JPH0453247Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、移植面を被覆したマルチフイルム
に苗を植え付けるための穴をあける移植機のマル
チフイルムカツト装置に関するものである。

従来の技術 従来、レタスや白菜等の栽培においては、畝を
マルチフイルムにより被覆し、このマルチフイル
ムに所定間隔で穴をあけ、その穴をあけた部分に
レタス等を苗を植え付けることが行われている。

ここで、マルチフイルムへの穴あけ作業は、ガ
スバーナーや簡易型のマルチフイルムカツト装置
を用いて手作業で行つている。また、苗の植え付
けも手作業で行うことが一般的である。

考案が解決しようとする問題点 マルチフイルムへの穴あけ作業をガスバーナー
により行う場合は、ガスボンベを背負つての重労
働となり、しかも、ガスバーナーや簡易型のマル
チフイルムカツト装置による穴あけ作業では、穴
の間隔を一定に維持することができない。また、
手作業による苗の植え付け作業は腰をかがめて行
わなければならず、重労働となつている。

さらに、マルチフイルムへの穴あけ作業と苗の
植え付け作業とを別行程で行つており、非常に手
間がかかつている。

問題点を解決するための手段 エンジンからの駆動力により昇降されるととも
に所定の間隔で移植面に苗を移植する移植部を有
する移植機において、長穴が形成されたフレーム
を前記移植部に連結し、移植面を覆つたマルチフ
イルムに穴をあけるマルチフイルムカツト部を前
記移植部の前方に位置させるとともに前記長穴に
その長穴にそつてスライド自在に取り付けた。

作 用 移植部とマルチフイルムカツト部とは一体的に
連動して昇降し、このマルチフイルムカツト部に
より穴をあけられた部分に移植部により苗を植え
付けることができ、この苗の植え付け間隔の調節
も簡単に行なうことができ、さらに、きわめて簡
単な構造でマルチフイルムの穴明けと苗の植え付
けとを行なうことができるものである。

実施例 この考案の一実施例を図面に基づいて説明す
る。まず、自走式の移植機１のシヤーシ２の前部
にはエンジン３が搭載され、シヤーシ２の略中央
部にはミツシヨンケース４が固定されている。ミ
ツシヨンケース４の上部には入力軸５とこの入力
軸５の端部に固定されたプーリ６とが設けられ、
エンジン３の出力軸７に固定されたプーリ８と前
記プーリ６との間にＶベルト９が巻回されてい
る。前記ミツシヨンケース４の下部には前記移植
機１の進行方向と直交する左右方向に延出する車
軸１０が設けられ、この車軸１０の左右両端部に
は左右一対の伝動ケース１１の上部が車軸１０の
軸心回りに回動自在に連結されている。伝動ケー
ス１１の下部には回転軸１２が設けられ、この回
転軸１２には後輪１３が連結されている。なお、
伝動ケース１１内には、車軸１０から回転軸１２
に回転を伝えるスプロケツト及びチエーン（図示
せず）が収納されている。また、伝動ケース１１
には前方に延出する前輪軸１４が連結され、この
連結軸１４の先端部に前輪１５が取付けられてい
る。

前記シヤーシ２の略中央部には、伸縮自在な油
圧シリンダ１６と、この油圧シリンダ１６により
駆動されるとともに前記伝動ケース１１を前記車
軸１０の軸心回りに回動させるリンク機構１７と
が設けられている。また、前記シヤーシ２の後部
にはハンドル１８が連結され、さらに、前記エン
ジン３からの駆動力により所定の水平面内で回転
するロータリポツト１９が設けられている。

つぎに、前記エンジン３からの駆動力により所
定のリンク運動をするリンク機構２０が設けられ
ている。このリンク機構２０の後端部には所定の
楕円軌跡を描いて昇降するとともに前記ロータリ
ポツト１９の下方に位置する移植部である移植開
孔器２１が連結されている。この移植開孔器２１
は、前記ロータリポツト１９から落下される苗を
受取る筒体２２及び下降して畝に突き刺さつたタ
イミングで前後方向に開く一対の分割バケツト２
３等から構成されている。

