JPH0470441B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、軌道周辺に敷設された道床を清掃す
る移動式道床清掃機に関する。

［従来の技術］ 従来の移動式道床清掃機は、例えば特開昭57−
158402号公報に示すように、シヤシと、このシヤ
シ上に傾斜させて設けられた二台の篩から成り、
道床から掬い上げた砂利と土を砂利供給用コンベ
ヤでもつて二台の篩の一方に設けられた砂利投入
口から篩内に投入し、次いで、篩を振動させて砂
利と不要な土とを篩い分け、その後、別々のコン
ベヤでもつて不要な土は道床清掃機から搬出し、
清掃済みの砂利は再び道床に敷設していた。

［発明が解決しようとする課題］ ところが、斯かる篩は二台であつても、砂利投
入口が一方の篩にしか設けられていないので、一
度に大量の砂利を投入すると、篩内に取り付けた
篩デツキが直ぐに目詰まりを起こし、時間あたり
の砂利の供給量には限界があつた。

又、二台の篩は、始動時と停止時には時間を遅
らせて操作して道床清掃機に加わる応力を低減す
るように工夫しているが、清掃処理する稼働中は
処理しなければならない砂利の多少に拘わらずモ
ータを常時駆動していなければならないので経済
効率が悪つた。

［課題を解決するための手段］ 本発明の目的は、砂利の処理量が少ない時は、
二台の篩の内、片方の篩のみを作動させて経済効
率を高める一方、処理量が多い時は、二台の篩に
砂利を分配して目詰まりを起こすことなく大量の
砂利を迅速に処理することのできる移動式道床清
掃機を提供することにある。

上記目的を達成するために、本発明の移動式道
床清掃機は、台車に支持されたシヤシと、シヤシ
に上下動自在に取り付けられると共に案内部材に
案内されながら連続的に回転して道床から砂利と
土を掬い上げる少なくとも一本の砂利搬入用チエ
ーンを有する砂利搬入手段と、砂利搬入用チエー
ンによつて道床から掬い上げられた砂利と土を篩
い分ける篩手段と、搬入した砂利と土を砂利搬入
手段から篩手段へ供給する遠隔操作可能な砂利供
給用コンベヤと、該篩手段を振動させる加振手段
と、篩手段を上下動させる駆動手段と、篩手段で
篩い分けられた不要な土を篩手段から搬出する不
要土搬出用コンベヤと、不要な土を取り除いた清
掃済みの砂利を再び道床に敷設する砂利敷設用コ
ンベヤとを備え、前記篩手段は第一篩と、第一篩
とは別体の第二篩とから成り、加振手段と前記駆
動手段は前記第一篩と前記第二篩の夫々に取り付
けられ、前記砂利供給用コンベヤは第一コンベヤ
ベルトと、第二コンベヤベルトとから成り、前記
第一コンベヤベルトは、一端が砂利搬入用チエー
ンの下方に、他端が前記第一篩に形成した砂利投
入口の上方に位置し、第二コンベヤベルトは、一
端が前記第一コンベヤベルトの他端の下方に、他
端が前記第二篩に形成した砂利投入口の上方に位
置し、もつて、砂利搬入要チエーンによつて搬入
された砂利と土を第一篩と第二篩の何れか一方、
又は、双方に供給するようにしたことを特徴とす
る。

［実施例］ 以下、本発明の実施例を添付図面に基いて説明
する。

図１に示す本発明の一実施例に係る移動式道床
清掃機１は、複数個の台車２，３を有し、枕木と
レールから成る軌道４上を図中矢印７で示す方向
に走行する。移動式道床清掃機１は、先頭に前部
シヤシ５を有し、この前部シヤシ５は前部ジヨイ
ント６を介して中間シヤシ９に関節接合する。前
部ジヨイント６の近傍には昇降装置８を設けてあ
り、この昇降装置８は中間シヤシ９を上下動させ
る。また、移動式道床清掃機１はその後部に、動
力を供給する駆動装置１０と、各種駆動装置を別
個に制御する中央制御装置１１とを備える。中間
シヤシ９の先端には、砂利搬入用コンベヤ１２が
上下方向に揺動自在に連結して、道床から砂利等
を掬い上げる。この砂利搬入用コンベヤ１２の直
ぐ後方には第一篩１４と、第二篩１３が移動式道
床清掃機の長手方向の前後に隣接して位置する。
二台の篩１３，１４は別体であつて、各々が駆動
手段１５，１６によつて移動式道床清掃機１の長
手軸を中心として揺動し且つ、加振手段１７，１
８によつて直線的に振動する。駆動手段１５，１
６は夫々別体に調節が可能で、砂利が篩内に片寄
つて投入され、その一側が他側よりも大きい荷重
を受けた場合には、その一側を駆動手段１５，１
６によつて持ち上げれば移動式道床清掃機１の重
心を中心にもつて行くことができる。

