24および有機被覆層22を有することにより、リン酸
塩処理を行っても実質的にリン酸塩皮膜か形成されない
のは前述の通りであるが、本発明において、実質的にリ
ン酸塩皮膜を有さないとはリン酸塩皮膜の付着量が0.
2g/m2以下であることを示すものとする。
基本的にこのような構成を有する本発明の表面処理鋼板
は、この有機被覆層22上に、カチオン電着塗装置6、
各種の塗料によって中塗り層18、上塗り層20等が施
され、自動車用鋼板等の各種の用途に好適に通用される
。 なお、本発明の表面処理鋼板では、リン酸塩皮膜を
有さなくても、優れた塗膜密着性(二次密着性)を有す
ることは前述のとおりである。
〈実施例〉 以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明をより詳細
に説明する。
[実施例] 冷延鋼板を酸洗・脱脂後、Zn−Niめっきを行い、Z
n−Niめっき鋼板を作製した。
なお、作製したZn−Niめっき鋼板のうち、いくつか
のものは、めりき初期を低電流密度で行い、次いで電流
密度をあげて平均Ni含有率12%めっき付着量20 
g / m 2のZn−Niめっきを施す、めっき密着
性対策を施した。
作製したZn−Niめっき鋼板の目付量、めっき密着性
対策の有無を表1に示す。
このようにして作製したいくつかのZn−Niめっき鋼
板表面に、金属酸化物皮膜を形成した。
金属酸化物皮膜の形成方法および付着量を表1に示す。
このようにして作成したいくつかのZn−N1めっき鋼
板表面に、下記の樹脂を用いて有機被覆層を形成した。
 なお、有機被覆層のいくつかにはシリカを添加した。
 なお、有機被覆層の形成は、適用する樹脂を、それに
応した溶媒に溶解し、バーコーターによって塗布した後
、電気炉で乾燥することにより行った。
樹脂A(ガラス転移温度120℃) ビスフェノールA型エポキシ樹脂 樹脂B(ガラス転移温度106℃) フェノール樹脂 樹脂C(ガラス転移温度85℃) アクリル樹脂 樹脂D(ガラス転移温度63℃) ウレタン−エポキシ樹脂 樹脂E(ガラス転移温度54℃) ウレタン樹脂 樹脂F(ガラス転移温′度35℃) 変性エポキシ樹脂 樹脂G(ガラス転移温度22℃) 変性エポキシ樹脂 樹脂H(ガラス転移温度−12℃) ポリオレフィン樹脂 形成した有機被覆層の樹脂の種類、ガラス転移温度、お
よび樹脂塗布量を表1に示す。
なお、数個のサンプルは、有機被覆層を形成せず、ある
いは、有機被覆層形成後リン酸塩処理を行った。 処理
条件は、下記に示すとおりである。
リン酸塩処理 通常のスプレー型のアルカリ脱脂を行い、つづいて、リ
ン酸塩処理(日本バーカライジング社製パルボンド30
20に120秒浸漬)を行った。
リン酸塩処理の有無、およびリン酸塩皮膜のを表1に示
す。
このように作製した表面処理鋼板に、パワートップU−
600(日本ペイント味製)を電着電圧250V、浴温
28℃、180秒通電し、170℃X20分焼付けした
電着塗装後のサンプルに、さらに自動車用中塗り塗料、
上塗り塗料をスプレー塗装を行フた。
このようにして得られた各サンプルを用い、ダイヤモン
ドショット試験および耐水二次密着性試験を行った。
[ダイヤモンドショット試験] ダイヤモンド:  10mg(±1 mg)試験温度二
 −20℃ シEl ’/トスビード:  210km/h上記の各
条件においてダイヤモンドショット試験を行い、テープ
はくりを行った。 評価方法はショット10点の剥離面
積の合計面積である。
なお、210km/hのショットスピードは日本国内に
おける通常の試験条件よりも厳しいものである(通常は
ショットスピード170k m / h以下)。
[耐水二次密着性試験] 各サンプルを40℃の温水に240時間浸漬した。 各
サンプルを取り出したのち、10分以内に基盤目状に2
mm間隔で100個、カッターナイフを用いて傷をつけ
、セロハンテープを用いて剥離試験を行った。 評価は
剥離個数を測定することにより行った。
◎・剥離なし O2剥離個数1以下 △:剥離個数2〜10 X:剥離個数11以上 各試験の結果は表1に示す。
上記表1に示される結果より、本発明の表面処理鋼板に
よれば、有機被覆層を有さない従来の表面処理鋼板に比
べ、はるかに優れた耐低温チッピング性を有することが
分かる。  また、たとえめっき密着性対策を行わなく
ても、従来、耐低温チッピング性が高いとされる冷延鋼
板よりもはるかに優れた耐低温チッピング性を有するも
のもある。 ざらに、表1に示される結果には、リン酸
塩皮膜を有する従来の表面処理鋼板は、極めて耐低温チ
ッピング性が低いことも示されている。
さらに、所定の有機被覆層および金属酸化物皮膜を有す
ることにより、リン酸塩処理を行っても、実買的にリン
酸塩皮膜は形成されないこともわかる。
なお、上記の実施例はZn−Niめっき表面処理鋼板に
ついてであったが、このような本発明の効果は、前述の
亜鉛系めっき鋼板(亜鉛系合金めっき、亜鉛系複合めっ
き等)のいずれのものであっても同様であるのはもちろ
んのことである。
〈発明の効果〉 以上詳細に説明したように、本発明の耐低温チッピング
性に優れる表面処理鋼板は、従来の表面処理鋼板に比へ
、格段に優れた耐低温チッピング性を有するものである
。  しかも、従来は二次密着性を向上するために必要
であった、耐低温チッピング性を低下させるリン酸塩皮
膜を不要とすることもできる。
本発明の表面処理鋼板は、以上のような理由から自動車
用鋼板等の用途に良好に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の耐低温チッピング性に優れる表面処
理鋼板を概念的に示す図である。 第2図は、従来の表面処理鋼板を示す概念図である。 符号の説明 10・・・冷延鋼板、 12− Z n −N iめつき層、 14・・・リン酸塩皮膜、 16・・・電着塗装、 18・・・中塗り層、 20・・・上塗り層、 22・・・有機被覆層、 24・・・金属酸化物皮膜

