JPH0453990B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、木材束がまず加圧可能な給送装置内
へ移送され、次ぎに給送装置から連続的に加圧さ
れた砕木室内へ給送されて、該砕木室内で回転す
る砕木手段と接触せしめられる加圧砕木機内へ木
材束を給送する方法及び装置に関する。

〔従来の技術〕 フインランド特許明細書第57979号は、木材束
の給送方法を開示し、この方法によれば木材束は
砕木室内に上方から給送ポケツトを通つて給送さ
れる。移送装置は、まず木材束を給送ポケツトの
上部シヤツタ上に配置する。砕木室への下部シヤ
ツタが閉じられた後に、給送ポケツトは減圧さ
れ、次いで上部シヤツタが開かれ、これにより木
材束は下部シヤツタ上に自由落下する。給送ポケ
ツトは上部シヤツタを閉じることにより砕木室と
同一圧力に加圧される。下部シヤツタが開かれる
と、木材束は砕木室内へ自由落下し、砕木が開始
される。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記の既知の木材束の給送方法では、木材束を
砕木室内へ移送するのに二回の自由落下過程が必
要である。木材束は自由落下中は非制御状態にあ
るので、木材束はどうしても不整頓となり、その
結果、砕木作業に問題を惹起し、砕木した木材の
原料の品質を低下させる。この方法の他の大きな
欠点は、装置構造用の高い空間を必要とし、高い
費用を伴うことである。

本発明の目的は、上記不利益を解消し、かつ木
材束を大気状態から加圧下の砕木室内へ制御しつ
つ給送できる方法及び装置を提供するにある。

〔課題を解決するための手段及び作用〕

本発明の目的は、本発明による方法及び装置に
よつて達成される。すなわち、この方法は、木材
束が給送装置内に、そして更に砕木室内に、本質
的に水平面内でのみにおいて給送され、給送装置
より砕木室へは前記砕木手段の回転軸線の方向に
給送されることを特徴とする加圧砕木機に木材束
を給送する方法によつて達成される。

本発明は、木材束が砕木室内に側方から給送さ
れ、これによつて木材束の横方向の移動が水平面
内でのみ実施され、同時に木材束を垂直方向に移
送することが全く不要であるという考えを基礎と
する。これによつて、木材束の相互の整列が給送
作業中に可成り正確に維持され、かつ木材束が圧
力を固定する手段として作用する給送ポケツトを
通つて砕木室内にいままでどおり給送されても木
材束は実質的に平行状態に保たれる。

木材束を給送ポケツトから砕木室内に移送され
る方向と同一方向へ給送ポケツト内に移送するこ
とができ、または木材束を前記方向に対し直角方
向へ給送ポケツト内に移送することができる。

本発明はまた、加圧砕木機に木材束を給送する
装置を含む加圧砕木機内で上記方法を実施する給
送装置に関し、該装置は加圧可能な砕木室と、砕
木室内に取付けられた回転式砕木手段と、砕木室
に取付けられかつ木材束を砕木室内に給送するた
めの給送ポケツトを形成する給送装置と、大気と
砕木室のそれぞれから給送ポケツトを耐圧的に閉
鎖する閉鎖手段と、木材束を砕木室内の砕木手段
に圧接する押出要素を含む加圧砕木機に木材束を
給送する装置において、 給送装置が砕木室の側方に配置され、給送ポケ
ツトの底部が実質的に砕木室の底部と同一レベル
にあり、給送装置が押出装置を装備し、給送ポケ
ツト内で前記底部レベルと平行に砕木室に向つて
移動可能であることを特徴とする加圧砕木機に木
材束を給送する装置である。

この形式の給送装置は、砕木室の側方に給送装
置を配置できるため、加圧砕木機の構造上の高さ
を増加しない。

木材束を給送ポケツトへ、及び給送ポケツトか
ら砕木室内に移送するために要求される押出装置
は、下記のように種々の別の方式で実施できる。
押出装置は、給送ポケツトが大気及び加圧状態か
ら閉鎖されるとき、木材束と共に給送ポケツトの
内側に移動されることが好ましい。

