JPH0465966B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、内燃機関のシリンダヘツドに取り付
けられる各種器具、例えば点火プラグ、グロープ
ラグ、噴射ノズル等に内装される圧力検出器に関
し、該圧力検出器は内燃機関の燃焼室内の燃焼圧
を検出し、内燃機関の試験、研究さらに制御に有
効な手段として提供されるものである。

従来から内燃機関のシリンダ内の燃焼圧を検出
する手段として提案されているものには、各種器
具または器具の構成部分に加わる圧力の変化を圧
電体により受けて検出するもの、または器具に設
けた圧力検出器が直接シリンダ内の圧力を受けて
検知するものがある。

前者のものとしては、例えば点火プラグの座面
に環状圧電素子を組み込んだものが市販されてい
るが、これらのものでは脱着による圧電素子の破
損、リード線の断線、締め付けトルクによる感度
の変化、絶対圧力の較正困難、圧力媒体による加
速度の影響等に問題があり、圧力波形の再現性、
Ｓ／Ｎの悪化となつている。

また、後者のものは、圧力波形の再現性は良好
であるが、一販に市販の圧力検出器を器具に内装
して用いるために器具が通常の性能を有するため
には器具の形状が通常より大きくなり、コンパク
トな形状にすることができず、内燃機関の方にも
加工の追加が必要となる。このために、加工の追
加を少なくするには圧力検出器として非常に小さ
なものを選ぶことになるので、感度が小さくな
り、ノイズの影響を受けやすくなるという欠点を
有している。

以上のような欠点を解消すべく改良されたもの
としては実開昭57−28351号公報に記載のものが
あるが、内燃機関に取り付けられる際に用いる点
火プラグの座面の下に設けたリング状のガスケツ
トの内側面に感圧素子を設けた圧力検出部とした
ものがあるこの圧力検出部は、内側面を薄い金属
板としその裏面に抵抗歪線を貼つて出力を取り出
すものであり、この圧力検出部に直接シリンダ内
の燃焼ガスを導入し、シリンダ内圧力を直接測定
するものである。

しかしながら、上記構成のものにおいても、点
火プラグの座面のガスケツトとして圧力検出器を
装着するために、脱着によるリード線の断線、点
火プラグの質量による加速度感度の影響を受ける
こと等があると等に、金属板は熱いシリンダ内の
ガスに直接さらされるので、圧力検出部の劣化、
熱歪の影響を大きく受けることになる。

本発明は上記の点に鑑みて、内燃機関のシリン
ダヘツドを追加加工する必要がなく、装着時のリ
ード線の断線をなくし、加速度感度の影響が少な
くなると共に、燃焼ガスによる感圧素子への温度
の影響を少なくするように断熱保護された内燃機
関の圧力検出器を提供することを目的としてい
る。

この目的達成の為に、本発明の圧力検出器は、
内燃機関のシリンダヘツドに取り付けられ、シリ
ンダヘツド壁を貫通して燃焼室内に露出する器具
に、該器具のハウジング座面が気密ガスケツトを
介してシリンダヘツド面に密着する部分よりも内
側に、ハウジング座面とシリンダヘツド面とガス
ケツトにより囲まれる圧力室を形成し、該圧力室
に露出したハウジング座面の一部に溝を形成し、
該溝内に感圧素子、ターミナルプレートおよびヒ
ートインシユレータを積層状に装着し、これら感
圧素子、ターミナルプレートおよびヒートインシ
ユレータをハウジング座面にダイアフラムを固定
することにより溝内に保持して圧力検出器を構成
すると共に、器具のシリンダヘツドへの取り付け
部分の周囲に、圧力室と燃焼室を連通する通路を
設けたことを特徴とする。

上記構成では、内燃機関のシリンダヘツドに取
り付けられる器具に圧力検出器を設けている為、
該シリンダヘツドの追加加工を要せず、例えば、
従来の点火プラグのハウジングを若干変更するこ
とで、圧力検出器を取り付けることが出来る。

また、器具のハウジング座面が気密ガスケツト
を介してシリンダヘツド面に密着する部分よりも
内側に圧力室を設けているので、この気密ガスケ
ツトを介して圧力検出器近傍および器具の熱をシ
リンダヘツド側へ逃がすことが出来、圧力検出器
ならびに器具を断熱保護しかつ耐久性を向上させ
る。圧力検出器は圧力室内の溝に装着されている
ので、器具の質量による加速度感度の影響が小さ
く、加えて、器具の取り付け・取り外しの影響を
受けることが少なく、リード線の断熱等の故障が
なく、高信頼性でかつ取り付け・取り外し作業が
容易である。

