JPH0466556B2 - - Google Patents

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JPH0466556B2
JPH0466556B2 JP63215865A JP21586588A JPH0466556B2 JP H0466556 B2 JPH0466556 B2 JP H0466556B2 JP 63215865 A JP63215865 A JP 63215865A JP 21586588 A JP21586588 A JP 21586588A JP H0466556 B2 JPH0466556 B2 JP H0466556B2
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natto
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hos80
culture
bacillus
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 この発明は納豆菌に関し、特にその菌により熟
成させた食品が糸引性を有しない新規な納豆菌
HOS80に関する。 〔従来の技術と解決すべき課題〕 熟成納豆は、良質の植物性蛋白質が適度に分解
されて消化性が良く、栄養価が高いだけでなく、
美味しく、安価であり、しかも保存性に優れてい
るなどの利点を備えた、優れたバランス食品であ
る。しかも近時、納豆の中から脳血栓の予防・治
療薬となる線溶酵素が多量に含まれているのが発
見される等、納豆の価値が見直されてきている。
しかし、納豆は特有の糸引性を有するため、納豆
を食するとき、その粘質物が唇や食器に付着して
容易に取れず、人に不快感や嫌悪感を与えてしま
うことがある。また、納豆熟成後は取り扱いが困
難となり、後加工ができない等、糸引性が有るた
め納豆の普及が制限されあるいは副食物としての
利用に限定されている等、利用分野が制限されて
いた。 そこで、納豆の糸引性に関して研究が為され、
糸引性を有しない納豆菌の開発が為された。すな
わち、九州大学の原教授は納豆菌からプラスミド
を取り出し、プラスミドのない納豆菌により熟成
した納豆は糸引がないことを見出したのである。
具体的には、納豆菌からプラスミドを取り出すこ
とにより、その納豆菌のγ−GTPase(グルタミ
ル トランス ペプチターゼglutamyl trans
peptidase)活性がほぼ0となることから、公知
の納豆菌を突然変異させることによつて得られた
納豆菌変異株からγ−GTPase活性がほぼ0の納
豆菌(以下、HOS−0株と言う。)を選び出して
培養し、そのHOS−0株により製造した納豆に
は糸引性がほとんどなかつたのである。 しかしながら、HOS−0株により製造した納
豆には疎水性アミノ酸(チロシン)がほとんど析
出せず、強い苦味が残つてしまうという問題があ
つた。そのため、製造した納豆から苦味を消すた
めに食塩を添加する必要があるなど、用途が限定
されるものであつた。 本発明者においても納豆菌の糸引性に関して長
年研究を続けており、その結果、γ−GTPase活
性が親株の50%以上もあるのにかかわらず、熟成
した納豆に糸引性が実質的にほとんどなく、しか
も極めて苦味の少ない納豆菌を見出したのであ
る。 〔課題を解決するための手段〕 本発明に係る納豆菌HOS80の要旨とするとこ
ろは、バチラス・ズブチリス(Bucillus
subtilis)に属し、γ−STPase活性が100単位以
上で有り、且つ熟成させた蛋白が実質的に糸引性
を有しないことにある。 〔作 用〕 ここで、「実質的に糸引性を有しない」とは、
たとえば乾燥、凍結乾燥、粉体混合などの手段が
施されていない未加工状態の熟成蛋白が、熟成蛋
白に特有の糸引性を有しないことを言う。また、
「熟成」とは、蛋白が分解されていつて、旨味
が出る。ペプチドの増加が見られる。後期にな
ると、分解されて生じたアミノ酸の疎水性アミノ
酸(チロシン)の結晶が生じて来る。柔らかく
なる、状態を言う。 本発明に係る納豆菌HOS80は、公知の納豆菌
を突然変異させることによつて得られる納豆菌変
