JPH045557Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ゴルフ場、公園等において芝カ
ス、落葉等を掃除するのに使用されるスイーパー
のハイダンプ機構に関するものである。

〔従来の技術〕

従来のスイーパーにおけるハイダンプ機構を第
８図、第９図について説明する。図において、１
は牽引式のスイーパー本体、２は走行タイヤ、３
は作業用エンジン、４はブラシ、５はダクト、６
は蓋６ａを備えたホツパー、７は支柱、８は支柱
７の下端に回転可能に取り付けられた下部アーム
で、前端がホツパー６の蓋６ａ側下部に回転可能
に取り付けられている。９は支柱７の上端に回転
可能に取り付けられた上部アームで、先端が下部
アーム８の少し上方に位置するようにホツパー６
に回転可能に取り付けられている。１０は上記ア
ーム９を押し上げる油圧シリンダーでスイーパー
本体１に設けられている。なお、上記アーム９、
下部アーム８および油圧シリンダー１０はホツパ
ー６の左右両側に対称的に配置されている。

次に動作について説明する。第８図の状態でト
ラクターなどにより牽引して回り、ブラシ４、吸
込フアン（図示せず）などによつて芝カス、落葉
などをホツパー６に捕収する。そして、ダンプカ
ー等にホツパー６内の芝カス、落葉などを捨てる
場合には、油圧シリンダー１０を作動させて両ア
ーム８，９によりホツパー６を第９図に示すよう
にハイダンプさせる。ホツパー６は両アーム８，
９の両支持間ａ，ｂの差によつてリフトの最後に
ダンプする。この時、ホツパー６の蓋６ａは別機
構により作動されるようになつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記のような従来のハイダンプ機構では両アー
ム８，９により支持される支持間ｂが狭いので、
ハイダンプしたときのホツパー６の安定性が悪
い。安定性を良くするためにはハイダンプ機構が
大がかりになるという問題点があつた。また、油
圧シリンダー１０が左右両側に２個必要となるの
で高価になるという問題点があつた。

この考案はかかる問題点を解決するためになさ
れたもので、Ｘ字状のアームによりホツパーを支
持することによりホツパーの安定化が図れると共
に常時はホツパー下に格納されるコンパクトなし
かも１個のシリンダーにより動作可能な安価なス
イーパーにおけるハイダンプ機構を得ることを目
的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係るスイーパーにおけるハンダンプ
機構は、第１アームと第２アームとを中間部にお
いて支軸により回転可能にＸ字状に連繋させ、前
記第１アームの下端を台枠の前側に回転可能に取
り付けかつ前記第２アームの下端を前記台枠の後
側に前方摺動可能に取り付けると共に前記第２ア
ームの上端をホツパーの蓋付き前側に回転可能に
取り付けかつ前記第１アームの上端を前記ホツパ
ーの後側に摺動可能なダンプアームを介して回転
可能に取り付け、この第１アームおよび第２アー
ムを前記支軸を用いて前記ホツパーの左右両側に
対称的に配置し、さらに前記台枠の後側に回転可
能に取り付けられるシリンダーを前記支軸の中間
部に回転可能に連繋したものである。

〔作用〕

この考案においては、シリンダーにより支軸を
前方上方に向けて押し上げることによりホツパー
の下に折り畳まれて格納されていた第１、第２ア
ームおよびダンプアームを立ち上がらせてホツパ
ーを前傾状態にハイダンプさせるようにしたの
で、第１、第２アームがＸ字状でしかもアームの
支点がホツパーの支持下に近い位置にあると共に
ホツパーを広い範囲で支持でき、ホツパーの安定
化が図れる。

〔考案の実施例〕

以下、この考案の一実施例を第１図乃至第７図
について説明する。第１図はこの考案のハイダン
プ機構を備え付けたスイーパーの側面図、第２図
は第１図の後面図、第３図は第１図の上面図、第
４図は第１図の線−の断面図、第５図はハイ
ダンプ状態を示す第４図と同じ図、第６図は第５
図の斜視図、第７図は第４図の線−の断面図
である。図において、１１は走行タイヤ１２によ
り自走するスイーパー、１３は車台１４上に載置
したホツパーで、前側（ホツパーは横向きなので
スイーパー１１の側面となる）に蓋１５を有して
いる。１６はブラシ、１７はブラシボツクス、１
８はフアン、１９はサイクロン、２０は車台１４
に設けた方形の台枠で、ホツパー１３の大きさに
合わせてある。２１は二本並行状に設けた第１ア
ーム、２２は第１アーム２１の各下端をそれぞれ
台枠２０の前側２０ａに回転可能に取り付けるた
めのピン、２３は第１アーム２１の各中間部をそ
れぞれ貫挿する支軸、２４は第１アーム２１の各
上端間に軸２５により回転可能に取り付けられた
ダンプアーム、２６はダンプアーム２４の上端を
ホツパー１３の後側に回転可能に取り付けるため
のピン、２７は二本並行状に設けた第２アーム
で、各中間部を支軸２３により回転可能に支持さ
れて第１アーム２２の外側にそれぞれ配置されて
いる。２８は第２アーム２７の各下端にそれぞれ
設けられるローラーで、台枠２０の左右両レール
部２０ｂに移動可能に送入されている。２９は第
２アーム２７の各上端をそれぞれホツパー１３の
前側に回転可能に取り付けるためのピン、３０は
油圧シリンダー、３１は油圧シリンダー３０を台
枠２０の後側２０ｃに回転可能に取り付けるため
のピン、３２は油圧シリンダー３０のピストン３
０ａを支軸２３の中央突起２３ａに回転可能に取
り付けるためのピンである。

