JPH0454749Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は乗用芝刈機に関し、芝地に枯葉や枯芝
が堆積している場合の芝刈作業を良好にするため
の構造に関する。

〔従来の技術〕

乗用芝刈機は機体の前部及び後部に車輪を備
え、搭載エンジンによつて車輪を駆動して作業者
が搭乗しながら走行移動するとともに、機体下方
に配置したカツターデツキ内のカツターブレード
をエンジンによつて回転駆動して芝を刈り取る。
そして、カツターデツキは下方が開放したカバー
状をなして、その上方にはカツターブレードの駆
動軸が突出し、この駆動軸に搭載エンジンの動力
を伝達するためのベルトプーリー機構等が配設さ
れている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかして、乗用芝刈機によつて芝地を作業する
場合、機体下方に配置するカツターデツキよりも
高く枯葉や枯芝が堆積していると、その枯葉や枯
芝が作業時にカツターデツキの上面に堆積してし
まう問題がある。

本考案は以上の事情に鑑みてなされたもので、
芝地に枯葉や枯芝が堆積していても、芝刈作業時
にカツターデツキの上面に枯葉や枯芝が堆積する
のを防止した乗用芝刈機のカツターデツキのガー
ド構造を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕 上記目的を達成するための本考案の構成は、カ
ツターブレードを収納し機体下方に配置されたカ
ツターデツキを備えており、このカツターデツキ
の前部と後部にフロントリンクとリアリンクの下
端がそれぞれ回動自在に連結され、前記機体に前
後に離間して前記フロントリンクとリアリンクの
上端がそれぞれ回動自在に連結されて、前記カツ
ターデツキが平行リンク機構をなす前記フロント
リンクとリアリンクとによつて上下動可能に機体
に吊持されている乗用芝刈機において、前記カツ
ターデツキの前方に前方斜め上方に傾いたガード
部材を配設し、このガード部材は前記フロントリ
ンクに固着されていることを特徴とする。

〔作用〕

芝刈作業時に、カツターデツキの前方に枯葉や
枯芝が堆積していた場合、その枯葉や枯芝によつ
てガード部材が押し上げられてガード部材が連結
したフロントリンクが押し上げられ、これにより
カツターデツキが持ち上げられ、カツターデツキ
内に枯葉や枯芝が収納され、カツターデツキの上
面に枯葉や枯芝が堆積するのが防止される。

〔実施例〕

第１図は乗用芝刈機の側面図、第２図は同要部
平面図、第３図は同要部拡大側面図である。

乗用芝刈機１は機体の前部及び後部の左右に前
輪２及び後輪３を備え、機体の前部に搭載したエ
ンジン４によつて後輪３が駆動されて走行移動す
るようになつている。５は機体後部に配設された
シート、６はシート５の前方に配設された操向ハ
ンドルである。そして、機体の略中央部の下方に
カツターデツキ７が配設されている。このカツタ
ーデツキ７は下方が開放したカバー状をなし、平
坦な上壁７ａと上壁７ａ外周から垂下する周壁７
ｂから形成され、右側部には刈芝の放出口７ｃが
開口されている。そして、このカツターデツキ７
内にはカツターブレード８が収納され、カツター
デツキ７の上壁７ａからカツターブレード８の駆
動軸９が突出し、その突出軸部にプーリー１０が
固着されている。そしてこのプーリー１０と前記
エンジン４の出力軸に固着されたプーリー１１間
に案内プーリー１２を介してベルト１３が張設さ
れ、エンジン４の動力をカツターブレード８に伝
達して、カツターブレード８を回転駆動し、芝を
刈り取るようになつている。

一方、機体フレーム１４の下端には前後に離間
して前部及び後部ブラケツト１５，１６が下方に
突設され、これらのブラケツト１５，１６にそれ
ぞれフロントリンク１７及びリアリンク１８の上
端が回動自在に連結している。そしてカツターデ
ツキ７の前端部及び後端部に前部及び後部ブラケ
ツト１９，２０が突設され、これらのブラケツト
１９，２０にそれぞれフロントリンク１７及びリ
アリンク１８の下端が回動自在に連結している。
以上の平行リンク機構をなすフロントリンク１７
及びリアリンク１８は略左右の車輪の内面間の幅
で左右一対設けられている。このように、カツタ
ーデツキ７は平行リンク１７，１８によつて機体
に吊持されているので、カツターデツキ７を持ち
上げることによつてその高さ位置を変えられるよ
うになつている。そして、シート５の一側方には
刈高さ調整レバー２１が下端を機体に枢支されて
起倒自在に設けられ、レバー２１と一体の支軸２
２にはラチエツトプレート２３とアーム２４が固
着されている。そして、レバー２１の下部に枢支
されたラチエツト２５が常時はラチエツトプレー
ト２３の爪部に係合しており、レバー２１の先端
のノブ２６を押し込むとラチエツト２５が回動し
てラチエツトプレート２３との係合がはずれるよ
うになつている。アーム２４の上端にはリンク２
７が枢着され、リンク２７の前端にはアーム２８
が枢着され、このアーム２８の下端は機体に枢支
され、このアーム２８と一体の支軸２９にはアー
ム３０が固着されている。ロツド３１の端部には
長孔３２が形成され、このロツド３１の上端部の
長孔３２内を移動自在に前記アーム３０の前端が
枢着され、下端部にジヨイント３３が枢着され、
ジヨイント３３にアーム３４が枢着されている。
アーム３４の中間部はカツターデツキ７の後端に
突設されたブラケツト３５に枢着され、前傾状態
をなすアーム３４の後端にローラ３６が軸支され
ている。なお、前記支軸２９は機体幅方向に延在
し、アーム３０、ロツド３１、ジヨイント３３、
アーム３４、ローラ３６は左右一対設けられてい
る。

