JPH0460408B2 - - Google Patents
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- JPH0460408B2 JPH0460408B2 JP62013408A JP1340887A JPH0460408B2 JP H0460408 B2 JPH0460408 B2 JP H0460408B2 JP 62013408 A JP62013408 A JP 62013408A JP 1340887 A JP1340887 A JP 1340887A JP H0460408 B2 JPH0460408 B2 JP H0460408B2
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Classifications
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/80—Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
- Y02T10/86—Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction
Landscapes
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)
- Tyre Moulding (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、耐摩耗性、耐偏摩耗性、燃費性能等
のタイヤ性能をバランスよく向上させうるラジア
ルタイヤの製造方法に関する。 〔従来技術〕 近年、カーカスコードをタイヤ赤道面にほぼ直
角に配列するラジアル構造のタイヤが、耐摩耗
性、操縦安定性などの特性に優れるものとして多
用されている。又このようなラジアルタイヤで
は、カーカスの外面を囲んで、タイヤの赤道面に
対して比較的小さな角度で傾く有機又は金属のコ
ードを配列した剛性の比較的大きい、いわゆるベ
ルト層を設けることにより、タイヤにタガ効果を
与えている。 他方、このようなラジアルタイヤを加硫する金
型は、従来、成型されたタイヤに標準内圧を付加
した状態において、カーカスの変形が生じない自
然平衡形状となるようにその内腔形状が設定され
ている。 ここで自然平衡形状とは、自然平衡形状理論に
よつて求められるカーカスプロフアイルをいい、
この自然平衡形状理論とは、ホツフアバース
(W.Hofferberth)が、Kautsch.Gummi(8−
1955、124〜130)で論じたものであつて、この理
論は、タイヤのトレツド部に位置するベルト層は
内圧の充填によつて変形しない剛のリング体と考
え、このベルト層と、他方の変形を生じないビー
ドコアーとの間に配され、サイドウオール部から
ビード部に跨るカーカスを、該内圧の充填によつ
ても変形を生じない形状に、加硫金型によつて予
め成形することを意図している。 又この自然平衡形状理論に基づくカーカスプロ
フアイルは、前記のごとく、内圧の充填によつて
カーカスには変形を生じないこと、即ちカーカス
コードに均一に張力を作用させることを目的とし
ているのである。 なおこのホツフアバースの理論は、バイアスタ
イヤについてのものであるが、赤坂氏によつて、
「ラジアルタイヤの断面形状について」日本複合
材料学会誌VOL.3,4(1977).149〜154におい
て、ラジアルタイヤにおいても適応しうるように
拡張されている。 又この自然平衡形状理論の適用については、少
なくとも次の2点において補足するのが好まし
い。 第1に、ベルト層が金属コードなどからなる場
合においても、実際には完全な剛体ではなく、内
圧によつて多少の変形が生じ、特に偏平比が小さ
な偏平タイヤであるほど、内圧充填によるカーカ
スの押し上げによつて、該ベルト層が変形しがち
であること。 第2に、ビード部付近では、カーカスの折り返
し部分、ビードエーペツクス、その他の補強層に
よつて剛性が大であり、従つて、ビードコアーか
ら、通常リムポイントといわれるカーカスプロフ
アイルの変曲点即ち等価ビード位置までの範囲で
は、自然平衡形状理論に一致せず、従つて、該理
論による曲線は、前記等価ビード位置を起点とし
て考えること。 このように従来のタイヤで採用される自然平衡
形状理論は、前記したごとく、加硫金型内で加硫
成形されるタイヤ(本明細書において、以後要す
ればモードタイヤという)のカーカスプロフアイ
ルを、標準のリムに装填しかつ標準の内圧を充填
したときにも、形状の変化を伴わず、カーカスに
均一な張力を生じさせる曲線とするための理論で
あり、又通常、加硫金型内においてモールドタイ
ヤのクリツプリング巾、即ちビード底部の外面間
の長さは、装着されるリムの巾と等しく設定され
る。 なおモールドタイヤのクリツプリング巾を、リ
ム巾と異ならせるものが、例えば特公昭61−
28521号公報等によつて提案されている。しかし
このようなモールドタイヤであつても、そのクリ
ツプリング巾をリム巾に数値変換したうえ、自然
平衡形状理論を適用して求めたカーカスプロフア
イルも、内圧充填後のカーカスプロフアイルと基
本的に同じとなり、このように、単にクリツプリ
ング巾のみをリム巾とは異ならせたものは、自然
平衡形状理論の範疇に含まれるのである。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし、このような、自然平衡形状理論に基づ
くカーカスプロフアイルのラジアルタイヤ、特に
偏平率が比較的高くカーカス形状が円形に近くな
るタイヤにおいては、第7図に示すごとく、標準
内圧の充填によつても、カーカスAとベルト層B
との間、特にベルト層Bの端部付近において、カ
ーカスAのシヨルダー部分での半径方向外向きの
変形が小であることによつて(自然平衡形状理論
では内圧充填によるカーカスの伸長はないと仮定
しているが、実際にはカーカスはやや伸長し、こ
の自然平衡形状理論によるカーカスプロフアイル
は、略相似形に膨らむ)カーカスAとベルト層B
との間の押付けによる結合力が、非内圧充填時に
