JP6922403B2 - 空気入バイアスタイヤ、及びその製造方法 - Google Patents

空気入バイアスタイヤ、及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、レーシングカート用のタイヤとして好適であり、優れたグリップ性能及び耐偏摩耗性能を発揮しながら、耐ブロー性能を向上させる空気入バイアスタイヤ、及びその製造方法に関する。
レーシングカート用のタイヤとして空気入りバイアスタイヤが多用される。この種のタイヤを製造する場合、先ず、成形ドラム上でバイアス構造のカーカスを含むタイヤ構成部材を順次巻き付け、円筒状の生タイヤを成形する。次いで、この円筒状の生タイヤを、金型内にて、トロイド状に膨張(シェーピング)させつつ加硫を行う。
そのため、空気入りバイアスタイヤでは、前記膨張に起因して、トレッド部のクラウン領域におけるカーカスコードのタイヤ赤道にする傾斜角度が、ショルダー領域におけるカーカスコードのタイヤ赤道に対する傾斜角度よりも小となる所謂ローアングル化が生じる。
これにより、ショルダー領域ではクラウン領域に比べてタイヤ周方向剛性が小となる。その結果、正規内圧充填時、ショルダー領域の膨張が大となり、図4(A)に示すように、クラウン領域aがタイヤ半径方向内方に凹となるトレッドプロファイルになり易い。又図4(B)に示すように、このトレッドプロファイルのタイヤに正規荷重を負荷したときの接地面形状fは、クラウン領域aにおける接地長がショルダー領域bにおける接地長に比して極端に小さくなる。これにより、接地面積が減じ、グリップ性能やトラクション性能の低下、及び耐摩耗性能の悪化を招く。
そこでレーシングカート用のタイヤでは、接地面積を増してグリップ性能の向上を図るため、トレッド面の巾(以下、「トレッド巾」と云う場合がある)を大きく設定することが望まれる。
しかし、クリップ幅を現状のままでトレッド巾を大に設定した場合、金型内のタイヤのケースラインにおいて、サイドウォール部に曲率半径が小な部位が生じる。この部位では、カーカスコードの張力が下がるため、タイヤの横剛性が減じ操縦安定性を低下させるという問題が生じる。
他方、クリップ幅及びトレッド巾の双方を大に設定した場合、タイヤの横剛性は確保しうる。しかしクリップ幅が大となることで、リム組み時に、トレッド部がタイヤ軸方向に圧縮される。そのため、クラウン領域が凹となりやすく、グリップ性能の向上が十分に達成されなくなる。
なお下記の特許文献1では、金型内におけるタイヤのトレッドプロファイルを、曲率半径R1の凸のクラウン円弧と、曲率半径R1よりも大きい曲率半径R2の凸のショルダー円弧とで形成することを提案している。
このトレッドプロファイルでは、クラウン円弧がショルダー円弧に比して、タイヤ半径方向外側に迫り出した形状となる。そのため、正規内圧充填時、前記迫り出しにより、クラウン領域が凹となるのを抑えることができ、グリップ性能やトラクション性能の低下、及び耐摩耗性能の悪化を抑制しうる。
しかしながら、前記提案では、曲率半径R1が小であるため、正規内圧状態のタイヤに正規荷重を負荷したとき、クラウン領域での接地圧が大となる接地圧分布になってしまう。その結果、走行時、クラウン領域の温度が局所的に上昇しブローが発生し易くなるという問題がある。
特開2014−240171号公報
そこで本発明は、優れたグリップ性能、及び耐偏摩耗性能を発揮しながら、耐ブロー性能を向上させる空気入バイアスタイヤ、及びその製造方法を提供することを課題としている。
本願第1の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部に至るカーカスが、カーカスコードをタイヤ赤道に対して20〜50°の角度で傾斜配列させた2枚のカーカスプライを有し、かつ前記カーカスプライがカーカスコードの傾斜の向きを互いに違えて重ねられた空気入バイアスタイヤの製造方法であって、
前記カーカスを含む生タイヤを金型内で膨張させて加硫する加硫工程を含み、
前記金型は、前記トレッド部の接地面を成形するトレッド成形面の輪郭形状が、タイヤ赤道に円弧中心を有する曲率半径R1の内の金型円弧部と、この内の金型円弧部にタイヤ軸方向外側で連なりかつ前記曲率半径R1より小な曲率半径R2の外の金型円弧部とからなる凸円弧状をなし、