さらに、この圧力室へ燃焼室の圧力を導く構成
を採つているため、燃焼室内のガス圧力の変化の
みを検出でき、例えばバルブの開閉による振動や
ピストンストラツプによる振動の影響が少なく、
ノイズの少ない高精度の検出が可能である。

以下本発明の実施例を図において説明する。第
１図および第２図において、１は本発明の一実施
例として器具である点火プラグで、中心電極２、
アルミナからなるインシユレータ３、薄肉鋼板か
らなるカシメリング１３、銅製の気密パツキン１
４およびプラグハウジグ４から構成され、インシ
ユレータ３とプラグハウジング４とはカシメリン
グ１３および気密パツキン１４によつて気密性が
保たれている。点火プラグ１は、内燃機関のシリ
ンダヘツド８に、一般には銅ワツシヤまたは薄肉
鋼板から作られた気密ガスケツト５を用いて取り
付けられ、その先端部が燃焼室１０内に位置する
ようにねじ部１１のねじ込みにより取り付けられ
る。その際、プラグハウジング４のハウジング座
面４１とシリンダヘツド８と気密ガスケツト５と
によつて圧力室７が形成され、該圧力室７は燃焼
室１０に、インシユレータ３とプラグハウジング
４との間の懐部９、プラグハウジング４に設けた
圧力導入孔４４および小幅溝４２を介して連通し
ている。

上記構成において、圧力検出器６は、プラグハ
ウジング４のハウジング座面４１に形成した環状
の溝であるハウジング溝４３内に、感圧素子６
５、リード線６１が接続されたターミナルプレー
ト６４、ヒートインシユレータ６３を順に積層状
にして位置決めし、ダイヤフラム６２がこれらを
押さえるように溶接によりハウジング座面４１に
固定された構成を有する。ここで、感圧素子６５
の材料は圧電体からなり、第６図イ，ハに示すよ
うに、圧電体６５１のＡ，Ｂ面にAgペースト等
の焼き付けによる電極Ａ，Ｂ６５４，６５２を有
し、リード線６１の導体の通る貫通孔６５３が設
けられていて、電極Ａ６５４と電極Ｂ６５２の間
で分極が行われる。電極Ａ６５４は接地側でプラ
グハウジグ４に接続され、電極Ｂ６５２は出力側
でターミナルプレート６４に接続されている。タ
ーミナルプレート６４は、第５図に示すように金
属薄板６４２からなり、リード線６１の導体の貫
通孔６４２が設けられている。リード線６１の導
体は、感圧素子６５、ターミナルプレート６４の
貫通孔６４１，６５３を貫通したあと、ハンダ付
または溶接等によりターミナルプレート６４に接
着される。ターミナルプレート６４から突び出し
たリード線６１の接合部は、第４図イに示すよう
ヒートインシユレータ６３のサグリ穴６３３にお
いて逃がされ、ターミナルプレート６４それ自身
は、ヒートインシユレータ６３の溝６３２にはま
り込むようになつている。ヒートインシユレータ
６３の材質はアルミナ等の無機材料の絶縁体であ
る。以上のような感圧素子６５、ターミナルプレ
ート６４およびヒートインシユレータ６３は、プ
ラグハウジング４の環状の溝４３に積層状に入れ
られ、第３図イに示すようなリブ６２２を有する
ダイヤフラム６２がリブ６２２で押さえるよう
に、即ち予荷重を与えるようにして、溶接リブ６
２１をプラグハウジング４のハウジング座面４１
に溶接することにより固定されている。なお、リ
ード線６１は、プラグハウジング４のリード孔４
４を通され、ハウジング４に打ち込み溶接等の手
段で固定されたパイプ４を通されると共に、そこ
でカシメ等により固定され、ハウジング４の内部
から導き出され、その端部にコネクタ６６が接続
されている。

