JPH0458643B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は回転ヘツドと記録再生回路との信号伝
送装置に関する。

(ロ) 従来技術 ビデオテープレコーダ（VTR）等で回転ヘツ
ドが用いられるものでは、回転するビデオヘツド
と記録再生回路との信号伝送には通常ロータリー
トランスが利用される。ロータリートランスは周
知の如く、回転ヘツドに設けた回転デイスク側
（回転部）にロータコア、固定されているがガイ
ドシリンダ側（固定部）にステータコアを配し、
各コアに配された巻線によつて、信号の伝送を行
なうものである。

ロータコア側の巻線とステータコア側の巻線と
を対として１つのチヤンネルと考えると、ロータ
リートランスにおいては通常回転ヘツドの数だけ
のチヤンネルを備えている。例えば、記録再生用
の２つのヘツドと、特殊再生用の２つのヘツドを
備えているVTRの場合、特開昭57−40906号公報
に記載されている様に、４つのチヤンネルがロー
タリートランスに設けられている。

すなわち第５図に示されている様にロータコア
１には巻線１ａ〜１ｄが、ステータコア２には対
応する巻線２ａ〜２ｄが設けられている。さらに
ロータコア１の巻線１ａ〜１ｄは夫々の回転ヘツ
ドに、ステータコア２の巻線１ａ〜１ｄはVTR
の記録再生回路に接続される。

この様にチヤンネル数が増えると各巻線が近接
してロータリートランスでのクロストークが問題
となつてくる。又、さらにヘツド数が増える場
合、例えば音声信号をFM変調して、ビデオ記録
トラツクと重ねて記録する深層記録方式ではさら
にチヤンネル数が必要である為、ロータリートラ
ンスを複数設けねばならない。ロータリートラン
スを複数備えるVTRとしては、テレビ技術83年
８月号のPP.47〜53にその一例が紹介されている
が、回転ヘツド部分（ガイドシリンダ）が大型に
なつてしまうという欠点がある。

(ハ) 発明の目的 本発明は上記の点に鑑み為されたものであり、
回転ヘツドの数が増加しても、ロータリートラン
スでのチヤンネル数が少なくて良い信号伝送装置
を提供することを目的とする。

(ニ) 発明の構成 本発明では、複数の回転ヘツドを備えた回転部
側にスイツチ手段とスイツチ制御手段を備え、ガ
イドシリンダの回転部と固定部に配されたロータ
リートランスにて、記録再生信号と前記スイツチ
制御手段の制御信号とを伝送することを特徴とす
る。

(ホ) 実施例 以下図面に従い本発明の実施例を説明する。

第１図は特殊再生の為のヘツドを追加した４ヘ
ツドVTRにおける実施例の回路ブロツク図であ
る。図において、MAはメインＡアジマスMAヘ
ツド、MBはメインＢアジマスMBヘツド、Ｓ１
は第１サブS1ヘツド、Ｓ２は第２サブS2ヘツド
であり、特殊再生用のサブヘツドＳ１，Ｓ２は共
にＢアジマスに設定されている。３は各ヘツドに
対応するスイツチ回路を備えたスイツチ手段であ
るアナログスイツチ、４はアナログスイツチの制
御手段、５は周波数−電圧（−Ｖ）変換回路、
６はAC／DCコンバータ、７は安定化電源回路で
ある。８は２チヤンネルのロータリートランスで
ある。

各ヘツドMA，MB，Ｓ１，Ｓ２出力はアナロ
グスイツチ３の各スイツチ３ａ，３ｂ，３ｃに接
続されており、ロータリートランス８の映像信号
チヤンネル９のロータコア側巻線９ａはアナログ
スイツチ３の各スイツチに共通に接続されてい
る。−Ｖ変換回路５及びDC／ACコンバータ６
にはロータリートランス８の制御信号チヤンネル
１０のロータコア側巻線１０ａが接続されてい
る。以上説明した部分（図中一点鎖線より左部
分）がガイドシリンダにおける回転ヘツドを設置
した回転部（例えば回転デイスク）（第２図１１）
に配されている。アナログスイツチ３、スイツチ
制御手段４等の回路部品はロータリートランス８
とは反対側のデイスク面に設けられている。

第１図中一点鎖線右部分において、９ｂは映像
信号チヤンネル９のステータコア側巻線、１０ｂ
は制御信号チヤンネル１０のステータコア側巻線
である。更に１２，１３は映像信号チヤンネルの
巻線９ｂにつながる記録アンプ及び再生アンプ、
１４は制御信号チヤンネルの巻線１０ｂにつなが
る電圧−周波数（Ｖ−）変換回路である。１５
は回転ヘツドの回転位相に関連したPGパルスの
入力端子、１６，１７は夫々PGパルスを基に
MA，MBヘツド用のヘツド切換パルス（RFパ
ルス）を作成する回路と、Ｓ１，Ｓ２ヘツド用の
RFパルスを作成する回路である。尚、１８，１
９はインバータである。