前記金型は、クリップ幅BWと、前記トレッド成形面の巾TWとの比BW/TWが1.05〜1.30、
しかも前記カーカスコードは、ヤング率が3000〜10000N/mmである。
本発明に係る前記空気入バイアスタイヤの製造方法では、前記曲率半径R1と曲率半径R2との比R1/R2は、2.5〜7.0であるのが好ましい。
本発明に係る前記空気入バイアスタイヤの製造方法では、前記曲率半径R1は200〜1000mm、かつ曲率半径R2は50〜200mmであるのが好ましい。
本発明に係る前記空気入バイアスタイヤの製造方法では、前記トレッド成形面の巾TWは、正規リムのリム巾RWの100〜120%であるのが好ましい。
本願第2の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部に至るカーカスが、カーカスコードをタイヤ赤道に対して20〜50°の角度で傾斜配列させた2枚のカーカスプライを有し、かつ前記カーカスプライがカーカスコードの傾斜の向きを互いに違えて重ねられた空気入バイアスタイヤであって、
正規リムにリム組みしかつ正規内圧の5%の内圧が充填された5%内圧状態におけるタイヤ子午線断面において、前記トレッド部の接地面の輪郭形状は、タイヤ赤道に円弧中心を有する曲率半径R1の内の円弧部と、この内の円弧部にタイヤ軸方向外側で連なりかつ前記曲率半径R1より小な曲率半径R2の外の円弧部とからなる凸円弧状をなし、
しかも前記カーカスコードは、ヤング率が3000〜10000N/mmである。
本発明に係る前記空気入バイアスタイヤでは、前記曲率半径R1と曲率半径R2との比R1/R2は、2.5〜7.0であるのが好ましい。
本発明に係る前記空気入バイアスタイヤでは、前記曲率半径R1は200〜1000mm、かつ曲率半径R2は50〜200mmであるのが好ましい。
本発明に係る前記空気入バイアスタイヤでは、前記トレッド部の接地面の巾TWは、正規リムのリム巾RWの100〜120%であるのが好ましい。
前記「接地面」とは、正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填されたタイヤを、平板上にキャンバー角0度で垂直に載置して、正規荷重を負荷させた時に前記平板と接触する面を意味する。又、前記接地面の巾TWは、前記接地面のタイヤ軸方向の最大巾を意味する。
前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば"Design Rim" 、ETRTOであれば"Measuring Rim" とする。ただし、タイヤがレーシングカート用の場合には、国際カート委員会(Commission Internationale de Karting)に規定されるリムとする。
前記「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とする。ただし、タイヤがレーシングカート用の場合には、国際カート委員会で規定されている内圧とする。
前記「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" とする。ただし、タイヤがレーシングカート用の場合には、国際カート委員会で規定されている荷重とする。
前記カーカスコードの「ヤング率」は、JIS L1017の化学繊維タイヤコード試験方法に準拠して測定した値である。
第1の発明では、金型のトレッド成形面の輪郭形状において、内の金型円弧部の曲率半径R1を、外の金型円弧部の曲率半径R2より大としている。そのため、この金型によって形成されたタイヤに正規内圧を充填したとき、クラウン領域がショルダー領域に比して、タイヤ半径方向外側に大きく迫り出すことがない。その結果、走行時、クラウン領域の温度が局所的に上昇するのを抑えることができ、ブローの発生を抑制しうる。
又前記金型では、比BW/TWを1.05倍以上に確保しているため、トレッド成形面の巾TWを、クリップ幅BWとともに大に設定しうる。そのため、接地面の巾の拡大を図りながら、金型内のタイヤのケースラインにおいて曲率半径が小な部位が生じるのを抑制でき、タイヤの横剛性の維持が図れる。逆に、クリップ幅BWが大となることで、リム組時、タイヤ内腔側のカーカスコードが引張り方向に変形して張力が高くなるため、タイヤの横剛性の向上に期待できる。
