JPH046701Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、内刃駆動用の振動子に改良を加え
た往復動式電気かみそりに関する。

〔従来の技術〕

従来、往復動式電気かみそりとして、例えば、
第７図に示すように、本体ケースに内蔵したモー
タ２の出力軸に偏心カム４を介して偏心ピン５を
連結し、本体ケース内のモータ２の上方に片持ち
支持される弾性変形可能なプラスチツク製の振動
子６に前記偏心ピン５を連係し、振動子６の上面
中央部に内刃８を内刃ホルダ９を介して支持した
ものがあり、そこではモータ２の出力軸３の回転
による振動子６の左右横方向への振動で内刃８が
左右横方向に往復直線運動する。そして、偏心ピ
ン５の振動子６への連係手段は、振動子６の固定
基端部１７とは反対側の自由端側に平面視におい
てコ字状枠部１０を形成し、該コ字状枠部１０の
内部に上下貫通状のピン孔１１を有するボス１２
を形成し、該ピン孔１１に偏心ピン５を挿入して
いる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

前出の従来例の振動子６は、ボス１２外周のコ
字状枠部１０内面との一体連接部以外の箇所と、
これに対向するコ字状枠部１０の前後枠片１０
ａ，１０ｂとの間に、空隙Ｓを形成するが、その
空隙Ｓは振動子６の成形不良対策のためである。
すなわち、振動子６のプラスチツク成形にさい
し、例えば、ボス１２の外周全体とコ字状枠部１
０の内面との間に前記空隙Ｓの存在しない形に両
者を一体成形すると、コ字状枠部１０の当該箇所
の肉厚が大きくなつて冷却時の収縮によるヒケ等
が発生するため、前記空隙Ｓを形成することによ
りコ字状枠部１０の肉厚をできるだけ均一にして
ヒケ発生の防止を図るものである。しかし、かか
る空隙Ｓが振動子６に存在していると、振動子６
の組付けに際してボス１２のピン孔１１を偏心ピ
ン５に挿入するとき、誤って前記空隙Ｓに偏心ピ
ン５が挿入することが少なくなく、この偏心ピン
５の誤挿入により振動子６が正規の振幅に振動し
なかつたり、全く動かなくなつたりし、また偏心
ピン５が正規にピン孔１１に挿入された場合であ
つても、駆動状態において、偏心ピン５によりボ
ス１２が必要以上に繰り返し振れ変形させられ、
ボス１２の基部に変形や破損が生じるという問題
があつた。

この考案はかかる事実に着目して、偏心ピンの
振動子への誤挿入防止を図るとともに、ボス１２
の基部の変形、破損を抑制することを目的とす
る。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために、本考案では、第
１図に例示するように往復動式の内刃８とモータ
２の出力軸３上の偏心ピン５との間に、モータ２
の回転運動を内刃８の往復直線運動に変える弾性
変形可能でかつ対向する一対の前後枠片１０ａ，
１０ｂと両者の先端を連結するボス支持枠片１０
ｃとからなるコ字状枠部１０を有するプラスチツ
ク製の振動子６が配置され、該振動子６の上記ボ
ス支持枠片１０ｃの内面一部から、偏心ピン５が
挿入されるピン孔１１を有するボス１２が一体に
突設されるとともに、ボス１２の周囲に上記前後
枠片１０ａ，１０ｂとそれぞれ対向し、ボス１２
とコ字状枠部１０間の空隙Ｓに偏心ピン５が挿入
されるのを阻止するための突部１３を設けるよう
にしたものである。

〔考案の効果〕

以上のように構成した本考案によれば、偏心ピ
ン５が所定のピン孔１１以外のところに誤挿入さ
れるという組付け不良品が出るのを防止でき、ま
た偏心ピン５が正規にピン孔１１に挿入された場
合でも、駆動状態において、偏心ピン５によりボ
ス１２が必要以上に振れ変形した際に、突部１３
が前後枠片１０ａ，１０ｂにストツパーして作用
し、ボス１２基部の変形や破損を可及的に防止で
きるものでもある。

〔実施例〕

以下、本考案に係る往復動式電気かみそりの実
施例を図面に基づき説明する。第１図ないし第３
図において、これの本体ケース１の上壁板１ａの
上方に網目状の外刃１４が外刃ホルダ１５を介し
て着脱可能に装備され、外刃１４の内部に左右横
方向へ往復駆動される内刃８が後述する要領で装
着される。

