JPH0452497A - ヒートポンプ式冷暖房装置用伝熱管 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はヒートポンプ式冷暖房装置用伝熱管、特に熱交
換効率を高めたヒートポンプ式冷暖房装置用伝熱管に関
する。

〔従来の技術〕

ヒートポンプ式冷暖房装置は、熱交換器内に設けた伝熱
管に、熱媒体となる液体（以下、冷媒と言う）を流す方
向により、冷媒の蒸発と凝縮をそれぞれ行わせて、１台
の装置で冷房と暖房の目的を達することができるもので
ある。

従来、ヒートポンプ式冷暖房装置の熱交換器には伝熱管
として、第８図に示すように、伝熱管８１の内面に、管
軸方向に一様に連続した螺旋状の溝８２を形成したもの
が広く用いられている。

このような伝熱管は、平滑管に比し熱交換効率が高い。

その理由は、管内面の表面積すなわち熱媒体用液体との
接触面積が平滑面より大きいことと、管内面の螺旋状の
凹凸のために、管内面付近で熱媒体である液体がよく攪
拌され、管と液体との間の熱交換が促進されることによ
る。さらに、管内で液状の冷媒を蒸発させて管外の媒体
を冷却する場合には、管内に流れる冷媒液が螺旋状の溝
８２に沿ってかき上げられることにより、管内面が広範
囲にわたり冷媒液で濡らされ、管と液体との接触面が増
大する効果も伴う。

この内面溝付伝熱管を利用した熱交換器として、例えば
、特開昭５９−３８５９６号公報に示されるものがある
。この熱交換器は、低乾き度領域では管軸に対する角度
の大きい螺旋溝を有した伝熱管を使用し、高乾き度領域
ではその角度の小さい螺旋溝を有した伝熱管を使用して
いる。

この構成において、暖房用冷媒蒸気を高乾き度領域から
供給すると、管軸に対する螺旋角度が小さいので、熱排
出後の凝縮液は、溝底に集まり、薄い凝縮液膜が形成さ
れるため、管内面と冷媒蒸気の接触面積の減少が防止さ
れる。一方、冷房用凝縮液を低乾き度領域から供給する
と、螺旋角度が大きいので、熱吸収前の凝縮液は、溝を
乗り越えて流動し、溝による粗面効果によって、攪拌乱
流が生じる。このようにして、暖房時および冷房時の伝
熱性能を向上させることができる。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、従来の伝熱管によると、内面溝の螺旋角度が一
定であるため、上述した熱交換器を構成するためには、
異なった螺旋角度を有した２種類の内面溝付伝熱管を準
備しなければならず、また伝熱管の取り付けにより低乾
き度領域および高乾き度領域が位置的に特定されてしま
うため、熱交換器の設計裕度が低下する。

従って、本発明の目的は、一種類の伝熱管で、すぐれた
伝熱性能を有するヒートポンプ式冷暖房装置用伝熱管を
提供することである。

〔課題を解決するための手段］ 本発明では、一種類の伝熱管で、すぐれた伝熱性能を有
するヒートポンプ式冷暖房装置用伝熱管を提供するため
、伝熱管内面の、管周を分割した２以上の領域に、それ
ぞれ管軸となす角度の異なる螺旋状溝を設けた。

領域は、管周を２分割、３分割、４分割等、任意の整数
で分割したものとすることができる。そして、この領域
は管周を等分したものである必要はない。例えば、第一
の領域が管周の１７３に相当し、第二の領域が管周の２
／３に相当してもよい。本発明で言う螺旋状には、後述
の通り、環状をも含む。

螺旋状溝が管軸となす角度とは、螺旋状溝の接線が管の
内周上の管軸に平行な直線となす角度を意味する。この
角度は、上記の領域の間で大きく異なる方が好ましく、
螺旋の旋回方向が逆になる場合にも、一方を正、一方を
負の９０°までの角度で表したとき、それぞれの絶対値
が大きく異なる方が好ましい。特に、少なくとも一つの
領域で±３０°以下、他の少な（とも一つの領域で±６
０°６０°することが好ましい。溝の少なくとも一つは
管軸となす角が９０″、すなわち環状の溝であってもよ
い。