二台の篩１３，１４の上方には、砂利供給用コ
ンベヤ１９が延在し、この砂利供給用コンベヤ１
９は砂利搬入用コンベヤ１２から送られてきた砂
利を篩に供給する。移動式道床清掃機１の前方に
は、廃棄処分する土を貯蔵する車両が位置し、二
台の篩１３，１４の下降から移動式道床清掃機の
作業方向（図１の矢印７）前方へ延出する不要土
搬出用コンベヤ２０が同車両へ不要な土等を搬送
する。又、中間シヤシ９の下方には、二本のコン
ベヤベルト２１，２２から成る砂利敷設用コンベ
ヤ２３が位置し、清掃済みの砂利を道床に再び敷
設する。前部コンベヤベルト２２の先端近棒の中
間シヤシ９には、上下動自在な整地装置２４と、
同じく上下動自在な軌道昇降装置２５を固着して
おり、軌道昇降装置２５は軌道の左右方向に揺動
自在なペンチ型の昇降ローラでもつて軌道を持ち
上げたり降したりする。又、前部シヤシ５には、
軌道を持ち上げた上で敷設した砂利を突き固める
突固装置２６を取り付けており、この突固装置２
６は適宜の駆動装置によつて移動式道床清掃機１
の長手方向に移動する。本発明の移動式道床清掃
機１は、敷設する砂利の基準面を設定するために
静水液面計を備える測定装置２７を具備する。こ
の型の測定装置２７は、比較的高速で走行しなが
ら道床を清掃処理する移動式道床清掃機に特に適
している。駆動／昇降装置は全て中央制御装置１
１に制御ライン２８（破線）を介して接続してお
り、別個に制御可能である。

前後のジヨイント６，６間に延在する中間シヤ
シ９は、二台の篩１３，１４を設けた箇所では、
離間して延在する二本の枠材から成り砂利搬入用
コンベアを通過させるが、中央部では接合して一
個の枠体を構成する。図２に示した第一篩１４及
び第二篩１４の各篩デツキは最上段に位置する篩
デツキで、所定以上の大きさの物質を分離する。
二台の篩１３，１４の前方に延在する砂利搬入用
コンベヤ１２は、軌道４の周辺を案内部材に案内
されながら連続的に回動する砂利搬入用チエーン
２９と、同じく連続的に回動し、砂利搬入用チエ
ーン２９と一体的に上下方向に揺動する補助チエ
ーン３０とから成る。これら二本のチエーン２
９，３０は、油圧式駆動装置３１，３２によつて
夫々作動する。又、補助チエーン３０は、砂利搬
入用チエーン２９が回動する面と略々直交する面
内を回動する。尚、図面を見やすくするために、
整地装置２４と軌道昇降装置２５は平面図（図
２）から省略した。

図３に拡大して示した第一篩１４はフレーム３
３にばねを介して取り付けてあり、中間シヤシ９
上に設けた駆動手段１６により移動式道床清掃機
の長手軸を中心として揺動する。砂利を篩い分け
る三個の篩デツキ（破線）は、清掃機の長手方向
に対し傾斜して延在すると共に、夫々メツシユが
異なる。第一篩１４の下側中央には非出口（不図
示）を形成しており、この排出口から不要な土が
複数のコンベヤベルトから成る不要土搬出用コン
ベヤ２０上に投下される。斯かる排出口の側方に
は別の排出口３４を設けており、この排出口を介
して不要な土を取り除いた清掃済みの砂利が駆動
装置３５を備える後部コンベヤベルト２１上に投
下される。一方、駆動装置３６を備える前部コン
ベヤベルト２２は、中間シヤシ９に連結して軌道
路面と平行な面上を左右に揺動して砂利を軌道路
面上に敷設する。砂利を篩に供給する砂利供給用
コンベヤ１９は、第一コンベヤベルト３７と第二
コンベヤベルト３８とから成り、第一コンベヤベ
ルト３７の先端は砂利搬入チエーンの下方に、後
端は第一篩１４に形成した砂利投入口（不図示）
の上方に位置し、一方、第二コンベヤベルト３８
の先端は、第一コンベヤベルト３７の後端の下方
に、後端は第二篩１３に形成した砂利投入口（不
図示）の上方に位置する。第一篩１４の上方に位
置する第一コンベヤベルト３７の後端にはバツフ
ル装置３９を設けており、このバツフル装置３９
はその内部に例えば複数枚のそらせ板（不図示）
を備え、駆動装置を作動させて遠隔操作すると、
砂利搬入用コンベヤ１２から受け取つた砂利／土
の量に応じて砂利を第一篩１４及び／又は第二篩
１３に選択的に供給する。図示実施例において、
バツフル装置３９は実線位置（図３参照）では、
砂利の一部を第一篩へ、そして、残りの砂利は第
二コンベヤベルトを介して第二篩へ供給し、破線
位置では、全ての砂利を第一篩へ供給する。第一
コンベヤベルト３７と第二コンベヤベルト３８は
駆動装置４０，４１を夫々その駆動源とする。砂
利搬入用コンベヤ１２は、シユート４２を備え、
掬い上げられた砂利はこのシユート４２から第一
コンベヤベルト３７へ移送される。

