JPH0463677B2 - - Google Patents

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JPH0463677B2
JPH0463677B2 JP60259602A JP25960285A JPH0463677B2 JP H0463677 B2 JPH0463677 B2 JP H0463677B2 JP 60259602 A JP60259602 A JP 60259602A JP 25960285 A JP25960285 A JP 25960285A JP H0463677 B2 JPH0463677 B2 JP H0463677B2
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JP
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substance
strain
micromonospora
culture
antibiotic
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JP60259602A
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Yoshimitsu Imai
Kenichi Suzuki
Shigeru Myazaki
Narimasa Tsunoda
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Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明はミクロモノスポラ属に属し、抗生物質
YS−02930K−D及び/又はYS−02930K−E及
び/又はYS−02930K−H生産能を有する新規微
生物を用いた該抗生物質の生産方法において該微
生物を使用する方法に関する。 [従来の技術] 本発明によつて生産される抗生物質は下記の一
般式で式示されるマクロライド系の抗生物質であ
る。 (式中、Rは水素原紙又はホルミル基を、点線は
この間が二重結合又は
【式】で示される結合を 意味する。) YS−02930K−D物質はRがホルミル基で、点
線が二重結合の化合物であり、YS−02930K−E
物質はRがホルミル基で、点線が
【式】で示さ れる結合の化合物であり、YS−02930K−H物質
はRが水素原子で、点線が二重結合で示される結
合の化合物である(以下それぞれ単にD物質、E
物質、およびH物質という)。 従来、D物質は特開昭57−28100号公報に、E
物質は特開昭59−33298号公報におよびH物質は
特開昭58−96096号公報にそれぞれ示された発明
に包含され、いずれも公知の物質である。上記の
公報によればD物質は3,23−O−メトキシメチ
ル(又はテトラヒドロフラニル)マイカミノシル
タイロノライド ジエチルアセタールを原料と
して、その4′位のヒドロキシ基を脱離させた後、
3,23位のヒドロキシ基の保護基、18位のアルデ
ヒド基の保護基を脱離させる化学的合成法により
製造されている。また、E物質は、4′−デオキシ
マイカミノシル タイロノライド ジエチルア
セタールを過酸で処理し、次いでトリフエニルホ
スフインで処理して12,13位をエポキシ化し、次
いでアルデヒドの保護基を離脱させる方法によ
り、H物質は、4′−デオキシ マイカミノシル
タイロノライドにクロロトリス(トリフエニルホ
スフイン)ロジウムを作用させる方法により化学
的に合成されている。 [発明が解決しようとする課題] しかしながら、化学的合成法によらず、発酵法
によつて前記D,E及びH物質を生産することに
ついては従来全く知られていない。 本発明の目的の一つは、D物質及び/又はE物
質及び/又はH物質を発酵法により生産する方法
において、D物質及び/又はE物質及び/又はH
物質生産能を有するミクロモノスポラ属に属する
微生物を使用することを特徴とする方法の提供に
ある。 [課題解決のための手段] 本発明者らは、薬里作用物質を生産する微生物
を探索した結果、土壌から常法によつて分離した
微生物がその菌学的性質より判断してミクロモノ
スポラ属に属する新種の放線菌であることをつき
とめ、その放線菌が抗生物質D,E及びH物質を
生産することを知見して、本発明を完成するに至
つた。 すなわち、本発明は微生物を培養し、培養液か
ら抗生物質D物質及び/又E物質及び/又はH物
質を採取する抗生物質D物質及び/又はE物質及
び/又はH物質の生産方法において、ミクロモノ
スポラ属に属し、抗生物質D物質及び/又はE物
質及び/又はH物質生産能を有する微生物を使用
することを特徴とする方法である。 (微生物) 本発明のミクロモノスポラ属に属し、抗生物質
D物質及び/又はE物質及び/又はH物質生産能
を有する微生物としては具体的には例えばミクロ
モノスポラエスピー(Micromonospora sp.)