次に動作について説明する。第１図乃至第４図
の状態で自走して回ると、ブラシ１６によつては
ね上げられた芝カス、落葉はフアン１８によつて
吸い込まれてサイクロン１９を介してホツパー１
３に入る。サイクロン１９は横置サイクロンで、
空気流の遠心力で芝を旋回させて空気と分離し、
芝をホツパー１３へ入れて分離した後空気を再び
ブラシボツクス１７へ返すものである。

そして、ダンプカー等にホツパー１３内の芝カ
ス、落葉などを捨てる場合、第４図の状態から油
圧シリンダー３０が作動してピストン３０ａが伸
長し始めると第１アーム２１がピン２２を支点と
して立ち上がると同時に第２アーム２７もレール
部２０ｂを移動するローラー２８を支点として立
ち上がつて両アーム２１，２７はＸ字状になる。
この時、ダンプアーム２４は各アーム２１，２７
の支点の位置関係によつて立ち上がり、ホツパー
１３は上動しながら次第に前方へ傾き、第５図に
示す前傾状態となる。別駆動によりホツパー１３
の蓋１５が解放されてホツパー１３内の芝カス、
落葉等が落下する。

第５図に示すハイダンプの状態では油圧シリン
ダー３０により各アーム２１，２７およびダンプ
アーム２４が図示の状態にロツクされるので、油
圧シリンダー３０を緩めないかぎり図示の状態が
崩れることはない。また、第５図に示すハイダン
プの状態では両アーム２１，２７がＸ字状でホツ
パー１３の左右両側に対称的に位置し、しかも両
アーム２１，２７の支点（支軸２３による）がホ
ツパー１３の支持下に近い位置にあると共にホツ
パー１３を広い範囲で支持できるので、ホツパー
１３の安定化が図れる。

第４図に示すハイダンプしない普段の状態では
各アーム２１，２７，２４および油圧シリンダー
３０等の全ての機構が台枠２０内に格納されるの
で、アーム支柱用枠などを不要となるだけでな
く、機構のコンパクト化が図れる。

上記実施例ではスイーパー１１の車台１４上に
ホツパー１３を横向きに載置したものを示した
が、スイーパー１１に対するホツパー１３の向き
はどちら向きでもよいし、またスイーパー１１は
自走式でなくてもトラクター等により牽引する牽
引式のものでもよい。

また、上記実施例では車台１４とは別に台枠２
０を設けたものを示したが、車台１４が台枠２０
を兼ねてもよい。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案によればＸ字状のアー
ムによりホツパーを支持することによりホツパー
の安定化が図れると共に常時はホツパー下に格納
されるコンパクトで、しかも１個のシリンダーに
より動作可能で安価になるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す側面図、第
２図は第１図の後面図、第３図は第１図の上面
図、第４図は第１図の線−の断面図、第５図
はハイダンプ状態を示す第４図と同じ図、第６図
は第５図の斜視図、第７図は第４図の線−の
断面図、第８図は従来のものを示す側面図、第９
図はハイダンプ状態を示す第８図の斜視図であ
る。 図において、１１はスイーパー、１３はホツパ
ー、１５は蓋、２０は台枠、２１は第１アーム、
２３は支軸、２４はダンプアーム、２７は第２ア
ーム、３０はシリンダーである。なお、各図中同
一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 第１アームと第２アームとを中間部において支
   軸により回転可能にＸ字状に連繋させ、前記第１
   アームの下端を台枠の前側に回転可能に取り付け
   かつ前記第２アームの下端を前記台枠の後側に前
   方摺動可能に取り付けると共に前記第２アームの
   上端をホツパーの蓋付き前側に回転可能に取り付
   けかつ前記第１アームの上端を前記ホツパーの後
   側に揺動可能なダンプアームを介して回転可能に
   取り付け、この第１アームおよび第２アームを前
   記支軸を用いて前記ホツパーの左右両側に対称的
   に配置し、さらに前記台枠の後側に回転可能に取
   り付けられるシリンダーを前記支軸の中間部に回
   転可能に連繋し、このシリンダーにより前記支軸
   を前方上方に向けて押し上げることにより前記ホ
   ツパーの下に折り畳まれて格納されていた前記第
   １、第２アームおよび前記ダンプアームを立ち上
   がらせて前記ホツパーを前傾状態にハイダンプさ
   せるようにしたことを特徴とするスイーパーにお
   けるハイダンプ機構。