前記移植機１には、前記移植開孔器２１の進行
方向前方に位置してマルチフイルムカツト部２４
が取付けられている。このマルチフイルムカツト
部２４は、前記移植開孔器２１に連結されたフレ
ーム２５、フレーム２５に形成された長穴２６に
そつてスライド自在に取付けられた取付ステー２
７、取付ステー２７に取付けられたバーナー２
８、バーナー２８を覆うバーナー筒２９、一端が
バーナー２８に接続されるとともに他端がガスボ
ンベ２９に接続されたホース３０等からなり、前
記バーナー２８の前記取付ステー２７への取付け
は、ボルト３１により上下方向位置調節自在に行
われている。

このような構成において、まず、移植作業につ
いて説明する。マルチフイルム３２を被覆した畝
を跨いで移植機１を位置させ、移植機１を走行さ
せる。移植機１を走行させると、エンジン３から
の駆動力によりロータリポツト１９が回転すると
ともにリンク機構２０を介して移植開孔器２１が
昇降する。移植開孔器２１は、上昇時においてロ
ータリポツト１９から落下される苗を受け取り、
下降時において畝の移植面に突き刺さつて移植穴
を開け、さらに、分割バケツト２３が前後方向に
開いて苗を移植穴内に落下させ、移植が行われ
る。

つぎに、マルチフイルム３２への穴あけ作業に
ついて説明する。まず、ガスボンベ２９からホー
ス３０を介して放出されたガスをバーナー２８下
端部にて点火することにより、バーナー筒２９及
びバーナー底３３を加熱する。ここで、マルチフ
イルムカツト部２４は、移植開孔器２１と一体的
に昇降し、最下降時において、バーナー底３３が
畝を被覆したマルチフイルム３２に接触する。こ
れにより、マルチフイルム３２はバーナー底３３
の形状にそつて融け、マルチフイルム３２には所
定の間隔で穴があけられる。そして、バーナー底
３３の形状に切り取られたマルチフイルム３２は
バーナー底３３に付着して拾集されう。ここで、
バーナー２８は長穴２６にそつて前後方向に位置
調節することができ、これにより、形成する穴の
間隔の調節を行えるとともに、移植開孔器２１に
よる移植位置とマルチフイルムカツト部２４によ
る穴あけ位置とを一致させる調節を行える。した
がつて、苗の移植は、任意の間隔で、しかもマル
チフイルム３２への穴あけした箇所に正確に行え
る。

なお、本実施例においては、マルチフイルムカ
ツト部２４としてバーナー２８を利用したものに
ついて説明したが、第５図に示すように、下端縁
に波状のカツト刃３４が形成された筒体３５とこ
の筒体３５を保持する保持体３６等からなるマル
チフイルムカツト部３７を設け、このマルチフイ
ルムカツト部３７をリンク機構２０等に昇降自在
に連結してもよい。

考案の効果 この考案は上述のように、エンジンからの駆動
力により昇降されるとともに所定の間隔で移植面
に苗を移植する移植部を有する移植機において、
長穴が形成されたフレームを前記移植部に連結
し、移植面を覆つたマルチフイルムに穴をあける
マルチフイルムカツト部を前記移植部の前方に位
置させるとともに前記長穴にその長穴にそつてス
ライド自在に取り付けたので、移植部とマルチフ
イルムカツト部とは一体的に連動して昇降し、こ
のマルチフイルムカツト部により穴をあけられた
部分に移植部により苗を植え付けることができ、
この苗の植え付け間隔の調節も簡単に行なうこと
ができ、さらに、きわめて簡単な構造でマルチフ
イルムの穴明けと苗の植え付けとを行なうことが
でき、したがつて、労力の軽減と作業能率の向上
とを図ることができる等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は側面図、第２図は移植開孔器とマルチフイル
ムカツト部とを拡大して示す側面図、第３図は平
面図、第４図は作業状態を示す側面図、第５図は
他のマルチフイルムカツト部を示す斜視図であ
る。 １……移植機、３……エンジン、２１……移植
開孔器（移植部）、２４……マルチフイルムカツ
ト部、３２……マルチフイルム、３７……マルチ
フイルムカツト部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジンからの駆動力により昇降されるととも
   に所定の間隔で移植面に苗を移植する移植部を有
   する移植機において、長穴が形成されたフレーム
   を前記移植部に連結し、移植面を覆つたマルチフ
   イルムに穴をあけるマルチフイルムカツト部を前
   記移植部の前方に位置させるとともに前記長穴に
   その長穴にそつてスライド自在に取り付けたこと
   を特徴とする移植機のマルチフイルムカツト装
   置。