JPH0454315Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、折り畳み式可動門扉の改良に関す
る。

（従来の技術） 従来より、折り畳み式可動門扉として、 (イ) 複数のたて格子間を伸縮リンクで連結した骨
組み構造の伸縮リンク式ゲートのもの、 (ロ) 横方向に伸縮自在に支持した複数の板状パネ
ルを上から吊り下げてなるパネル式ゲートのも
の、 (ハ) 扉本体の上端部と下端部とにパンタグラフ状
の羽根板を取り付け、この上下両部の羽根板間
にパネルを設け、該パネルは軸受と縦軸とによ
り結合するようにしたもの（実開昭51−154935
号公報）、 (ニ) 上記(ハ)と同様に、扉本体の上端部と下端部と
にパンタグラフ状の羽根板を取り付け、この上
下両部の羽根板間にパネルを設け、該パネルは
縦桟間において縦桟に予め取着しているパネル
ホルダのパネル取付部にビスにより回動自在に
取り付けてなるもの（実開昭61−185898号公
報）、などが知られている。

（考案が解決しようとする問題点） しかるに、(a)上記(イ)の伸縮リンク式ゲートのも
のは、強度的には十分であるけれども、組み合わ
された格子目の間から門扉の内側が透けて見える
ため、隠蔽を目的とする用途には適しない。

(b) 前記(ロ)のパネル式ゲートのものは、門扉の内
側がパネルによつて遮られるので十分な隠蔽効
果を発揮するけれども、強度的には十分とはい
えないものである。

(c) したがつて、従来は隠蔽を目的とする場合と
そうでない場合とに応じて、上記の２種類の構
造のものから１つを選択して設置していた。し
かしながら、目的によつては、一時期だけ隠蔽
が必要で通常は門扉の内側が透けて見えて良い
場合、またはその逆の場合があり、このような
場合には従来の折り畳み式可動門扉では即座に
対応できない上に、両者を配置替えするための
費用が高くつくなどの不都合があつた。

(d) 前記(ロ)のパネル式ゲートは、通常はその上部
を吊り下げて折り畳み可能とするもので、この
吊り下げ構造を止めて該パネルの下部にキヤス
タだけを取着して行うものは、パネルが揺動す
るため開閉し難いとか、閉鎖が完全に行えない
などの理由により採用され難いものであつた。

上記(ハ)及び(ニ)のパネル式ゲートのものでは、扉
本体の上下両端部にパンタグラフ状の羽根板を設
けていることから、前記(a)，(b)及び(d)の欠点を解
消することができる。

(e) しかしながら、この(ハ)及び(ニ)のパネル式ゲー
トの場合でも、前述した(c)記載の如く、門扉の
内側が透けて見えて良い場合と、隠蔽して良い
場合とに選択して使用することができないもの
であつた。

この考案は、従来例(イ)〜(ニ)における上記問題点
を考慮してなされたものであつて、必要に応じて
簡単に隠蔽処理を施したり隠蔽を解除することが
できて兼用可能で、強度的にも優れ、さらに上部
を吊り下げる必要のないパネル式ゲートが提供で
きる折り畳み式可動門扉を提供することを目的と
する。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するため、この考案は、並立
するたて格子間を伸縮リンクで連結して扉本体の
上部から下部に至り目隠し不能状態で閉鎖可能と
し、かつ横方向に伸縮自在としてなる伸縮リンク
式ゲートのたて格子の適所にヒンジ受けを設ける
とともに、折り畳み自在とした板状パネルの単位
パネルの両端部にはヒンジ本体を取り付け、前記
ヒンジ受けとヒンジ本体とを着脱自在に枢着し、
このヒンジ受けとヒンジ本体との枢着時にはパネ
ルが伸縮リンク式ゲートを隠蔽でき、非枢着時に
は伸縮リンク式ゲートのみにより非隠蔽状態とな
るように構成してあることを特徴とする。

すなわち、伸縮リンクの伸縮動作に応じてパネ
ルを伸縮させて門扉の内側を隠蔽する一方、隠蔽
を必要としない場合には簡単に前記パネルを伸縮
リンク式ゲートから取り外せるようにしてなるも
のである。