YS−02930K株を挙げることができる。YS−
02930K株の菌学的性質は以下の通りである。 1 形態学的性質 本菌は、一般に使用されている種々の寒天培地
上で真性気菌糸を形成しない。胞子形成の良好な
培地に成育した菌糸をかきとり、顕微鏡下で観察
すると、胞子は基生菌糸から分枝した胞子柄
(0.2〜0.8μm)の頂点に1個(まれに2個)着生
し、菌糸全体にくまなく形成される。 ルードマン(Luedemann)らの分類[アンチ
ミクロバイアル・エイジエンツ・アンド・ケモセ
ラピー(Antimicrob.Ag.Chemoth.)1964,47〜
52(1965)]によれば、胞子柄の分枝方式はモノポ
ジアルタイプ(Monopodial type)に属する。 電子顕微鏡的には、胞子は球状(直径約0.8〜
1.2μm)で、表面は平滑である。 液体培地で培養すると、菌糸はほとんど分枝せ
ず、長く伸長し、菌糸間に球状の構造(直径8〜
10μm)が観察される。電顕的観察により、これ
らの構造は菌糸の融合により生じたものであると
判断された。 2 各培地における成育状態 各種寒天培地上の成育状態は以下に示すとおり
である。 特に記載しない限り、28℃で21日間培養し、常
法に従つて観察したものである。色調の記載は色
の標準(日本色採研究所)によつた。
【表】
【表】
【表】
【表】 5 細胞壁組成の分析 リチエバリアー(Lechevalier)らの方法〔リ
チエバリアー、エムピー等;ダイエツツ、エー・
PP227−228等、アクチノマイセテ・タキソノミ
ー・エスアイエム スペシヤル パブリケーシヨ
ン(Lechevalier,M.P.et al;PP227−228in
Dietz,A.et al ed.,Actinomycete Taxonomy.
SIM Special publication)No.6,1980年〕に従
い、本菌株の細胞壁成分及び全菌体の酸加水分解
物の分析を行つた結果、特徴的なアミノ酸とし
て、メソジアミノピメリン酸、3−ヒドロキシジ
アミノピメリン酸、及びグリシンを含み、糖成分
としてキシロースとアラビノースを含有すること
が確認された。 以上の菌学的性質をまとめると、YS−02930K
株は、各種寒天培地上で、真性の気菌糸を形成せ
ず、基生菌糸より生じた胞子柄(Mono−podial
type)に胞子を単一(まれに2個)形成する。液
体培養において、菌糸は、ほとんど分枝せず、長
く伸長し、菌糸が融合して球状の構造が形成され
る。細胞壁、及び全細胞酸加水分解物の分析によ
りメソジアミノピメリン酸とグリシンを有し、ま
た糖として、キシロースと、アラビノースの存在
が確認された。以上の性質から、本菌株はミクロ
モノスポラ(Micromonospora)属に属する放線
菌であると判断される。本菌株に類似の既知菌株
をバーギイーズ・マニユアル・オブ・デターミネ
イテイブ・バクテリオロジー第8版、1974年
(Bergey's Manual of Determinative
Bacteriology 8 th Edition(1974))、および
種々の文献などにより検すると、胞子が球状でそ
の表面が平滑であり、寒天培地での成育の色調が
オレンジ〜黄茶を呈する菌として、ミクロモノス
ポラ カルセア(Micromo−nospora chalcea)、
ミクロモノスポラ ハロフイテイカ
(Micromonospora halophytica)およびミクロ
モノスポラカルボナセア(Micromonospora
carbonaceae)があげられる。しかしM.カルセ
アは後記表1のように、炭素源として、α−メリ
ビオース、ラフイノース、L−アラビノース、D
−グルコース、D−ガラクトース、スターチ、シ
ユクロース、D−キシロースを資化できるのに対
し、YS−02930K株は、Lーアラビノース、D−
グルコース、シユクロース、スターチを資化する
が、上記のそれ以外の糖を資化できない(α−メ
リビオースはわずかに資化する)。また、YS−
02930K株はM.カルセアにみられる様なセルロー
ス分解能はない。 また、M.ハロフイテイカは、後記表1の様に
炭素源として、L−アラビノース、D−ガラクト
ース、D−グルコース、D−フラクトース、D−
マンノース、α−メリビオース、ラフイノース、
スターチ、シユクロース、D−キシロースを資化
