JPH0467002B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0467002B2
JPH0467002B2 JP61164445A JP16444586A JPH0467002B2 JP H0467002 B2 JPH0467002 B2 JP H0467002B2 JP 61164445 A JP61164445 A JP 61164445A JP 16444586 A JP16444586 A JP 16444586A JP H0467002 B2 JPH0467002 B2 JP H0467002B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cam
rocker arm
chip
wear
tuft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP61164445A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6321307A (ja
Inventor
Makoto Kano
Ichiro Tanimoto
Yoshihiro Marai
Akira Fujiki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP16444586A priority Critical patent/JPS6321307A/ja
Publication of JPS6321307A publication Critical patent/JPS6321307A/ja
Publication of JPH0467002B2 publication Critical patent/JPH0467002B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Gears, Cams (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
[発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、例えば、自動車用内燃機関の動弁
系に使用される高クロム鋳鉄ロツカーアームチツ
プに関するものである。 (従来の技術) 従来、自動車用内燃機関の動弁系に使用される
ロツカーアームとしては、例えば特開昭56−
84442号公報に開示されているように、ロツカー
アームの全体を高クロム鋳鉄から製作したものが
ある。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、このような従来の高クロム鋳鉄
製のロツカーアームにあつては、 (1) 相手材であるカムに対する攻撃性が大きいこ
と、 (2) 耐食性がさほど良くないこと、 などの問題点を有していた。 (発明の目的) この発明は、このような従来の問題点に着目し
てなされたもので、ロツカーアーム自身の耐食性
および耐摩耗性に著しく優れているのみならず、
相手材であるカムに対する攻撃性が著しく小さ
く、カムの摩耗量をも大幅に低減することが可能
であるロツカーアームチツプを提供することを目
的としている。 [発明の構成] (問題点を解決するための手段) この発明によるロツカーアームチツプは、重量
%で、Cr:10〜20%、C:2.0〜3.5%、P:0.05
〜0.3%、Si:1.0〜2.0%、Mn:0.5〜1.0%、Ni:
0.3〜1.0%を含み、残部Feおよび不純物の高Cr鋳
鉄からなり、鋳造後に、必要に応じて浸炭処理
と、必須としてタフトライド処理(軟窒化処理)
を行つたカム摺動面の脆いタフト化合物層を除去
して表面に10μm以下の強固なタフト化合物層と
窒素拡散層と必要に応じて浸炭層を有してなるこ
とを特徴としている。 この発明による高クロム鋳鉄ロツカーアームチ
ツプは、上記の構造を有するものであるから、チ
ツプ自体の耐食性および耐摩耗性に優れているば
かりか、相手材であるカムに対する攻撃性が非常
に少ないため、とくに自動車用のエンジン、とり
わけ摩耗が厳しいデイーゼルエンジンやLPGエ
ンジンのバルブ開閉に用いるバルブロツカーアー
ムチツプとして適しているが、この発明において
上記の高クロム鋳鉄を素材とすることとした各合
金成分の添加理由(重量%)について以下に説明
する。 Crは各種の炭化物を形成すると共に、ち密な
酸化膜を生成して、ロツカーアームチツプの耐食
性および耐摩耗性を向上させるのに有効な元素で
ある。しかしながら、Cr含有量が10%未満では、