本体ケース１の上壁板１ａの下方にはモータ２
が取付けられたモータ取付基板１６を設け、該基
板１６と上壁板１ａとの間に内刃駆動用の振動子
６を片持ち状に設置する。振動子６は、これ全体
がプラスチツク成形品であり、上壁板１ａの下面
の左右方向の一端側に固定された固定基端部１７
と、固定基端部１７に正面視においてＵ状形状で
該Ｕ字形状の一片のみを薄肉状に形成した一体成
形ヒンジ１８を介して左右方向に弾性変形可能に
連設された水平な可動板部１９と、可動板部１９
の前後に薄肉部２０，２０を介して前後方向に弾
性変形可能に連設された前後枠片１０ａ，１０ｂ
と前後枠片１０ａ，１０ｂの先端どうしを連結す
るボス支持枠片１０ｃを有するコ字状枠部１０と
からなる。

振動子６の可動板部１９の上面には内刃取付け
ピン２１を上向きに突設し、該内刃取付けピン２
１を上壁板１ａの中央開口部から上方へ突出させ
てこの突出端に内刃８が内刃ホルダ１９を介して
上下動自由に支持される。また内刃取付けピン２
１に圧縮コイルばね２４を装着し、このばね２４
で内刃８を常に押し上げ付勢して外刃１４の内面
に適当な圧力で接当するようにしてある。

振動子６のコ字状枠部１０のボス支持枠片１０
ｃの内部には上下貫通状のピン孔１１を有するボ
ス１２が一体に突設され、該ピン孔１１にモータ
２の出力軸３上の偏心ピン５が挿入されて、モー
タ２の一定方向の高速回転に伴つて可動板部１９
が一体成形ヒンジ１８の弾性変形を介して左右方
向に振動し、内刃８を同一方向に往復駆動させ
る。

振動子６は片持ち状に支持されていてもその左
右方向の往復振動が安定良く、円滑かつ軽快に行
われるように、可動板部１９の下面に左右方向に
長く設けた溝２５と上壁板１ａ間にボール２６を
介在させてある。

かくして、本考案は振動子６においてボス１２
の外周の前後に突部１３，１３を前後枠片１０
ａ，１０ｂに向けて突設する点に特徴を有する。

このようにボス１２の外周の前後に突部１３，
１３を設けておくと、ボス１２と前後枠片１０
ａ，１０ｂ間の空隙Ｓが該突部１３，１３で埋め
合わされる形となるため、モータ２を取付けたう
えで振動子６を組付けるときも偏心ピン５が誤つ
てボス１２と前後枠片１０ａ，１０ｂ間に挿入す
るのを突部１３，１３で確実に受け止め阻止する
ことになり、また偏心ピン５が正規にピン孔１１
に挿入された場合、駆動状態において、偏心ピン
５によりボス１２が必要以上に振れ変形しても、
突部１３がこれに対向する前後枠片１０ａ，１０
ｂに接当してストツパーとして作用し、必要以上
の振れ変形を阻止して、ボス１２基部の変形や破
損を防止することになる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案に係る電気かみそ
りの一実施例を示しており、第１図は電気かみそ
りの振動子およびモータの斜視図、第２図は電気
かみそりの一部切欠き正面図、第３図は第１図に
おける−線断面図である。第４図は従来例の
電気かみそりの振動子を示す斜視図である。 ２……モータ、３……出力軸、５……偏心ピ
ン、６……振動子、８……内刃、１０……コ字状
枠部、１１……ピン孔、１２……ボス、１３……
突部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 往復動式の内刃８とモータ２の出力軸３上の偏
   心ピン５との間に、モータ２の回転運動を内刃８
   の往復直線運動に変える弾性変形可能でかつ対向
   する一対の前後枠片１０ａ，１０ｂと両者の先端
   を連結するボス支持枠片１０ｃとからなるコ字状
   枠部１０を有するプラスチツク製の振動子６が配
   置され、該振動子６の上記ボス支持枠片１０ｃの
   内面一部から、偏心ピン５が挿入されるピン孔１
   １を有するボス１２が一体に突設されるととも
   に、ボス１２の周囲に上記前後枠片１０ａ，１０
   ｂとそれぞれ対向し、ボス１２とコ字状枠部１０
   間の空隙Ｓに偏心ピン５が挿入されるのを阻止す
   るための突部１３を設けてあることを特徴とする
   往復動式電気かみそり。