〔作用］ 本発明においては、伝熱管内面の管周を分割した２以上
の領域に、それぞれ管軸となす角度の異なる螺旋状溝を
設けたことで、螺旋状溝による管内面の表面積の増大と
、接触する冷媒液の攪拌促進の二つの効果は勿論、管内
で冷媒を蒸発させて管外の媒体を冷却する場合には、管
内を流れる冷媒液が管軸となす角度の小さい螺旋状の溝
によって管内面の円周方向にかき上げられて、管と冷媒
液との接触面が増大し、高い熱交換効率が得られる。一
方、管内で冷媒の蒸気を凝縮させる場合には、凝縮した
冷媒液が管軸となす角度の小さい領域でかき上げられて
も、高乾き度域であり、液は少なく、溝底に薄い液膜と
なり、管軸となす角度の大きい領域では液が溝を乗り越
え、攪拌効果が大きく現れ、粗面効果を有効に活用でき
る。その結果、管内で冷媒を凝縮させる場合にも、高い
熱交換効率を得ることができる。この伝熱管は、例えば
、内面に異なる角度の多数の溝を設けた二つの樋状部材
を突き合わせ、合わせ目を接合することにより、容易に
製造することができる。あるいは、金属薄板をその長手
方向に移動させながら、周面に成形溝（または凸条）を
設けたローラで圧延して、前記薄板の片面に、幅方向の
二つ以上の領域毎にそれぞれ角度の異なる溝を形成し、
幅方向に曲げて管状に成形した後、薄板の端面を接合す
る方法を用いることもできる。

以上の説明から明らかなように、冷暖房用熱交換器を構
成するときは、管軸となす螺旋の角度の小さい領域が管
の下側になるように伝熱管を取り付ける方が、好ましい
。

以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。

〔実施例１〕 本発明による伝熱管の一例を第１図に示す。伝熱管１の
内面は、管周を１８０°ずつ上下２領域に分割し、上側
の領域に螺旋状の溝２、下側の領域に螺旋状の溝３を設
けた。溝２は管軸となす角度を約８５°、溝３は管軸と
なす角度を約３０゜とした。伝熱管１の外径は９．５２
ｍ、溝のある部分の肉厚は０．３１１ａｌｌで、溝２，
３はいずれも、伝熱管１の内面に設けた高さ０．２２　
ｍ、頂部の幅０．０６ｍｍ、頂角４００、ピッチ０．５
　ｍｍの螺旋状フィンの間に形成されたものである。第
２図に螺旋状フィンの高さり、頂部の幅Ｗ、頂角α、ピ
ッチＰの定義を図示した。

〔比較例１および２〕 比較のため、第３図に示すように、実施例１と同じ外径
、肉厚の伝熱管３１の内面全体に、実施例１の溝２と同
じ溝３２を設けた。これを比較例１とする。

また別に、第４図に示すように、実施例１と同じ外径、
肉厚の伝熱管４１の内面全体に、実施例１の溝３と同じ
溝４２を設けたものを作った。これを比較例２とする。

管軸となす角度の異なる螺旋状溝２，３を有する実施例
１の伝熱管ｌは、内面全体に角度の同じ螺旋状溝３２お
よび４２をそれぞれ有する比較例１および２の伝熱管３
１および４１に比し、蒸発、凝縮いずれの場合でも少な
くとも約１０％高い熱交換効率を示した。

〔実施例２〕 第５図ＡおよびＢに示すように、伝熱管５１の管周を６
頭域に分け、それぞれに管軸となす角度の異なる螺旋状
の溝５１，５２，５３，５４゜５５．５６を設けた。溝
５１，５３．５５の管軸となす角度は９０°、溝５２，
５４．５６の管軸となす角度は２０°である。実施例１
と同様な熱交換効率の向上を示した。

