JPH0469217B2 - - Google Patents
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- JPH0469217B2 JPH0469217B2 JP63235670A JP23567088A JPH0469217B2 JP H0469217 B2 JPH0469217 B2 JP H0469217B2 JP 63235670 A JP63235670 A JP 63235670A JP 23567088 A JP23567088 A JP 23567088A JP H0469217 B2 JPH0469217 B2 JP H0469217B2
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C9/00—Alloys based on copper
- C22C9/02—Alloys based on copper with tin as the next major constituent
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は耐熱性、電気および熱伝導率、機械的
強度、プレス折り曲げ性等の総合特性が要求され
る電気、電子部品に好適な銅合金およびその製造
方法に関する。 〔従来の技術〕 従来、上記の如き電気、電子部品にはりん青銅
が使用されてきた。しかし、りん青銅は電気伝導
率が低いため、発熱を招くことがあり、また価格
的にも高いという問題点を有する。また黄銅もり
ん青銅と同様に電気伝導率が低いため発熱を招く
ことがあり、硬質材はプレス折り曲げ性が十分で
ないという問題点を有する。 そこで、近年において電気伝導率および機械的
強度がともに優れた銅合金が種々提案されてい
る。しかし、これら合金は析出硬化機構による強
化を利用するものであり、プレスによる折り曲げ
が厳しい場合には割れを生ずることが多い。例え
ば、本発明者による特公昭62−39213号公報記載
の合金は電気伝導率と機構的強度がともに優れた
ものではあるが、プレス加工で小型端子などを作
製する場合、曲げ部に割れが生ずることがあるも
のであつた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明の目的は、電気伝導率と機械的強度が強
く、しかもプレスによる折り曲げ性にすぐれた電
気部品用銅合金を提供することである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明合金は、Fe:0.1〜0.4%(重量%、以下
同じ)、Ti:0.05〜0.20%、FeとTiの重量比が
Fe/Ti=1.4〜2.8であり、Mg:0.003〜0.10%、
Sn:0.5〜1.5%、およびZn、Ni、Coのうちから
選ばれるいずれか1種または2種以上:0.01〜
1.0%を含有し、残部が不純物を除きCuからなる。
また、このような合金の製造方法は、上記本発明
合金の組成成分を調整し、この合金を熱間加工
後、冷間加工と焼鈍を1回乃至数回繰返し、そし
てこの焼鈍のうち少なくとも1回は400〜600℃で
30〜300分間焼鈍するバツチ焼鈍とし、さらに最
終冷間加工の加工率を60%以下におさえ、その後
250〜350℃の温度で低温焼鈍を加えることからな
る。 このような本発明により、電気、電子部品材に
要求される放熱性、耐熱性、強度、ハンダ付け性
等が良好であるとともにプレス折り曲げ性が優れ
た銅合金およびその製造方法が得られる。 〔作用〕 次に、合金の成分の添加理由と成分範囲の限定
理由を説明する。 FeとTiは相乗効果により本発明の一つの目的
である強度と導電率がともに優れるという特性を
もたらす。これはFeとTiがFe2Tiという化合物
を生成し、熱処理によつてマトリツクス中に微細
に析出するためである。そしてFeとTiの化合物
(Fe2Ti)の析出により優れた特性を得るために
はFeとTiの比は適正な比率があり、Fe/Ti(重
量比)で1.4〜2.8さらには1.7〜2.4が好ましい。
一方析出粒子数が多すぎるとプレス折り曲げ加工
の際割れが生じやすい結果となる。 Fe、Tiの重量比は1.4未満では過剰のTiのマト
リツクスの固溶量が増して導電率の低下が大とな
り、2.8を超えると過剰のFeのマトリツクスへの
固溶量が増して導電率も低下するが、特に引張り
強さの低下が大となる。 すなわちFeは所定量のTiと共に添加すること