し、YS−02930K株とは、炭素源の利用性の点で
大きく異なる。また、M.ハロフイテイカは硝酸
塩の還元性(陽性)、セラロースの分解能(陽性)
においてもYS−02930K株と性質を異にする。 次にミクロモノスポラ カルボナセアは胞子が
球状で表面は平滑であり液体培養において、枝分
れのない長い菌糸を形成し、また寒天培地上の生
育の色調はオレンジ〜黄茶〜黒でYS−02930K株
と類似している。しかし糖の利用性に関しては、
表1の様にYS−02930K株とはD−キシロース、
D−フラクトース、α−
【表】 メリビオースの利用性が異なり、また、硝酸塩の
還元能においても性質を異にする。また、胞子柄
の着生様式がM.カルボナセアではシンポジアル
タイプ(Sympodial type)であるのに対し、YS
−02930K株ではモノポジアルタイプ
(Monopodial type)であり異なる。 さらにその他の菌種としてマクロライド抗生物
質生産性の報告をされているMicromonos−pora
属の菌種には、ミクロモノスポラ ロザリア
(Micromonospora rosaria)ミクロモノスポ
ラ メガロミシア(Micromonospora megalo−
miciae)ミクロモノスポラ イノシトラ
(Micromonospora inositola)ミクロモノスポ
ラカルセア バリエタス イズメンシス(Micr
−omonospora chalcea varizumensis)がある
がはワインレツドカラーの可溶性色素を生産
し、胞子表面が特徴的なとげ状構造を呈する。
はチロシン寒天培地で良く生育し、メラニン色素
の生産が認められる。はグルコース・アスパラ
ギン寒天上に生育しない。また、イノシトールを
唯一の炭素源として利用する。はM.カルセア
の項で記した様に、炭素源の利用性がYS−02930
株と比べて良好で、特にα−メリビオース、ラフ
イノースの利用性が特徴的である。以上の点か
ら、上記4菌種もYS−02930K株とは明らかに異
なつている。以上の様に、すでに報告されたミク
ロモノスポラ属の菌でYS−02930Kと一致する菌
種はみあたらず、新菌種であると判断される。よ
つて本菌株をミクロモノスポラ エスピー
(Micromonospora sp.)YS−02930K株と命名し
た。 本菌株は通商産業省工業技術院微生物工業技術
研究所に微工研菌寄第7961号として寄託されてい
る。 本発明に係る微生物は、上記菌学的性質におけ
る特徴の他、抗生物質D物質及び/又はE物質及
び/又はH物質を生産する点でも特徴づけられ
る。本発明に用いられる菌株は他の放線菌にも見
られるごとく、人工的にまた自然に変異をおこし
やすいが、本発明のいうYS−02930K株は天然か
ら分離された放線菌、あるいはこれを紫外線、X
線、化学薬剤などで人工的に変異させた菌株及び
それらの自然変異株をも包含するものである。 本発明の新菌種に属する微生物は天然の土壌よ
り分離して取得したものであるが、前記微生物工
業技術研究所に寄託した菌株の凍結乾燥品を復元
することによつて容易に取得することができる。 (培養法) 本発明に係る微生物の培養は、その微生物が利
用する栄養源を含有する培地を用いて行なわれ
る。培地は合成、半合成、又は天然の、固体又は
液体培地のいずれを用いてもよいが、通常天然の
栄養源を含む液体培地が好適である。培地に添加
する栄養源としては、炭素源としては同化可能な
炭素化合物であればよく、例えばアラビノース、
シユクロース、スターチ、グルコース、ブドウ
糖、澱粉、デキストリン、ヤシ油、大豆油、α−
メリビオース等が単独または組み合わせて用いら
れる。さらに、アルコール類、有機酸なども用い
うる場合がある。無機及び有機窒素源としては、
塩化アンモン、硝酸ソーダ、硫酸アンモン、硝酸
アンモン、尿素などが、有機窒素源としては、ペ
プトン、酵母エキス、乾燥酵母、肉エキス、グル
テンミール、コーンスチープリカー、大豆粉、魚
粉、落花生粉、綿実粕、カザミノ酸や各種アミノ
酸(例えばグルタミン酸、アラニン、リジン等)
などが単独又は組み合せて用いられる。 また、培地には必要に応じてナトリウム、カリ
ウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、鉄、コ