おける結合力よりもたいして大とはなしえず、カ
ーカスAとベルト層Bとの間の拘束力に劣る。 従つて、ベルト層Bの、特に端部付近では、カ
ーカスAに作用するテンシヨンがベルト層Bに作
用し難く、ベルト層Bは必要なタガ効果を発揮し
えないこととなる。その結果、トレツドのシヨル
ダー部の表面形状は不均一となりやすく又ベルト
層Bによる拘束力が低下することとあいまつて、
タイヤ走行に際して偏摩耗が発生し、耐摩耗性を
悪化させる。又転動に際してベルト層Bに作用す
る半径方向の曲げ量が増すことにより該ベルト層
Bに作用する応力が増大するため、ころがり抵抗
を増し燃費性をも劣化させるという問題がある。 従つて本出願人は、特願昭61−252465号によつ
て、低内圧充填時と標準内圧を充填したときとに
おいて、トレツド面を曲率半径が大となるように
変形させ、シヨルダー部の変化量を大きくするこ
とを基本として、カーカスAのテンシヨンを円滑
にベルト層Bに作用させ、ベルト層Bによるタガ
効果を増大させることにより、耐摩耗性、耐偏摩
耗性を向上するとともに燃費性をも高めうる乗用
車用ラジアルタイヤの提案した。 本発明は、加硫金型において成形されたタイヤ
のカーカスプロフアイルを、自然平衡形状理論に
よるものと故意に異ならせることを基本として、
前記提案に係るラジアルタイヤの便宜な製造方法
を提供することを目的としている。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、ラジアル方向にカーカスコードを配
したカーカスと、トレツド部において前記カーカ
スの外側で円周方向に配した補強用のベルト層と
を具えるラジアルタイヤの、加硫金型内における
前記カーカスの最大巾WAを、自然平衡形状理論
により求められるカーカスの最大巾WBよりも大
とし、かつ加硫金型内におけるビード底からの前
記カーカスの最大巾の位置迄の半径方向の高さ
HAを、自然平衡形状理論により求めたビード底
からのカーカスの最大巾の位置CB迄の半径方向
の高さHBよりも小としたことを特徴とするラジ
アルタイヤの製造方法である。 以本発明の一実施例を図面に基づき説明する。 第3図は、本発明の製造方法によりえられたモ
ールドタイヤ1Aを標準のリム10に装着しかつ
標準内圧、例えば2.1Kg/cm2の空気を充填してな
るラジアルタイヤ1を例示しており、このラジア
ルタイヤ1は、ビードコア2が通る両側のビード
部3,3と、該ビード部3から半径方向外向きに
のびるサイドウオール部4,4とその両端を継ぐ
トレツド部5とを具えるとともに、サイドウオー
ル部4、トレツド部5には、前記ビードコア2の
まわりを内側から外側に向かつて折り返したカー
カス6の本体部が跨設される。又トレツド部5に
は、カーカス6の外側にベルト層7を配置すると
ともに、カーカス6の本体部とその折り返し部と
の間にはビードエーペツクス9を設ける一方、こ
の乗用車用ラジアルタイヤ1は、いわゆる標準の
リム10のフランジ11,11に、ビード部3を
嵌合させることにより、該リム10に装着され
る。 前記カーカス6は、コードをタイヤ赤道面Cに
対して約80゜〜90゜の角度に配列したいわゆるラジ
アル方向コード配列体であり、コードとしてナイ
ロン、ポリエステル、レーヨン、芳香族ポリアミ
ド繊維が採用される。このカーカス6は1〜3層
のプライが用いられる。 又前記ベルト層7は、カーカス6側に配する第
1のプライ7Aとその上側の第2のプライ7Bの
例えば2層構造体であり、第1、第2のプライ7
A,7Bはともに金属コードを用いてしかも夫々
タイヤ赤道面COに対して比較的浅い角度でかつ
逆方向に傾斜して配される。又第1のプライ7A
は第2のプライ7Bよりも広幅であり、又第1の
プライ7Aの両端は、サイドウオール部4とトレ
ツド部5とが交わる縁部a下方まで延在してい
る。 なお本例の乗用車用ラジアルタイヤ1は、標準
内圧充填時においてビード部3下端からトレツド
部5上表面であるトレツド面12の最大高さ点b
までの距離DTと、タイヤ巾Wとの比が1よりも
小、例えば0.9程度のやや偏平状に形成されてい
る。 本発明のラジアルタイヤの製造方法において
は、主として、加硫金型20、カーカス6A,6
Bを、タイヤ赤道COの右半分で示す第1図にお
いて、実線の、加硫金型20内で加硫、成形され
るモールドタイヤ1Aのカーカス6Aの最大巾
WAを、同図に破線で示す、自然平衡形状理論に
より求めたカーカス6Bの最大巾WBよりも大に
設定している。 さらに、前記モールドタイヤ1Aのカーカス6
Aのビード部3の底部即ちビード底3Aから、前
記カーカス6Aの最大巾の位置CAまでの半径方
向の高さHAを、自然平衡形状理論におけるカー
カス6Bのビード部3Aからのカーカス6Bの最
大巾の位置CBまでの半径方向の高さHBよりも
小に設定している。なお、モールドタイヤ1Aの
カーカス6Aはベルト層7の端縁d近傍の後述す
る交点DAから前記自然平衡形状理論により求め
られる曲線の半径方向内側を通り、最大巾の位置
CAの半径方向外側の位置で該曲線と交わり、前
記最大巾の位置CAに至る曲線を形成する。さら
に、本例では、モールドタイヤ1Aは、そのクリ
ツプリング巾BAを、装着されるリム10のフラ
ンジ11,11間の長さとほぼ同寸に設定されて
いる。 一方、自然平衡形状理論によつては、次式によ
りカーカスプロフアイルが求められる。 ここで、第2図に示すように、 D:ベルト層7の端部dから半径方向に延び車軸
Z、即ち本例ではZ軸と直角な垂線Xがカーカ
ス6Bに交わる交点。 C:カーカスの最大巾の位置。 r:Z軸からのタイヤ半径方向の高さ(本例では
r軸)。 rC:Z軸から前記カーカス6B上の前記点Cま
での半径方向の高さ。 rD:Z軸から、カーカス6Bの前記交点Dまで
の半径方向の高さ。 ΦD:前記交点Dにおけるカーカス6Bの法線Y
と前記Z軸とがなす角。 なお前記Z軸はビード底3Aを水平に通る線に
置換してもよく、又(1)式においては、ベルト層7
の少なくとも端部dの近傍において、カーカス6
Bが円弧をなすものとして求められる。又(1)式
は、前記交点Dを通るr軸と、z軸との交点0を