〔実施例３〕 第６図ＡおよびＢに示すように、伝熱管６エの管周を６
領域に分け、それぞれに管軸となす角度の異なる螺旋状
の溝６１，６２，６３，６４゜６５．６６を設けた。溝
６１，６３．６５の管軸となす角度は９０°、溝６２．
６６の管軸となす角度は一２０°、溝６４の管軸となす
角度は２０゜である。螺旋状溝の管軸となす角度の表示
は、前進するとともに時計方向に旋回する場合圧、反時
計方向に旋回する場合負の角として表示した。実施例１
と同様な熱交換効率の向上を示した。

第７図に、管の内面全体に管軸と種々の一定角度をなす
螺旋状溝を設けた伝熱管の、単管における管内熱伝達率
（ｋ　Ｗ　ｔｓ−”　Ｋ−’　）の測定結果を示した。

なお測定には冷媒としてフロンＲ２２を用い、伝熱管を
水平に置き、蒸発時熱伝達率は温度０．６℃、冷媒重量
速度２００ｋｇ　ｌｌ−”　５ｅｃ−’、熱流束１０　
ｋＷ　ｍ−”、冷媒平均乾き度０．６テ測定し、凝縮時
熱伝達率は凝縮温度４０℃、冷媒重量速度２００ｋｇ　
ｔａ−”　５ｅｃ−’で測定した。Ｏおよび△は各実測
値を示す。この測定結果は、沸騰時の熱伝達率は管軸と
なす角度が３０°以下と小さいとき、凝縮時のそれは管
軸となす角度が６０−以上と大きいとき、高いことを示
している。本発明は二の測定結果に基づくものである。

〔発明の効果〕

本発明のヒートポンプ式冷暖房装置用伝熱管によると、
低乾き度領域および高乾き度領域の青領域においてすぐ
れた伝熱性能を有するので、管内で冷媒液を蒸発させる
場合、冷媒蒸気を凝縮させる場合、いずれでも高い熱交
換効率が得られる。

その結果、同じ熱交換能力で熱交換器の小型化、さらに
冷暖房装置全体の小型化も可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるヒートポンプ式冷暖房装置用伝熱
管の一実施例の管軸に沿った断面図、第２図は実施例で
管内面の溝の形成のために用いた螺旋状フィンの寸法の
定義を示す説明図、第３図および第４図はそれぞれ比較
例の伝熱管の管軸に沿った断面図、第５図Ａと第６図Ａ
はそれぞれ本発明の他の実施例の管軸に沿った断面図、
第５図Ｂと第６図Ｂはそれぞれ本発明の他の実施例の管
軸に垂直の方向の断面図、第７図は管の内面全体に管軸
と種々の一定角度をなす螺旋状溝を設けた伝熱管の沸騰
時および凝縮時の熱伝達率を示すグラフ、第８図は従来
のヒートポンプ式冷暖房装置用伝熱管の管軸に沿った断
面図である。 符号の説明 １−・・−一一〜−−伝熱管 ２．３・・−・・・−・−溝 ３１・−・−・−伝熱管 ３２−−一〜−−−−−−−溝 ４１−一−−−・−・・−・伝熱管 ４２・−・−−−−−一・溝 ５１−・−一−−−−−−−・伝熱管 ５１、５２．５３．５４．５５．５６・−・−溝６１−
一−−−・−−一−−−−−−−・・−〜−−−−−−
−−−・−伝熱管６１．６２，６３，６４，６５．６ロ
ーーーーーーー溝８１−・−・−−−一−・−−−−−
−−−−−−・−伝熱管８２−−−−−−−・−・溝 １・−・ 伝熱管 溝 第２

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 管内面の、管周を分割した２以上の領域に、それぞれ管
   軸となす角度の異なる螺旋状溝を設けたことを特徴とす
   る、ヒートポンプ式冷暖房装置用伝熱管。