ロツカーアームチツプの耐食性が低下するため
に、当該チツプおよび相手材であるカム摩耗量が
著しく増加してしまい、反対にCr含有量が20%
を超えると、チツプ摩耗量は少ないもののカム摩
耗量が増加するので好ましくない。 また、Cはロツカーアームチツプの耐摩耗性を
向上させるのに有効な元素であるが、C含有量が
2.0%未満では硬質炭化物の析出量が不足するた
めにチツプの耐摩耗性が低下し、反対にC含有量
が3.5%を超えるとマトリツクス強度が低下し、
硬質炭化物が脱落しやすくなるためにチツプおよ
びカムのいずれの摩耗量も大きくなつてしまうの
で好ましくない。 Pは鋳鉄組織中に硬質のステダイト(Fe−Fe3
C−Fe3P)として存在してロツカーアームチツ
プの耐摩耗性を向上させるが、0.05%未満では耐
摩耗性の向上が見られず、0.3%を超えるとステ
ダイト中のFe3Cが増加して硬くかつ脆くなるた
めに好ましくない。 Niは靱性の向上に役立つ元素であるが、0.3%
未満ではその効果がなく、1.0%を超えるとオー
ステナイト化が進み、凝着摩耗を生ずるので好ま
しくない。 また、SiおよびMnの含有量については、鋳造
組織を良好にするために、それぞれSiは1.0〜2.0
%、Mnは0.5〜1.0%に規定した。 そして、この発明によるロツカーアームチツプ
においては、上記の合金成分を含む高クロム鋳鉄
を開いて鋳造により製作したロツカーアームチツ
プのカムとの摺動面にタフトライド
(Tufftride;軟窒化)処理が施してあり、当該タ
フトライド処理を行つたカム摺動面の脆いタフト
化合物層を除去して表面に10μm以下のの強固な
タフト化合物層と窒素拡散層を有するようにして
いる。すなわち、カム摺動面にタフトライド処理
を施さなかつた場合には、耐食性をより向上させ
ることができないと共に、特に相手材であるカム
とのなじみ性を良好なものとすることができず、
カムを著しく摩耗させてしまうこととなるため、
少なくともカム摺動面にタフトライド処理を施す
こととした。 また、タフトライド処理を行つても、表面の脆
い硬質タフト化合物層をそのままにしておいた場
合には、カムとの摺動面に硬質粒子がかみ込ん
で、当該カムに対する攻撃性が著しく増加してし
まうので、タフトライド処理を行つたカム摺動面
の表面にある脆い硬質タフト化合物層を除去し
て、表面に10μm以下の強固なタフト化合物層と
窒素拡散層を有するようにした。この場合、タフ
ト化合物層の厚さが10μmを超えると相手材であ
るカムに対する攻撃性が大きくなるので、10μm
以下とした。 さらに、この発明によるロツカーアームチツプ
の他の実施態様においては、タフトライド処理を
施す前に、浸炭処理を施すようにし、当該浸炭処
理およびタフトライド処理を行つたカム摺動面の
脆いタフト化合物層を除去して、表面に高硬度の
浸炭層と強固なタフト化合物層と窒素拡散層を有
するようにすることもできる。このようにすれば
チツプ自身の耐摩耗性をより一層向上させること
ができるようになると共に、ロツカーアーム本体
の剛性強化をはかることができるようになる。 (実施例) 第1表のNo.1〜6に示した組成を有する高クロ
ム鋳鉄を用いてそれぞれ鋳造によりロツカーアー
ムチツプ粗材を製作し、これら各粗材を機械加工
した後S40C製のロツカーアーム本体にNiろう付
し、次いで一部の供試材(No.2,4〜6)に対し
て浸炭処理を施したのちチツプおよび他の部分を
機械加工して所定形状のロツカーアームを製作し
た。 次に、各ロツカーアームに対してタフトライド
処理を施してチツプ表面にタフト化合物を形成さ
せた後、バレル研磨等により脆い硬質のタフト化
合物層を除去し、チツプ表面に強固なタフト化合
物層と窒素拡散層とが存在する組織(第1図参
照;No.2の場合)を得た。 (比較例 1) 第1表のNo.7〜15に示した組成を有する高クロ
ム鋳鉄を用いてそれぞれ鋳鉄によりロツカーアー
ムチツプ粗材を製作し、これら各粗材を機械加工
した後S40C製のロツカーアーム本体にNiろう付
し、次いで浸炭処理を施したのちチツプおよび他
の部分を機械加工して所定形状のロツカーアーム
を製作した。 次に、一部のロツカーアーム(No.7〜11,14,
15)に対してタフトライド処理を施してチツプ表
面にタフト化合物を形成させた後、一部のチツプ
(No.7〜11,15)に対してバレル研磨等により脆
い硬質のタフト化合物層を除去した。 (比較例 2) 第1表のNo.16に示した組成を有する従来使用の
チル鋳鉄を用いてロツカーアームを製作し、浸炭
処理やタフトライド処理は行なわなかつた。
【表】