異株から製造される。 変異株を得るために使用する納豆菌としては、
たとえばバチラス・ズブチリス(Bucillus
subtilis枯草菌)に属するビオチン(biotin)要
求性を有する公知の納豆菌がいずれも親株として
使用できる。その具体例としては、たとえば宮城
野納豆菌、高橋菌、旭川菌、松村菌、成瀬菌など
を挙げることができる。 突然変異の方法としては、たとえば突然変異源
を接触させる方法、遺伝子操作による方法、X
線、紫外線、光などを照射する方法など、公知の
方法をいずれも採用することができる。 突然変異の方法として好適な突然変異源を接触
させる方法によれば、親株である公知の納豆菌を
突然変異源を加えた栄養培地で培養し、得られた
変異株からγ−GTPase活性が100単位以上の菌
株がスクリーニングされる。得られたγ−
GTPase活性が100単位以上の変異株を用いて発
酵食品、たとえば納豆を製造し、その中から風味
を損なわず、且つ実質的に糸引性のない納豆を製
造し得る菌株が出されるのである。 ここで、製造された発酵食品にチロシンを析出
させ、極めて苦味の少ない発酵食品を得るために
は、変異株のγ−GTPase活性が100単位以上、
好ましくは200単位以上となるように親株が選定
される。 また、突然変異源とては公知のものがいずれも
使用でき、たとえばアクリジンオレンジ、N−メ
チル−N′−ニトロ−N−ニトロソグアニジン、
ジメチル硫酸などの薬剤を挙げることができる。
更に、突然変異源の接触濃度は、使用する突然変
異源により異なつて特に制限されないが、通常こ
のよな操作を行う場合と同程度で良い。たとえ
ば、アクリジンオレンジでは通常1〜200mcg(マ
イクログラム)/ml程度とすれば良い。 栄養培地としては公知のものがいずれも使用で
き、たとえば肉エキス、ペプトン、子牛血漿、寒
天、ゼラチン、食塩などを添加した培地、肉汁培
地、肉汁寒天培地、肉汁ゼラチン培地、リトマス
ミルク、MEM培地などを挙げることができる。
培養は、静置培養、振盪培養などの公知の方法に
従つて行えば良い。培養温度及び時間は、通常の
親株の納豆菌の培養と同じで良く、培養温度は通
常30〜45℃程度で、培養時間は1〜5日程度で良
い。 このようにして得られた突然変異株の具体例と
しては、Bucillus subtilis HOS80(工業技術院微
生物工業技術研究所に微工研菌寄第10195号
(FERM P−10195)なる受託番号で寄託されて
いる。以下「HOS80株」とする。)を挙げること
ができる。HOS80株は、親株として宮城野納豆
菌を用いて、この宮城野納豆菌を突然変異させて
得られた変異株である。 HOS80株の菌学的性質を示す。 (a) 形態 形状;桿状 大きさ;2.3〜3.5×0.7〜0.9μm 胞子の有無;有 胞子の大きさ;0.8×1.6〜1.8μm 胞子の形状;楕円状 胞子嚢膨脹の有無;無 胞子の部位;中央 グラム染色性;陽性 (b) 普通寒天培地での生育状態(25℃で25時間培
養) 形状;環状 表面;粗く、皺がある 周縁部;波状 色相;不透明、クリーム色 (c) ゼラチン穿刺培養 生育の状態;+ 液 化;層状 (d) 嫌気性寒天培地での生育の有無;− (e) サブロー蔗糖培地での生育の有無;+ (f) リトマスミルクでの生育の有無;資化した。 凝固することなくカゼインを分解 (g) 生理学的性質 カタラーゼ;+ オキシダーゼ;+ デンプンの加水分解;+ ゼラチンの加水分解;+ リジン デカルボキシラーゼ;− アルギニン ジヒドラーゼ;− オルニチン デカルボキシラーゼ;− インドールの生成;− 硝酸塩の還元;+ エスキユリン;+ ウレアーゼ;− クエン酸の利用;+ フエニルアラニン デアミナーゼ;− 卵黄反応;− 生育の範囲 55℃;− 50℃;+ 20℃;+ 7℃;− 5℃;− グルコースからのガスの生成;− アセトインの生成;+ 下記の糖類から酸の生成の有無 グルコール;+ キシロース;;+ フルクトース;+ マニトール;+ マルトース:+ シユクロース;+ ガラクトース;− ラクトース;± β−ガラクトシダーゼ;+ ビオチン要求性;+ 塩化ナトリウム5%存在下における生育;+ 塩化ナトリウム5%存在下における生育;+ リゾチーム0.001%存在下における生育;+ アジド0.02%存在下における生育;− 上記した変異株における菌学的性質は、細胞及