〔実施例〕

第１図から第３図までに図解する加圧砕木機
は、主として砕木空間２を形成する耐圧式円筒形
フレーム１を含み、この中に、砕木といし車３が
不図示の回転用モータと連結された回転軸４によ
つて回転可能に取付けられている。耐圧式円筒形
フレーム１は、箱形の砕木室５を含み、その一端
は、砕木といし車に向つて開口され、反対端は押
出要素６の油圧シリンダ７によつて作動されるシ
ユー８によつて制限されている。

本発明による給送装置９は、砕木室５の一方向
の側に設けられ、前記給送装置の箱形の耐圧式の
給送ポケツト１０を形成し、その給送ポケツトの
底部１０ａは、砕木室の底部５ａと同一の水平面
内に位置する。入口開口１１が耐圧式の給送ポケ
ツト１０の側部に設けられ、この開口は大気と連
通し、かつ油圧シリンダ１２によつて作動される
外側シヤツタ１３によつて耐圧式に閉鎖される。
給送ポケツト１０の他端部には出口開口１４が設
けられ、この開口は砕木室５と連通し、かつ油圧
シリンダ１５によつて作動される内側シヤツタ１
６によつて耐圧式に閉鎖される。給送ポケツト１
０の他端は、押出装置１７の押し板１８によつて
制限せられ、前記押し板は油圧シリンダ１９によ
つて前記出口開口１４に向つて移動可能である。

第１図から第３図までによつて明らかなよう
に、この構造体は、給送装置９の押し板１８の動
作が砕木といし車３の水平回転軸と平行になるよ
うに構成される。

給送ポケツト１０は、弁２０によつて閉鎖され
た加圧パイプ２１によつて砕木空間２と連通し、
かつ弁２２によつて閉鎖される減圧パイプ２３に
よつて大気と連通する。

本発明による給送装置の作用はつぎのとおりで
ある。

給送ポケツト１０の内側シヤツタ１６と加圧パ
イプ２１の弁２０が閉じられ、かつこれによつて
給送ポケツト１０が加圧された砕木室５から閉鎖
されると、給送ポケツト１０の外側シヤツタ１３
が開かれ、一束の木材２４が不図示の移送装置に
よつて水平方向に、第４図の矢印Ａで示すよう
に、給送ポケツト１０内に押入される。

そののち、給送ポケツトの外側シヤツタ１３が
閉じられ、給送ポケツトは、減圧パイプの弁２２
を閉じかつ加圧パイプの弁２０を開くことによつ
て加圧される。給送ポケツトの内側シヤツタ１６
は開かれ、これによつて木材束は、シユー８が引
込んだ位置に移動された時第５図の矢印Ｂで示す
ように砕木室５内に押出される。

最後に、給送ポケツトの内側シヤツタ１６が閉
じられ、そののちに第６図の矢印Ｃで示すよう
に、木材束２４がシユー８によつて砕木といし車
３に対して押し出されることによつて砕木加工が
開始される。

木材束の給送ポケツト内への移送、及びさらに
給送ポケツトから砕木除室内への移送は、すべて
水平面内で行われることが分かる。それにより、
給送作業中の木材束の落下を避けられ、かつ木材
束の適当な整列が保たれる。給送ポケツトから砕
木室内への木材束の移送は、砕木といし車の回転
軸線と平行に行われる。

木材束の砕木が完了したのち、加圧パイプの弁
は閉じられかつ減圧パイプの弁は開かれ、それに
よつて給送ポケツトは減圧される。外側シヤツタ
１３が開かれたのち、新規の木材束が給送ポケツ
ト内に給送され、そののち砕木室内に給送され
る。