により、本発明合金の強度を高め、しかも高導電
性を維持する効果があるが、Fe含有量が0.1%未
満では強度が不十分であり、逆に0.4%を越える
とプレス曲げ加工性げ低下して好ましくない。 Ti含有量を0.05%以上、0.20%以下とする理由
はTiの含有量が0.05%未満ではFeを共添しても
強度が不十分なものとなり、Ti含有量が0.20%を
越えるとプレス曲げ加工性が低下して好ましくな
い。 Mgは強度を向上させ、また強力な脱酸剤とし
て酸素濃度を下げメツキふくれなどの欠陥を防止
する作用がある。そしてMg含有量が0.003%未満
ではこの効果が十分でなく、0.10%を越えると溶
解鋳造性が低下して好ましくない。 Snは強度とプレス折り曲げ性を向上させる効
果があるが、0.5%未満ではその効果が十分でな
く、1.5%を越すとプレス曲げ加工性が低下する
と同時に導電性の低下も著しくなる。 さらにZn、Ni、Coはそれぞれ強度を向上させ
る効果があるが、Zn、Ni、Coの群より選択され
た1種以上の総量が0.01%未満ではその効果が十
分でなく、1.0%を越えると導電性の低下とプレ
ス曲げ加工性の低下が著しくなる。なおZnはそ
の他に、脱酸作用があり溶解の際にMgの前に添
加すれば予備脱酸が出来、また熱間圧延の際の熱
間割れを抑える効果もある。そしてこれらの効果
も0.01%未満ではその効果が十分でない。 なお本発明合金は、さらに少量のCr、Al、Zr、
Sb、Mn、B等を併用することも可能である。 次に本発明製造法は、上記組成の銅合金を常法
により溶解、鋳造、熱間圧延を行いさらに冷間圧
延と焼鈍を1ないし数回繰返し行い、そしてこの
焼鈍のうち少なくとも1回は400℃〜600℃で30分
〜300分間焼鈍するバツチ焼鈍とし、さらに最終
冷間加工の加工率を60%以下におさえ、その後
250〜400℃の温度で低温焼鈍を加えるものであ
る。 ここで、焼鈍を全て連続焼鈍でなく少くとも1
回はバツチ焼鈍とするのは、このバツチ焼鈍によ
つてFe2Ti金属間化合物を析出させて耐熱性、強
度および電気伝導率を高めるためであり、焼鈍温
度400℃から600℃とするのは400℃未満では
Fe2Tiの析出が十分でなく、600℃を越えると
Fe2Tiの析出粒が粗大となつて、強度、耐熱性へ
の寄与が十分でなくなるからである。また焼鈍時
間を30分から300分に限定するのは、30分未満で
はFe2Tiの析出が十分でなく、300分を越える場
合は析出がこの時間程度で飽和してしまうので
300分を越えて処理する必要がないからである。
最終冷間加工率を60%以下としたのは、60%を越
えて加工するとプレス折り曲げ性が十分でなくな
るからである。低温焼鈍は合金のばね性とプレス
折り曲げ性の向上のために行うが、その温度が
250℃未満ではプレス折り曲げ性が十分でなく、
400℃を越えるとばね性および強度が低下する。 以下に本発明合金およびその製造方法を実施例
で説明する。 実施例 1 第1表に示される本発明合金および比較合金に
係る各種成分組成のインゴツトを高周波溶解炉中
に木炭溶解し、金型に鋳込んだ。得られたインゴ
ツトは厚み35×幅90×長さ150mmであり、これを
28mmまで面削した。つぎに900℃スタートの条件
で12mm厚まで熱間圧延した。さらに10mmまで面削
後冷間圧延で2.5mmとした。さらに500℃×3時間
の焼鈍を加えた後、0.8mmまで冷間圧延した。つ
ぎに550℃×3時間の焼鈍後0.4mmまで50%の冷間
加工を加え、最終的に275℃×1時間の低温焼鈍
を加えた。得られた試料につき引張強度、伸び、
電気伝導率を測定しさらにプレスによる折り曲げ
性を測定した。プレス折り曲げ性は第1図に示す
プレス金型を用い、曲げRを変えて90°L曲げを行
ない曲げ部外観をルーペにて測定した。内側曲げ
半径Rが小さくなると細いしわが深くなつてゆき
ついにはクラツクが生ずるようになる。しわが深
くならない限度の最小曲げ半径Rを求め板厚tで
割つた値R/tをもつて曲げ性の指標とした。得
られた結果を第2表に示す。 一般に小型の部品のプレス加工では材料のR/
tが0.5以下であれば、厳しい折り曲げ加工が可
能であると言われている。
強度、プレス折り曲げ性等の総合特性が要求され
る電気、電子部品に好適な銅合金およびその製造
方法に関する。 〔従来の技術〕 従来、上記の如き電気、電子部品にはりん青銅
が使用されてきた。しかし、りん青銅は電気伝導
