JPH04660Y2

JPH04660Y2 -

Info

Publication number: JPH04660Y2
Application number: JP1983088220U
Authority: JP
Priority date: 1983-06-08
Filing date: 1983-06-08
Publication date: 1992-01-10
Also published as: JPS59193239U

Description

【考案の詳細な説明】従来、扱室の下方に揺動選別体を架設した脱穀
機は、揺動選別体の揺動作用により、機体が著し
く振動すると共に大きな騒音を発生する欠点があ
つた。

このような振動を防止する方法として、第５図
に示すように揺動選別体ａを一番螺旋軸ｂに取付
けたクランクアームｃによりリンクｄを介して駆
動すると共に前記クランクアームｃにバランスウ
エイトｗを取付けることが提案されたが、揺動選
別体ａの慣性力とバランスウエイトｗの遠芯力と
が釣り合うようにした場合、バランスウエイトの
回動中心になる一番螺旋軸ｂと機体重心Gsとの
水平距離ex′及び垂直距離ey′が極めて大であるた
め、揺動選別体ａがその揺動幅の中間に移動して
慣性力が略Ｏになり、バランスウエイトｗの遠芯
力が直下又は直上を向いて上下方向の分力が最大
になつた時、機体を上下動させる機体重心Gs回
りの極めて大きなモーメントが発生して機体が振
動する欠点があつた。

本考案は揺動選別体による機体の振動を防止し
て操縦者の疲労及び騒音が少なく、振動による損
傷が少なく、耐久性を向上させることができる脱
穀機を提供せんとするものであつて、扱室の下方
の選別部に揺動選別体を支架した脱穀機におい
て、機体重心を通る鉛直線上若くはそれに近接さ
せると共に、揺動選別体の下面に接近した部位
に、バランサー軸を揺動選別体の支持軸とほぼ平
行に支架し、該バランサー軸を揺動選別体が１往
復動すると１回転するように揺動選別体に連動連
結し、前記バランサー軸に揺動選別体の慣性力と
逆向きの遠芯力を発生させるバランサーを機体重
心と機幅方向にて対応する部位で作用するように
取付けたことを特徴とするものである。

以下、図面に示す実施例について説明すると、
１はコンバイン又は自走自脱等の機台上に搭載す
る脱穀機であつて、扱室２内には扱胴３を軸架
し、受網４の下方から一番受樋５及び二番受樋６
の上方は送風唐箕７ａと吸引風車７ｂとにより選
別風路に構成されており、該選別風路には受網４
からの漏下物を移送選別する揺動選別体８が前後
一対ずつの揺動アーム１０，１０により前後揺動
するように支架されている。

１１は機体重心Gsを通る垂線上乃至揺動選別
体８と直交する線上にあつて前記揺動選別体８の
下面に近接させて側壁１２，１２に支架したバラ
ンサー軸であつて、一端には入力プーリー１３を
固定し、該入力プーリー１３と側壁１２との間及
び他方の外端とに一対のバランサー１４，１４を
固定し、前記バランサー軸１１の中央部はクラン
クアーム１１ａに形成してあり、該クランクアー
ム１１ａは第１図及び第４図に示すように揺動選
別体８の下面横幅の中央に設けた受ピン１５に、
ロツド１６で連結してあるので、バランサー軸１
１が１回転すると揺動選別体８が１往復動し、後
方の揺動アーム１０の上部の連結端P₁はP₁′と
P₁″の間を前後揺動し、上記バランサー１４，１
４は揺動選別体８が前移動端部に達すると、後向
きでかつ揺動選別体８と平行になり、後移動端部
に達すると、前向きでかつ揺動選別体８と平行に
なるように装着されている。

なお、図面中、１７は扱胴軸の入力プーリー、
１８は入口案内板、１９，２０は可撓シール、２
１は扱室天板である。

前述の脱穀機１において、扱室２内で発生した
脱穀物は受網４を漏下して移送選別され、穀粒は
一番受樋５へ、また穂切を含む二番物は二番受樋
６に落入する。

そして、揺動選別体８が前後揺動する際に発生
する慣性力Fd（Gdは揺動選別体８の重心位置）
に対して、バランサー１４，１４の遠芯力Fbの
揺動選別体８と平行な方向の分力Fbxが逆向きに
作用して上記慣性力を打消し、揺動選別体８の前
後揺動による振動を防止する。

揺動選別体８がその揺動幅の中間にあつて、バ
ランサー１４，１４が直上又は直下を向いて、直
下又は直上へ向かう遠芯力Fbの垂直分力Fbyが
最大になつた時でも、バランサー軸１１と機体の
重心Gsとの水平間隔exは０であるか、多少前後
に偏位させても僅かであり、また、バランサー１
４が揺動選別体８と平行になつた時（Fbx最大）、
Fbの水平分力FbxとFdのGsに対する距離ey₁，
ey₂の差が極めて小さいので、Fd及びFbxにより
生ずるモーメントの差も極めて小さくなる。即
ち、機体重心Gsに対する揺動選別体８とバラン
サー軸１１との水平方向及び垂直方向の距離差が
極めて小さいので、バランサー１４，１４が回動
することにより発生するモーメントに基ずく振動
を抑制することができる。

また、左右のバランサー１４，１４は第４図に
示すように機体の幅方向において、機体重心Gs
との水平距離が等しいので、それぞれのバランサ
ー１４，１４の回転により発生する遠芯力Fy₁，
Fy₂に基ずくモーメントは逆向きで等しいので、
互いに打消し合つて機体振動を起こすことがな
い。

本考案は、前述のように扱室の下方の選別部に
揺動選別体を支架した脱穀機において、機体重心
を通る鉛直線上若しくはそれに近接させると共
に、揺動選別体の下面に近接した部位に、バラン
サー軸を揺動選別体の支持軸とほぼ平行に支架
し、該バランサー軸を揺動選別体が１往復動する
と１回転するように揺動選別体に連動連結し、前
記バランサー軸に揺動選別体の慣性力と逆向きの
遠心力を発生させるバランサーを機体重心と機幅
方向にて対応する部位で作用するように取付けた
ので、揺動選別体の揺動による慣性力をバランサ
ーの回転による遠心力により減殺し得て機体の揺
動方向の振動を低減することができ、しかも、バ
ランサーの機体に対する作用点と、機体重心との
前後方向（揺動選別体の揺動方向）距離、及び横
方向距離、並びに上下方向距離が殆どないか乃至
は小さいので、バランサーの回転に基づく機体の
前後方向、上下方向及び横方向の振動を著しく小
さくすることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図は脱穀機の縦断面図、第２図および第３図
は揺動選別体とバランサーの作用図、第４図は第
１図のＡ−Ａ断面図、第５図は従来例の作用図で
ある。４……受網、８……揺動選別体、１０……揺動
アーム、１１……バランサー軸、１４……バラン
サー。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

扱室の下方の選別部に揺動選別体を支架した脱
穀機において、機体重心を通る鉛直線上若しくは
それに近接させると共に、揺動選別体の下面に接
近した部位に、バランサー軸を揺動選別体の支持
軸とほぼ平行に支架し、該バランサー軸を揺動選
別体が１往復動すると１回転するように揺動選別
体に連動連結し、前記バランサー軸に揺動選別体
の慣性力と逆向きの遠芯力を発生させるバランサ
ーを機体重心と機幅方向にて対応する部位で作用
するように取付けたことを特徴とする脱穀機にお
ける振動防止装置。