び胞子の大きさが僅かに異なることを除いて、親
株である宮城野納豆菌のそれと一致するが、
HOS80株は実質的に糸引性を有しない納豆を製
造し得る点において、親株である宮城野納豆菌と
は明確に区別し得るものである。 得られた納豆菌HOS80を用いて、公知の方法
にしたがつて納豆を製造した。先ず、大豆を洗浄
した後、水に浸漬して、大豆を1.5〜3.0倍程度、
好ましくは2.0〜2.5倍に膨潤させる。次に、その
大豆を加圧蒸気にて圧力1.5〜2.0Kg/cm2程度の下
で10〜30分程度、蒸煮するかあるいは直接加熱し
て煮た後、これを80℃以下程度に冷却する。その
後、これにHOS80を接種して、30〜50℃の温度
の下で12〜80時間程度培養し、納豆が製造され
る。HOS80による熟成時間は親株の約1.2倍程度
必要とした。 このようにして得られた納豆には親株に見られ
るような糸引性を有しないが、場合によつてはヌ
メリ感を有していることがある。また、納豆が熟
成するにしたがつて、蛋白が分解されていつて、
旨味が出るとともに柔らかくなり、ペプチドの増
加が見られた。そして、後期になると分解されて
生じたアミノ酸の疎水性アミノ酸(チロシン)の
結晶が生じてきた。チロシンの析出は、理論的解
明は充分ではないが、納豆菌HOS80が親株の50
%以上のγ−GTPase活性(約200単位以上)を
備えているためと考えられる。したがつて、極め
て苦味のない納豆が得られ、また風味なども何ら
損なわれていない。 本発明に係る納豆菌HOS80は納豆に代表され
る大豆の他、グリンピース等の豆類、とうもろこ
しや小麦等の穀類、その他、種実類、いも類、果
実類、きのこ類、藻類など蛋白質を含有する食物
に対して適用し得るものである。 〔実施例〕 次に、本発明を実施例により、一層詳しく説明
する。 実施例 1(HOS80株の製造) 肉エキス1%、ペプトン1%及び食塩0.5%を
含む液体栄養培地(以下「液体培地」と言う)で
培養した宮城野納豆菌を遠心分離で集菌し、0.5
mg/mlのN−メチル−N′−ニトロ−N−ニトロ
ングアニジン(NTG)を含む1/10Mりん酸
Buffer(PH6.8)に懸濁し、氷冷しながら30分放
置した。その後、遠心分離で菌を集め、同
Bufferで3回洗浄してNTGを洗い落とす。その
後、肉エキス1%、ペプトン1%、食塩0.5%、
寒天2%を含む平板培地に塗抹し、40℃で24時間
培養した後、生育したコロニーのうち200個を無
差別に捨いあげて、それぞれの菌株について納豆
を製造し、継代培養を繰り返しても実質的に糸引
性のない納豆を製造し得る菌株を選び出し、その
後γ−GTPase活性を測定して、γ−GTPase活
性が100単位以上の菌を選定した。このようにし
て安定な突然変異株であるHOS80株を得た。 実施例 2(γ−GTPase活性の測定) γ−GTPase活性の測定は、バイオキミカエ
バイオフイジカ アクタ(Biochimica et
Biophysica Acta,73(1963)679〜681)に記載
の方法に従つて、以下のようにして行つた。 (a) 試料の調製 実施例1で得られたHOS80株を下記の各成分
からなる前培養培地にそれぞれ接種し、165r.p.m
で振盪させつつ37℃で7日間及び14日間それぞれ
培養させる振盪培養を行つた。得られた各々の培
養液を10000r.p.m、5分間で遠心分離し、上澄を
酵素液とした。 前培養培地(PH6.8に調整) ペプトン 1.2% クエン酸 0.2% グリセロール 2.0% NH4Cl 0.7% K2HPO4 0.05% MgSO47H2O 0.05% FeCl37H2O 0.004% ビオチン 0.1μg/ml (b) 酵素活性測定方法 下記の各成分を、PH9.0の50mMトリス緩衝液
20mlに溶解して、基質溶液を調製した。 基質溶液 L−γ−グルタミル−p−ニトロアニリド・1
水和物(基質) ;29mg MgCl2 ;41mg グリシルグリシン ;166mg 上記7日培養の酵素液と14日培養の酵素液のそ
れぞれについて、その酵素液0.1mlと得られた基
質溶液3mlとを混合し、37℃で所定時間(0分、