回転デイスク１１上には第３図に示す様に各ヘ
ツドが配されている。そこで、メインヘツド用の
RFパルスとサブヘツド用のRFパルスとは所定の
位相差を持つものであつて、PGパルスの遅延時
間を変更する回路を設ければ単一の作成回路で兼
用できる。第１図では端子２０への通常再生／特
殊再生（Ｐ／SP）制御信号によつて、いづれか
の作成回路が有効となる様設定されている。

２１は前述の各RFパルスを４つの端子に受け
て、この端子の状態に応じて異なる電圧の制御電
圧を作成する手段である。この制御電圧作成手段
２１の出力電圧はＶ−変換回路１４に印加され
る。端子２２へは記録／再生（Ｒ／Ｐ）制御信号
が印加されており、Ｖ−変換回路又は制御電圧
作成手段が制御される。

制御電圧作成手段２１は入力端子の状態に応じ
てその出力電圧が変化する機能を備えており、例
えばデジタル／アナログ（Ｄ／Ａ）コンバータで
構成される。さらに、Ｒ／Ｐ制御信号が記録状態
を指示する場合には各入力端子の状態には関係な
しに、所定の一定電圧が出力される。この様子を
示したものが第４図の波形図である。

第４図において部分は通常再生、部分は特
殊再生、部分は記録の状態を示している。通常
再生時にはＰ／SP制御信号Ｂがロウレベルであ
り、メインRFパルスＣが印加される。そして制
御電圧作成手段２１からの出力電圧はＤの如く、
RFパルスに応じて変化する。特殊再生時には
Ｐ／SP制御信号がハイレベルとなり、サブRF信
号作成回路１７出力のタイミングで、制御電圧が
Ｄの如く変化する。記録時にはＲ／Ｐ制御信号Ａ
がハイレベルとなつて、RFパルスＣ等には無関
係に、一定電圧が出力される。

従つて制御電圧作成手段２１の出力電圧として
は、５つの状態を区別できるものであり、これに
応じてＶ−変換回路１４出力としては５つの異
なる周波数信号が得られる。Ｒ／Ｐ制御信号Ａに
よつてＶ−変換回路１４を制御して、記録時の
出力信号周波数が再生時と異なる様構成しても同
じである。

次に動作を説明する。記録時、すなわちMA，
MBヘツドMA，MBにて記録が為される時、記
録すべき映像信号は所定の処理を経て記録アンプ
１２より映像信号チヤンネル９のステータコア側
巻線９ｂからロータコア側巻線９ａを介してアナ
ログスイツチ３に供給される。この時、制御信号
チヤンネル１０では記録時のモードに対応した周
波数のＶ−変換回路１４高周波信号が、ステー
タコア側巻線１０ｂから、ロータコア側巻線１０
ａに伝送される。この高周波信号は−Ｖ変換回
路５にて所定電圧に変換される。

この電圧がスイツチ制御手段４に印加される
と、スイツチ制御手段ではMA，MAヘツドMA，
MBにつながる第１、第２スイツチ３ａ，３ｂを
共にオンとすべく、制御線４ａ，４ｂをハイレベ
ルとする。従つて巻線９ａからの映像信号は
MA，MBヘツドMA，MBに供給されて、ガイ
ドシリンダに対して180度強巻付けられた磁気テ
ープ上にオーバーラツプ分を含んだ記録トラツク
が形成される。

アナログスイツチ３等に必要な電力は、高周波
信号に基づいて作成される。すなわち、制御信号
チヤンネル１０からの高周波信号はAC／DCコン
バータ６（ダイオードを含む簡単な整流回路も
可）によつて直流電圧に変換され、この直流電圧
は安定化電源回路７にて安定化され、回転デイス
ク上の各回路部品に供給される。その他、回転デ
イスク上の部品への電力供給法としては特公57−
37923号及び特開57−37705号の如く発電機を設け
たり、特公57−37923号の如く映像信号と電力伝
送様信号を重畳して伝送する方法も考えられる。
又、電力伝送用チヤンネルをロータリートランス
に別途設けても良いし、特願昭57−112162号の如
く、ガイドシリンダに電池（１次電池、２次電
池、太陽電池等）を配する構成も考えられる。

通常再生時には制御信号チヤンネル１０には、
第４図の如く変化する電圧に対応した高周波信
号が伝送され−Ｖ変換回路５に供給される。
−Ｖ変換回路５により再び電圧の変化に変換さ
れ、スイツチ制御手段４では入力電圧に応じて
MAヘツド、MBヘツドに対応する第１、第２ス
イツチを交互にオンオフすべく、制御線４ａ，４
ｂを交互にハイレベルとする。従つて映像信号チ
ヤンネル９から再生アンプに与えられる信号は、
すでにスイツチングされた連続映像信号となつて
いる。記録時、通常再生時には制御線４ｃ，４ｄ
はロウレベルであつて第３、第４スイツチ３ｃ，
３ｄはオフ状態にある。