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)少なくとも片面に亜鉛系めっき層を有し、その上
    層にクロム系以外の金属酸化物皮膜を有し、その上層に
    ガラス転移温度が60〜120℃の樹脂からなる有機被
    覆層を、乾燥重量で0.1〜2.5g/m^2有してな
    ることを特徴とする耐低温チッピング性に優れた表面処
    理鋼板。
  2. (2)少なくとも片面に亜鉛系めっき層を有し、その上
    層にクロム系以外の金属酸化物皮膜を有し、その上層に
    ガラス転移温度が30〜120℃の樹脂とシリカとの混
    合物からなる有機被覆層を、乾燥重量で0.1〜2.5
    g/m^2有してなることを特徴とする耐低温チッピン
    グ性に優れた表面処理鋼板。
JP18306590A 1990-07-11 1990-07-11 耐低温チッピング性に優れた表面処理鋼板 Pending JPH0471666A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18306590A JPH0471666A (ja) 1990-07-11 1990-07-11 耐低温チッピング性に優れた表面処理鋼板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18306590A JPH0471666A (ja) 1990-07-11 1990-07-11 耐低温チッピング性に優れた表面処理鋼板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0471666A true JPH0471666A (ja) 1992-03-06

Family

ID=16129136

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18306590A Pending JPH0471666A (ja) 1990-07-11 1990-07-11 耐低温チッピング性に優れた表面処理鋼板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0471666A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013079409A (ja) * 2011-10-01 2013-05-02 Furukawa-Sky Aluminum Corp 高絶縁性プレコートアルミニウム材

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013079409A (ja) * 2011-10-01 2013-05-02 Furukawa-Sky Aluminum Corp 高絶縁性プレコートアルミニウム材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6323278B2 (ja)
JPS589965A (ja) 高耐食性表面処理鋼板
JPS6160914B2 (ja)
JPH0471666A (ja) 耐低温チッピング性に優れた表面処理鋼板
US5240783A (en) Steel plate for the outside of automobile bodies electroplated with a zinc alloy and a manufacturing method therefor
JPH0525679A (ja) 耐衝撃密着性に優れた高耐食性表面処理鋼板
JPH0427538A (ja) 耐低温チッピング性および耐塗膜剥離性に優れた表面処理鋼板
JP2816559B2 (ja) 黒色亜鉛めっき鋼板の製造方法
JPH0472077A (ja) めっき鋼板の耐低温チッピング性改善方法
KR20010071958A (ko) 수지피복강판, 그것을 이용한 카트리지캡 및 카트리지몸통부
JP2787365B2 (ja) 有機薄膜の長期付着性並びにカチオン電着塗装性に優れた有機薄膜被覆型Cr含有亜鉛系複層型防錆鋼板及びその製造方法
JPS6082691A (ja) 多層めつき鋼板
JPH0571675B2 (ja)
JPH0427539A (ja) 耐低温チッピング性および耐水二次密着性に優れた表面処理鋼板
JPS6240398A (ja) 高耐食性二層めつき鋼板
JPH0426775A (ja) めっき綱板の耐低温チッピング性改善方法
JPS62284087A (ja) 塗膜密着性に優れた表面処理鋼板およびその製造方法
JPH0427536A (ja) 耐低温チッピング性、耐塗膜剥離性および電着塗装性に優れた表面処理鋼板
JPS61257494A (ja) 高耐食性表面処理鋼板
JP2947633B2 (ja) 塗装下地用ニッケル・クロム含有亜鉛めっき鋼板・鋼材並びにその製造法
JP2712924B2 (ja) 耐食性、めっき密着性、化成処理性および塗膜密着性に優れた亜鉛−ニッケル−クロム系合金電気めっき鋼板
JPH01108396A (ja) カチオン電着塗装用ガルバニール鋼板の製法
JPH04226345A (ja) 耐低温チッピング性に優れる自動車用表面処理鋼板
KR940005328B1 (ko) 도장밀착성, 가공성 및 내식성이 우수한 도장강판의 제조방법
JPH0533188A (ja) 耐錆性と外観性の優れた容器用表面処理鋼板