ここで、前述のように曲率半径R1を曲率半径R2より大とした場合、カーカスコードのローアングル化の影響により、クラウン領域が凹のプロファイルになりやすいという不利がある。又クリップ幅BWを大とした場合、リム組み時に、トレッド部がタイヤ軸方向に圧縮されるため、クラウン領域が凹となりやすいという不利がある。
しかし本発明では、カーカスコードのヤング率を、従来よりも高い3000N/mm以上に設定するとともに、比BW/TWを1.30以下に規制している。そのため、正規内圧充填時、ショルダー領域が過度に膨張するのを、カーカスコードの高弾性によって抑えることができ、クラウン領域が凹のプロファイルとなるのを抑制しうる。その結果、優れた操縦安定性、グリップ性能、及び耐偏摩耗性能を発揮させることが可能になる。
第2の発明では、5%内圧状態におけるタイヤの接地面の輪郭形状において、内の円弧部の曲率半径R1を、外の円弧部の曲率半径R2より大としている。そのため、タイヤに正規内圧を充填したとき、特許文献1のタイヤの如く、クラウン領域がショルダー領域に比して、タイヤ半径方向外側に大きく迫り出すことがない。その結果、走行時、クラウン領域の温度が局所的に上昇するのを抑えることができ、ブローの発生を抑制しうる。
又曲率半径R1Tを曲率半径R2Tより大とした場合、タイヤに正規内圧が充填されたときにクラウン領域が凹のプロファイルになりやすいという不利がある。しかしカーカスコードのヤング率を、従来より高い3000N/mm以上に設定している。そのため、第1の発明と同様、正規内圧充填時、ショルダー領域が過度に膨張するのを、カーカスコードの高弾性によって抑えることができ、クラウン領域が凹のプロファイルとなるのを抑制し、優れたグリップ性能及び耐偏摩耗性能を発揮させることが可能になる。
本発明の空気入りバイアスタイヤの一実施形態を示すタイヤ子午線断面図である。 カーカスコードの配列状態を概念的に示すカーカスの展開図である。 加硫工程を概念的に示す断面図である。 (A)は従来の空気入りバイアスタイヤの正規内圧充填状態におけるトレッドプロファイル、(B)は正規荷重を負荷したときの接地形状を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1には、本実施形態の空気入りバイアスタイヤ(以下、単に「タイヤ」という場合がある。)1が、正規リム(図示省略)にリム組みされかつ正規内圧の5%の内圧が充填された5%内圧状態におけるタイヤ子午線断面が示される。特に言及されない場合、タイヤの各部の寸法や角度等は、前記5%内圧状態において特定される値である。
本例では、タイヤ1が、外径が350mm以下のレーシングカート用のタイヤとして形成された場合が示される。
図1に示すように、タイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るバイアス構造のカーカス6を具える。カーカス6は、本例では、ビードコア5、5間を跨る本体部6aの両側に、ビードコア5の周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返される折返し部6bを具える。
本体部6aと折返し部6bとの間には、ビードコア5からタイヤ半径方向外側にのびる断面三角形状のビードエーペックスゴム8が配される。ビードエーペックスゴム8は、例えば100%モジュラスが10〜15MPa程度の高弾性のゴムからなり、ビード部4を補強する。なお折返し部6bは、ビードエーペックスゴム8の外端よりもタイヤ半径方向内側で終端している。
図2に概念的に示すように、カーカス6は、カーカスコード9をタイヤ赤道Cに対して傾斜配列させた2枚のカーカスプライ6A、6Bから形成される。このカーカスプライ6A、6Bは、カーカスコード9の傾斜の向きを互いに違えて重ねられる。