原点として求めたものであつて、このように、高
さrを与えることによつて、前記r軸からの水平
方向の偏位置、即ちZ値を計算でき、自然平衡形
状理論のよる曲線を求めうるのである。 さらに、ビード部3の部分では、前記したごと
く、カーカスの折り返し部、ビードエーペツク
ス、補強層などによつて、比較的大なる曲げ剛性
を有しており、従つて、剛性の大なる範囲の上
端、即ち前記等価ビード位置Bから前記点Cをへ
て交点Dに至る領域において自然平衡形状理論は
適応される。なお、前記等価ビード位置Bの付近
では、その下方は、該位置Bの上方の、自然平衡
形状理論により求まる外向きに凸な円弧と滑らか
に連なる内向きに凸な円弧として形成され、該位
置Bは変曲点即ちリムポイントをなす。 このように、自然平衡形状理論では、(1)式から
も明らかなように、前記高さrC、rDの位置及び
前記角度ΦDを与えられたとき、その曲線が決定
される。なお、前記点Cのz値を予め与えるとき
には、角度ΦD、高さrCの一方を与えることによ
り、他方を求めうる。 これに対して、本発明の製造方法では、加硫金
型20で成形されるモールドタイヤ1Aの、カー
カス6Aの最大巾の位置CAまでの、ビード底3
Aからの半径方向の高さHAを、前述のとおり、
自然平衡形状理論におけるビード底3Bからの高
さHBよりも小とし、カーカスプロフアイルを下
膨らみ形状に形成する。又高さHAと高さHBと
の比率HA/HBは、0.85〜0.95となるように設定
される。 又この高さHAは、成形されるタイヤの全断面
高さDTに対して、40〜48%となる範囲に収めら
れる。 さらにモールドタイヤ1Aではカーカス6Aの
最大巾WAを、自然平衡形状理論における最大巾
WBよりも大とするが、最大巾WAと、最大巾
WBとの比率WA/WBは、1.01〜1.04、好ましく
は1.015〜1.025の範囲に設定される。これによつ
てモールドタイヤ1Aの最大巾の位置CAから前
記等価ビード位置Bまでのカーカスプロフアイル
は、自然平衡形状理論により得られるカーカスプ
ロフアイルとは異なる、該曲線を故意に外した、
下膨らみのカーカスプロフアイルを有することと
なる。 さらに、モールドタイヤ1Aでは、前記のごと
く、カーカス6Aはベルト層7の端部から下ろし
た垂線Xとカーカス6Aとの交点DAから自然平
衡形状理論により得られる曲線の半径方向内側を
通り、最大巾の位置CAの半径方向外側の位置で
該曲線と交わり前記最大巾の位置CAに至る曲線
とし、又モールドタイヤ1Aのカーカス6Aは、
自然平衡形状理論により得られるカーカス6Bの
長さとほぼ同一に形成される。 このようなモールドタイヤ1Aは、使用する加
硫金型20の内腔を、前記カーカスプロフアイル
に各部における必要ゲージを付加することにより
設定される形状とした専用のものの他、従来の、
自然平衡形状理論による内腔を有する加硫金型で
あつても、サイドウオール部などのゴムゲージ分
布を変化させることによつて、モールドタイヤ1
Aのカーカス6Aのカーカスプロフアイルを形成
しうる場合もある。 なおカーカスプロフアイルとは、カーカスの厚
さの中心を結ぶ曲線であり、複数のプライを用い
るときには、全厚さの中央点を通る曲線として定
義する。 このようなモールドタイヤ1Aを加硫金型から
取り出し標準のリム10に装着する。又このタイ
ヤ1Aに標準内圧の10%の内圧(以下10%圧とい
う)を充填することによつて、加硫金型20から
取出されたモールドタイヤ1Aは、加硫金型20
内における形状を略再現する。さらに標準内圧を
付加する。 標準内圧の付加によつて第4図に示すように、
10%圧を付加したときのトレツド面12の曲率半
径RT1よりも、そのトレツド面12の曲率半径
RT2が大となるように変形する。即ち、第3図
に示した前記最大高さ点bにおけるタイヤ外径
DCと、前記縁部aにおけるタイヤ外径DSとの差
DC−DSが小さくなるように変形する。これによ
つて、トレツド面12中央のクラウン部12Aに
比してその両側のシヨルダ部12Bの外膨らみの
変化量を大きくしている。その結果、内圧充填と
ともにカーカス6がベルト層7の特に端部付近を
押し上げることによつて、カーカス6とベルト層
7との結合力を高め、該カーカス6に作用する引
張力をベルト層7のとくに端部に作用させること
を可能とし、ベルト層7のタガ効果を高めること
ができるのである。 これは、モールドタイヤ1Aの、前記最大巾の
位置CAから交点DAに至る上方部が、第1図に
示すごとく、カーカスプロフアイル全体を自然平
衡形状理論により求めたときの上方部よりも大き
な半径の円弧を有することに伴い、モールドタイ
ヤ1Aのカーカスプロフアイルの上方部は自然平
衡形状理論の曲線の上方部の内方を通る。このよ
うな形状のカーカスプロフアイルは、内圧の充填
とともに、各部に生じる応力が各部に作用する内
圧による応力と平衡するように変形し、これは通
常、自然平衡形状理論により求める曲線に近づ
き、上方部の曲率半径を減じるに伴い、標準内圧
の付加によりシヨルダ部12Bを押し上げ、付加
によるトレツド面12の曲率半径を増大させる。 さらに前記のように、前記最大巾WA、WBの
比を1.01〜1.04、高さHA、HBの比を0.85〜0.95
とし、さらに加硫金型20のトレツド面形状、ベ
ルト層形状等を適宜に定めることによつて、その
半径比RT2/RT1を1.10以上かつ1.40以下とす
ることができる。ここで、前記半径比RT2/
RT1が1.40よりも大であるときには、シヨルダ
部の張り出し量が過大となりカーカス3に適度の
引張力を作用し、その耐久性を損なうとともに、
トレツドゴムの張力も増し、疲労割れ、欠けを生
じやすくするなどの欠点を伴う。又半径比が1.10
よりも小のときには、カーカス6によりベルト層
7を押し上げが充分ではなく、前記した効果を発
揮しえない。 又前記した変形によつて、カーカス6がトレツ
ド面12のシヨルダ部12B下方を通過するカー
カスのシヨルダ部分6Aでは、10%圧の場合に比
べて標準内圧の場合の曲率半径が小となるように
変形できる。 即ち、モールドタイヤ1Aの前記交点DAにお
いて曲率半径RC1を有する円弧は、自然平衡形
