JPH046547Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は釣用リールに関し、詳しくはメインギ
ヤシヤフトとハンドルとが螺子構造で連結せるス
ピニングリールに関するものである。

（従来の技術とその問題点） ギヤボツクス内に横架軸承されたメインギヤシ
ヤフトとハンドルとの連結を螺子込みによつて行
なつているスピニングリールは従来より周知であ
るが、メインギヤシヤフト及びハンドル側の相対
する螺子は螺子の切始めが一定でないため、リー
ル本体のメインギヤシヤフトにハンドルを完全に
螺子込んだ場合ハンドルノブの位置が製品ごとに
バラバラである。

一方、スピニングリールを用いてキヤステイン
グする時、スプールは上死点部（最前端）に位置
させ、その状態でベイルを返えし、キヤステイン
グを行なうが、この時ハンドルノブの停止位置が
スプール側（第１図のｍの範囲）にあつた場合に
は、キヤステイング時の振り込み及びハンドルの
自重等によつてハンドルが慣性回転し、そのハン
ドルの回転はメインギヤ→ピニオンビヤ→フライ
ヤーと伝達され、フライヤーの回転でベイルが元
の状態に復帰、いわゆるベイルの空落ち現象が起
き、その結果キヤステイングされている道糸にス
トツプの力が働いて道糸が切断され、仕掛けと重
錘等を紛失するといつたトラブルを招くものであ
る。

即ち、キヤステイングに際し、スプールを最前
端に位置させてベイルを返し、糸取りした時、ハ
ンドルノブの停止位置がスプール側に位置する
と、フライヤーのベイルアーム支持腕の位置に関
係なく、釣竿の振り込み動作によつてハンドルは
上から下へ正回転方向に回転し、その回転はフラ
イヤーを回転させて該フライヤーの支持腕に取付
けられたベイルアームが本体側に設けられたベイ
ル返し当りに当つてベイルが元の状態に復帰する
ことになる。尚、ハンドルノブの停止位置がギヤ
ボツクスの後方（第１図のｎの範囲）にあつた場
合、ハンドルが釣竿の振り込みによつて回転する
ためにはハンドルが下から上へ動かなければなら
ず、その動きは前述したハンドルノブの停止位置
がスプール側に位置して上から下へ動く動作と比
較すれば非常に廻りにくく、それによりベイルの
空落ち現象を防止する手段として有効となる。

従つて、上記のベイルの空落ち現象を防止する
手段としてはハンドルをギヤボツクスの後方（第
１図のｎの範囲）に位置させることがあるが、上
述した如く螺子込みタイプのハンドルにあつては
螺子込み完了時の位置がまちまちであるため実際
のキヤステイングにおいては空落ち防止を優先さ
せてスプールの位置が上死点部より後方にあつて
も我慢をして釣りを行なつているのが実状であ
る。

又、上述の如き不具合をなくし、キヤステイン
グによる飛距離を確保し、しかもベイルの空落ち
を防止する対策としてベイルが取付けられたフラ
イヤの回転に直接ブレーキを作用させる空落ち防
止機構があるが、これらは構造が複雑で、製作コ
ストが高価となる等の欠点を有している。

（考案が解決しようとする問題点） 以上の問題を解決するための本考案の技術的課
題は、キヤステイングをする際にスプールを上死
点部にセツトした場合、ハンドルがどの様なとこ
ろに位置した場合でも簡単な調整でハンドルを空
落ちの生じない位置に変更セツトすることであ
る。

（技術的課題を達成するための技術的手段） 以上の技術的課題を達成するための本考案の技
術的手段は、メインギヤシヤフトとハンドルアー
ムの側端との間に位置させて雄螺子条を刻設した
メインギヤシヤフト又はハンドル側の螺子杆外側
にロツクナツトスリーブを回転止めして取付け、
そのロツクナツトスリーブにハンドルロツクナツ
トを螺着する。

（作用） 而して、上記手段によればハンドルアーム又は
ハンドルアームに取付けられた螺子杆をメインギ
ヤシヤフトに螺着することで両者は連結される
が、最終まで締め付けた状態でスプールを最前端
に位置させた時のハンドルノブの位置が、釣竿の
振り込み動作で回動し易い位置となる場合は、ハ
ンドルアームの螺着を緩めてハンドルノブを後側
位置となるところまで戻し、その状態でハンドル
ロツクナツトをハンドルアーム側に締め付け回動
することにより該ハンドルロツクナツトは軸方向
に移動してハンドルアームの側端に衝合し、ハン
ドルの螺子込みを止め、ハンドルを組立て状態に
維持する。

（考案の効果） 本考案は以上の様に構成したことにより、キヤ
ステイングをする際にスプールを上死点部にセツ
トした場合、ハンドルがどの様なところに位置し
た場合でも簡単な調整でハンドルを空落ちの生じ
ない位置に変更セツトすることができる。