カーカスコード9のタイヤ赤道Cに対する角度αは20〜50°である。本実施形態のタイヤ1も、従来と同様、加硫工程において、円筒状の生タイヤを、金型20(図3に示す)内でトロイド状に膨張(シェーピング)させて加硫する。そのため、前記膨張(シェーピング)に起因して、トレッド部2のクラウン領域Ycにおけるカーカスコード9の角度αcが、ショルダー領域Ysにおけるカーカスコード9の角度αsよりも小となるローアングル化が生じる。なお角度の差αs−αcは10〜30°程度である。又前記角度αc、αsは、それぞれ20〜50°の範囲に入る。
カーカスコード9として、ヤング率が3000〜10000N/mmの高弾性の有機繊維コードが採用される。
図1に示すように、前記5%内圧状態におけるタイヤ子午線断面において、トレッド部2の接地面2Sの輪郭形状10は、クラウン領域Ycをなす内の円弧部10cと、ショルダー領域Ysをなす外の円弧部10sとからなる凸円弧状をなす。
内の円弧部10cは、タイヤ赤道Cに円弧中心を有する曲率半径R1の円弧からなる。外の円弧部10sは、曲率半径R1よりも小な曲率半径R2の円弧からなり、内の円弧部10cに滑らかに連なる。
前記曲率半径R1と曲率半径R2との比R1/R2は、2.5〜7.0が好ましい。又曲率半径R1は200〜1000mmが好ましく、曲率半径R2は50〜200mmが好ましい。
又前記接地面2Sの巾TWは、正規リムのリム巾RWの100〜120%が好ましい。
前記タイヤ1は、図3に概念的に示される加硫工程を含むタイヤの製造方法によって製造される。加硫工程では、カーカスを含む生タイヤ1Nを金型20内で膨張させて加硫する。なお生タイヤ1Nは、従来と同様の方法で形成でき、又加硫工程も、使用する金型20以外は従来と同様の方法で行いうる。
前記金型20は、タイヤ1の外表面を成形するキャビティ面Kを具える。このキャビティ面Kは、トレッド部2の接地面2Sを成形するトレッド成形面2Sと、サイドウォール部3の外表面を成形するサイドウォール成形面3Sと、ビード部4の外表面を成形するビード成形面4Sとを含む。
そして、前記トレッド成形面2Sの輪郭形状21は、タイヤ赤道Cに円弧中心を有する曲率半径R1の内の金型円弧部21cと、この内の金型円弧部21cにタイヤ軸方向外側で滑らかに連なる曲率半径R2の外の金型円弧部21sとからなる凸円弧状をなす。なお内の金型円弧部21cによりタイヤの内の円弧部10cが成形され、外の金型円弧部21sによりタイヤの外の円弧部10sが成形される。
前記曲率半径R2は、曲率半径R1より小であり、好ましくは、その比R1/R2は、2.5〜7.0である。又曲率半径R1は200〜1000mmが好ましく、曲率半径R2は50〜200mmが好ましい。
又金型20では、クリップ幅BWと、前記トレッド成形面2Sの巾TWとの比BW/TWが、1.05〜1.30に設定される。
上記のように、内の金型円弧部21cの曲率半径R1が、外の金型円弧部21sの曲率半径R2よりも大である。そのため、前記金型20によって加硫されたタイヤ1では、正規内圧が充填されかつ正規荷重が負荷されたとき、クラウン領域Ycの接地圧が過度に増大するのを抑制できる。その結果、走行時、クラウン領域Ycで温度が局所的に上昇してブローが発生するのを抑制しうる。
又金型20では、クリップ幅BWとトレッド成形面の巾TWとの比BW/TWを1.05倍以上に確保しているため、トレッド成形面の巾TWを、クリップ幅BWとともに大に設定しうる。そのため、接地面2Sの巾の拡大を図りながら、金型20内のタイヤ1のケースラインにおいて曲率半径が小な部位が生じるのを抑制でき、タイヤの横剛性の維持が図れる。逆に、クリップ幅BWが大となることで、リム組時、タイヤ内腔側のカーカスコード9が引張り方向に変形して張力が高くなるため、タイヤ横剛性の向上に期待できる。このタイヤ横剛性の向上効果は、特に、比BW/TWが1.08倍以上の場合に発動し易い。なお比BW/TWが1.15を超える場合、特には1.20を超える場合、リム組時、折返し部6bのカーカスコードが圧縮変形の傾向となる。そのためタイヤ横剛性の向上効果は、次第に減少傾向となる。
ここで、前述のように曲率半径R1を曲率半径R2より大とした場合、カーカスコードのローアングル化の影響により、クラウン領域が凹のプロファイルになりやすいという不利がある。又クリップ幅BWを大とした場合、リム組み時に、トレッド部2がタイヤ軸方向に圧縮されるため、クラウン領域Ycが凹になりやすいという不利がある。