状理論による曲率半径に近似した、より小さな曲
率半径RC2の円弧となるように変形するのであ
る。 又その半径比RC2/RC1は0.65以上かつ0.85
以下となるようにするのが好ましい。半径比RC
2/RC1が0.65より小であるとき、カーカス6
を過度に折曲げ、前記したと同様にその引張力を
過大とし疲労等によつてタイヤの耐久性を損ない
やすい。又0.85をこえるときには、カーカス6に
よるベルト層7の押し上げ量を減じ、前記効果を
発揮しえないこととなる。 このように、標準内圧充填によりトレツド面1
2の曲率半径を増大するごとく変形させ、耐摩耗
性を向上するとともに、タガ効果の向上によりこ
ろがり抵抗を減じ、燃費を改善できる。又カーカ
ス6のこのような変形は、内圧充填によりシヨル
ダ部分6Aの引張力を増大させ、ベルト層7に作
用するテンシヨンの増大にも役立つ。 さらに、前記タイヤ1は、本例では、標準内圧
を付加したときの前記曲率半径RT2と、カーカ
ス6の外側に環状に配置されたベルト層7の外径
DBとの比RT2/DBを0.42以上としている。 このように標準内圧付加時のトレツド面12の
曲率半径を設定することによつて、トレツド面1
2は比較的大きな円弧を呈することができ、シヨ
ルダ部12Bを外向きに変形させうる。 なお本発明において、標準内圧とは、標準使用
条件においてタイヤに付される内圧ないしはその
上下100%の範囲の圧力を言い、又タイヤには、
ビード部を補強する補強層(図示せず)を設け、
又ベルト層7のプライ枚数を変え、さらには上方
のプライ7Bを広幅とするなど、種々変形でき
る。 〔実施例〕 第3図に示す構造のタイヤサイズ5.60R13、
6.40R14のタイヤを、第1表に示す仕様によつて
製作した。なお自然平衡形状理論により計算され
た各数値も併記している。このようなモールドタ
イヤ1Aを標準のリムに装着しかつ標準の内圧を
充填した後の各部の数値を第2表に示している。
又第2表に比較例のタイヤと比較測定した。なお
比較例1、2のタイヤは、自然平衡形状理論に基
づくカーカスプロフアイルを具えている。 なお標準内圧は2.1Kg/cm2であり、又10%圧は
0.2Kg/cm2であり、ころがり抵抗指数は、直径
1707mmのドラムにタイヤを押しつけ、所定の速度
(80Kg/h)に回転駆動したのち、停止するまで
の楕行回転数から算出した。比較例1を100とし
た指数で表示している。 又排気量1800c.c.の乗用車に装着し、8000Kmまで
の加速摩耗テストを行つた結果を第5図に示して
いる。本実施例品は摩耗量が低減されているのが
わかる。 さらに、第6図は、トレツド面12とサイドウ
オール部4とが交わる縁部aでの摩耗量即ち肩落
ち量を示している。同様に実施例品が優れてい
る。なお表中において、( )内の数値はデータ
のばらつきであり、その平均値を括弧を除いて示
している。
のタイヤ性能をバランスよく向上させうるラジア
ルタイヤの製造方法に関する。 〔従来技術〕 近年、カーカスコードをタイヤ赤道面にほぼ直
角に配列するラジアル構造のタイヤが、耐摩耗
性、操縦安定性などの特性に優れるものとして多
用されている。又このようなラジアルタイヤで
は、カーカスの外面を囲んで、タイヤの赤道面に
対して比較的小さな角度で傾く有機又は金属のコ
ードを配列した剛性の比較的大きい、いわゆるベ
ルト層を設けることにより、タイヤにタガ効果を
与えている。 他方、このようなラジアルタイヤを加硫する金
型は、従来、成型されたタイヤに標準内圧を付加
した状態において、カーカスの変形が生じない自
然平衡形状となるようにその内腔形状が設定され
ている。 ここで自然平衡形状とは、自然平衡形状理論に
よつて求められるカーカスプロフアイルをいい、
この自然平衡形状理論とは、ホツフアバース
(W.Hofferberth)が、Kautsch.Gummi(8−
1955、124〜130)で論じたものであつて、この理
論は、タイヤのトレツド部に位置するベルト層は
内圧の充填によつて変形しない剛のリング体と考
え、このベルト層と、他方の変形を生じないビー
ドコアーとの間に配され、サイドウオール部から
ビード部に跨るカーカスを、該内圧の充填によつ
ても変形を生じない形状に、加硫金型によつて予
め成形することを意図している。 又この自然平衡形状理論に基づくカーカスプロ
フアイルは、前記のごとく、内圧の充填によつて
カーカスには変形を生じないこと、即ちカーカス
コードに均一に張力を作用させることを目的とし
ているのである。 なおこのホツフアバースの理論は、バイアスタ
イヤについてのものであるが、赤坂氏によつて、
「ラジアルタイヤの断面形状について」日本複合
材料学会誌VOL.3,4(1977).149〜154におい
て、ラジアルタイヤにおいても適応しうるように
拡張されている。 又この自然平衡形状理論の適用については、少
なくとも次の2点において補足するのが好まし
い。 第1に、ベルト層が金属コードなどからなる場
合においても、実際には完全な剛体ではなく、内
圧によつて多少の変形が生じ、特に偏平比が小さ
な偏平タイヤであるほど、内圧充填によるカーカ
スの押し上げによつて、該ベルト層が変形しがち
であること。 第2に、ビード部付近では、カーカスの折り返
し部分、ビードエーペツクス、その他の補強層に
よつて剛性が大であり、従つて、ビードコアーか
ら、通常リムポイントといわれるカーカスプロフ
アイルの変曲点即ち等価ビード位置までの範囲で
は、自然平衡形状理論に一致せず、従つて、該理
論による曲線は、前記等価ビード位置を起点とし
て考えること。 このように従来のタイヤで採用される自然平衡
形状理論は、前記したごとく、加硫金型内で加硫
成形されるタイヤ(本明細書において、以後要す
ればモードタイヤという)のカーカスプロフアイ
ルを、標準のリムに装填しかつ標準の内圧を充填
したときにも、形状の変化を伴わず、カーカスに
均一な張力を生じさせる曲線とするための理論で
あり、又通常、加硫金型内においてモールドタイ
ヤのクリツプリング巾、即ちビード底部の外面間
の長さは、装着されるリムの巾と等しく設定され
る。 なおモールドタイヤのクリツプリング巾を、リ
