JPH0452757Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 考案の目的 〔産業上の利用分野〕 本考案は、電子写真・静電印刷などにおける静
電潜像現像装置に係り、より詳細にはキヤリヤ等
を用いないいわゆる１成分現像剤を用いる現像装
置に関するものである。

〔従来の技術〕

静電潜像現像方法として１成分法と２成分法と
があるが、現像装置が簡単かつコンパクトな点
で、近来１成分法についての研究が特に進み、一
部商品化されるまでに至つている。

〔考案が解決しようとする問題点〕 ところが従来の１成分法に用いる現像剤は、そ
の搬送性を良好にするために磁性を持たせる必要
があり、多量の磁性体を含有させている。

従つてトナーは黒色かそれに近い色に限られ
る。また磁性体の含有によつて定着温度が高くな
る不具合があつた。

そこで本出願人は上記の問題点を解決するた
め、特願昭58−151028号（特開昭60−42776号）
の提案をしたけれども、電子複写装置が長時間傾
斜して設置された場合、あるいは現像装置の現像
可能領域（幅方向）より短い原稿を多数枚複写し
た場合は、磁性粒子の量や、磁性粒子と非磁性現
像剤との混合割合等が現像剤保持部材の長さ方向
に偏在もしくは変化し、その長さ方向において画
像の品質の差を生じることがあつた。

この種の現像装置において、現像剤保持部材と
平行にスクリユー式の搬送部材を配置し、現像剤
保持部材の長手方向に沿つて、すなわち横方向に
現像剤を移動させるものはあるが、現像剤自身の
重量と、搬送部材による一側方への押圧作用によ
つて、磁性粒子と現像剤が強い力で圧着されるの
で、現像剤が破砕したり、磁性粒子に付着したり
して、いわゆる現像剤劣化を生じる。

本考案は従来の現像装置が持つ上記現像剤劣化
の問題点を解決することを目的とする。

ロ 考案の構成 〔問題点を解決するための手段〕 本考案は、磁性粒子と非磁性現像剤の混合物が
上下に循環運動する領域を有し、この混合物中の
非磁性現像剤のみを回転現像剤保持部材で静電潜
像の現像部に搬送する現像装置に於いて、上記混
合物の循環運動領域内に、上下一対の混合物搬送
スクリユーを現像剤保持部材と平行に配置し、そ
の上下のスクリユーの回転方向を上記混合物の循
環方向と一致させるとともに、上下のスクリユー
の混合物搬送方向を互いに逆方向としたことを特
徴とする現像装置である。

〔作用〕

磁性粒子と現像剤の混合体は、上部の搬送部材
によつて例えば左から右へ、同時に下部の搬送部
材によつて右から左へ移動させられるので、磁性
粒子と現像剤の混合比は、現像剤保持部材の長さ
方向にほぼ一定する。

〔実施例〕

本考案は、例えば電子写真装置の静電潜像現像
装置に実施するもので、図面はその具体例を示
す。潜像担持体１に形成された静電潜像は、所定
の間隔を保つて対向配置した現像装置２によつて
現像され、可視像となる。

現像装置２において、磁性粒子と非磁性現像剤
の混合体は、磁極位置を固定したマグネツトロー
ラを内蔵して回転現像剤保持部材３に吸着搬送さ
れる。ただし、磁性粒子は磁性ブレード４と回転
現像剤保持部材３の磁力および重力によつて開口
部へ送られることなく現像装置２の混合部５内で
第３図矢印Ａのように循環する。

この時、非磁性現像剤は現像剤保持部材３と接
触し、静電的に現像剤保持部材３上に塗布され、
現像部へ搬送されて現像に供される。

ホツパー部６内の現像剤は、現像剤供給部材７
の回転によつて磁性粒子との混合部５に補給さ
れ、混合体の磁性粒子と現像剤の混合比を安定さ
せている。

混合部５の中に現像剤保持部材３と平行にスク
リユーコンベヤから成る上下一対の搬送部材８，
９を設けている。

第２図に示す従来の搬送部材８，９は、共に同
方向のスクリユーで、回転方向を互いに逆にする
ことによつて各搬送部材８，９の送り方向が交互
になるように設定している。