しかし本発明では、カーカスコード9のヤング率を、従来よりも高い3000N/mm以上に設定するとともに、比BW/TWKを1.30以下に規制している。そのため、正規内圧充填時、ショルダー領域Ysが過度に膨張するのを、カーカスコードの高弾性によって抑えることができ、クラウン領域Ycが凹のプロファイルとなるのを抑制しうる。その結果、優れた操縦安定性、グリップ性能、及び耐偏摩耗性能を発揮させることが可能になる。
なおヤング率が高すぎると、タイヤ周方向への拘束力が強くなり、加硫時にタイヤ1が十分に膨らむことができなくなる。その結果、タイヤの仕上がり形状に不良が発生する恐れを招く。このような観点からヤング率の上限値は、10000N/mm以下であり、好ましくは8000N/mm以下。さらには6500N/mm以下、さらには6000N/mm以下が望ましい。又ヤング率の下限値は、5000N/mm以上、さらには5500N/mm以上が望ましい。
なおカーカスコード9を太くすることで、ヤング率が低い場合にも、正規内圧充填時のショルダー領域Ysにおける過度の膨張抑制が期待できる。しかしこの場合、カーカスコード9が太いことにより、タイヤ1のエンベロープ特性が悪化し、グリップ性能の悪化を招く。従って、エンベロープ特性を確保する観点からも、カーカスコード9として、前記範囲の高いヤング率を有し、かつコード直径を1.0mm以下に減じたものが好ましい。
又ヤング率が高いコードは、耐圧縮疲労性に劣る。そのため、図1に示すように、走行時に圧縮変形が発生し易いタイヤのバットレス部12において、カーカス6からバットレス部12の外表面までの最小厚さtを0.6mm以上確保するのが好ましい。又バットレス部12の外表面における円弧の曲率半径Rを10mm以上とするのが好ましい。これにより、バットレス部12における圧縮変形を減じ、カーカスコード9の損傷を抑制しうる。最小厚さtの上限は2.5mm以下であるのが好ましく、2.5mmを超えると、バットレス部12の剛性が過剰に上昇し、操縦安定性に悪影響を及ぼす傾向となる。同様に曲率半径Rの上限は35mm以下であるのが好ましく、35mmを超えると、バットレス部12の剛性が過剰に上昇し、操縦安定性に悪影響を及ぼす傾向となる。このような観点から最小厚さtの下限は1.1mm以上がより好ましく、上限は2.0mm以下がより好ましい。又曲率半径Rの下限は15mm以上がより好ましく、上限は30mm以下がより好ましい。
ここで、内の金型円弧部21cの曲率半径R1が200mmを下回ると、クラウン領域Ycでの接地圧が大となってしまう。そのため、クラウン領域Ycの局所的な温度上昇が十分に抑えられず、ブローの発生傾向となる。又クラウン領域Ycで偏摩耗が進み、接地面2Sを均一に使えない等の問題がある。特に、曲率半径R1が250mm以上において、偏摩耗の改善効果が大きく、接地面2S全体を均一に使えるようになるため好ましい。
逆に曲率半径R1が1000mmを超えると、カーカスコード9のローアングル化の影響が大きくなり、正規内圧充填時にクラウン領域Ycが凹となるのを十分に抑えることができなくなる。このような観点から、曲率半径R1の下限値は250mm以上が好ましく、上限値は800mm以下が好ましい。
又外の金型円弧部21sの曲率半径R2が50mmを下回ると、接地面2Sの巾が狭くなり、グリップ性能が低下する。逆に、曲率半径R2が200mmを超えると、正規内圧充填時にクラウン領域Ycが凹のプロファイルになり易い。このような観点から、曲率半径R2の下限値は60mm以上が好ましく、上限値は150mm以下が好ましい。
又曲率半径の比R1/R2が2.5を下回ると、クラウン領域Ycの接地圧が大となり、クラウン領域Ycの局所的な温度上昇を十分に抑えることができなくなってブローの発生傾向となる。又クラウン領域Ycで偏摩耗が進み、接地面2Sを均一に使えない等の問題がある。特にクラウン領域Ycでの偏摩耗は、比R1/R2が3.0以下で発生傾向となる。逆に比R1/R2が7.0を超えると、曲率半径R1が大き過ぎとなり、正規内圧充填時にクラウン領域Ycが凹となるのを十分に抑えることができなくなる。このような観点から、比R1/R2の下限値は、3.0以上、さらには4.5以上が好ましく、上限値は6.5以下、さらには5.5以下が好ましい。