別実施例である図４の移動式道床清掃機４３は
ジヨイント４５で間節接合された二つのシヤシか
ら成り、（矢印４６の示す清掃機の進行方向）前
方に位置するシヤシは、処分する不要土を貯蔵す
る。一方、後方のシヤシは上下動自在な砂利搬入
用チエーン４７と、同チエーンの直ぐ後方に位置
する二台の篩４８，４９とに夫々連結する。コン
ベヤベルト５０は必要に応じて砂利を第二篩４８
へ供給する。本実施例で使用する二台の篩は、前
実施例とは異なり、略々同形である。

次に作用を説明する。移動式道床清掃機１が清
掃処理する道床に到着したならば、先ず駆動装置
８を操作して台車５を軌道４から持ち上げる。軌
道４の下側を横断する方向に回転する砂利搬入用
チエーン２９の一端は、道床に設けた穴を介して
案内されると共に、他端に連結して一本の無端ベ
ルトを構成する。その後、軌道昇降装置２５を使
つて軌道４を持ち上げ、施工基面の高さと傾斜角
度を調整して、砂利搬入用チエーン２９と補助チ
エーン３０を駆動する油圧式駆動装置３１，３２
および二台の篩１３，１４に夫々取り付けた加振
手段１７，１８を中央制御装置１０で各々制御し
ながら作動させる。次いで、各種コンベヤベルト
と移動式道床清掃機１自体を夫々の駆動装置を操
作して駆動する。以上の操作が完了すると、砂利
が砂利搬入用チエーン２９の耐摩耗性に富む掘削
用フインガによつて道床から掬い上げられ、シユ
ート４２側へ移送される。無端型補助チエーン３
０が位置する箇所に蓄積している砂利は補助チエ
ーン３０によつて連続的にシユート４２側へ搬送
され、その後、第一コンベヤベルト３７へ移送さ
れる。

図３において、バツフル装置３９が実線で示す
垂直位置にある時、砂利は一部が第一篩１４へ、
そして、残りの砂利は第二コンベヤベルト３８に
移送される。第二コンベヤベルトに移送された砂
利は次いで第二篩１３に砂利投入口を介して投入
される。これにより、砂利搬入用チエーンと補助
チエーンの双方が大量の砂利が掬い上げても、二
台の篩をフル稼働させれば、篩い分け処理を迅速
且つ効果的に行うことができる。二台の篩１３，
１４によつて篩い分けられた所定以上の大きさ、
或いは所定以下の大きさの砂利や土は、その下側
に延在する土搬出用コンベヤ２０に投下される。
一方、清掃済みの砂利は砂利敷設用コンベヤ２３
によつて露出した施工基面上に再び敷設される。
道床の高さが低く、不要な土が非常に少ない時に
は、第二篩１３は作動させる必要がない。その場
合はバツフル装置３９を下げて略々水平位置（図
３の破線）へ回動させ、掬い上げた砂利を全て第
一篩１４へ直接供給する。この時、第二篩１３の
加振装置１７と、第二コンベヤベルト３８の駆動
装置４１は経済効率を上げるために遠隔操作して
停止させる。特に道床の砂利蓄積量が少ない場合
には補助チエーン３０を停止させてもよい。又、
特に道床が低い場合は、軌道４を比較的高い位置
まで持ち上げて砂利搬入用チエーン２９が枕木の
下を通過できるようにしなければならない。この
場合は、軌道４を一時的に持ち上げておいて、突
固装置２６を使つて段階的に道床を固めておけ
ば、突固装置２５によつて軌道４が幾分曲折して
も、許容できる程度に押さえることができる。

［発明の効果］ 本発明の移動式道床清掃機は以上の如く構成し
たので、次の効果を奏する。

(1) 砂利の処理量が少ない時は、二台の篩の内、
片方の篩だけを作動させるので経済効率が良
い。

(2) 砂利が多い時は、二台の篩に分配して処理す
るので篩デツキが目詰まりを起こす心配がな
く、清掃処理を迅速に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