率が低いため、発熱を招くことがあり、また価格
的にも高いという問題点を有する。また黄銅もり
ん青銅と同様に電気伝導率が低いため発熱を招く
ことがあり、硬質材はプレス折り曲げ性が十分で
ないという問題点を有する。 そこで、近年において電気伝導率および機械的
強度がともに優れた銅合金が種々提案されてい
る。しかし、これら合金は析出硬化機構による強
化を利用するものであり、プレスによる折り曲げ
が厳しい場合には割れを生ずることが多い。例え
ば、本発明者による特公昭62−39213号公報記載
の合金は電気伝導率と機構的強度がともに優れた
ものではあるが、プレス加工で小型端子などを作
製する場合、曲げ部に割れが生ずることがあるも
のであつた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明の目的は、電気伝導率と機械的強度が強
く、しかもプレスによる折り曲げ性にすぐれた電
気部品用銅合金を提供することである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明合金は、Fe:0.1〜0.4%(重量%、以下
同じ)、Ti:0.05〜0.20%、FeとTiの重量比が
Fe/Ti=1.4〜2.8であり、Mg:0.003〜0.10%、
Sn:0.5〜1.5%、およびZn、Ni、Coのうちから
選ばれるいずれか1種または2種以上:0.01〜
1.0%を含有し、残部が不純物を除きCuからなる。
また、このような合金の製造方法は、上記本発明
合金の組成成分を調整し、この合金を熱間加工
後、冷間加工と焼鈍を1回乃至数回繰返し、そし
てこの焼鈍のうち少なくとも1回は400〜600℃で
30〜300分間焼鈍するバツチ焼鈍とし、さらに最
終冷間加工の加工率を60%以下におさえ、その後
250〜350℃の温度で低温焼鈍を加えることからな
る。 このような本発明により、電気、電子部品材に
要求される放熱性、耐熱性、強度、ハンダ付け性
等が良好であるとともにプレス折り曲げ性が優れ
た銅合金およびその製造方法が得られる。 〔作用〕 次に、合金の成分の添加理由と成分範囲の限定
理由を説明する。 FeとTiは相乗効果により本発明の一つの目的
である強度と導電率がともに優れるという特性を
もたらす。これはFeとTiがFe2Tiという化合物
を生成し、熱処理によつてマトリツクス中に微細
に析出するためである。そしてFeとTiの化合物
(Fe2Ti)の析出により優れた特性を得るために
はFeとTiの比は適正な比率があり、Fe/Ti(重
量比)で1.4〜2.8さらには1.7〜2.4が好ましい。
一方析出粒子数が多すぎるとプレス折り曲げ加工
の際割れが生じやすい結果となる。 Fe、Tiの重量比は1.4未満では過剰のTiのマト
リツクスの固溶量が増して導電率の低下が大とな
り、2.8を超えると過剰のFeのマトリツクスへの
固溶量が増して導電率も低下するが、特に引張り
強さの低下が大となる。 すなわちFeは所定量のTiと共に添加すること
により、本発明合金の強度を高め、しかも高導電
性を維持する効果があるが、Fe含有量が0.1%未
満では強度が不十分であり、逆に0.4%を越える
とプレス曲げ加工性げ低下して好ましくない。 Ti含有量を0.05%以上、0.20%以下とする理由
はTiの含有量が0.05%未満ではFeを共添しても
強度が不十分なものとなり、Ti含有量が0.20%を
越えるとプレス曲げ加工性が低下して好ましくな
い。 Mgは強度を向上させ、また強力な脱酸剤とし
て酸素濃度を下げメツキふくれなどの欠陥を防止
する作用がある。そしてMg含有量が0.003%未満
ではこの効果が十分でなく、0.10%を越えると溶
解鋳造性が低下して好ましくない。 Snは強度とプレス折り曲げ性を向上させる効
果があるが、0.5%未満ではその効果が十分でな
く、1.5%を越すとプレス曲げ加工性が低下する
と同時に導電性の低下も著しくなる。 さらにZn、Ni、Coはそれぞれ強度を向上させ
る効果があるが、Zn、Ni、Coの群より選択され
た1種以上の総量が0.01%未満ではその効果が十
分でなく、1.0%を越えると導電性の低下とプレ
ス曲げ加工性の低下が著しくなる。なおZnはそ
の他に、脱酸作用があり溶解の際にMgの前に添
加すれば予備脱酸が出来、また熱間圧延の際の熱
間割れを抑える効果もある。そしてこれらの効果
も0.01%未満ではその効果が十分でない。 なお本発明合金は、さらに少量のCr、Al、Zr、