伸縮リンク式ゲートのたて格子に設けたヒンジ
受けは筒状体とするとともに、単位パネルの端部
にも筒状体を設け、パネルを伸縮リンク式ゲート
に装着した時に前記筒状体のヒンジ受けと筒状体
とに連結軸を挿通して取り外し可能に固定するこ
ともできる。

単位パネルは縦に２分割したパネル片面体で形
成すると共に、両パネル片面体同士は蝶番でヒン
ジ連結して折り畳み自在にすることもできる。

（実施例） この考案の一実施例を、第１図ないし第５図に
基づいて以下に説明する。

第３図は実施例の折り畳み式可動門扉の折り畳
み自在なパネル（材質を問わず、布製のスクリー
ンも含む広義のものをいう。）を取付ける前の状
態を示す伸縮リンク式ゲートＡの正面図、第１図
はそのパネルを取付けた状態を示す要部斜視図で
ある。この実施例の可動門扉は両開き構造をな
し、伸縮リンク式ゲートＡの中央開放端部より左
側及び右側には並立する複数本のたて格子１…１
間を千鳥格子状の伸縮リンク２で連結して扉本体
の上部から下部に至り目隠し不能状態で閉鎖可能
として構成されている。上記伸縮リンク式ゲート
Ａの両端側の固定側（吊元側）たて格子１₁，１₁
は、地面Ｇに垂直に立てられた左右の各門扉取付
け用支柱３，３に対し、クランプ４と軸筒体５，
７と軸６により連結されている。つまり、前記門
扉取付用支柱３側にはクランプ４を締結すると共
に、このクランプ４の内側には溶接などで軸筒体
５を一体的に形成する一方、前記固定側たて格子
１₁の側面には軸筒体７を固着し、前記両軸筒体
５と軸筒体７とに軸６を挿通して、固定側たて格
子１₁を門扉取付け用支柱３に固定している。上
記門扉の各開放端側の召合わせ側たて格子１₂，
１₂の下端にはキヤスタ８，８がそれぞれ設けら
れ、これにより伸縮リンク式ゲートＡの左右両側
部が地面Ｇ上に走行自在に支持されている。

たて格子１は、第４図および第５図にそれぞれ
側面図および分解斜視図で示すように、溝形鋼な
どからなる断面コ字状の一対の格子片９，９を、
これらの溝開放側が互いに向かい合うように前後
に並立させ、その上下各端部間を、それぞれカラ
ー部材１０を介してボルト１１、ワツシヤ１₂、
ナツト１３で連結することにより縦長の方形枠状
に組み立てられている。上記たて格子１の前面側
格子片９の前面の上下部には、第１図に示すパネ
ル１４を枢着する蝶番１５の一方の筒状体のヒン
ジ受け１６が溶接などの手段により固定されてい
る。一方、上記パネル１４の両側縁上下部には上
記蝶番１５の他方の筒状体１７を一体に形成した
ヒンジ本体１８がビス１９などにより締付け固定
され、上記ヒンジ受け１６と筒状体１７にまたが
つて連結軸２０を挿通することにより、隣り合う
たて格子１，１間にパネル１４が着脱可能に枢着
されている。全面側格子片９の上記ヒンジ受け１
６は、１つのたて格子１に対してその左右に振り
分けられる各パネル１４，１４の一側縁を枢着す
るために、上下ともそれぞれ一対あて並設される
が、パネル１４の枢着が片側に限られる固定側お
よび召合わせ側では上記ヒンジ受け１６は１つで
ある。

前記ヒンジ受け１６とヒンジ本体１８との枢着
時にはパネル１４が伸縮リンク式ゲートＡを隠蔽
でき、非枢着時には伸縮リンク式ゲートＡのみに
より非隠蔽状態となるように構成してある。