第７図から第９図までに図解する給送装置は、
既述の給送装置と本質的に異なるのは、給送ポケ
ツトの外側シヤツタの位置と木材束用の押出装置
に関してのみである。ゆえに、対応する部品は第
１図から第３図までの参照数字に100を加えて示
すが、同一部品には同一数字を付して示す。

給送装置１０９は、この実施例においても砕木
室５の一方の側に取付けられ、かつ砕木室５の底
部５ａと同一レベルに配置された水平の中間底部
１１０ａを具備した箱形の給送ポケツト１１０を
含む。

給送ポケツト１１０の外側シヤツタ１１３は、
内側シヤツタ１１６と平行に給送ポケツト１１０
の外端に取付けられる。

押出装置１１７は、砕木室の下方に固定された
油圧シリンダ１１９を含み、前記油圧シリンダ１
１９はピストン棒１２５を具備し、該ピストン棒
１２５は砕木といし車３の回転軸線と平行で、か
つピストン棒１２５がその伸長位置にあるとき給
送ポケツト１１０を通り給送ポケツトの中間底部
１１０ａの下に伸びている。外側シヤツタ１１３
及び内側シヤツタ１１６と平行な押し板１１８
は、ピストン棒１２５の末端に固定される。ピス
トン棒１２５と平行な溝孔１２６が、押し板１１
８の板状支持部材１２７用に中間底部に設けられ
る。押し板１１８の外側寸法は、給送ポケツト１
１０の自由内側断面よりも僅かに小さいので、押
し板は油圧シリンダによつて給送ポケツト内へか
つこれを通つてその出口開口１１４まで移動可能
である。

第７図から第９図までに示す給送装置の作用は
つぎのとおりである。

耐圧式給送ポケツト１１０が、内側シヤツタ１
１６と加圧パイプの弁２０を閉じることによつ
て、加圧砕木室から閉じられたのち、減圧パイプ
の弁２２と給送ポケツトの外側シヤツタ１１３が
開かれる。押し板１１８は耐圧式給送ポケツト１
１０からその外方端位置に、油圧シリンダ１１９
によつて移動される。この移送装置は、この状態
で、第１０図に示すように、押し板１１８と給送
ポケツト１１０間の空所内に木材束２４を移送す
る。

押し板１１８は、木材束２４を耐圧式給送ポケ
ツト１１０内に押入し、そののち耐圧式給送ポケ
ツト１１０の外側シヤツタ１１３が閉じられる。
耐圧式の給送ポケツトは第１１図に示すように弁
２２を閉じかつ弁２０を開くことによつて加圧さ
れる。

そののち、耐圧式の給送ポケツトの内側シヤツ
タ１１６が開かれかつシユー８がその引込み位置
にあるとき、木材束２４は押し板１１８によつて
砕木室５内に押入される。内側シヤツタ１１６と
弁２０が閉じられたのちに、砕木加工が第１２図
で示すように開始される。

木材束の給送ポケツト内へ及び給送ポケツトか
ら砕木室内への移送は、すべて砕木といし車３の
回転軸線と平行な水平面内で行われ、それにより
木材束を、給送作用中に落下させる必要はなく、
かつ木材束の整列が保たれることが分かる。

木材束が砕木された後に、加圧パイプ２１の弁
２０が閉じられ、かつ減圧パイプ２３の弁２２が
開かれ、これにより耐圧式の給送ポケツト１１０
が減圧される。外側シヤツタ１１３が開かれたの
ち、新規の木材束が耐圧式の給送ポケツト内へ、
さらに砕木室内へ給送される。

又他の例として耐圧式の給送ポケツト２１０の
外側シヤツタ２１３は第１３図及び第１４図に示
すように、キヤツプ形状であることが好適であ
る。給送装置２０９は箱形の耐圧式給送ポケツト
２１０を形成する外側の耐圧式円筒形殻２１１を
含む。耐圧式給送ポケツト２１０の外側シヤツタ
２１３は、外側殻２１１内で回転可能に取付けら
れた同軸軸２１４上のアームによつて固定さた球
形キヤツプによつて形成される。前記軸の一つの
軸が耐圧式円筒殻２１１の外側に延びかつ軸２１
４を回転させる作動装置に連結される。