Sb、Mn、B等を併用することも可能である。 次に本発明製造法は、上記組成の銅合金を常法
により溶解、鋳造、熱間圧延を行いさらに冷間圧
延と焼鈍を1ないし数回繰返し行い、そしてこの
焼鈍のうち少なくとも1回は400℃〜600℃で30分
〜300分間焼鈍するバツチ焼鈍とし、さらに最終
冷間加工の加工率を60%以下におさえ、その後
250〜400℃の温度で低温焼鈍を加えるものであ
る。 ここで、焼鈍を全て連続焼鈍でなく少くとも1
回はバツチ焼鈍とするのは、このバツチ焼鈍によ
つてFe2Ti金属間化合物を析出させて耐熱性、強
度および電気伝導率を高めるためであり、焼鈍温
度400℃から600℃とするのは400℃未満では
Fe2Tiの析出が十分でなく、600℃を越えると
Fe2Tiの析出粒が粗大となつて、強度、耐熱性へ
の寄与が十分でなくなるからである。また焼鈍時
間を30分から300分に限定するのは、30分未満で
はFe2Tiの析出が十分でなく、300分を越える場
合は析出がこの時間程度で飽和してしまうので
300分を越えて処理する必要がないからである。
最終冷間加工率を60%以下としたのは、60%を越
えて加工するとプレス折り曲げ性が十分でなくな
るからである。低温焼鈍は合金のばね性とプレス
折り曲げ性の向上のために行うが、その温度が
250℃未満ではプレス折り曲げ性が十分でなく、
400℃を越えるとばね性および強度が低下する。 以下に本発明合金およびその製造方法を実施例
で説明する。 実施例 1 第1表に示される本発明合金および比較合金に
係る各種成分組成のインゴツトを高周波溶解炉中
に木炭溶解し、金型に鋳込んだ。得られたインゴ
ツトは厚み35×幅90×長さ150mmであり、これを
28mmまで面削した。つぎに900℃スタートの条件
で12mm厚まで熱間圧延した。さらに10mmまで面削
後冷間圧延で2.5mmとした。さらに500℃×3時間
の焼鈍を加えた後、0.8mmまで冷間圧延した。つ
ぎに550℃×3時間の焼鈍後0.4mmまで50%の冷間
加工を加え、最終的に275℃×1時間の低温焼鈍
を加えた。得られた試料につき引張強度、伸び、
電気伝導率を測定しさらにプレスによる折り曲げ
性を測定した。プレス折り曲げ性は第1図に示す
プレス金型を用い、曲げRを変えて90°L曲げを行
ない曲げ部外観をルーペにて測定した。内側曲げ
半径Rが小さくなると細いしわが深くなつてゆき
ついにはクラツクが生ずるようになる。しわが深
くならない限度の最小曲げ半径Rを求め板厚tで
割つた値R/tをもつて曲げ性の指標とした。得
られた結果を第2表に示す。 一般に小型の部品のプレス加工では材料のR/
tが0.5以下であれば、厳しい折り曲げ加工が可
能であると言われている。
【表】
【表】
【表】
第2表からわかるようにZn、Ni、Coの添加が
ない試料8は強度が弱くSnや(試料5)Fe、Ti
の量(試料6)が過剰であると、プレス曲げ性が
悪く、またSnの添加、Znの添加がないと強度が
弱いことがわかる(試料7)。 実施例 2 前記の実施例1における試料3の合金につき製
造方法を変えて特性を測定した。第3表における
試料9は、最終の冷間圧延の前の厚みを1.2mmと
して冷間加工率を67%としたものである。試料10
は低温焼鈍の条件を180℃×1時間とし、また試
料11は低温焼鈍の条件を450℃1時間としたもの
である。なお試料9〜11の他の製造条件は試料3
と同じである。得られた結果を第3表に示す。
ない試料8は強度が弱くSnや(試料5)Fe、Ti
の量(試料6)が過剰であると、プレス曲げ性が
悪く、またSnの添加、Znの添加がないと強度が
弱いことがわかる(試料7)。 実施例 2 前記の実施例1における試料3の合金につき製
造方法を変えて特性を測定した。第3表における
試料9は、最終の冷間圧延の前の厚みを1.2mmと
して冷間加工率を67%としたものである。試料10
は低温焼鈍の条件を180℃×1時間とし、また試
料11は低温焼鈍の条件を450℃1時間としたもの
である。なお試料9〜11の他の製造条件は試料3
と同じである。得られた結果を第3表に示す。
【表】
第3表からわかるように本発明の製造法によら
ない比較合金試料9、10はプレス曲げ性が悪く、
試料11は強度が低くなつている。 実施例 3 下記第4表に示される本発明合金及び比較合金
に係る各種成分組成のインゴツトを高周波溶解炉
中に木炭被覆下で溶解し、金型に鋳込んだ。得ら
れたインゴツトは厚み35×幅90×長さ150mmであ