伸縮リンク２は、互いに斜めに交差するように
前後に重ねて並行配列された角筒状の複数のリン
ク片２１…２１や、各リンク片２１…２１の交差
部に介装される縦板状の複数のスパン２２…２２
などで構成されている。この実施例では、基本的
に１本のリンク片２１に対して５本のリンク片２
１が交差するように構成され、そのうち上下両端
の交差部ではリンク片２１，２１同士をボルト・
ナツトにより直接枢結させてある。上下両端を除
く交差部（３個所）には前記したスパン２２が介
装され、そのうち中段を除く上下段の交差部がボ
ルト・ナツトにより枢結させてある。上記下段の
交差部は、たて格子１において第４図および第５
図に示すように前後の格子片９，９間にまたがつ
て、カラー部材２３，２３、ボルト２４、ワツシ
ヤ２５、ナツト２６で枢着されており、これによ
り下段の交差部が伸縮リンク２の上下変化に対す
る固定位置となるように位置決めされている。ま
た上記上段の交差部では、スパン２２に枢軸とな
るボルトを挿通するための長穴２７が形成され、
伸縮リンク２の伸縮動作における上段交差部の上
下変化を許容するように構成されている。たて格
子１において上段の交差部は、第４図および第５
図に示すようにカラー部材２８，２８を介して前
後にローラ２９，２９を配し、これらと共にボル
ト３０、ナツト３１で枢着されている。上記ロー
ラ２９，２９はたて格子１の前後の格子片９，９
の各溝部９ａ，９ａにそれぞれ転動自在に嵌装さ
れ、伸縮リンク２の伸縮動作における上段交差部
の上下変化を円滑に行うように構成されている。
以上の構成により伸縮リンク２は、スパン２２…
２２間の間隔を変えながら、換言すると、たて格
子１…１間の間隔を変えながら横方向に伸縮自在
とされる。

一方、前述したパネル１４は、第１図に示すよ
うに縦に分割した２枚のパネル片面体３２，３２
を、その分割側縁部でヒンジ接続して構成されて
いる。上記ヒンジ接続は、第２図に分解斜視図で
示すように２枚の取付片３３，３３からなる蝶番
であるタブルリーフヒンジ３４を、パネル１４の
上下に分設して行われている。上記取付片３３は
パネル片面体３２の側縁に嵌合可能な断面コ字状
で、取付片３３の一側縁にはヒンジ軸３５の挿通
される軸筒体３６がそれぞれ一体に形成されてい
る。また上記各取付片３３にはビス挿通穴３７，
３７が形成され、取付片３３をパネル片面体３２
の側縁に嵌合させた状態で、パネル１４の表面側
（門扉の外側）よりビス３８，３８を上記ビス挿
通穴３７，３７に挿通し、このビス３８，３８に
パネル１４の裏面側よりナツト３９，３９を螺着
することにより、パネル片面体３２への取付片３
３の固定が図られる。上記取付片３３の固定にお
いて、対をなす一組の取付片３３，３３は、互い
の軸筒体３６，３６が第２図に示すように縦に重
なる位置に来て、しかもその軸筒体３６，３６が
パネル１４の裏面側に位置するように固定され
る。これにより、取付片３３を締付け固定するナ
ツト３９およびヒンジ軸３５が共に門扉の内側に
配置されることになり、門扉の外側からヒンジが
分解されるといつた防犯上の問題を回避すること
ができる。

上記パネル片面体３２，３２同士を枢着するダ
ブルリーフヒンジ３４は、上下とも同じ構造であ
り、軸筒体３６，３６に挿通されるヒンジ軸３５
として、上下のダブルリーフヒンジ３４，３４に
またがる連続した１本のヒンジ軸３５が用いられ
る。このヒンジ軸３５の上端部には、軸本体より
径の大きい係止頭部３５ａが形成されると共に、
下端部には割りピン４０が装着され、これにより
上下の各ダブルリーフヒンジ３４，３４の軸筒体
３６，３６からヒンジ軸３５が抜けるのを防止し
ている。

この実施例では、両開き扉の場合を例にあげて
説明したが、片開き扉にも適用可能である。ま
た、実施例のように門扉を支柱３に枢着して回動
自在とした構成のものに限らず、単に横方向に開
閉自在とした引戸形式のもの、或いは上部に横架
したレールにたて格子１を吊持して走行自在に支
持する構成の門扉などにも適用可能であることは
勿論である。

パネル１４をたて格子１，１間へ枢着する蝶番
１５、或いはパネル１４の中間部を折り畳み可能
とするヒンジ接続の構造も、上記実施例のものに
限らず、例えば、伸縮リンク式ゲートＡのたて格
子１に設けたヒンジ受け１６を筒状体とするとと
もに、単位パネル１４ａの端部にもヒンジ本体１
８たる筒状体１７を設け、パネル１４を伸縮リン
ク式ゲートＡに装着した時に前記筒状体のヒンジ
受け１６と筒状体１７とに連結軸２０を挿通して
取り外し可能に固定するとか、パネル１４の中間
部をプラスチツクヒンジにより接続することもで
きる。