ム巾と異ならせるものが、例えば特公昭61−
28521号公報等によつて提案されている。しかし
このようなモールドタイヤであつても、そのクリ
ツプリング巾をリム巾に数値変換したうえ、自然
平衡形状理論を適用して求めたカーカスプロフア
イルも、内圧充填後のカーカスプロフアイルと基
本的に同じとなり、このように、単にクリツプリ
ング巾のみをリム巾とは異ならせたものは、自然
平衡形状理論の範疇に含まれるのである。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし、このような、自然平衡形状理論に基づ
くカーカスプロフアイルのラジアルタイヤ、特に
偏平率が比較的高くカーカス形状が円形に近くな
るタイヤにおいては、第7図に示すごとく、標準
内圧の充填によつても、カーカスAとベルト層B
との間、特にベルト層Bの端部付近において、カ
ーカスAのシヨルダー部分での半径方向外向きの
変形が小であることによつて(自然平衡形状理論
では内圧充填によるカーカスの伸長はないと仮定
しているが、実際にはカーカスはやや伸長し、こ
の自然平衡形状理論によるカーカスプロフアイル
は、略相似形に膨らむ)カーカスAとベルト層B
との間の押付けによる結合力が、非内圧充填時に
おける結合力よりもたいして大とはなしえず、カ
ーカスAとベルト層Bとの間の拘束力に劣る。 従つて、ベルト層Bの、特に端部付近では、カ
ーカスAに作用するテンシヨンがベルト層Bに作
用し難く、ベルト層Bは必要なタガ効果を発揮し
えないこととなる。その結果、トレツドのシヨル
ダー部の表面形状は不均一となりやすく又ベルト
層Bによる拘束力が低下することとあいまつて、
タイヤ走行に際して偏摩耗が発生し、耐摩耗性を
悪化させる。又転動に際してベルト層Bに作用す
る半径方向の曲げ量が増すことにより該ベルト層
Bに作用する応力が増大するため、ころがり抵抗
を増し燃費性をも劣化させるという問題がある。 従つて本出願人は、特願昭61−252465号によつ
て、低内圧充填時と標準内圧を充填したときとに
おいて、トレツド面を曲率半径が大となるように
変形させ、シヨルダー部の変化量を大きくするこ
とを基本として、カーカスAのテンシヨンを円滑
にベルト層Bに作用させ、ベルト層Bによるタガ
効果を増大させることにより、耐摩耗性、耐偏摩
耗性を向上するとともに燃費性をも高めうる乗用
車用ラジアルタイヤの提案した。 本発明は、加硫金型において成形されたタイヤ
のカーカスプロフアイルを、自然平衡形状理論に
よるものと故意に異ならせることを基本として、
前記提案に係るラジアルタイヤの便宜な製造方法
を提供することを目的としている。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、ラジアル方向にカーカスコードを配
したカーカスと、トレツド部において前記カーカ
スの外側で円周方向に配した補強用のベルト層と
を具えるラジアルタイヤの、加硫金型内における
前記カーカスの最大巾WAを、自然平衡形状理論
により求められるカーカスの最大巾WBよりも大
とし、かつ加硫金型内におけるビード底からの前
記カーカスの最大巾の位置迄の半径方向の高さ
HAを、自然平衡形状理論により求めたビード底
からのカーカスの最大巾の位置CB迄の半径方向
の高さHBよりも小としたことを特徴とするラジ
アルタイヤの製造方法である。 以本発明の一実施例を図面に基づき説明する。 第3図は、本発明の製造方法によりえられたモ
ールドタイヤ1Aを標準のリム10に装着しかつ
標準内圧、例えば2.1Kg/cm2の空気を充填してな
るラジアルタイヤ1を例示しており、このラジア
ルタイヤ1は、ビードコア2が通る両側のビード
部3,3と、該ビード部3から半径方向外向きに
のびるサイドウオール部4,4とその両端を継ぐ
トレツド部5とを具えるとともに、サイドウオー
ル部4、トレツド部5には、前記ビードコア2の
まわりを内側から外側に向かつて折り返したカー
カス6の本体部が跨設される。又トレツド部5に
は、カーカス6の外側にベルト層7を配置すると
ともに、カーカス6の本体部とその折り返し部と
の間にはビードエーペツクス9を設ける一方、こ
の乗用車用ラジアルタイヤ1は、いわゆる標準の
リム10のフランジ11,11に、ビード部3を
嵌合させることにより、該リム10に装着され
る。 前記カーカス6は、コードをタイヤ赤道面Cに
対して約80゜〜90゜の角度に配列したいわゆるラジ
アル方向コード配列体であり、コードとしてナイ
ロン、ポリエステル、レーヨン、芳香族ポリアミ
ド繊維が採用される。このカーカス6は1〜3層
のプライが用いられる。 又前記ベルト層7は、カーカス6側に配する第
1のプライ7Aとその上側の第2のプライ7Bの
例えば2層構造体であり、第1、第2のプライ7
A,7Bはともに金属コードを用いてしかも夫々
タイヤ赤道面COに対して比較的浅い角度でかつ
逆方向に傾斜して配される。又第1のプライ7A
は第2のプライ7Bよりも広幅であり、又第1の
プライ7Aの両端は、サイドウオール部4とトレ
ツド部5とが交わる縁部a下方まで延在してい
る。 なお本例の乗用車用ラジアルタイヤ1は、標準
内圧充填時においてビード部3下端からトレツド
部5上表面であるトレツド面12の最大高さ点b
までの距離DTと、タイヤ巾Wとの比が1よりも
小、例えば0.9程度のやや偏平状に形成されてい
る。 本発明のラジアルタイヤの製造方法において
は、主として、加硫金型20、カーカス6A,6
Bを、タイヤ赤道COの右半分で示す第1図にお
いて、実線の、加硫金型20内で加硫、成形され
るモールドタイヤ1Aのカーカス6Aの最大巾
WAを、同図に破線で示す、自然平衡形状理論に
より求めたカーカス6Bの最大巾WBよりも大に
設定している。 さらに、前記モールドタイヤ1Aのカーカス6
Aのビード部3の底部即ちビード底3Aから、前
記カーカス6Aの最大巾の位置CAまでの半径方
向の高さHAを、自然平衡形状理論におけるカー
カス6Bのビード部3Aからのカーカス6Bの最
大巾の位置CBまでの半径方向の高さHBよりも
小に設定している。なお、モールドタイヤ1Aの
カーカス6Aはベルト層7の端縁d近傍の後述す