以上において、芝刈作業時にはローラ３６は接
地しており、刈高さ調整レバー２１を操作してラ
チエツトプレート２３とラチエツト２５との係合
関係を変えることにより、レバー２１に連動連結
したリンク機構を経てローラ３６を支点としてカ
ツターデツキ７の後部の高さを変えることができ
る。この時、カツターデツキ７は平行リンク１
７，１８にて略水平状態を保持して上下動し、任
意の地上高にセットされる。

そして、前記左右のフロントリンク１７の間に
はガード部材３７が取り付けられている。このガ
ード部材３７は取付板３８とガードパイプ３９か
ら形成されている。取付板３８は底板３８ａが左
右のフロントリンク１７間に跨がつて配設され
て、その両端は左右のフロントリンク１７よりも
外方に突出し、その底板３８ａの左右両端部に垂
直に側板３８ｂが設けられたものである。そし
て、この側板３８ｂにフロントリンク１７から外
側方に突出する取付ピン４０が挿通し、この取付
ピン４０に止めピン４１を装着して、取付板３８
は左右のフロントリンク１７に保持される。そし
て、取付板３８の底板３８ａの底面には、左右方
向に離間して複数のガードパイプ３９の一端部が
固着されている。このガードパイプ３９は前記一
端部が開放した平面視Ｕ字状のパイプで、取付板
３８の底板３８ａからカツターデツキ７と反対側
に延出して、その先端部は機体側に反りあがつて
いる。このようにして、カツターデツキ７の前方
に略左右の前輪２間にわたつて複数のガードパイ
プ３９が配設されている。

したがつて、前記の如くカツターデツキ７を持
ち上げ適宜の刈り高さ位置にして芝刈作業を行う
場合、フロントリンク１７は前傾状態となつてフ
ロントリンク１７間に取り付けられたガード部材
３７のガードパイプ３９は前傾状態で前方斜め上
方を向くように配置される。したがつて、芝刈作
業時に、カツターデツキ７の前方に枯葉や枯芝４
２が堆積していた場合、その枯葉や枯芝によつて
ガードパイプ３９が押し上げられてガード部材３
７が連結したフロントリンク１７が押し上げら
れ、これによりカツターデツキ７がロツド３１の
長孔３２を通して持ち上げられ、カツターデツキ
７内に枯葉や枯芝が収納され、カツターデツキ７
の上面に枯葉や枯芝が堆積するのが防止される。

なお、ガード部材の構造は上記のものに限られ
るものではなく、例えば全体を板等で構成するよ
うにしてもよく、その構造、形状、大きさ等は適
宜選定すればよい。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、カツター
デツキの前方にフロントリンクに固着されている
ガード部材を設けたので、芝地に枯葉や枯芝が堆
積している場合でも、カツターデツキ上に枯葉や
枯芝が堆積するのが防止され、芝刈作業を支障な
く行うことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は乗用
芝刈機の側面図、第２図は同要部平面図、第３図
は同要部拡大側面図である。 １は乗用芝刈機、２は前輪、３は後輪、４はエ
ンジン、５はシート、６は操向ハンドル、７はカ
ツターデツキ、８はカツターブレード、１４は機
体フレーム、１５，１６，１９，２０はブラケツ
ト、１７はフロントリンク、１８はリアリンク、
３７はガード部材、４２は枯葉や枯芝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カツターブレードを収納し機体下方に配置され
   たカツターデツキを備えており、このカツターデ
   ツキの前部と後部にフロントリンクとリアリンク
   の下端がそれぞれ回動自在に連結され、前記機体
   に前後に離間して前記フロントリンクとリアリン
   クの上端がそれぞれ回動自在に連結されて、前記
   カツターデツキが平行リンク機構をなす前記フロ
   ントリンクとリアリンクとによつて上下動可能に
   機体に吊持されている乗用芝刈機において、前記
   カツターデツキの前方に前方斜め上方に傾いたガ
   ード部材を配設し、このガード部材は前記フロン
   トリンクに固着されていることを特徴とする乗用
   芝刈機のカツターデツキのガード構造。