スチル、スロー時等の特殊再生時には第４図
のＤの如き電圧変化に対応した高周波信号が制御
信号チヤンネル１０にて伝送される。この高周波
信号は電圧の変化に変換されて、スイツチ制御手
段４に印加される。この入力に応じてスイツチ制
御手段からの制御線４ｃ，４ｄが交互にハイレベ
ルとなつて、特殊再生用のS1，S2ヘツドＳ１，
Ｓ２に接続された第３、第４スイツチ３ｃ，３ｄ
が交互にオンオフされる。従つて再生アンプ１３
には特殊再生用ヘツドＳ１，Ｓ２からの信号で連
続化された信号が印加されることになる。

上述の如くスイツチ制御手段としては−Ｖ変
換回路４からの５つの異なる電圧を区別して、出
力である制御線のレベルを変化する機能を備えて
いればよく、一例としては、５つの電圧レベルを
判別するウインドコンパレータで構成することが
できる。さらには、アナログ／デジタル（Ｄ／
Ａ）コンバータで構成することも可能である。

第１図の実施例は特殊再生を目的とした４ヘツ
ドVTRであるが、実開58−14211号の如く、ガイ
ドシリンダ径を小さくしてしかも現行２ヘツドの
フオーマツトを維持する為に４ヘツド構成とする
VTRにおいても本発明は適用できる。この場合
にはテープがガイドシリンダに対して270度強巻
付けられており、記録時においてもヘツドのスイ
ツチングが必要である。そして４つのヘツドは全
て記録再生用ヘツドとなる。記録時、制御電圧作
成手段２１の４つの入力には４つのヘツドに対応
する互いに少しづつオーバーラツプしたRFパル
スが印加され、４ビツトのデジタル信号がアナロ
グ変換されて、ロータリートランス８により伝送
される。

スイツチ制御手段（Ａ／Ｄコンバータ）４では
伝送された信号電圧に基づいて、アナログスイツ
チ３の各スイツチを制御する。RFパルスにはオ
ーバーラツプが存在するので例えば、第１スイツ
チと第２スイツチとは共ににオンとなる期間があ
る。再生時にはオーバーラツプしない４相のRF
パルスが制御電圧作成手段２１に印加され、これ
に応じてアナログスイツチ３が制御される。従
い、ロータリートランス出力には、連続化された
映像信号が得られる。

第１図の実施例に更に音声FM信号のヘツドを
２個追加した構成のVTRでは、ロータリートラ
ンス８のチヤンネル数をもう１つふやせば良い。
さらにヘツドのオンオフの状態数が増加するの
で、それに応じて、制御信号の状態数をふやす。
また映像信号と制御信号を同一チヤンネルで伝送
する構成も考えられる。この場合、これらの分離
手段を回転デイスク１１上に設ける必要がある。
更に、回転デイスク１１上にアンプを配置しても
よい。

(ヘ) 発明の効果 以上の如く本発明によれば、ヘツド数がふえて
も、同数のチヤンネルをロータリートランスに設
ける必要がなく、ロータリートランスでのチヤン
ネル数を削減できるので各巻線が密集せずクロス
トークの影響を少なくでき、またロータリートラ
ンスを小型にしてガイドシリンダも小型とするこ
とができる。

更に、ロータリートランスの回転部に配置され
る回路構成を簡易化することができ、回転時のバ
ランスが設定しやすく、かつ小型軽量化を図るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案一実施例の回路ブロツク図、第
２図は回転デイスク付近の断面図、第３図はメイ
ンヘツド、サブヘツドの配置を示す図、第４図は
制御信号を説明する為の波形図、第５図は従来の
ロータリートランスを示す断面図である。 主な図番の説明、MA，MB，Ｓ１，Ｓ２……
回転ヘツド、３……スイツチ手段、４……スイツ
チ制御手段、１１……回転デイスク、８……ロー
タリートランス、１４，２１……制御信号作成手
段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ロータリートランスを介して映像信号及び制
   御信号等を伝送する信号伝送装置において、 固定部に回転部の回転位相に基づいて複数の回
   転ヘツドのヘツド切換パルスを作成するヘツド切
   換パルス作成手段と、 該ヘツド切換パルスを受けて、異なる電圧値の
   制御信号を作成する制御信号作成手段と、 該制御信号を高周波数信号に変換する電圧−周
   波数変換手段とを備え、 回転部に前記高周波信号に変換された制御信号
   を所定電圧値に変換する周波数−電圧変換手段
   と、 該所定電圧を受けて、複数の回転ヘツドを切換
   制御するスイツチ制御手段とを備えたことを特徴
   とする信号伝送装置。