JPS625243Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、高圧の液体塗料を小径のノズルから
大気中に高速度で噴射して霧化し、被塗装物に塗
装を施す自動エアレス塗装機のノズル詰り検知装
置に関し、さらに詳しくは、スプレーガンのノズ
ル近傍にマイクロフオンを配置し、塗料噴射時に
ノズルから発生する特定帯域周波数の音波を検出
し、その音波が零を含む一定振幅以下となつたと
きに、検知信号を発生して、被塗装物の搬送停止
等の措置を施すようにしたノズル詰り検知装置に
関する。

エアレス塗装機のノズルは極めて小径であるた
め、使用する塗料によつては頻繁にノズル詰りを
生ずることがあるが、被塗装物を自動的に塗装す
る自動エアレス塗装機にあつては、被塗装物が搬
送コンベアによつて自動送りされるため、ノズル
詰りを放置すると、多量の塗装未了が生ずる。特
に半詰り状態で噴霧すると、塗装ムラが生じて塗
装不良が生じることとなる。

一方、塗料はノズルからほぼ音速で噴出するた
め、可聴音域の特定の音波が発生するが、ノズル
が完全に詰るか、半詰りになると、その特定の音
波が消失するか、音量が小さくなる。

本考案はノズルから発生する前記音波をマイク
ロフオンで検出し、その音波の消失又は音量の低
下を検知して、検知信号を発生し、塗料噴霧の中
止、搬送コンベアの停止などを施して、ノズル詰
りによつて生ずる塗装未了若しくは塗装不良を防
止するようにしたものである。

本考案の実施例を添付図面について説明する。

１は軸２で基台に固定される自動スプレーガン
であつて、プランジヤーポンプやダイヤフラムポ
ンプ等の往復ポンプ３によつて圧送された塗料を
搬送コンベア（図示せず）で間欠的に移送される
被塗装物ａにノズル４から霧状にして噴射する。
前記塗料噴射は、スプレーガン１内に装着した開
閉弁（図示せず）を弁杆を介して開閉するソレノ
イド５を駆動することによつて施す。６は、前記
ソレノイド５の駆動制御をする制御装置であつ
て、被塗装物ａが搬送コンベアによつてノズル前
面の塗装位置に移送されると、ソレノイド５を駆
動して塗料噴射をし、その設定噴射時間満了と共
にソレノイド５を駆動解除し、次の被塗装物ａが
塗装位置に移送される間、塗料噴射を休止するよ
うにする。

７は前記スプレーガン１のノズル４の近傍に配
設して、ノズル４からの噴射時に発生する音波を
拾つて信号電流に変換するマイクロフオンであ
る。

８は前記マイクロフオン７と接続するノズル詰
り検知回路であつて、前記ノズル４から正常状態
のときに発生する音波に相応する特定帯域の周波
数の信号電流のみを通すことにより、工場内で発
生する他の音声からの影響を阻止したり、目詰り
時にノズルから発生する前記特定帯域以外の周波
数の音波を遮断する機能をもつ帯域フイルター９
と、該帯域フイルター９で濾波された信号電流を
増幅する増幅器１０と、増幅信号が入力しない場
合か、増幅された電気信号が一定振幅以下となる
とノズル詰り検知信号を発生する信号発生器１１
とを接続して構成される。前記信号発生器１１は
制御装置６と連継し、ソレノイド５が駆動してい
るときにのみ作動するようにする。

前記の検知信号が信号発生器１１から発生する
と、被塗装物ａの搬送コンベアの停止や、制御装
置６によるソレノイド５の駆動解除や、警報等が
生じるようにする。

本考案の作用を説明すると、ノズル４から塗料
が正常に噴射すると、特定帯域の周波数の噴射音
が定常な音量で発生するが、ノズル４が完全に詰
ると、その噴射音が消失し、半詰りになると、前
記帯域の噴射音が小さくなつたり、特定帯域以外
の周波数の噴射音が発生したりする。このため完
全に目詰りが生じると信号発生器１１への入力信
号が消失し、また半詰りの場合には帯域フイルタ
ー９で特定帯域以外の周波数が遮断されて信号発
生器１１への入力信号が消失するか、音量すなわ
ち信号電流の振幅の小さな信号が信号発生器１１
に入つてくることとなる。このため信号発生器１
１は入力信号が一定振幅以下になると信号が発生
する機能をもつものであるから、前記のノズル詰
りによつてノズル詰り検知信号を発生し、搬送コ
ンベアの停止等が生ずる。

本考案は前記の説明によつて明らかにした様に
ノズルから発生する音波を拾うマイクロフオン７
をノズル近傍に設け、ノズル詰りによつて生ずる
特定帯域の周波数の可聴音の消失又は、音量の減
小を検知して、ノズル詰り検知信号を発生させ搬
送コンベアの停止、スプレーガン１のソレノイド
５の駆動解除又は警報の発生等を生じさせるよう
にして、ノズル詰りに機敏に対応できるようにし
たから被塗装物ａの塗装未了又は塗装不良を可及
的に防止でき、ノズル詰りを除去して再運転を速
やかにすることができて、自動エアレス塗装機の
稼動率を高める効果がある。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案の一実施例の概要を示す説明
図である。 １：自動スプレーガン、４：ノズル、５：ソレ
ノイド、６：制御装置、７：マイクロフオン、
９：帯域フイルター、１０：：増幅器、１１：信
号発生器、ａ：被塗装物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動エアレス塗装機のスプレーガンのノズル近
   傍に、塗料噴射時に前記ノズルから発生する音波
   を検出して信号電流に変換するマイクロフオンを
   配設し、該マイクロフオンに前記音波に相当する
   特定帯域の周波数の信号電流のみを通すフイルタ
   ーと、該フイルターを通つた信号電流を増幅する
   増幅器と、その増幅信号電流が一定振幅以下とな
   つたときにノズル詰りの検知信号を発生させる信
   号発生器とを接続して構成したことを特徴とする
   自動エアレス塗装機のノズル詰り検知装置。