バルトなどの金属の硫酸塩、硝酸塩、塩化物、炭
素塩、リン酸塩などを添加することができる。 培養は好気的条件下には行なうのがよく、静
置、振盪、通気攪拌培養のいずれも可能である
が、振盪あるいは通気攪拌培養が有利である。培
養温度はおよそ25〜33℃の範囲内が好ましく、殊
に約27〜29℃が有利である。また、培地のpHは
約5.5〜8.5の中性付近に保持するのが好適であ
る。培養期間は培地の組成、温度等の培養条件に
よつて異なるが、通常約2日〜14日程度であり、
上記D,E及びH物質が最高力価に達する時期を
見計らつて適当な時期に培養を終了する。 このようにして培養された培養物中に蓄積され
た抗生物質を単離精製するには、通常用いられる
単離精製手動を適用すればよい。ミクロモノスポ
ラ エスピー YS−02930K株を実施例に記載の
培養条件下で培養すると、培養液中に少なくとも
2種類の抗菌活性物質が蓄積される。 抗菌活性物質の単離、精製は培養物を遠心分離
又は過して、菌体を除去した後、適当な溶剤に
対する溶解性及び溶解度の差、溶液からの折出性
及び折出速度の差、種々の吸着剤に対する吸着親
和性の差、2種の液相間における分配の差などを
利用する方法を適用して行なうのが好ましい。こ
れらの方法は必要に応じて単独に用いられ、ある
いは任意の順序に組合せ、また反覆して適用でき
る。 YS−02930K株の培養による生産物のうち、D
物質とE物質はその混合物のメタノール溶液をメ
ルク社製シリカゲル60F254薄層プレート上でクロ
ロホルム:メタノール:28%アンモニア水(40:
10:0.2)を展開溶媒とする薄層クロマトブラフ
イーを行なうと、Rf値0.58と0.62のスポツトに分
かれ、この性質を利用することにより容易に単離
することができる。前者のスポツトから単離され
た精製品がD物質であり、後者のスポツトから単
離された精製品がE物質である。 また、H物質は、上記メタノール溶媒の代わり
にクロロホルム−メタノール−28%アンモニア水
の混液を用い、これをシリカゲル薄層プレート
(たとえば、メルク社製シリカゲル薄層プレート
(たとえば、メルク社製シリカゲル60F254)上で、
上記混液(混合比160:40:0.5)を展開溶媒とす
る薄層クロマトグラフイーを行うことによりRf
値0.62のスポツトから単離することができる。 (生産物) このようにして得られた抗生物質D物質、E物
質及びH物質の理化学的性質は以下のとおりであ
る。 (A) D物質の理化学的性質 (1) 紫外線吸収スペクトル:λmaxMeOH283nm (2) 赤外線吸収スペクトル:本物質の臭化カリウ
ム錠剤法による赤外線吸収スペクトルを第1図
に示す。 (3) 核磁気供鳴スペクトル:本物質の重クロロホ
ルム中での100MHZの核磁気供鳴スペクトルを
第2図に示す。 (4) 質量分析:EI−MSによる主なフラグメン
ト・ピーク158,407および581(M+) TMS誘導体のEI−MSによるピーク797
(M+) (5)外観:無色粉末 (6) 塩基性・中性・酸性の区別:塩基性物質 (7) 薄層クロマトグラフイーのRf値:シリカゲ
ル60F254(メルク社製)を使用 検出:UV254nm
【表】 (B) E物質の理化学的性質 (1) 紫外線吸収スペクトル:λmaxMeOH240nm (2) 質量分析:EI−MSによる主なフラグメン
ト・ピーク158,423および597(M+) TMS誘導体のEI−MSによるピーク813(M+) (3)外観:無色粉末 (4)塩基性・中性・酸性の区別:塩基性物質 (5) 溶解性:メタノール、エタノール、アセトン
酢酸エチルおよびクロロホルムに可溶 (6) 薄層クロマトグラフイーのRf値:シリカゲ
ル60F254(メルク社製)を使用 検出:UV254nm
【表】 (C) H物質の理化学的性質 (1) 紫外線吸収スペクトル:λmaxMeOH283nm (2) 赤外線吸収スペクトル:本物質の臭化カリウ
ム錠剤法による赤外線吸収スペクトルを第3図
に示す。 (3) 核磁気供鳴スペクトル:本物質の重クロロホ
ルム中での100MHZの核磁気供鳴スペクトルを
第4図に示す。 (4) 質量分析:EI−MSによるフラグメント・ピ