り、これを28mm厚みまで面削りした。 次に900℃スタートの条件で厚み12mmまで熱間
圧延し、表面を面削後厚み2.5mmまで冷間圧延し
た。 さらに500℃で3時間の焼鈍を加えた後、厚み
0.8mmまで冷間圧延した。次に550℃で3時間の焼
鈍後、厚み0.4mmまで50%の冷間加工を加え、最
終的に275℃、1時間の低温焼鈍も加え、得られ
た試料につき引張り強さ、電気導電率、プレス折
り曲げ性を測定した。これらの結果についてSn
含有量との相関を示すものを第2図〜第4図に示
す。 これら第2図〜第4図からわかるようにSnは
強度を向させるが、電気伝導率は大きく低下させ
る。 一方、プレス曲げ性については、1.0%wt%位
をピークとして最も優れ、0.5wt%未満、1.5wt%
を超えた範囲ではR/tが0.5を超えてプレス折
り曲げ性は低下しており0.5〜1.5wt%の限られた
範囲でプレス折り曲げ性を改善していることがわ
かる。
ない比較合金試料9、10はプレス曲げ性が悪く、
試料11は強度が低くなつている。 実施例 3 下記第4表に示される本発明合金及び比較合金
に係る各種成分組成のインゴツトを高周波溶解炉
中に木炭被覆下で溶解し、金型に鋳込んだ。得ら
れたインゴツトは厚み35×幅90×長さ150mmであ
り、これを28mm厚みまで面削りした。 次に900℃スタートの条件で厚み12mmまで熱間
圧延し、表面を面削後厚み2.5mmまで冷間圧延し
た。 さらに500℃で3時間の焼鈍を加えた後、厚み
0.8mmまで冷間圧延した。次に550℃で3時間の焼
鈍後、厚み0.4mmまで50%の冷間加工を加え、最
終的に275℃、1時間の低温焼鈍も加え、得られ
た試料につき引張り強さ、電気導電率、プレス折
り曲げ性を測定した。これらの結果についてSn
含有量との相関を示すものを第2図〜第4図に示
す。 これら第2図〜第4図からわかるようにSnは
強度を向させるが、電気伝導率は大きく低下させ
る。 一方、プレス曲げ性については、1.0%wt%位
をピークとして最も優れ、0.5wt%未満、1.5wt%
を超えた範囲ではR/tが0.5を超えてプレス折
り曲げ性は低下しており0.5〜1.5wt%の限られた
範囲でプレス折り曲げ性を改善していることがわ
かる。
以上のように本発明によれば、強度、電気伝導
率、プレス折り曲げ性がすぐれた銅合金が得ら
れ、コネクター、端子、リード材、リードフレー
ム、スイツチ、可動ばねなどの電気部品、電子部
品に広く利用でき、部品の高性能化、小型化、薄
肉化に大いに貢献するものである。
率、プレス折り曲げ性がすぐれた銅合金が得ら
れ、コネクター、端子、リード材、リードフレー
ム、スイツチ、可動ばねなどの電気部品、電子部
品に広く利用でき、部品の高性能化、小型化、薄
肉化に大いに貢献するものである。
第1図はプレス折り曲げ性を判断するために用
いたプレス金型の説明図である。 1……試料、
2……曲げ用のダイ、3……パンチ、4……リフ
ター、5……ダイスプリング。第2図はSn含有
量と引張り強さの関係を示した図面である。第3
図はSn含有量と電気伝導率の関係を示した図面
である。第4図はSn含有量とプレス折り曲げ性
の関係を示した図面である。
いたプレス金型の説明図である。 1……試料、
2……曲げ用のダイ、3……パンチ、4……リフ
ター、5……ダイスプリング。第2図はSn含有
量と引張り強さの関係を示した図面である。第3
図はSn含有量と電気伝導率の関係を示した図面
である。第4図はSn含有量とプレス折り曲げ性
の関係を示した図面である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Fe:0.1〜0.4重量%、Ti:0.05〜0.20重量%、
かつ、FeとTiの重量比がFe/Ti=1.4〜2.8であ
り、Mg:0.003〜0.10重量%、Sn:0.5〜1.5重量
%、およびZn、Ni、Coのうちから選ばれるいず
れか1種または2種以上:0.01〜1.0重量%を含
有し、残部が不可避不純物を除きCuからなるプ
レス折り曲げ性の良い銅合金。 2 Fe:0.1〜0.4重量%、Ti:0.05〜0.20重量%、
かつ、FeとTiの重量比がFe/Ti=1.4〜2.8であ
り、Mg:0.003〜0.10重量%、Sn:0.5〜1.5重量
%、およびZn、Ni、Coのうちから選ばれるいず
れか1種または2種以上:0.01〜1.0重量%を含
有し、残部が不可避不純物を除きCuからなる銅
合金を、熱間加工後、冷間加工と焼鈍のうち少な