伸縮リンク２についても、上記実施例の構造の
ものに限定するものではなく、公知の種々の構造
のものについて同様に適用できる。

なお、伸縮リンク２のリンク片２１…２１の同
一段の交差部、或いはたて格子１の所定の高さ位
置に、例えばフツクを付加することにより、この
フツクで門扉の裏側より閂を横架することもで
き、これによりパネル１４付設後の風圧に対する
耐強度を上げたり、防犯上の効果を上げることが
できる。

（考案の効果） この考案は、以上に説明したように、並立する
たて格子間を伸縮リンクで連結して扉本体の上部
から下部に至り目隠し不能状態で閉鎖可能とし、
かつ横方向に伸縮自在としてなる伸縮リンク式ゲ
ートのたて格子の適所にヒンジ受けを設けるとと
もに、折り畳み自在とした板状パネルの単位パネ
ルの両端部にはヒンジ本体を取り付け、前記ヒン
ジ受けとヒンジ本体とを着脱自在に枢着し、この
ヒンジ受けとヒンジ本体との枢着時にはパネルが
伸縮リンク式ゲートを隠蔽でき、非枢着時には伸
縮リンク式ゲートのみにより非隠蔽状態となるよ
うに構成してなることから、門扉により隠蔽が必
要な場合には上記パネルをヒンジ連結により伸縮
リンク式ゲートに取り付け、また隠蔽が不要の場
合にはヒンジ連結を解除して上記パネルを取り外
すことにより、両方の目的に容易に選択使用する
ことができ、極めて使い勝手が良い。

また隠蔽時にも、伸縮リンクを使用した骨組み
構造と、折り畳み自在なパネルとが一体であるか
ら、従来の単なるパネル構造、又は上下両端部に
パンタグラフ状の羽根板を有するパネル構造の門
扉に比べて、十分な強度が得られるなどの効果を
奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図はいずれもこの考案の一実
施例を示す。第１図はパネル表面側から見た要部
の斜視図、第２図はパネル裏面側から見た要部の
斜視図、第３図はパネル取付前の伸縮リンク式ゲ
ートを示す正面図、第４図はたて格子部分の側面
図、第５図はたて格子部分の分解斜視図である。 Ａ……伸縮リンク式ゲート、１……たて格子、
２……伸縮リンク、１４……パネル、１４ａ……
単位パネル、１５……蝶番、１６……ヒンジ受
け、１７……筒状体、１８……ヒンジ本体、２０
……連結軸、３２……パネル片面体、３４……蝶
番（ダブルリーフヒンジ）、３５……ヒンジ軸。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 並立するたて格子１，１間を伸縮リンク２で
   連結して扉本体の上部から下部に至り目隠し不
   能状態で閉鎖可能とし、かつ横方向に伸縮自在
   としてなる伸縮リンク式ゲートＡのたて格子１
   の適所にヒンジ受け１６を設けるとともに、 折り畳み自在とした板状パネル１４の単位パ
   ネル１４ａの両端部にはヒンジ本体１８を取り
   付け、前記ヒンジ受け１６とヒンジ本体１８と
   を着脱自在に枢着し、 このヒンジ受け１６とヒンジ本体１８との枢
   着時にはパネル１４が伸縮リンク式ゲートＡを
   隠蔽でき、非枢着時には伸縮リンク式ゲートＡ
   のみにより非隠蔽状態となるように構成してあ
   ることを特徴とする折り畳み式可動門扉。 (2) 伸縮リンク式ゲートＡのたて格子１に設けた
   ヒンジ受け１６は筒状体とするとともに、単位
   パネル１４ａの端部にも筒状体１７を設け、パ
   ネル１４を伸縮リンク式ゲートＡに装着した時
   に前記筒状体のヒンジ受け１６と筒状体１７と
   に連結軸２０を挿通して取り外し可能に固定し
   てある実用新案登録請求の範囲第(1)項記載の折
   り畳み式可動門扉。 (3) 単位パネル１４ａは縦に２分割したパネル片
   面体３２，３２で形成すると共に、両パネル片
   面体３２，３２同士は蝶番３４でヒンジ連結し
   て折り畳み自在にしてある実用新案登録請求の
   範囲第(1)項または第(2)項記載の折り畳み式可動
   門扉。