閉鎖位置において、キヤツプ形の外側シヤツタ
２１３は耐圧式円筒形殻２１１内に設けられたリ
ング形状の密封装置２１５に緊密に押し付けら
れ、かつ開位置において耐圧給送ポケツト２１０
と耐圧式円形殻２１１との間の空所内に回転され
る。又、このように構成することにより、押し板
１１８を作動するシリンダ装置４（押出装置）１
１７を耐圧式給送ポケツト２１０の上方に位置さ
せ、これによつてカツプ形の外側シヤツタ２１３
は、開位置において耐圧式給送ポケツトの底部の
下方に回転させることが出来る。

これまでの図面及び説明は単に本発明の考えを
説明することのみのものである。本発明による方
法及び給送装置の詳細については、本発明の特許
請求の範囲内で変更できる。ゆえに、給送ポケツ
トの底部は全く水平ではなくて給送作用中に木材
束を本質的に水平に保つ程度までのみに傾斜させ
ることが出来る。

〔発明の効果〕

本発明の加圧砕木木に木材束を給送する方法及
び装置により、砕木手段に接触させられる木材束
の整列が整えられ、それによつて砕木作業が均一
に能率的に行われ、木材原料の品質の向上によ
り、パルプの質の向上と生産効率の上昇が得ら
れ、更に高い所に木材束を持ち上げる必要がなく
なつたことにより設備費，運転費、保全経費等の
節減にも大きく寄与した。

