JPH046518Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は扱室の下方に位置して、扱室からの濾
過物を揺動比重選別し乍ら排ワラを後方に移送す
るグレンパンを配備した脱穀機の穀粒漏洩防止構
造に関する。

〔従来技術〕

揺動するグレンパンと固定側扱室との間〓から
漏出するグレンパン上の穀粒に対する漏洩防止構
造を構成するに、グレンパンの左右側縁から前端
縁に亘るグレンパン側と、機体左右両側板から前
側板に亘る機体側とに、一体形成された可撓シー
トを張設する構造のものが考えられるが、このも
のはコーナ部分に働く力が一様でなく、この部分
から亀裂が発生する等の強度上の問題があり、未
だこのような複雑な力が作用する部分に耐えるだ
けの可撓性と靱性を備えた材料特性を有するもの
は開発されていない。

従つて、従来は、グレンパンの左右側縁及び前
端縁に、夫々、分離構成された可撓シートを張設
するとともに、コーナ部分では両者に重合する状
態で機体側からカバーシートを延設して漏洩防止
構造を構成していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕 しかし、グレンパンの揺動運動によつて可撓シ
ートとカバーシートとの重合部分にたわみ、よじ
れによる〓間が生じ、穀粒が漏洩する問題が解決
されてなかつた。

本考案の目的は、グレンパンの前端縁と左右端
縁とで穀粒の漏出形態の違いに着目して、合理的
な漏洩防止構造を採ることによつて、穀粒の漏洩
を極力抑制できるものを提供する点にある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案による特徴構成は前記グレンパンの左右
側縁に弾性プレートを上向き片持ち状に取付け、
その上部遊端を機体左右側板の内面に摺接させ、
グレンパンの前端縁前幅と機体前側板とに亘つて
可撓シートを張設するとともに、前記弾性プレー
トの前方延出部分を前記可撓シートの左右端部上
に屈曲重複させ、かつ、この重複部を更に上方か
ら覆う状態でグレンパン上に垂れかかるカバーシ
ートを機体前側板に取付けてある点にあり、その
作用効果は次の通りである。

〔作用〕

つまり、グレンパンの上方から脱穀濾過物が落
下供給されるグレンパンの前端縁に対応する部分
にはシール性の高い可撓シートを張設し、グレン
パン内の落下供給された穀粒が揺動移送される途
中でグレンパン外へ漏出しようとするグレンパン
の側縁に対応する部分には、弾性プレートをグレ
ンパン側縁に片持ち状に固定、及び、その上端部
を機体側板に摺接させる、グレンパンと機体とを
一体連接したものではない、グレンパンの揺動力
の影響が少ないシール構造の選定によつて、夫々
の部位で穀粒の漏出を抑制するとともに、グレン
パンのコーナ部位では、弾性プレートの前方延出
部分を可撓シートに屈曲重複させ、その弾性力に
よつて両者を密着重合させるとともに、更に、こ
の重複部に対するカバーシートによつて、両者の
不測の間〓をカバーすることができる。

〔考案の効果〕

穀粒の漏洩形態に即した合理的漏洩防止構造の
採用によつて、シール部材の損傷を抑制できると
ともに、分割シール構成式故のコーナ部での漏洩
を３層構造によつて、穀粒の漏出を極力抑制で
き、全体として脱穀効率の向上が図れるものを提
供できるに至つた。

〔実施例〕 第４図に示すように、植立穀稈を引起し乍ら機
体後方に掻き込むリール１、掻き込まれた穀稈を
刈取る刈取装置２、刈取穀稈を機体後方に移送す
るコンベア３よりなる刈取前処理装置Ｂを設ける
とともに、扱室Ａに供給された刈取穀稈に扱作用
を加える扱胴４及びコンケーブ１１を備え、この
扱室Ａの下方に濾過物揺動移送用のグレンパン
５、扱室Ａの後方に排ワラ揺動移送用のストロー
ラツク６を夫々備えるとともに、このストローラ
ツク６の下方に唐箕７からの選別風で濾過物を風
選する揺動選別板８、この揺動選別板８によつて
選別された穀粒及び二番物を回収する１番口９及
び２番口１０を備えた脱穀部Ｃを設け全穀投入型
のコンバインを構成してある。

第１図及び第２図に示すように、前記グレンパ
ン５の左右側縁に軟質樹脂製の弾性プレート１
２，１２を上向き片持ち状に取付け、その上部遊
端を機体左右側板１３，１３の内面に摺接させ、
主としてグレンパン５からの穀粒の機外へこぼれ
出るのを阻止するようにするものであり、グレン
パン５の前端縁前幅と横軸周りで上下揺動可能な
機体前側板１４とに亘つて可撓シート１５を当板
２１で当て付けた状態で張設し、もつて、扱室Ａ
から落下する濾過物のこぼれ出しを防止するもの
であり、更に、前記弾性プレート１２，１２の前
方延出部分を前記可撓シート１５の左右端部上に
屈曲重複させ、かつ、この重複部を更に上方から
覆う状態でグレンパン５上に垂れかかるカバーシ
ート１６を機体前側板１４に取付け、もつて可撓
シート１５と弾性プレート１２，１２との重合部
におけるグレンパン５の揺動運動にかかる両者１
２，１５の間に間〓が生じても、前記カバーシー
ト１６によつてその間〓をカバーして、その重合
部からの穀粒の漏洩を防止する構造を構成する。

第５図に示すように、コンケーブ１１の下方に
Ｌ字状のブラケツト１７を設けて、組立時及びメ
インテナンス時にコンケーブ１１を搬入出する際
の仮置台として使用し、作業の省力化及び能率化
を図るように構成してある。又、第６図に示すよ
うに揺動選別板８内のチヤフシーブ１８及びグレ
ンシーブ１９の下方に円弧状のガイド部材２０を
設け、チヤフシーブ１８及びグレンシーブ１９の
組込み、取外し時の案内ガイドとして構成してあ
る。

〔別実施例〕

前記弾性プレート１２は薄板鋼鉄製のもので、
機体側板１３との摺製上端部に樹脂コーテイング
を施したものでもよい。

上記実施例のものは他のコンバインでもよく、
又、コンバイン以外の脱穀機に適用してもよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る脱穀機の穀粒漏洩防止構造
の実施例を示し、第１図は全体斜視図、第２図は
要部拡大斜視図、第３図は縦断面図、第４図は脱
穀機の側面図、第５図はＬ字状ブラケツトの配設
状態を示す側面図、第６図はガイド部材の配設状
態を示す側面図である。 Ａ……扱室、５……グレンパン、１２……弾性
プレート、１３……機体左右側板、１４……機体
前側板、１５……可撓シート、１６……カバーシ
ート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扱室Ａの下方に濾過物揺動移送用のグレンパン
   ５を配備した脱穀機の穀粒漏洩防止構造であつ
   て、前記グレンパン５の左右側縁に弾性プレート
   １２、１２を上向き片持ち状に取付け、その上部
   遊端を機体左右側板１３，１３の内面に摺接さ
   せ、グレンパン５の前端縁前幅と機体前側板１４
   とに亘つて可撓シート１５を張設するとともに、
   前記弾性プレート１２，１２の前方延出部分を前
   記可撓シート１５の左右端部上に屈曲重複させ、
   かつ、この重複部を更に上方から覆う状態でグレ
   ンパン５上に垂れかかるカバーシート１６を機体
   前側板１４に取付けてある脱穀機の穀粒漏洩防止
   構造。