ーク158,174,379および553(M+) (5)分子量および分子式:533C30H51NO8 (6)外観:無色粉末 (7)塩基性・中性・酸性の区別:塩基性物質 (8) 薄層クロマトグラフイーのRf値:シリカゲ
ル60F254(メルク社製)を使用 検出:UV254nm
【表】 上記、D物質、E物質及びH物質はいずれもグ
ラム陽性菌、グラム陰性菌及びマイコプラズマま
どの病原菌に対し抗菌活性を有する。 以上の理化学的性質や生物活性などから、本発
明の発酵法によつて得られる生産物は、D物質が
で示される物質、物質Eが式 で示される物質、H物質が式 で示される物質であると同定された。 [発明の効果] 前記の如く、本発明の方法によつて提供される
上記抗生物質D物質、E物質及びH物質は従来の
マクロライド抗生物質に比し、グム陽性菌、グラ
ム陰性菌及びマイコプラズマなどの病原菌に対し
優れた抗菌活性を有し、これらの細菌感染症の予
防、治療に有用な物質である。 本発明は、従来発酵生産物の化学修飾でしか製
造することができなかつた有用な抗生物質D物
質、E物質及びH物質を、直接発酵法で生産する
ことを可能にした点で産業上顕著な効果を奏す
る。 (実施例) 以下に実施例を掲記し本発明を更に詳細に説明
する。 実施例 1 白色デキストリン2.0%、グリコース0.5%、ポ
リペプトン0.5%、酵母エキス0.5%、ブレイン・
ハート・インフエジヨン0.52%、コーン・ステイ
ープ・リカー0.5%、肉エキス0.3%、炭酸カルシ
ウム0.2%を含む培地(pH8.0)を作製し、これを
500ml三角フラスコに各60mlずつ分注し、120℃で
20分間滅菌したものにベネツト寒天培地上に生育
させたミクロモノスポラ・エスピー YS−
02930K株の菌糸をかき取つて接種し、27℃で72
時間振盪培養を行ない種培養液とする。つぎにポ
テト・スターチ3.0%、大豆粉1.5%、コーン・ス
テイープ・リカー0.5%、酵母エキス0.2%、硫酸
マグネシウム・7水塩0.05%、塩化ナトリウム
0.3%、塩化コバルト・6水塩0.002%、アデカノ
ール(旭電化製)0.03%を加えた培地25l(pH7.1)
を含む30l容のステンレス製醗酵槽に種培養液を
3.0%の割合で植菌した。通気量25l/分・攪拌95
〜150回転/分、温度28.0〜28.5℃で72時間培養
を続けるとバチルス・サブチリスATCC6633株に
対する抗菌活性は最大となる。このようにして得
られた培養液にラジオライト#600(昭和化学工業
製)を加えて攪拌の後、過すると液20lが得
られる。この液に0.1規定の水酸化ナトリウム
を加えてPH3に調整した後、20lの酢酸エチルを
加えてよく攪拌する。酢酸エチル層を分離した
後、これにpH3に調整した塩酸水5lを加えよく攪
拌する。pH3塩酸水層を分離した後、重曹を添加
してpH8.5に調整した後、酢酸エチル5lを加えて
よく攪拌する。酢酸エチル層を分離して、これに
無水硫酸ナトリウムを加えて脱水するる。つぎに
無水硫酸ナトリウムを別した後、酢酸エチル層
を減圧濃縮すると淡黄色物質が200mg得られる。 実施例 2 実施例1で得られた淡黄色物質200mgに少量
のメタノールを加え溶解させた後、メルク社製シ
リカゲル60F254薄層プレートに帯状に塗布してク
ロロホルム:メタノール:28%アンモニア水
(40:10:0.2)を展開溶剤とする薄層クロマトグ
ラフイーを行ない、Rf値0.58を示し、バチリス・
サブチリスATCC6633株に抗菌活性を示す部分を
かき取り、かき取つたシリカゲル粉末をカラムに
つめ、クロロホルム:メタノール:28%アンモニ
ア水(40:10:0.2)で抗菌活性物質を溶離させ
た後、減圧濃縮すると無色粉末として単純な抗生
物質YS−0930K−D物質が15mg得られた。 実施例 3 実施例1で得られた淡黄色物質200mgに少量
のメタノールを加え溶解させた後、メルク社製シ
リカゲル60F254薄層プレートに帯状に塗布してク
ロロホルム:メタノール:28%アンモニア水
(40:10:0.2)を展開溶剤とする薄層クロマトグ
ラフイーを行ない、Rf値0.62を示し、バチルス・
サブチリスATCC6633株に抗菌活性を示す部分を
かき取り、かき取つたシリカゲル粉末をカラムに
つめ、クロロホルム:メタノール:28%アンモニ
ア水(40:10:0.2)で抗菌活性物質を溶離させ
た後、減圧濃縮すると無色粉末として単純な抗生