4分、6分、8分、10分)反応させた後、吸光光
度計により波長410nmの吸光度を測定した。 結果を第1図に示す。 γ−GTPase活性の1単位は、上記反応条件下
(37℃)にp−ニトロアニリド1μmolを遊離する
酵素量とし、γ−GTPase活性は吸光度の時間に
対する変化率に一定値を乗じた値であらわす。 HOS80株のγ−GTPase活性は7日培養では
291単位であり、14日培養では271単位であつた。 結果を第1表に示す。 比較例 1 実施例2と同様の条件で、親株である宮城野納
豆菌について、γ−GTPase活性を調べた。 すなわち、親株を7日間及び14日間、実施例2
と同じ条件で振盪培養を行つた後、同様にして酵
素液を調製した。得られた酵素液について、実施
例2と同様に基質溶液と混合して、吸光光度計に
より吸光度を測定した。 結果を第1図に示す。 親株のγ−GTPase活性は、7日培養では455
単位であり、14日培養では388単位であつた。結
果を第1表に示す。 比較例 2 実施例2と同様の条件で、従来技術で述べた原
教授によつて提案されたHOS−0株について、
γ−GTPase活性を調べた。 すなわち、HOS−0株を7日間及び14間、実
施例2と同じ条件で振盪培養を行つた後、同様に
して酵素液を調製した。得られた酵素液につい
て、実施例2と同様に基質溶液と混合して、吸光
光度計により吸光度を測定した。 結果を第1図に示す。 HOS−0株のγ−GTPase活性は、7日培養
では6単位であり、14日養培では17単位であつ
た。結果を第1表に示す。
【表】 実施例 3 実施例1で得られたHOS80のうち、実施例2
で使用したものとは異なる菌株を用いて、γ−
GTPase活性を調べた。 (a)試料の調製及び(b)酵素活性測定方法は実施例
2と全く同様に行つた。但し、振盪培養は7日培
養のみで、14日培養は行わなかつた。その結果、
吸光度と時間との関係は第2図に示す通りで、γ
−GTPase活性は307単位であつた。 比較例 3 実施例3で用いたHOS80株を製造するのに用
いた親株を使用して、実施例3と同様の条件でγ
−GTPase活性を調べた。 その結果、吸光度と時間との関係は第2図に示
す通りで、γ−GTPase活性は427単位であつた。 比較例 4 比較例3で用いた親株を使用してHOS−0株
を製造した。このHOS−0株を使用して、実施
例3と全く同様の条件で、γ−GTPase活性を調
べた。 その結果、吸光度と時間との関係は第2図に示
す通りであり、γ−GTPase活性は0単位であつ
た。 実施例 4 精選大豆を洗浄して、2.0〜2.5倍に膨潤するま
で水に浸漬した。これを、加圧蒸気により圧力
2.0Kg/cm2の下で20分間蒸煮した後、80℃以下ま
で冷却し、この大豆に実施例1で得られた
HOS80株を接種した。HOS80株を接種した大豆
を、40℃で24時間保持し、熟成納豆を製造した。
得られた納豆は納豆特有の良好な風味を有し、ま
た保存性にも優れていた。 次に、得られた納豆について、次のようにして
糸引性を調べた。 得られた納豆2個をくつつけた状態からゆつ
くり引き離して、納豆の間に形成される糸が切
れるまでの距離を測定した。 その結果、納豆を数mm引き離しただけで糸が
切れ、実質的に糸引性を有していなかつた。 得られた納豆100gを水200mlに溶解し、これ
に最終濃度が85%となるようにエチルアルコー
ルを添加した。 その結果、溶液はほぼ均一な濁りを生じ、ガ
ラス棒で攪拌しても、ガラス棒には何も付着し
なかつた。 比較例 5 親株である宮城野納豆菌を用いて、実施例3と
同様の条件で、納豆を製造した。得られた納豆に
ついて、実施例3と同様に、糸引性を調べた。 その結果、くつつけた納豆を10数cm以上引き
離しても、糸は切れなかつた。 その結果、糸状物が析出し、ガラス棒で攪拌
すると、ガラス棒にその糸状物が付着して、巻
き取ることができた。 実施例 5 HOS80株でプログラム培養納豆を製造し、そ
の納豆を冷蔵保存して、保存中における納豆の品
質の変化を肉眼的観察と酸可溶性ペプチドの測定
により調べた。 (a) 試料の作成 常法により煮豆を作り、この煮豆にHOS80株
を接種した後、カツプに盛り込んでプログラム培
養した。プログラム培養は、第3図に示すよう