る交点DAから前記自然平衡形状理論により求め
られる曲線の半径方向内側を通り、最大巾の位置
CAの半径方向外側の位置で該曲線と交わり、前
記最大巾の位置CAに至る曲線を形成する。さら
に、本例では、モールドタイヤ1Aは、そのクリ
ツプリング巾BAを、装着されるリム10のフラ
ンジ11,11間の長さとほぼ同寸に設定されて
いる。 一方、自然平衡形状理論によつては、次式によ
りカーカスプロフアイルが求められる。 ここで、第2図に示すように、 D:ベルト層7の端部dから半径方向に延び車軸
Z、即ち本例ではZ軸と直角な垂線Xがカーカ
ス6Bに交わる交点。 C:カーカスの最大巾の位置。 r:Z軸からのタイヤ半径方向の高さ(本例では
r軸)。 rC:Z軸から前記カーカス6B上の前記点Cま
での半径方向の高さ。 rD:Z軸から、カーカス6Bの前記交点Dまで
の半径方向の高さ。 ΦD:前記交点Dにおけるカーカス6Bの法線Y
と前記Z軸とがなす角。 なお前記Z軸はビード底3Aを水平に通る線に
置換してもよく、又(1)式においては、ベルト層7
の少なくとも端部dの近傍において、カーカス6
Bが円弧をなすものとして求められる。又(1)式
は、前記交点Dを通るr軸と、z軸との交点0を
原点として求めたものであつて、このように、高
さrを与えることによつて、前記r軸からの水平
方向の偏位置、即ちZ値を計算でき、自然平衡形
状理論のよる曲線を求めうるのである。 さらに、ビード部3の部分では、前記したごと
く、カーカスの折り返し部、ビードエーペツク
ス、補強層などによつて、比較的大なる曲げ剛性
を有しており、従つて、剛性の大なる範囲の上
端、即ち前記等価ビード位置Bから前記点Cをへ
て交点Dに至る領域において自然平衡形状理論は
適応される。なお、前記等価ビード位置Bの付近
では、その下方は、該位置Bの上方の、自然平衡
形状理論により求まる外向きに凸な円弧と滑らか
に連なる内向きに凸な円弧として形成され、該位
置Bは変曲点即ちリムポイントをなす。 このように、自然平衡形状理論では、(1)式から
も明らかなように、前記高さrC、rDの位置及び
前記角度ΦDを与えられたとき、その曲線が決定
される。なお、前記点Cのz値を予め与えるとき
には、角度ΦD、高さrCの一方を与えることによ
り、他方を求めうる。 これに対して、本発明の製造方法では、加硫金
型20で成形されるモールドタイヤ1Aの、カー
カス6Aの最大巾の位置CAまでの、ビード底3
Aからの半径方向の高さHAを、前述のとおり、
自然平衡形状理論におけるビード底3Bからの高
さHBよりも小とし、カーカスプロフアイルを下
膨らみ形状に形成する。又高さHAと高さHBと
の比率HA/HBは、0.85〜0.95となるように設定
される。 又この高さHAは、成形されるタイヤの全断面
高さDTに対して、40〜48%となる範囲に収めら
れる。 さらにモールドタイヤ1Aではカーカス6Aの
最大巾WAを、自然平衡形状理論における最大巾
WBよりも大とするが、最大巾WAと、最大巾
WBとの比率WA/WBは、1.01〜1.04、好ましく
は1.015〜1.025の範囲に設定される。これによつ
てモールドタイヤ1Aの最大巾の位置CAから前
記等価ビード位置Bまでのカーカスプロフアイル
は、自然平衡形状理論により得られるカーカスプ
ロフアイルとは異なる、該曲線を故意に外した、
下膨らみのカーカスプロフアイルを有することと
なる。 さらに、モールドタイヤ1Aでは、前記のごと
く、カーカス6Aはベルト層7の端部から下ろし
た垂線Xとカーカス6Aとの交点DAから自然平
衡形状理論により得られる曲線の半径方向内側を
通り、最大巾の位置CAの半径方向外側の位置で
該曲線と交わり前記最大巾の位置CAに至る曲線
とし、又モールドタイヤ1Aのカーカス6Aは、
自然平衡形状理論により得られるカーカス6Bの
長さとほぼ同一に形成される。 このようなモールドタイヤ1Aは、使用する加
硫金型20の内腔を、前記カーカスプロフアイル
に各部における必要ゲージを付加することにより
設定される形状とした専用のものの他、従来の、
自然平衡形状理論による内腔を有する加硫金型で
あつても、サイドウオール部などのゴムゲージ分
布を変化させることによつて、モールドタイヤ1
Aのカーカス6Aのカーカスプロフアイルを形成
しうる場合もある。 なおカーカスプロフアイルとは、カーカスの厚
さの中心を結ぶ曲線であり、複数のプライを用い
るときには、全厚さの中央点を通る曲線として定
義する。 このようなモールドタイヤ1Aを加硫金型から
取り出し標準のリム10に装着する。又このタイ
ヤ1Aに標準内圧の10%の内圧(以下10%圧とい
う)を充填することによつて、加硫金型20から
取出されたモールドタイヤ1Aは、加硫金型20
内における形状を略再現する。さらに標準内圧を
付加する。 標準内圧の付加によつて第4図に示すように、
10%圧を付加したときのトレツド面12の曲率半
径RT1よりも、そのトレツド面12の曲率半径
RT2が大となるように変形する。即ち、第3図
に示した前記最大高さ点bにおけるタイヤ外径
DCと、前記縁部aにおけるタイヤ外径DSとの差
DC−DSが小さくなるように変形する。これによ
つて、トレツド面12中央のクラウン部12Aに
比してその両側のシヨルダ部12Bの外膨らみの
変化量を大きくしている。その結果、内圧充填と
ともにカーカス6がベルト層7の特に端部付近を
押し上げることによつて、カーカス6とベルト層
7との結合力を高め、該カーカス6に作用する引
張力をベルト層7のとくに端部に作用させること
を可能とし、ベルト層7のタガ効果を高めること
ができるのである。 これは、モールドタイヤ1Aの、前記最大巾の
位置CAから交点DAに至る上方部が、第1図に
示すごとく、カーカスプロフアイル全体を自然平
衡形状理論により求めたときの上方部よりも大き
な半径の円弧を有することに伴い、モールドタイ
ヤ1Aのカーカスプロフアイルの上方部は自然平
衡形状理論の曲線の上方部の内方を通る。このよ
うな形状のカーカスプロフアイルは、内圧の充填
とともに、各部に生じる応力が各部に作用する内
圧による応力と平衡するように変形し、これは通
常、自然平衡形状理論により求める曲線に近づ