くとも1回は400〜600℃で30〜300分間焼鈍する
バツチ焼鈍とし、さらに最終冷間加工の加工率を
60%以下におさえ、その後250〜400℃の温度で低
温焼鈍を加えることを特徴とするプレス折り曲げ
性の良い銅合金の製造方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63235670A JPH0285330A (ja) | 1988-09-20 | 1988-09-20 | プレス折り曲げ性の良い銅合金およびその製造方法 |
US07/400,444 US5002732A (en) | 1988-09-20 | 1989-08-30 | Copper alloy having satisfactory pressability and method of manufacturing the same |
DE3930903A DE3930903C2 (de) | 1988-09-20 | 1989-09-15 | Kupferlegierung mit ausreichender Verformbarkeit |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63235670A JPH0285330A (ja) | 1988-09-20 | 1988-09-20 | プレス折り曲げ性の良い銅合金およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0285330A JPH0285330A (ja) | 1990-03-26 |
JPH0469217B2 true JPH0469217B2 (ja) | 1992-11-05 |
Family
ID=16989460
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63235670A Granted JPH0285330A (ja) | 1988-09-20 | 1988-09-20 | プレス折り曲げ性の良い銅合金およびその製造方法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5002732A (ja) |
JP (1) | JPH0285330A (ja) |
DE (1) | DE3930903C2 (ja) |
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JPS63109133A (ja) * | 1986-10-23 | 1988-05-13 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 電子機器用銅合金とその製造法 |
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US4822560A (en) * | 1985-10-10 | 1989-04-18 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | Copper alloy and method of manufacturing the same |
-
1988
- 1988-09-20 JP JP63235670A patent/JPH0285330A/ja active Granted
-
1989
- 1989-08-30 US US07/400,444 patent/US5002732A/en not_active Expired - Fee Related
- 1989-09-15 DE DE3930903A patent/DE3930903C2/de not_active Expired - Fee Related
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Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE3930903A1 (de) | 1990-03-22 |
JPH0285330A (ja) | 1990-03-26 |
DE3930903C2 (de) | 1994-02-24 |
US5002732A (en) | 1991-03-26 |
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