JPH0450921Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、高圧の液体塗料を小径のノズルから
大気中に高速度で噴射して霧化し、被塗装物に塗
装を施す自動エアレス塗装機のノズル詰り検知装
置に関する。

従来の技術及び考案が解決しようとする問題点 エアレス塗装機のノズルは極めて小径であるた
め、使用する塗料によつては頻繁にノズル詰りを
生ずることがあるが、多数の被塗装物をコンベヤ
により一方向へ搬送しつつスプレイガンから塗料
を噴射して被塗装物を自動的に塗装する自動エア
レス塗装機においては、ノズル詰りを放置する
と、多量の未塗装品が次工程へ送られ、特に、ノ
ズルが半詰り状態で塗装が続けられると塗装不良
品が多量に生じて、その補修塗装に長時間を要す
るという問題点があつた。

問題点を解決するための手段 本考案はこのような問題点を解決するための手
段として、多数の被塗装物を相互の間に間隔を空
けて順次に一方向へ搬送するコンベヤの近傍に、
スプレイガンを設置してそのスプレイガンを、前
方に被塗装物が対応する間だけ塗料を噴射し、被
塗装物の間の空間が対応する間は塗料の噴射を停
止するように塗料の噴射を断続制御する制御装置
に接続し、スプレイガンのノズルの近傍に、塗料
噴射時にそのノズルから発生する音波を検知して
電気信号に交換するマイクロフオンを設置し、そ
のマイクロフオンを、前記音波に相当する特定帯
域の周波数の電気信号のみを通すフイルタとその
フイルタを通つた電気信号の大きさが一定値以下
となつたときにノズル詰りの検知信号を発生する
信号発生器とからなる検知装置に接続し、かつ、
その検知装置を制御装置に連継して、その制御装
置がスプレイガンを塗料噴射状態に制御している
間においてのみ検知装置を作動させる構成とし
た。

考案の作用及び効果 本考案は上記構成になり、ノズルから塗料が正
常に噴射している際に一定以上の高圧レベルで発
生していた特定の周波数の音波が、ノズルが半詰
り状態になるとその音波の高圧レベルが低下し、
完全に詰るとその音波が消失することから、マイ
クロフオンで検出されてフイルタを通つた特定の
周波数の音波に対応する周波数の電気信号の大き
さが予め設定された一定値以下となつて信号発生
器からノズル詰りの検知信号が発せられることに
より、コンベヤを停止させ、かつ、スプレイガン
の塗料の噴射を停止してノズルの交換等を行なう
ことにより、塗装不良品の発生を最小限にとどめ
ることができ、しかも、スプレイガンの塗料の噴
射と停止を制御する制御装置を検知装置に連継し
てスプレイガンが塗料噴射状態に制御されている
間においてのみ検知装置を作動させるようにした
から、スプレイガンの前方に被塗装物がなくて制
御装置が塗料の噴射を停止するように制御してい
る状態においては、音波の発生が停止してもノズ
ル詰りの検知信号が発生するおそれが全くなく、
誤動作を生ずることなく確実に作動する効果があ
る。

実施例 以下、本考案の実施例を添付図面について説明
する。

１は取付棒２により図示しない基台に固定され
た自動スプレイガンであつて、プランジヤポンプ
やダイヤフラムポンプ等の往復ポンプ３によつて
圧送された塗料を図示しないコンベヤで間欠的に
移送される被塗装物ａにノズル４から霧状にして
噴射する。この塗料噴射は、スプレイガン１内に
装着した図示しない開閉弁を弁杆を介して開閉す
るソレノイド５を駆動することによつて行なう。
６は、前記ソレノイド５の駆動制御をする制御装
置であつて、被塗装物ａが搬送コンベヤによつて
ノズル前面の塗装位置に移送されると、図示しな
いセンサからの信号によりソレノイド５を駆動し
て塗料を噴射し、被塗装物ａがノズル前面を通過
するとソレノイド５の駆動を解除し、次の被塗装
物ａが塗装位置に移送されるまでの間、塗料の噴
射を休止するようになつている。