き、上方部の曲率半径を減じるに伴い、標準内圧
の付加によりシヨルダ部12Bを押し上げ、付加
によるトレツド面12の曲率半径を増大させる。 さらに前記のように、前記最大巾WA、WBの
比を1.01〜1.04、高さHA、HBの比を0.85〜0.95
とし、さらに加硫金型20のトレツド面形状、ベ
ルト層形状等を適宜に定めることによつて、その
半径比RT2/RT1を1.10以上かつ1.40以下とす
ることができる。ここで、前記半径比RT2/
RT1が1.40よりも大であるときには、シヨルダ
部の張り出し量が過大となりカーカス3に適度の
引張力を作用し、その耐久性を損なうとともに、
トレツドゴムの張力も増し、疲労割れ、欠けを生
じやすくするなどの欠点を伴う。又半径比が1.10
よりも小のときには、カーカス6によりベルト層
7を押し上げが充分ではなく、前記した効果を発
揮しえない。 又前記した変形によつて、カーカス6がトレツ
ド面12のシヨルダ部12B下方を通過するカー
カスのシヨルダ部分6Aでは、10%圧の場合に比
べて標準内圧の場合の曲率半径が小となるように
変形できる。 即ち、モールドタイヤ1Aの前記交点DAにお
いて曲率半径RC1を有する円弧は、自然平衡形
状理論による曲率半径に近似した、より小さな曲
率半径RC2の円弧となるように変形するのであ
る。 又その半径比RC2/RC1は0.65以上かつ0.85
以下となるようにするのが好ましい。半径比RC
2/RC1が0.65より小であるとき、カーカス6
を過度に折曲げ、前記したと同様にその引張力を
過大とし疲労等によつてタイヤの耐久性を損ない
やすい。又0.85をこえるときには、カーカス6に
よるベルト層7の押し上げ量を減じ、前記効果を
発揮しえないこととなる。 このように、標準内圧充填によりトレツド面1
2の曲率半径を増大するごとく変形させ、耐摩耗
性を向上するとともに、タガ効果の向上によりこ
ろがり抵抗を減じ、燃費を改善できる。又カーカ
ス6のこのような変形は、内圧充填によりシヨル
ダ部分6Aの引張力を増大させ、ベルト層7に作
用するテンシヨンの増大にも役立つ。 さらに、前記タイヤ1は、本例では、標準内圧
を付加したときの前記曲率半径RT2と、カーカ
ス6の外側に環状に配置されたベルト層7の外径
DBとの比RT2/DBを0.42以上としている。 このように標準内圧付加時のトレツド面12の
曲率半径を設定することによつて、トレツド面1
2は比較的大きな円弧を呈することができ、シヨ
ルダ部12Bを外向きに変形させうる。 なお本発明において、標準内圧とは、標準使用
条件においてタイヤに付される内圧ないしはその
上下100%の範囲の圧力を言い、又タイヤには、
ビード部を補強する補強層(図示せず)を設け、
又ベルト層7のプライ枚数を変え、さらには上方
のプライ7Bを広幅とするなど、種々変形でき
る。 〔実施例〕 第3図に示す構造のタイヤサイズ5.60R13、
6.40R14のタイヤを、第1表に示す仕様によつて
製作した。なお自然平衡形状理論により計算され
た各数値も併記している。このようなモールドタ
イヤ1Aを標準のリムに装着しかつ標準の内圧を
充填した後の各部の数値を第2表に示している。
又第2表に比較例のタイヤと比較測定した。なお
比較例1、2のタイヤは、自然平衡形状理論に基
づくカーカスプロフアイルを具えている。 なお標準内圧は2.1Kg/cm2であり、又10%圧は
0.2Kg/cm2であり、ころがり抵抗指数は、直径
1707mmのドラムにタイヤを押しつけ、所定の速度
(80Kg/h)に回転駆動したのち、停止するまで
の楕行回転数から算出した。比較例1を100とし
た指数で表示している。 又排気量1800c.c.の乗用車に装着し、8000Kmまで
の加速摩耗テストを行つた結果を第5図に示して
いる。本実施例品は摩耗量が低減されているのが
わかる。 さらに、第6図は、トレツド面12とサイドウ
オール部4とが交わる縁部aでの摩耗量即ち肩落
ち量を示している。同様に実施例品が優れてい
る。なお表中において、( )内の数値はデータ
のばらつきであり、その平均値を括弧を除いて示
している。
【表】
【表】
このように本発明の乗用車用ラジアルタイヤの
製造方法は、加硫金型内におけるモールドタイヤ
の、カーカス量大巾位置、高さを自然平衡形状理
論における曲線カーカスプロフアイルでの位置、
高さから故意に位置ずれさせることを基本とし
て、低内圧を充填したときに比べて、標準内圧を
充填したときのトレツド面の曲率半径が大となる
ラジアルタイヤを容易に製造しうる。又このよう
なラジアルタイヤは、シヨルダ部の半径方向外方
への変形量が、従来のタイヤに比べて大となるた
め、カーカスとベルト層との結合力を高め、該ベ
ルト層によるタガ効果を向上するとともに接地性
をも高めることができ、トレツド面の広い範囲で
接地可能とすることにより摩耗量を低減する。又
シヨルダ部を安定化でき、肩落ち摩耗などの偏摩
耗を防ぎタイヤの耐久性を高める。さらにシヨル
ダ部における剛性が高まることによつて、ころが
り抵抗を低減でき燃費性を向上するとともに、コ
ーナリングパワーを高めさらに操縦安定性を向上
することも可能となる。
製造方法は、加硫金型内におけるモールドタイヤ
の、カーカス量大巾位置、高さを自然平衡形状理
論における曲線カーカスプロフアイルでの位置、
高さから故意に位置ずれさせることを基本とし
て、低内圧を充填したときに比べて、標準内圧を
充填したときのトレツド面の曲率半径が大となる
ラジアルタイヤを容易に製造しうる。又このよう
なラジアルタイヤは、シヨルダ部の半径方向外方
への変形量が、従来のタイヤに比べて大となるた
め、カーカスとベルト層との結合力を高め、該ベ
ルト層によるタガ効果を向上するとともに接地性
をも高めることができ、トレツド面の広い範囲で
接地可能とすることにより摩耗量を低減する。又
シヨルダ部を安定化でき、肩落ち摩耗などの偏摩
耗を防ぎタイヤの耐久性を高める。さらにシヨル
ダ部における剛性が高まることによつて、ころが
り抵抗を低減でき燃費性を向上するとともに、コ
ーナリングパワーを高めさらに操縦安定性を向上
することも可能となる。