に、温度40℃、湿度93%で9時間保持した後、湿
度93%の状態で温度を40℃から52℃まで4時間か
けて徐々に上昇させ、その後温度52℃、湿度93%
で4時間保持し、その後、温度を52℃から35℃に
なるまで一気に下げ、3時間保持するものであつ
た。その時の湿度は60%であつた。 プログラム培養をして得られた納豆を冷蔵庫に
保存して、経時的に肉眼的観察及び酸可溶性ペプ
チドの測定を行つた。 (b) 酸可溶性ペプチドの測定法 サンプル液の調製 納豆5gを正確に測り取り、水を95g加えて
(20培希釈)、充分にホモゲナイズした。この液10
gに0.44M TCA10gを加えてよく混合し、室温
で2時間以上抽出(40培希釈)した後、濾紙にて
濾過し、更に、0.45μmフイルターにて濾過した
ものをサンプル液とした。 測定 サンプル液 ;0.5ml 蒸留水 ;0.5ml 0.44M CaCO3 4ml 2倍希釈フオリン試薬 ;1ml サンプル液に蒸留水、0.44M CaCO3及び2倍
希釈フオリン試薬を所定量加えた後、室温で30分
間反応させ、その後、0.D.660nmで吸光度の測定
を行つた。 測定は初日、4日後、7日後及び14日後に上述
の方法により行つた。測定結果を第2表及び第4
図に示す。表中、Blankはサンプル液の代わりに
蒸留水を用いた。 (c) 結果 肉眼的観察 外観的に、少し色が濃くなつた。 酸可溶性ペプチドの測定 冷蔵保存により、酸可溶性ペプチドが経時的に
わずかながら増加していた。この結果より、
HOS80株は冷蔵保存中にいても、熟成が進むこ
とがわかつた。 比較例 6 HOS−0株を用いて、実施例5と同様の条件
で試料を作成するとともに肉眼的観察と酸可溶性
ペプチドの測定を行つた。 肉眼的観察 外観的に、14日経過後も変化は認められなかつ
た。 酸可溶性ペプチドの測定 冷蔵保存中、酸可溶性ペプチドは経時的測定に
おいて、ほとんど増加していなかつた。この結
果、HOS−0株は冷蔵保存中、ほとんど熟成し
ないことがわかつた。
〔発明の効果〕
本発明に係る納豆菌HOS80によれば、親株で
ある従来の納豆菌が備えていた優れた特質を兼ね
備えている。したがつて、納豆菌HOS80によつ
て製造された発酵食品は、糸引性が実質的にない
点を除いて、従来の納豆と同様に、旨味があると
ともに消化性に優れて栄養価が高く、しかも保存
性に優れ、極めて苦味が少ないという利点を備
え、安価な発酵食品を提供することが可能となつ
た。HOS80によつて熟成された発酵食品には実
質的に糸引がないため、あらゆる人に不快感を与
えることはなく、またいわゆる副食物としての用
途だけに止まらず、菓子などの用途にも利用で
き、更に、食品素材として後加工を自由に施すこ
とが可能となる等、本発明は優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は熟成蛋白のγ−GTPase活性を算出す
るため、吸光度と時間との関係を示すグラフであ
る。第2図は本発明の他の実施例と比較例におい
て、γ−GTPase活性を算出するため、吸光度と
時間との関係を示すグラフである。 ただし、〇はHOS80株の7日培養 ●はHOS80株の14日培養 △は親株の7日培養 ▲は親株の14日培養 □はHOS−0株の7日培養 ■はHOS−0株の14日培養、 をそれぞれ示す。 第3図は本発明の他の実施例におけるプログラ
ム培養を説明するための図であり、第4図は冷蔵
保存における吸光度と経時日数との関係を示すグ
ラフである。 ただし、〇はHOS80株 □はHOS−0株、 をそれぞれ示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 バチラス・ズブチリス(Bucillus subtilis)
    に属し、γ−GTPase活性が100単位以上で有り、
    且つ熟成させた蛋白が実質的に糸引性を有しない
    ことを特徴とする納豆菌HOS80。
JP63215865A 1988-08-29 1988-08-29 納豆菌hos80 Granted JPH0265777A (ja)

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