図１は、本発明の移動式道床清掃機を示す側面
図、図２は、図１に示す移動式道床清掃機の平面
図、図３は、同道床清掃機の篩の構造を詳細に示
す部分拡大図、図４は、本発明の別実施例を示す
側面図である。 １……移動式道床清掃機、２，３……台車、４
……軌道、９……中間シヤシ、１２……砂利搬入
用コンベヤ、１３……第二篩、１４……第一篩、
１５，１６……駆動手段、１７，１８……加振手
段、１９……砂利供給用コンベヤ、２０……不要
土搬出用コンベヤ、２３……砂利敷設用コンベ
ヤ、２４……整地装置、２６……突固装置、３７
……第一コンベヤベルト、３８……第二コンベヤ
ベルト、３９……バツフル装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 移動式道床清掃機であつて、 台車に支持されたシヤシと、 前記シヤシに上下動自在に取り付けられると共
   に、案内部材に案内されながら連続的に回動して
   道床から砂利と土を掬い上げる少なくとも一本の
   砂利搬入用チエーンを有する砂利搬入手段と、 前記砂利搬入用チエーンによつて道床から掬い
   上げられた砂利と土を篩い分ける篩手段と、 搬入した砂利と土を前記砂利搬入手段から前記
   篩手段へ供給する遠隔操作可能な砂利供給用コン
   ベヤと、 前記篩手段を振動させる加振手段と、 前記篩手段を上下動させる駆動手段と、 前記篩手段で篩い分けられた不要な土を篩手段
   から搬入する不要土搬出用コンベヤと、 不要な土を取り除いた清掃済みの砂利を再び道
   床に敷設する砂利敷設用コンベヤとを備え、 前記篩手段は、第一篩と、第一篩とは別体の第
   二篩とから成り 前記加振手段と前記駆動手段は、前記第一篩と
   前記第二篩の夫々に取り付けられ、 前記砂利供給用コンベヤは、第一コンベヤベル
   トと、第二コンベヤベルトと、遠隔操作可能なバ
   ツフル手段とから成り、該第一コンベヤベルト
   は、一端が前記砂利搬入用チエーンの下方に、他
   端が前記第一篩に形成した砂利投入口の上方に位
   置し、該第二ベルトコンベヤは、一端が前記第一
   コンベヤベルトの他端の下方に、他端が前記第二
   篩に形成した砂利投入口の上方に位置し、該バツ
   フル手段は前記第一コンベヤベルトの他端に取り
   付けられ、前記砂利搬入用チエーンによつて搬入
   された砂利を前記第一篩と前記第二篩の何れか一
   方、又は、双方に必要に応じて選択的に供給する
   ことを特徴とする移動式道床清掃機。 ２ 前記第一篩と前記第二篩は、移動式道床清掃
   機の長手方向の前後に隣接して位置する請求項１
   記載の移動式道床清掃機。 ３ 前記第一篩及び前記第二篩に取り付けた前記
   加振手段と前記駆動手段は夫々、別個に制御可能
   である請求項１又は２記載の移動式道床清掃機。 ４ 前記シヤシは中間シヤシを含んで成り、前記
   第一篩と、前記第二篩と、前記砂利搬入手段は該
   中間シヤシに連結し、該中間シヤシは両端に設け
   られたジヨイントを介して他のシヤシに関節接合
   すると共に、その内の一端が昇降装置により上下
   動自在である請求項１乃至３の何れかに記載の移
   動式道床清掃機。 ５ 前記砂利搬入手段は、前記砂利搬入用チエー
   ンと一体的に上下方向に揺動する無端型補助チエ
   ーンを更に含んで成り、該補助チエーンは油圧で
   駆動すると共に、前記砂利搬入用チエーンが回動
   する面と略々直交する面内を回転する請求項１乃
   至４の何れかに記載の移動式道床清掃機。 ６ 前記砂利敷設用コンベヤは、二台の砂利敷設
   用コンベヤベルトから成り、該砂利敷設用コンベ
   ヤベルトは移動式道床清掃機の長手方向の前後に
   配置され、前記第一篩及び前記第二篩と協働して
   清掃済みの砂利を再び動床に敷設する請求項１乃
   至５の何れかに記載の移動式道床清掃機。 ７ 前記第一篩と前記第二篩に夫々取り付けられ
   た前記駆動手段及び前記加振手段と、砂利をの供
   給する前記第一コンベヤベルト及び前記第二コン
   ベヤベルトと、前記不要土搬出用コンベヤと、二
   台の前記砂利敷設用コンベヤベルトと、前記砂利
   搬入用チエーン及び前記補助チエーンを駆動する
   駆動装置は、中央制御装置によつて夫々別個に制
   御可能である請求項１乃至６の何れかに記載の移
   動式道床清掃機。