第1図は本発明の製造方法の実施例を示す断面
図、第2図は自然平衡形状理論を説明する線図、
第3図は本発明の一実施例を示す断面図、第4図
は標準内圧充填によるトレツド部の変形を示す線
図、第5〜6図は摩耗試験の結果を示す線図、第
7図は従来構造のタイヤをカーカスとベルト層の
みにより示す線図である。 2……ビードコア、3……ビード部、4……サ
イドウオール部、5……トレツド部、6……カー
カス、7……ベルト層、10……リム、12……
トレツド面、12A……トレツド面のクラウン
部、12B……トレツド面のシヨルダ部、RT1
……10%圧時のトレツド面曲率半径、RT2……
標準内圧時のトレツド面曲率半径、RC1……カ
ーカスのシヨルダ部分の10%圧時のカーカスのシ
ヨルダ部分の曲率半径、RC2……標準内圧を付
加たときのカーカスのシヨルダ部分の曲率半径、
DB……標準内圧時のベルト層の外径。
図、第2図は自然平衡形状理論を説明する線図、
第3図は本発明の一実施例を示す断面図、第4図
は標準内圧充填によるトレツド部の変形を示す線
図、第5〜6図は摩耗試験の結果を示す線図、第
7図は従来構造のタイヤをカーカスとベルト層の
みにより示す線図である。 2……ビードコア、3……ビード部、4……サ
イドウオール部、5……トレツド部、6……カー
カス、7……ベルト層、10……リム、12……
トレツド面、12A……トレツド面のクラウン
部、12B……トレツド面のシヨルダ部、RT1
……10%圧時のトレツド面曲率半径、RT2……
標準内圧時のトレツド面曲率半径、RC1……カ
ーカスのシヨルダ部分の10%圧時のカーカスのシ
ヨルダ部分の曲率半径、RC2……標準内圧を付
加たときのカーカスのシヨルダ部分の曲率半径、
DB……標準内圧時のベルト層の外径。
Claims (1)
- 1 ラジアル方向にカーカスコードを配したカー
カスと、トレツド部において前記カーカスの外側
で円周方向に配した補強用のベルト層とを具える
ラジアルタイヤの、加硫金型内における前記カー
カスの最大巾WAを、自然平衡形状理論により求
められるカーカスの最大巾WBよりも大とし、か
つ加硫金型内におけるビード底からの前記カーカ
スの最大巾の位置迄の半径方向の高さHAを、自
然平衡形状理論により求めたビード底からのカー
カスの最大巾の位置CB迄の半径方向の高さHB
よりも小とした加硫金型内カーカスプロフアイル
を設定し、このプロフアイルに基づいて加硫成型
することを特徴とするラジアルタイヤの製造方
法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62013408A JPS63179708A (ja) | 1987-01-22 | 1987-01-22 | ラジアルタイヤの製造方法 |
PCT/JP1987/000805 WO1988003094A1 (en) | 1986-10-22 | 1987-10-17 | Radial tire for passenger cars and production thereof |
DE8787906793T DE3771713D1 (de) | 1986-10-22 | 1987-10-17 | Radialreifen fuer personenkraftwagen und verfahren zu dessen herstellung. |
EP19870906793 EP0292563B1 (en) | 1986-10-22 | 1987-10-17 | Radial tire for passenger cars and production thereof |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62013408A JPS63179708A (ja) | 1987-01-22 | 1987-01-22 | ラジアルタイヤの製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63179708A JPS63179708A (ja) | 1988-07-23 |
JPH0460408B2 true JPH0460408B2 (ja) | 1992-09-28 |
Family
ID=11832305
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---|---|---|---|
JP62013408A Granted JPS63179708A (ja) | 1986-10-22 | 1987-01-22 | ラジアルタイヤの製造方法 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JPS63179708A (ja) |
Families Citing this family (2)
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---|---|---|---|---|
JP4984660B2 (ja) * | 2006-06-06 | 2012-07-25 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
JP6743564B2 (ja) * | 2016-08-08 | 2020-08-19 | 住友ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤ |
-
1987
- 1987-01-22 JP JP62013408A patent/JPS63179708A/ja active Granted
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Publication number | Publication date |
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JPS63179708A (ja) | 1988-07-23 |
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