JPH0463948B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は土留アンカー兼用防災シエルター埋設
工法、詳細には特に防災シエルター群を斜面に埋
設することによつて土留アンカー効果をも兼ねる
土留アンカー兼用防災シエルター埋設工法に関す
る。

＜従来の技術＞ 従来、台地等の斜面の土留工法は、地盤にアン
カー体を打ち込み、これを引張り部でアンカー頭
部より引張つて斜面を補強するアンカー工法が知
られている。しかし、この工法は単なる土留の役
割を果すでけで、他の目的・機能はなかつた。

＜発明が解決しようとする問題点＞ そこで、本発明では防災時における防災シエル
ターを斜面に埋設し、土留アンカーを兼用する埋
設工法を提供せんとする。なお、防災シエルター
は防災時だけでなく、通常の生活にも使用できる
ように、住居性も考慮したものである。

＜問題点を解決するための手段＞ 本発明は上記目的を達成するためになされたも
ので、その要旨とするところは、斜面に掘削を行
つて削孔を形成し、次に該削孔内にシエルター用
カプセルを挿入し、さらに削孔とカプセル外壁と
の間にセメント質物質を打設してカプセルの覆工
工事を行う土留アンカー兼用防災シエルター埋設
工法であつて、該工法が下段の列の各シエルター
用カプセル間の略中間に、上段のシエルター用カ
プセルを配置するように掘削し、シエルターの配
列を全体として千鳥状とすることを特徴とする土
留アンカー兼用防災シエルター埋設工法にある。
ここで、セメント質物質とはコンクリートとモル
タルとを含む意味である。

＜実施例＞ 本発明で埋設物として利用される防災シエルタ
ーは防爆ドアーを有する出入口部と、内部にラウ
ンジ、ベツド、トイレ、シヤワー、流し台、外部
との連絡施設、換気装置、過装置、テーブル、
間仕切等を備えたシエルター用カプセルと、該カ
プセルの外部要所にセメント質物質を打設した耐
震、耐圧、耐熱性コンクリート構造物とから成る
ものである。

本発明の土留アンカー兼用防災シエルター打設
工法を簡単に説明するため、出来上り埋設物を見
取図として示したのが第１図で、イは斜面の側面
からの断面概略図、ロは同正面図である。第２図
は本発明の工法によつてできた防災シエルターの
平面図、第３図は第２図におけるシエルターの縦
断面図、第４図は第２図のＡ−Ａ線に沿う断面図
である。

第１図のイ，ロにおいて、１は台地斜面、２は
斜面に埋設されたシエルター用カプセル、３は埋
設後シエルターを強化するための覆工構造物であ
るセメント質物質としてのコンクリート（必要に
より鉄筋を入れる）を示す。本発明の工法におい
ては、図のロで見られるように、複数の円形削孔
を一定の間隔を置いて次々と水平方向にまず一列
形成し、各削孔内にシエルター用カプセル２を挿
入し、削孔とカプセル外壁との間にコンクリート
を打設する。ついで、出来上つた上記列を下段の
列とし、下段の列の各削孔間の中間部の上方に位
置するように上段の列の削孔を水平方向に掘削し
て上記工程を繰り返すことにより、最終的に全体
を千鳥状の配列とする。削孔の直径及び長さは、
埋設されるシエルターに対応して定められ、削孔
とカプセル外壁の間からセメント質物質を送入し
て、シエルター用カプセルの外部要所にコンクリ
ートを打設して耐震、耐圧、耐熱性コンクリート
構造物とする。もちろん、本発明工法は一度に削
孔した後、シエルター用カプセルを削孔内に挿入
する場合だけでなく、一つ一つ削孔した後遂次カ
プセルを挿入し、削孔とカプセル外壁との間にセ
メント質物質を打設してもよい。

本発明の工法では削孔は如何なる種類の掘削機
又は手掘りを用いてもよいが、例えば円形の溝穴
である場合、シールド工法に用いる回転推進型の
掘削機を用いることが望ましく、これを高さ可変
の台車に積載・固定して削孔するが、削孔の直径
及び長さは、前述のようにシエルター用カプセル
の直径及び長さに対応して定められ、カプセル挿
入後は、孔とカプセル外壁の間にセメント質物質
を打設するカプセルの覆工工事を行つてシエルタ
ーの耐震、耐圧、耐熱性を高めることが必要であ
る。

本発明工法で使用されるシエルター用カプセル
は第２図の平面図、第３図の縦断面図で示され、
内部施設は次の数字で示される。１０はラウン
ジ、１１はベツド、１２はサンルーム及び玄関
（エアーロツク室）、１３はトイレ、１４はシヤワ
ー、１５は流し台、１６は過装置、１７はテー
ブル、１８は間仕切、１９はソフアーベツド、２
０は耐圧ドアー、２４は採光ドアー、２１はカプ
セルの外部に作られる耐震、耐圧、耐熱性コンク
リートと一体になるようパツキングと共に構成し
た踊り場兼用耐爆ドアーである。

本発明の工法によつてつくられるた防災シエル
ターへの交通は台地の斜面に沿つて架設された複
数個の昇降階段またはエレベーターよりの夫々の
分岐階段または通路とカプセルの耐圧ドアーを備
えた入口とを結んで行われる。

＜発明の効果＞ 本発明の工法は、削孔の配列が、全体として千
鳥状であるので、複数個の削孔について上段の２
本の並列削孔の中間に下段の削孔が位置する関係
上、下段の削孔は上段の２本の削孔から斜め下方
への均等な圧力を受け、シエルター用カプセルを
埋設した際に、全体として極めて安定な地盤が締
め固められ、土留アンカーなしで安定化された斜
面が得られる。

また本発明においては、土留アンカーの代わり
に防災シエルターを埋設しているので、斜面の土
砂くずれを防止できるだけでなく、万一表層なだ
れがあつても防災シエルター耐圧、耐震構造によ
り内部において一時的に安全である。

さらに、斜面を防災シエルターとして居住にも
利用できるので、土地の有効利用が図られる。

【図面の簡単な説明】

第１図イは本発明工法の出来上り土留アンカー
兼用防災シエルターの側面からの断面概略図、ロ
は同正面図であり、第２図は埋設されたシエルタ
ーの平面図、第３図は同側面図、第４図は第２図
のＡ−Ａ線に沿う断面図である。 第１図において、１……台地斜面、２……シエ
ルター用カプセル、３……覆工構造物である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 斜面に掘削を行つて削孔を形成し、次に該削
   孔内にシエルター用カプセルを挿入し、さらに削
   孔とカプセル外壁との間にセメント質物質を打設
   してカプセルの覆工工事を行う土留アンカー兼用
   防災シエルター埋設工法であつて、 該工法が、下段の列の各削孔間の略中間に、上
   段の削孔が位置するように掘削し、シエルターの
   配列を全体として千鳥状とすることを特徴とする
   土留アンカー兼用防災シエルター埋設工法。