これに対し、本考案では搬送部材（スクリユ
ー）８，９は第３図のように同方向に回転させる
が、磁性粒子と非磁性現像剤の混合物の搬送方向
を互いに逆方向とするには、搬送部材８，９のス
クリユーの方向を互いに逆にすれば回転方向は同
じでよい。

その場合、第３図に示すように、各搬送部材
８，９の回転方向を磁性粒子の循環方向、すなわ
ち磁性粒子と現像剤の混合体の流動方向に一致さ
せると、回転する現像剤保持部材３に釣られて上
がつてきた磁性粒子と現像剤の混合体が重力の作
用で落下するとき、上部搬送部材（スクリユー）
８の回転の影響をほとんど受けない。また落ちて
きた上記混合体が回転する現像剤保持部材３に再
び引付けられて上昇し始めるとき、下部搬送部材
（スクリユー）９の影響がない。つまり、スクリ
ユー８，９を磁性粒子と非磁性現像剤の混合物の
循環方向と一致した方向に回転させるので、これ
と反対方向に回転させた時のように混合物の循環
運動を阻害し、混合物に無用な負荷を掛けて磁性
粒子、非磁性現像剤を劣化させてしまうというこ
とが防止できる。

従つて磁性粒子と現像剤の混合体は、上下の搬
送部材８，９の回転による抵抗を受けることな
く、上下方向に循環しながら横方向にも搬送され
る。

試験の結果によれば、本考案現像装置をセツト
した電子複写装置が５度程度傾いても、現像剤の
片寄りはほとんどなくて、画像品質も幅方向にお
いて差は見出されなかつた。

また15℃…10％、30℃…90％の状態で、それぞ
れ10万枚の環境耐久試験を行つたが、画像品質に
何の支障も生じなかつた。

さらにA4サイズの原稿を縦方向にして連続１
万枚複写した後、A3サイズの原稿を複写しても、
その幅方向の画像品質に差は生じなかつた。

搬送部材８，９のスクリユーピツチ2.5〜20mm、
スクリユー直径６〜14mm、上下のスクリユーの回
転比（Ｖ下／Ｖ上）0.5〜2.0の範囲に選ぶことに
より良好な結果を得ることができた。

ハ 考案の効果 本考案の現像装置は上記の構成にしたから、磁
性粒子と非磁性現像剤の混合体は、混合部５の中
で現像剤保持部材３の回転に伴う上下方向の流動
循環に加えて、上下一対の搬送部材８，９による
上下の向きが逆方向の横送りが行われ、現像剤保
持部材３の長さ方向に沿つて磁性粒子と非磁性現
像剤の混合割合が変化することがない。また上記
混合体は一側に押付けられないから、現像剤の劣
化がない。

従つて複写装置が傾斜していても、また現像有
効幅以下の原稿を多数枚複写しても、高品質の画
像が得られる。また、混合物の循環運動が円滑に
行われるので、磁性粒子、非磁性現像剤の無用な
負荷による劣化も防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案現像装置の縦断側面図、第２図
は従来の搬送部材の斜視図、第３図は混合部の拡
大側面図。 １は潜像担持体、２は現像装置、３は現像剤保
持部材、５は混合部、８，９は搬送部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 磁性粒子と非磁性現像剤の混合物が上下に循環
   運動する領域を有し、この混合物中の非磁性現像
   剤のみを回転現像剤保持部材で静電潜像の現像部
   に搬送する現像装置に於いて、 上記混合物の循環運動領域内に、上下一対の混
   合物搬送スクリユーを現像剤保持部材と平行に配
   置し、その上下のスクリユーの回転方向を上記混
   合物の循環方向と一致させるとともに、上下のス
   クリユーの混合物搬送方向を互いに逆方向とした
   ことを特徴とする現像装置。