前記クリップ幅の比BW/TWが1.05を下回る場合、サイドウォール成形面3Sに曲率半径が小さな小円弧部分が生じる。そのため、加硫時、前記小円弧部分でカーカスコード9の張力が下がり、タイヤの横剛性の低下を招く。又前記円弧部分でカーカスコードにクリース(折り目)が生じる傾向となる。逆に、比BW/TWが1.30を超えると、ヤング率の高いカーカスコード9の採用によっても、クラウン領域Ycが凹となるのを十分に抑えることが難しくなる。
又トレッド成形面2Sの巾TWは、正規リムのリム巾RWの100〜120%が好ましい。巾TWがリム巾RWの100%を下回ると、接地面2Sの巾TWが狭くなり、グリップ性能の低下を招く。逆に、巾TWがリム巾RWの120%を超えて大きくなると、前記比BW/TWで規定されるクリップ幅BW自体が広くなるため、クラウン領域Ycが凹となるのを抑えることが難しくなる。このような観点から、トレッド成形面2Sの巾TWの下限は、リム巾RWの105%以上が好ましく、上限は115%以下が好ましい。
なお、図1に示すように、5%内圧状態におけるタイヤ1の接地面2Sの輪郭形状11は、リム組みにより、金型20のトレッド成形面2Sの輪郭形状21から若干変化する。しかしその差は小さく、曲率半径R1の好ましい値、曲率半径R2の好ましい値、その比R1/R2の好ましい値、接地面2Sの巾TWの好ましい値は、金型20における曲率半径R1の好ましい値、曲率半径R2の好ましい値、その比R1/R2の好ましい値、トレッド成形面の巾TWの好ましい値が、適用できる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1に示す構造を有するレーシングカート用のバイアスタイヤ(サイズ10×4.50−5)を、表1の仕様に基いて試作した。そして各試作タイヤのグリップ性能、操縦安定性、耐ブロー性能、及び耐摩耗性能をテストした。
テストは、以下の条件にて、試作タイヤをレーシングカートの前輪に装着し、1周734(m)のテストコースを10周走行した。そしてドライバーの官能により、グリップ性能、操縦安定性(旋回性能)を5点法により評価した。走行後、タイヤの摩耗外観を観察し、耐摩耗性能を5点法により評価した。さらに、走行後のタイヤを解体し、トレッド断面のブローの発生度合いを観察し、耐ブロー性能を5点法により評価した。それぞれ、数値が大きいほど、性能が良好であることを示す。
・レーシングカート:125ccの2サイクル自動4輪車
・リムサイズ:4.75インチ
・内圧:75kPa(前輪)
・路面:DRYアスファルト路
なお後輪には、市販のタイヤ(サイズ11×7.10−5)を、内圧75kPaにて装着している。
Figure 0006922403
Figure 0006922403
表1に示されるように、実施例のタイヤは、優れたグリップ性能及び耐偏摩耗性能を発揮しながら、耐ブロー性能を向上させうるのが確認できた。
1 空気入バイアスタイヤ
1N 生タイヤ
2 トレッド部
2S 接地面
2Sトレッド成形面
3 イドウォール部
4 ビード部
6 カーカス
6A、6B カーカスプライ
9 カーカスコード
10 地面の輪郭形状
10c 内の円弧部
10s の円弧部
20 金型
21 トレッド成形面の輪郭形状
21c 内の金型円弧部
21c の金型円弧部
C タイヤ赤道

Claims (9)

  1. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部に至るカーカスが、カーカスコードをタイヤ赤道に対して20〜50°の角度で傾斜配列させた2枚のカーカスプライを有し、かつ前記カーカスプライがカーカスコードの傾斜の向きを互いに違えて重ねられた空気入バイアスタイヤの製造方法であって、
    前記カーカスを含む生タイヤを金型内で膨張させて加硫する加硫工程を含み、
    前記金型は、前記トレッド部の接地面を成形するトレッド成形面の輪郭形状が、タイヤ赤道に円弧中心を有する曲率半径R1の内の金型円弧部と、この内の金型円弧部にタイヤ軸方向外側で連なりかつ前記曲率半径R1より小な曲率半径R2の外の金型円弧部とからなる凸円弧状をなし、