【図面の簡単な説明】

第１図から第３図までは、本発明による給送装
置を具備する１実施例の加圧砕木装置の部分垂直
切断側面図（第１図）と、部分水平切断上面図
（第２図）と、〜垂直切断断面図（第３図）、
第４図から第６図までは、第１図〜第３図の一束
の木材を給送するための三つの異なる移送段階を
示す上面図、第７図から第９図までは、本発明に
よる給送装置を具備する他の実施例の加圧砕木装
置を示し、第１０図から第１２図までは、第７図
〜第９図の装置の一束の木材を給送する三つ移送
段階を示す概略上面図、第１３図と第１４図は、
給送装置の外側シヤツタの一実施例の部分垂直切
断側面図（第１３図）及び同端面図（第１４図）。 １……耐圧式円筒フレーム、２……砕木空間、
３……砕木といし車、４……回転軸、５……砕木
室、５ａ……砕木室の底部、６……押出要素、７
……油圧シリンダ、８……シユー、９……給送装
置、１０……給送ポケツト、１０ａ……給送ポケ
ツトの底部、１１……入口開口、１２……油圧シ
リンダ、１３……外側シヤツタ、１４……出口開
口、１５……油圧シリンダ、１６……内側シヤツ
タ、１７……押出装置、１８……押し板、１９…
…油圧シリンダ、２０……弁、２１……加圧パイ
プ、２２……弁、２３……減圧パイプ、２４……
木材束、１０９……給送装置、１１０……耐圧式
給送ポケツト、１１０ａ……給送ポケツトの中間
低部、１１１……入口開口、１１３……外側シヤ
ツタ、１１４……出口開口、１１６……内側シヤ
ツタ、１１７……押出装置、１１８……押し板、
１１９……油圧シリンダ（作動装置）、１２５…
…ピストン棒、１２６……溝孔、１２７……板状
支持部材、２０９……給送装置、２１０……箱形
給送ポケツト、２１１……円筒形圧力殻、２１３
……外側シヤツタ、２１４……軸、２１５……リ
ング状密封装置、２１６……内側シヤツタ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 木材束２４がまず加圧可能な給送装置９，１
   ０９，２０９内に移送され、次ぎに給送装置から
   連続的に加圧された砕木室５内に移送され、該砕
   木室内で回転する砕木手段３と接触せしめられる
   加圧砕木機内に木材束を給送する方法において、
   木材束２４が給送装置９，１０９，２０９内に、
   そして更に砕木室５内に実質的に水平面内におい
   てのみ給送され、かつ給送装置より砕木室へは前
   記砕木手段３の回転軸線４の方向に給送されるこ
   とを特徴とする加圧砕木機に木材束を給送する方
   法。 ２ 木材束２４が給送装置９内に砕木手段３の回
   転軸線に直角方向に給送されることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載の加圧砕木機に木材束
   を給送する方法。 ３ 木材束２４が給送装置１０９，２０９内に砕
   木手段３の回転軸線４の方向に給送されることを
   特徴とする特許請求の範囲第１項記載の加圧砕木
   機に木材束を給送する方法。 ４ 加圧可能な砕木室５を形成するフレーム１
   と、 砕木室内に取付けられた回転式砕木手段３と、 砕木室壁に取付けられ、木材束２４を砕木室内
   に給送するために給送ポケツト１０，１１０，２
   １０を形成する給送装置９，１０９，２０９と、 大気と砕木室のそれぞれから給送ポケツト１
   ０，１１０，２１０を耐圧的に閉鎖するためのシ
   ヤツタ１３，１６，１１３，１１６と、 木材束を砕木室内の砕木手段に圧接する押出要
   素６とを含む加圧砕木機に木材束を給送する装置
   において、 給送装置９，１０９，２０９が、砕木室５の側
   部に配置され、給送ポケツト１０，１１０，２１
   ０の底部１０ａ，１１０ａが実質的に砕木室の底
   部５ａと同一レベルにあり、給送装置が押出装置
   １７，１１７を装備し、給送ポケツト１０，１１
   ０，２１０内で前記底部レベルと平行に砕木室５
   に向つて木材束を移動可能であることを特徴とす
   る加圧砕木機に木材束を給送する装置。 ５ 給送ポケツト１１０，２１０の木材束のため
   の入口開口１１１が、砕木室５への出口開口１１
   ４に関して給送ポケツトの反対端において水平方
   向に配設されていることを特徴とする特許請求の
   範囲第４項記載の加圧砕木機に木材束を給送する
   装置。 ６ 給送ポケツト１０の木材束２４のための入口
   開口１１１が砕木室５への出口開口１４に対して
   給送ポケツトの直角側面において水平方向に配設
   されていることを特徴とする特許請求の範囲第４
   項記載の加圧砕木機に木材束を給送する装置。 ７ 押出装置１１７が押し板１１８であり、その
   押し板が作動装置１１９に連結されかつこれによ
   つて移動され、前記押し板の運動経路が給送ポケ
   ツト１１０，２１０を通つて前記出口開口１１４
   まで延びることを特徴とする特許請求の範囲第５
   項または第６項記載の加圧砕木機に木材束を給送
   する装置。 ８ 押し板１１８が、押し板と給送ポケツトの入
   口開口１１１との間に木材束用の受入空間を形成
   するために、給送ポケツト１１０，２１０の外側
   の作動装置１１９によつて、給送ポケツトの入口
   開口から木材束２４の長さを超える距離まで移動
   されることを特徴とする特許請求の範囲第７項記
   載の加圧砕木機に木材束を給送する装置。 ９ 給送装置２０９が、箱形給送ポケツト２１０
   と、前記箱形給送ポケツトを囲む円筒形圧力殻２
   １１とより成り、かつ、給送ポケツト内に開閉さ
   れる内側シヤツタ１６を装備する出口開口が、砕
   木室５に隣接する円筒形圧力殻２１１の末端にお
   いて給送ポケツト用として配設され、これによ
   り、反対端の外側シヤツタ２１３が圧力殻内で回
   転可能に取付けられ、かつ給送ポケツト用として
   開閉される入口開口を形成することを特徴とする
   特許請求の範囲第４項記載の加圧砕木機に木材束
   を給送する装置。