JPH0454108Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、殊に通気性を必要とする物品を包装
する合成樹脂製チヤツク付の袋体に関するもので
ある。

＜従来の技術＞ 開口部に再開閉可能な合成樹脂製の雌雄爪型チ
ヤツクを備えた袋体は周知である。

＜考案が解決しようとする課題＞ 従来周知のチヤツク付袋体は、チヤツクにより
袋体開口部が再開閉される便利な機能を有し、チ
ヤツクの閉止時には気密性を保持し、各種の物品
の包装に提供されている。

ところで、生鮮食品等においては通気性を必要
とし、また、漬物、味噌等の醗酵物も醗酵ガスを
放出するために通気性を必要とする。

さらには、近時の食品では電子レンジ、オーブ
ンあるいはボイルにより加熱調理を可能にしたも
のが多く提供されている。

これらを、前記気密性の袋体で包装した場合、
鮮度の保持、ガスの放出は困難であり、ガス圧や
加熱による膨脹により袋体が破裂するため適当で
はない。

包装した食品から発生するガスや臭い等を吸着
する多孔性物質の微粉末を混入した樹脂フイルム
による袋体が提供されているが、実際上において
充分な吸着作用は行つておらず、また、微粉末の
混入によりフイルムの強度や接着性が弱くなり、
これも適当ではない。

従つて、再開閉可能な便利な機能を持つている
チヤツク付袋体において、その機能を保持した上
で通気性の機能を備えた袋体の提供が課題となつ
ている。

＜課題を解決するための手段＞ 本考案は、上記の課題を解決したもので、その
構成は、合成樹脂製雌雄爪型のチヤツクを設けた
袋体において、前記チヤツクの基部に形成されて
いる接着用のベース片を袋体開口部の内側面に部
分的なスポツト接着により接着し、非スポツト接
着部分によつて袋体内外の微小な通気路を多数形
成したものである。

＜作用＞ 上記の構成により、チヤツクは、そのベース片
がスポツト接着により袋体内側面に充分な接着強
度で接着され、その再開閉機能を保持する。

また、前記ベース片のスポツト接着により、非
スポツト接着部分はベース片と袋体内側面との間
に袋体内外を連通する微小な通気路が形成され、
これによつて袋体内の通気性を保持するものであ
る。

＜実施例＞ 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図において、１は袋体本体となる樹脂フ
イルムである。３ａは雄爪チヤツク、４ａは雌爪
チヤツクであり、それぞれ、その基部には接着用
のベース片３，４を有している。このベース片
３，４は細幅B₁又は第３図のように袋体の開口
部となる樹脂フイルム１の両端から適当な広幅
B₂とすることが望ましい。

本考案は上記ベース片３，４を樹脂フイルム１
の両端の平面上に部分的なスポツト接着によつて
接着したものである。この部分的なスポツト接着
のパターンとしては第５図で示すように、点、ミ
シン目、筋目、＋状、小丸等が考えられる。

本考案は上記の通りの構造であるから、雄、雌
チヤツク３ａ，４ａのベース片３，４は前記スポ
ツト接着によつて樹脂フイルム１に強固に接着さ
れる。

また、前記接着されたベース片３，４と樹脂フ
イルム１との間には非スポツト接着部分に微小の
隙間が多数形成される。

そこで、第１図及び第３図で示す樹脂フイルム
１の幅方向の中央Ｏ−Ｏより二つ折りとし第２図
及び第４図で示すように長手方向Ｙの所定間隔で
Ｘ−Ｘ線方向に溶着切断することにより、開口部
には雄、雌チヤツク３ａ，４ａを備えた袋体が形
成される。

この袋体は次のような作用を奏する。すなわ
ち、雄、雌チヤツク３ａ，４ａは、それ本来の機
能である袋体の開口部を再開閉する。

さらに、袋体の開口部を閉じている雄、雌チヤ
ツク３ａ，４ａの咬合時においては、ベース片
３，４と樹脂フイルム１との間に形成されている
非スポツト接着部分の微小の隙間は袋体内外を連
通する通気路となる。

従つて、この通気路により、包装物が生鮮食品
の場合には、その鮮度を保持するための通気作用
が充分得られ、醗酵性のものの場合には、醗酵等
によつて発生するガスを速やかに大気に放出し、
加熱調理食品の場合には、電子レンジ、オーブ
ン、ボイル等による袋体内空気の膨脹や水蒸気を
大気に放出し膨脹圧力による袋体の破裂を防止す
る。

＜考案の効果＞ 以上のように本考案によると次のような効果を
有する。

袋体に食品類を包入しチヤツクを閉じた場合
は、従来のチヤツク付袋体と同様に包入食品の保
持包装を確実に行うことができる。

また、この包装保持において、チヤツクのベー
ス片と袋体との接着部に形成された微小な通気路
により、チヤツクを閉じた状態で袋体内の通気性
が得られ、包入された生鮮食品の鮮度保持、食品
から発生するガスや水蒸気の大気放出が行われ、
ガスや水滴が袋体内に溜つて包入食品が傷むよう
なことを防止する。

さらには、電子レンジ、オーブンあるいはボイ
ル等の加熱調理においても、チヤツクを閉じたま
まで加熱しても膨脹空気は前記通気路より大気に
放出されるため、安全性が大である。

また、通気路は樹脂フイルムに穿孔するような
袋生地に傷を与えるものではないので、袋体の生
地の強度を充分保持している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の展開斜視図、第２図は製袋過
程の斜視図、第３図は他の実施例を示す展開斜視
図、第４図は同製袋過程の斜視図、第５図はスポ
ツト接着パターンを示す図である。 １……樹脂フイルム、３，４……ベース片、３
ａ，４ａ……チヤツク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂製雌雄爪型のチヤツクを設けた袋体に
   おいて、前記チヤツクの基部に形成されている接
   着用のベース片を袋体開口部の内側面に部分的な
   スポツト接着により接着し、非スポツト接着部分
   によつて袋体内外の微小な通気路を多数形成した
   ことを特徴とする合成樹脂製チヤツク付の袋体。