（実施例） 本考案の一実施例を図面により説明する。

本考案の魚釣用リールはスピニングリールであ
り、該リールのメインギヤシヤフト１とハンドル
３の螺着はメインギヤシヤフト１が雄螺子タイプ
の場合と雌螺子タイプの場合とがあり、該ハンド
ル３側はその形態に適合する形態に形成されてい
る。

１図乃至第４図に示すものはメインギヤシヤフ
ト１が雄螺子タイプのものであり、メインギヤシ
ヤフト１は断面小伴形で、本体Ａ内に回転可能に
横架軸承され、その一方向を本体Ａの外方に適宜
長さ突出し、その突出部全長にわたつて雄螺子条
が刻設形成されている。

また該シヤフト１の突出基端部にはスリーブ４
が挿嵌され、その上端を（図面上では右端）を該
シヤフト１に嵌着したクリツプリング５で係止さ
れ、軸方向への移動が規制されている。

スリーブ４は内周が前記シヤフト１の断面形状
と同じ小伴形に形成することにより回転止めがさ
れ、外周部全長にわたつてネジ部４ａが設けら
れ、該ネジ部４ａにハンドルロツクナツト２が回
転可能に螺合される。ハンドルロツクナツト２は
メインギヤシヤフト１へのハンドル３の螺合を固
定するためのものであり、その一端面がハンドル
アーム３ａの一端面に当接されて該ハンドル２を
固定する。

また該ロツクナツト２は外周に回転つまみ２ａ
を突設してその回転操作を容易にする。

而して、スプールＳを上死点部にセツトした
後、ハンドル３を第１図に示すｎの範囲内に位置
させるためのハンドル３の螺着固定をゆるめて矢
印Ｐの方向に回転移動させると、該ハンドル３が
ゆるんだ状態となる。

そして上記の様にハンドル３がゆるんだ状態を
ロツクするためにハンドルロツクナツト２の回転
つまみ２ａをつかんで矢印P′の方向に回転させる
ことにより該ロツクナツト２がスリーブ４上を移
動し、該ロツクナツト２の端面とハンドルアーム
３ａの端面とが当接衝合してロツクされる。

第５図乃至第７図に示すものはメインギヤシヤ
フト１が雌螺子タイプのものであり、雌螺子部１
ａが形成されたメインギヤシヤフト１が本体Ａか
ら適宜長さ突出し、該雌螺子部１ａに、ハンドル
アーム３ａに連結した断面小伴形の螺子杆３ｂが
螺着される。

ハンドル３に連結した適宜長さの螺子杆３ｂの
基端部には内形が断面小伴形のスリーブ４を回転
止めして挿嵌し、該スリーブ４の両側端は螺子杆
３ｂに装着したクリツプリング５で係止し、軸方
向に沿つた左右の移動が規制されている。

また該スリーブ４には外周全長にわたつて螺子
部４ａが設けられ該螺子部４ａにハンドルロツク
ナツト２が回転可能に螺合される。

而して、スプールＳを上死点部にセツトした後、
ハンドル３を第１図に示すｎの範囲内に位置させ
るためハンドル３の螺着固定をゆるめると該ハン
ドル３が矢印の方向に移動してゆるんだ状態とな
る。

そして、ハンドルロツクナツト２を回転させる
とスリーブ４が軸方向への移動を規制され、かつ
回転止めされていないためハンドルロツクナツト
２は矢印Ｐの方向に移動してその端面をハンドル
アーム３ａの端面に当接衝合させてハンドル３を
ロツクする。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の魚釣用リールの一部を切欠し
た正面図、第２図は第１図の−線拡大断面
図、第３図は第２図の−線断面図、第４図は
ハンドルを取りはずした状態の斜視図、第５図は
雌螺子タイプのメインギヤシヤフトにハンドルを
螺着した状態の断面図、第６図は第５図の−
線断面図、第７図は雌螺子タイプのメインギヤシ
ヤフトからハンドルを取り外した状態の斜視図で
ある。 尚、図中、１……メインギヤシヤフト、２……
ハンドルロツクナツト、３……ハンドルを夫々示
す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. メインギヤシヤフトの側部に螺子込み構造でハ
   ンドルが取付けられる魚釣用リールにおいて、ギ
   ヤボツクスを貫通して外側に突出したメインギヤ
   シヤフトの雄螺子条を刻設した杆部、又はメイン
   ギヤシヤフトの軸芯に凹設された雌螺子部に螺合
   するハンドルアームに取付けられた螺子杆の外側
   にロツクナツトスリーブを回転止めして取付け、
   そのロツクナツトスリーブの外周面に形成した螺
   子条にハンドルロツクナツトを螺着した魚釣用リ
   ール。