【表】 (試験例) 第1表に示した各種仕様のロツカーアームをエ
ンジンに組込み、第2表に示す条件によつて耐久
試験を行い、各ロツカーアームの耐摩耗性を調べ
た。
【表】 そこで、耐摩耗性の評価にあたつては、耐久試
験終了後のロツカーアームチツプとカムノーズト
ツプのそれぞれの最大摩耗深さ(μm)を測定し
た。この結果を第3図に示す。 第3図に示す結果から明らかなように、Cr含
有量が20%を超えている比較例のチツプ(No.7,
8)では、実施例のチツプ(No.1〜6)に比べて
チツプ自体の摩耗量は少ないもののカム摩耗量が
明らかに増加するので好ましくない。逆に、Cr
含有量が10%未満である比較例のチツプ(No.9)
においてはチツプの耐食性が低下するためにチツ
プおよびカムの摩耗量が著しく増加してしまう。 また、C含有量が2%未満である比較例のチツ
プ(No.10)では硬質炭化物の析出量が不足するた
めにチツプの耐摩耗性が著しく劣つており、逆に
C含有量が3.5%を超えている比較例のチツプ
(No.11)においては、マトリツクス強度が低下し
硬質炭化物が脱落しやすくなるために、チツプお
よびカムのいずれにおいても摩耗量が大きくなつ
てしまうので好ましくない。 次に、タフトライド処理を行つていない比較例
のチツプ(No.12,13)では耐食性と特になじみ性
が劣るためにカムを著しく摩耗させてしまう。 また、タフトライド処理を行つても、表面の脆
い硬質タフト化合物層を除去していない比較例の
チツプ(No.14)と、バレル研磨を行つても脆い層
を除去できないほど厚いタフト化合物層を有する
比較例のチツプ(No.15;第2図参照)では、カム
との摺動面に硬質粒子がかみ込み、カムへの攻撃
性が著しく増加してしまうので好ましくない。 最後に、従来から使用されてきた比較例のチル
鋳鉄(No.16)においては、耐食性が劣るためにカ
ムおよびチツプの両方とも大きく摩耗してしまう
ことが明らかである。 これに対して、特定の成分範囲を満足し、タフ
トライド処理を施すと共に、表面の脆い硬質タフ
ト化合物層を除去した実施例のチツプ(No.1〜
6)ではいずれも当該チツプおよびカムの摩耗量
がかなり少なくなつており、とくに浸炭処理を行
つたチツプ(No.2,4〜6)においては、チツプ
自身の耐摩耗性のより一層の向上と、ロツカーア
ームボデイの剛性のより一層の強化をはかること
ができることが明らかである。 [発明の効果] 以上説明してきたように、この発明によるロツ
カーアームチツプは、重量%で、Cr:10〜20%、
C:2.0〜3.5%、P:0.05〜0.3%、Si:1.0〜2.0
%、Mn:0.5〜1.0%、Ni:0.3〜1.0%、残部Feお
よび不純物の高Cr鋳鉄からなり、鋳造後に、必
要に応じて浸炭処理を行い、必須としてタフトラ
イド処理を行つたカム摺動面の表面にある脆い硬
質タフト化合物層を除去して表面に10μm以下の
強固なタフト化合物層と窒素拡散層と必要に応じ
て浸炭層を有してなるものであるから、ロツカー
アーム自身の耐食性および耐摩耗性に著しく優れ
ているのみならず、相手材であるカムに対する攻
撃性が著しく小さく、カムの摩耗量をも大幅に低
減することが可能であり、とくに使用条件の厳し
いデイーゼルエンジンやLPGエンジンのバルブ
開閉に用いるバルブロツカーアームチツプとして
も好適であるという非常に優れた効果がもたらさ
れる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例No.2における組成を
有する高クロム鋳鉄製のチツプを用いたロツカー
アームにタフトライド処理を施してバレル研磨し
たのちのチツプ表面の金属組織を示す金属顕微鏡
組織写真(260倍)、第2図は比較例No.15における
組成を有する高クロム鋳鉄製のチツプを用いたロ
ツカーアームにタフトライド処理を施してバレル
研磨したのちのチツプ表面の金属組織を示す金属
顕微鏡組織写真(260倍)、第3図は耐久試験後の
ロツカーアームチツプおよびカムノーズトツプの
各々最大摩耗深さを示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 重量%で、Cr:10〜20%、C:2.0〜3.5%、
    P:0.05〜0.3%、Si:1.0〜2.0%、Mn:0.5〜1.0
    %、Ni:0.3〜1.0%を含み、残部Feおよび不純物
    の高Cr鋳鉄からなり、鋳造後にタフトライド処
    理を行つたカム摺動面の表面にある脆い硬質タフ
    ト化合物層を除去して表面に10μm以下の強固な
    タフト化合物層と窒素拡散層を有してなることを