物質YS−02930K−E物質が10mg得られた。 実施例 4 白色デキストリン2.0%、グリコース0.5%、ポ
リペプトン0.5%、酵母エキス0.5%、ブレイン・
ハート・インフユジヨン0.52%、コーン・ステー
ブ・リカー0.5%、肉エキス0.3%、炭酸カルシウ
ム0.2%を含む培地(pH8.0)を作製し、これを
500ml三角フラスコに各60mlずつ分注し、120℃で
20分間滅菌したものにベネツト寒天培地上に生育
させたミクロモノスポラ・エスピーYS−02930K
株の菌糸をかき取つて接種し、27℃で72時間振盪
培養を行ない種培養液とする。つぎにポテト・ス
ターチ3.0%、大豆粉1.5%、コーン・ステイー
ブ・リカー0.5%、酵母エキス0.2%、硫酸マグネ
シウム・7水塩0.05%、塩化ナトリウム0.3%、
塩化コバルト・6水塩0.002%、アデカノール
(旭電化製)0.03%を加えた培地100l(pH7.1)を
含む150l容のステンレス製醗酵槽に種培養液を
3.0%の割合で植菌した。通気量100l/分・攪拌
95〜150回転/分、温度28.0〜28.5℃で72時間培
養を続けるとバチルス・サブチリスATCC6633株
に対する抗菌活性は最大となる。このようにして
得られた培養液にラジオライト#600(昭和化学工
業製)を加えて攪拌の後、過すると液85lが
得られる。この液に0.1規定の水酸化ナトリウ
ムを加えてpH8.5に調整した後、85l酢酸エチル
を加えてよく攪拌する。酢酸エチル層を分離した
後、これにpH3に調整した塩酸水10lを加えよく
攪拌する。pH3塩酸水を分離した後、重曹を添加
してpH8.5に調整した後、酢酸エチル10lを加え
よく攪拌する。酢酸エチル層を分離して、これに
無水硫酸ナトリウムを加えて脱水する。つぎに無
水硫酸ナトリウムを別した後、酢酸エチル層を
減圧濃縮すると淡黄色物質が800mg得られる。 実施例 5 実施例4で得られた淡黄色物質800mgをクロロ
ホルム−メタノール−28%アンモニア水(50:
1:0.1)の溶液1mlに溶解させる。次にワコー
ゲルC−200(和光純薬製)16gをクロロホルム−
メタノール−28%アンモニア水(60:1:0.1)
で充填したカラムに試料を含む溶液1mlを乗せク
ロロホルム−メタノール−28%アンモニア水
(50:1:0.1)を展開溶剤とするカラムクロマト
グラフイーを行ない、5mlずつ分画する。溶出さ
れた各分画をクロロホルム−メタノール−28%ア
ンモニア水(160:40:0.5)を展開溶剤とするシ
リカゲル60F254(メルク社製)を用いる薄層クロ
マトグラフイーを行ないUV254検出器においてRf
値0.62を示し、かつバチルス・サブチリス
ATCC6633株に抗菌活性を示す物質を含む分画を
集め、減圧濃縮すると無色粉末として純粋な抗生
物質YS−02930K−H物質が20mg得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図はYS−02930K−D物質の赤外線吸収ス
ペクトル、第2図は同物質の核磁気共鳴スペクト
ル、第3図はYS−02930K−H物質の赤外線吸収
スペクトル、第4図は同物質の核磁気共鳴スペク
トルである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ミクロモノスポラ属に属し、抗生物質YS−
    02930K−D及び/又はYS−02930K−E及び/
    又はYS−02930K−H生産能を有する微生物を培
    養し、培養液から抗生物質YS−02930K−D及
    び/又はYS−02930K−E及び/又はYS−
    02930K−Hを採取することを特徴とする抗生物
    質YS−02930K−D及び/又はYS−02930K−E
    及び/又はYS−02930K−Hの生産方法 2 微生物がミクロモノスポラ エスピー YS
    −02930K株である特許請求の範囲第1項記載の
    方法
JP60259602A 1984-12-24 1985-11-18 新規微生物及びその使用方法 Granted JPS61268176A (ja)

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