７は前記スプレイガン１のノズル４の近傍に配
設されて、ノズル４から塗料が噴射される際に発
生する音波を拾つて信号電流に交換するマイクロ
フオンである。

８は前記マイクロフオン７に接続した検知装置
であつて、前記ノズル４から正常に塗料が噴射さ
れるときに発生する音波に相応する特定帯域の周
波数の電気信号のみを通すことにより、工場内で
発生する他の音声からの影響を阻止したり、目詰
り時にノズルから発生する前記特定帯域以外の周
波数の音波を遮断する機能をもつ帯域フイルタ９
と、この帯域フイルタ９で濾波された電気信号を
増幅する増幅器１０と、増幅信号が入力しない場
合か、増幅された電気信号が一定値以下となると
ノズル詰り検知信号を発生する信号発生器１１と
を接続して構成され、この検知装置８は前記した
スプレイガン１の制御装置６と連継されていてソ
レノイド５が駆動されてスプレイガン１が塗料を
噴射する状態にある場合にのみ作動し、ノズル詰
りの検知信号が信号発生器１１から発生すると、
被塗装物ａを搬送するコンベヤの停止や、ソレノ
イド５の駆動解除によるスプレイガン１の塗料噴
射の停止や、警報等が生じるようにする。

本考案の作用を説明すると、ノズル４から塗料
が正常に噴射すると、特定帯域の周波数の噴射音
が一定の音量で発生するが、ノズル４が完全に詰
ると、その噴射音が消失し、半詰りになると、前
記帯域の噴射音が小さくなつたり、特定帯域以外
の周波数の噴射音が発生したりする。このため完
全に目詰りが生じると信号発生器１１への入力信
号が消失し、また半詰りの場合には帯域フイルタ
９で特定帯域以外の周波数が遮断されて信号発生
器１１への入力信号が消失するか、あるいは小さ
い電気信号が信号発生器１１に入つてくることと
なり、その入力信号が一定値以下になるとノズル
詰り検知信号を発生する。

なお、検知装置８はスプレイガン１の制御装置
６に連継されていてソレノイド５が駆動されてス
プレイガン１が塗料を噴射する状態にある場合に
のみ作動するようにしたから、スプレイガン１の
前方に被塗装物ａがなくて制御装置６が塗料の噴
射を停止するように制御されている状態において
は、音波の発生が停止してもノズル詰りの検出信
号は発せられない。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案の一実施例の概要を示す説明
図である。 １……自動スプレイガン、４……ノズル、５…
…ソレノイド、６……制御装置、７……マイクロ
フオン、８……検知装置、９……帯域フイルタ、
１０……増幅器、１１……信号発生器、ａ……被
塗装物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数の被塗装物を相互の間に間隔を空けて順次
   に一方向へ搬送するコンベヤの近傍に、スプレイ
   ガンを設置して該スプレイガンを、前方に被塗装
   物が対応する間だけ塗料を噴射し、被塗装物の間
   の空間が対応する間は塗料の噴射を停止するよう
   に塗料の噴射を断続制御する制御装置に接続し、
   前記スプレイガンのノズルの近傍に、塗料噴射時
   に該ノズルから発生する音波を検知して電気信号
   に交換するマイクロフオンを設置し、該マイクロ
   フオンを、前記音波に相当する特定帯域の周波数
   の電気信号のみを通すフイルタと該フイルタを通
   つた電気信号の大きさが一定値以下となつたとき
   にノズル詰りの検知信号を発生する信号発生器と
   からなる検知装置に接続し、かつ、該検知装置を
   前記制御装置に連継して、該制御装置が前記スプ
   レイガンを塗料噴射状態に制御している間におい
   てのみ前記検知装置を作動させる構成としたこと
   を特徴とする自動エアレス塗装機のノズル詰り検
   知装置。