    特徴とするロツカーアームチツプ。
JP16444586A 1986-07-11 1986-07-11 ロッカ−ア−ムチップ Granted JPS6321307A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16444586A JPS6321307A (ja) 1986-07-11 1986-07-11 ロッカ−ア−ムチップ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16444586A JPS6321307A (ja) 1986-07-11 1986-07-11 ロッカ−ア−ムチップ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6321307A JPS6321307A (ja) 1988-01-28
JPH0467002B2 true JPH0467002B2 (ja) 1992-10-27

Family

ID=15793305

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16444586A Granted JPS6321307A (ja) 1986-07-11 1986-07-11 ロッカ−ア−ムチップ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6321307A (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56129710A (en) * 1980-03-17 1981-10-12 Toyota Motor Corp Rocker arm
JPS6043107A (ja) * 1983-08-18 1985-03-07 Mitsubishi Metal Corp 内燃機関用動弁部材

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56129710A (en) * 1980-03-17 1981-10-12 Toyota Motor Corp Rocker arm
JPS6043107A (ja) * 1983-08-18 1985-03-07 Mitsubishi Metal Corp 内燃機関用動弁部材

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6321307A (ja) 1988-01-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2506333B2 (ja) 耐摩耗性鉄基焼結合金
US4870931A (en) Rocker arm having wear resistant scuffing resistant portion
EP0371760B1 (en) High strength high chromium cast iron and valve rocker arm made thereof
US4761344A (en) Vehicle component part
JPS6070163A (ja) 耐摩耗性焼結合金部材
JPS6365056A (ja) 耐摩耗性鉄基焼結合金
JPH07113141B2 (ja) 耐摩耗性鉄基焼結合金
JPH07103451B2 (ja) 耐摩耗性鉄基焼結合金
JPH0467002B2 (ja)
JPH0639095Y2 (ja) ディーゼル機関用燃料噴射ノズル
JP2733773B2 (ja) ロッカアーム
JP2594505B2 (ja) ロッカアーム
JP2002194500A (ja) ピストンリング
JPS6367542B2 (ja)
JP2866868B2 (ja) ピストンリング材
JPS597003B2 (ja) 内燃機関用動弁機構
JPH03122257A (ja) ピストンリング材
JPS6164854A (ja) 耐摩耗性焼結合金
JPS6063349A (ja) 内燃機関の動弁系部材
JPH0264210A (ja) ロッカアーム
JPH05248540A (ja) ピストンリングの組合せ
JPS6063350A (ja) 内燃機関の動弁系部材
JPH076027B2 (ja) 耐摩耗性鉄基焼結合金の製造方法
CN114836682A (zh) 通过氮化铝强化的马氏体耐磨合金
JPH0264209A (ja) ロッカアーム

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term