上記構成の内燃機関の圧力検出器においては、
燃焼室１０内の圧力がプラグ懐部９から圧力導入
孔４４および小幅溝４２を通り圧力室７に導かれ
る。導かれた燃焼室１０内の圧力は、圧力検出器
６のダイヤフラム６２に加わり、力となつてヒー
トインシユレータ６３、ターミナルプレート６４
を経て感圧素子６５に加わる。加わつた力により
感圧素子６５が電荷を発生すると、電極Ｂ６５
２、ターミナルプレート６４を経て、リード線６
１に伝えられる。その際、これらの感圧素子６５
等にはダイヤフラム６２により予荷重がかけられ
ているので、無駄なく力はヒートインシユレータ
６３に伝わり、振動等によりガタを生じることも
ない。また、ヒートインシユレータ６３を有して
いるので、ダイヤフラム６２にかかる熱は、感圧
素子６５に伝わりにくく、ダイヤフラム６２を伝
わつてプラグハウジング４に伝えられ、感圧素子
６５の熱負荷は軽くて済む。そして圧力検出器６
は、少ない空間に点火プラグ１と一体に成形され
ているので、点火プラグ１の質量が加速度として
働かず、感度のよいものとなると共に、リード線
６１が点火プラグ１から直接出ているので、装着
時にじや魔にならず、断線することがない。さら
に、プラグハウジング座面４１の径を大きくする
必要がないので、内燃機関のシリンダヘツド８に
加工を加えて点火プラグ１の取り付け部を拡大す
る必要もない。

なお、上記実施例では、ターミナルプレート６
４を用いたが、ターミナルプレート６４を使用せ
ずに感圧素子６５の電極Ａ６５４にそのままリー
ド線６１の導体をハンダ付け等により固定しても
よい。また、内燃機関の圧力検出器として点火プ
ラグに設けた場合について説明したが、他の器具
として例えばグロープラグ、噴射ノズルに適用し
ても同様の構成とし、作用することはいうまでも
ない。

以上述べたように本発明による内燃機関の圧力
検出器においては、シリンダヘツドに装着する器
具のハウジング座面に溝を形成し、該溝に感圧素
子、ターミナルプレートおよびインシユレータを
積層状に設け、これを前記溝内に保持するように
押えつけるためにハウジング座面にダイヤフラム
を固定した構成を有するので、圧力室に導かれた
燃焼ガスによりダヤフラムにかかる熱は、ヒート
インシユレータの存在により感圧素子にに伝わり
にくく、器具ハウジングに伝えられるので、感圧
素子の熱負荷は軽くすみ温度の影響が少なくな
る。また、圧力検出器は、器具ハウジングの溝内
に設けられているので、出力端子を器具ハウジン
グから直接出すことが出き、装着性がよくなり、
リード線の断線もなく、取り付けるために内燃機
関に加工を追加する必要がなく、加速度の影響も
少なく感度がよくなるという優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の器具である点火プ
ラグの断面図、第２図は第１の要部の拡大断面
図、第３図は本発明の圧力検出器におけるダイヤ
フラムを示し、第３図イは断面図、第３図ロは平
面図、第４図は本発明の圧力検出器におけるヒー
トインシユレータを示し、第４図イは断面図、第
４図ロは平面図、第５図は本発明の圧力検出器の
ターミナルプレートの平面図、第６図は本発明の
圧力検出器における圧電素子を示し、第６図イは
圧電素子のＢ面を示す平面図、第６図ロは側面
図、および第６図ハは圧電素子のＡ面を示す平面
図である。 １……点火プラグ（器具）、４……ハウジング、
４１……ハウジング座面、４３……環状の溝、６
……圧力検出器、６２……ダイヤフラム、６３…
…ヒートインシユレータ、６４……ターミナルプ
レート、６５……感圧素子、６２２……リブ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内燃機関のシリンダヘツドに取り付けられ、
   シリンダヘツド壁を貫通して燃焼室内に露出する
   器具に、該器具のハウジング座面が気密ガスケツ
   トを介してシリンダヘツド面に密着する部分より
   も内側に、前記ハウジング座面と前記シリンダヘ
   ツド面と前記ガスケツトにより囲まれる圧力室を
   形成し、該圧力室に露出したハウジング座面の一
   部に溝を形成し、該溝内に感圧素子、ターミナル
   プレートおよびヒートインシユレータを積層状に
   装着し、これら感圧素子、ターミナルプレートお
   よびヒートインシユレータを前記ハウジング座面
   にダイアフラムを固定することにより前記溝内に
   保持して圧力検出器を構成すると共に、前記器具
   の前記シリンダヘツドへの取り付け部分の周囲
   に、前記圧力室と前記燃焼室を連通する通路を設
   けたことを特徴とする内燃機関の圧力検出器。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の圧力検出器にお
   いて、前記ダイアフラムは、前記ハウジング座面
   に溶接により固定され、かつ積層状の前記感圧素
   子、ターミナルプレートおよびヒートインシユレ
   ータを押さえるためのリブを設けられている内燃
   機関の圧力検出器。