    前記金型は、クリップ幅BWと、前記トレッド成形面の巾TWとの比BW/TWが1.05〜1.30に設定され
    しかも前記カーカスコードは、ヤング率が3000〜10000N/mmである空気入バイアスタイヤの製造方法。
  2. 前記曲率半径R1と曲率半径R2との比R1/R2は、2.5〜7.0である請求項1記載の空気入バイアスタイヤの製造方法
  3. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部に至るカーカスが、カーカスコードをタイヤ赤道に対して20〜50°の角度で傾斜配列させた2枚のカーカスプライを有し、かつ前記カーカスプライがカーカスコードの傾斜の向きを互いに違えて重ねられた空気入バイアスタイヤであって、
    正規リムにリム組みしかつ正規内圧の5%の内圧が充填された5%内圧状態におけるタイヤ子午線断面において、前記トレッド部の接地面の輪郭形状は、タイヤ赤道に円弧中心を有する曲率半径R1 の内の円弧部と、この内の円弧部にタイヤ軸方向外側で連なりかつ前記曲率半径R1 より小な曲率半径R2 の外の円弧部とからなる凸円弧状をなし、
    しかも前記カーカスコードは、ヤング率が3000〜10000N/mm であり、
    前記内の円弧部の領域における前記カーカスコードの角度は、前記外の円弧部の領域における前記カーカスコードの角度よりも小である空気入バイアスタイヤ。
  4. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部に至るカーカスが、カーカスコードをタイヤ赤道に対して20〜50°の角度で傾斜配列させた2枚のカーカスプライを有し、かつ前記カーカスプライがカーカスコードの傾斜の向きを互いに違えて重ねられた空気入バイアスタイヤであって、
    正規リムにリム組みしかつ正規内圧の5%の内圧が充填された5%内圧状態におけるタイヤ子午線断面において、前記トレッド部の接地面の輪郭形状は、タイヤ赤道に円弧中心を有する曲率半径R1 の内の円弧部と、この内の円弧部にタイヤ軸方向外側で連なりかつ前記曲率半径R1 より小な曲率半径R2 の外の円弧部とからなる凸円弧状をなし、
    しかも前記カーカスコードは、ヤング率が3000〜10000N/mm であり、
    前記カーカスからバットレス部の外表面までの最小厚さは、0.6〜2.5mmである空気入バイアスタイヤ。
  5. 前記バットレス部の外表面における円弧の曲率半径Rは、10〜35mmである請求項4記載の空気入バイアスタイヤ。
  6. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部に至るカーカスが、カーカスコードをタイヤ赤道に対して20〜50°の角度で傾斜配列させた2枚のカーカスプライを有し、かつ前記カーカスプライがカーカスコードの傾斜の向きを互いに違えて重ねられた空気入バイアスタイヤであって、
    正規リムにリム組みしかつ正規内圧の5%の内圧が充填された5%内圧状態におけるタイヤ子午線断面において、前記トレッド部の接地面の輪郭形状は、タイヤ赤道に円弧中心を有する曲率半径R1 の内の円弧部と、この内の円弧部にタイヤ軸方向外側で連なりかつ前記曲率半径R1 より小な曲率半径R2 の外の円弧部とからなる凸円弧状をなし、
    しかも前記カーカスコードは、ヤング率が3000〜10000N/mm であり、かつコード直径が1.0mm以下である空気入バイアスタイヤ。
  7. 前記曲率半径R1と曲率半径R2との比R1/R2は、2.5〜7.0である請求項3ないし6のいずれか1項に記載の空気入バイアスタイヤ。
  8. 前記曲率半径R1は200〜1000mm、かつ曲率半径R2は50〜200mmである請求項3ないし7のいずれか1項に記載の空気入バイアスタイヤ。
  9. 前記トレッド部の接地面の巾TWは、正規リムのリム巾RWの100〜120%である請求項3ないし8のいずれか1項に記載の空気入バイアスタイヤ。
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