JPH0450747Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、住宅・ビルデイング等のバルコニー
の床に設ける排水口の口金、特に床面にシート防
水、塗布防水、アスフアルト防水等の防水処理を
施す床に用いる排水口金具に関するものである。

〔従来の技術〕

バルコニー等の床の排水口には、その口の周縁
の保護、排水管の接続、防塵目皿取り付け等のた
めに短い筒部を持つた輪縁形部品を取り付けてい
る。

従来の上記排水口用の輪縁形部品は鉄の鋳物か
塩化ビニール等の合成樹脂製である。

〔考案が解決しようとする問題点〕 従来の鋳鉄製あるいは合成樹脂製の排水口用輪
縁形部品は耐久性はあるけれども、肉厚が厚くて
排水口の周囲が床面より高くなり、すなわち段差
を生じてその分水はけが悪く、且つ違和感があ
る。

また、合成樹脂製のものは経年変化がはげし
く、４，５年でもろくなつて損壊することがあ
り、その欠け口が鋭くなり危険性がともなう。そ
して、鋳鉄製は錆びやすく、錆が出ると、その錆
によつて防水層が剥離して漏れが生じるおそれが
ある。そして前記鋳鉄製・合成樹脂製のいずれも
製造に係る機械設備費が高くつく。

本考案は上記の問題点に鑑み、比較的計量で扱
いやすく、床に装着したときの仕上がり体裁がよ
く、しかもコストの安い床用排水口金具を提供す
ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、上記の目的を達成するために床用排
水口金具において、床の排水口にはめてフランジ
を介して床に止め具で取付けるフランジ付雌ねじ
筒と、その雌ねじ筒のフランジの上面を含む床面
に施工した防水材の上から上記フランジ付雌ねじ
筒にねじ込むフランジ付き雄ねじ筒とから成り、
上記雌雄一組のフランジ付ねじ筒は、ステンレス
鋼板の絞り加工によつて形成され、且つ前記雄ね
じ筒におけるフランジには、その円周方向の複数
箇所に回し工具の掛け凹部又はピンが係合する突
起又は小穴を設けたものである。

〔作 用〕

床に設けた排水口にフランジ付雌ねじ筒をはめ
てそのフランジをくぎ、あるいは目ねじ等の止め
具で床に固定し、床の上に防水材を雌ねじ筒のフ
ランジも覆うように施工する。

そしてその上から雌ねじ筒にフランジ付雄ねじ
筒を、そのフランジが防水材に密着するまでねじ
込み、更に防水材の上に防水処理を施す。

次いで床の下に突き出ている雌ねじ筒の外周に
塩化ビニールパイプ等の排水管をはめて接続する
ものである。

〔実施例〕

第１図は本考案床用排水口金具を構成する雌雄
一組のフランジ付ねじ筒１，２の分解斜視図であ
る。両フランジ付ねじ筒１，２は共にステンレス
鋼板の一枚板を絞り加工して作つたもので、雄ね
じ筒２は雌ねじ筒１に上方からねじ込むことがで
きる。

雌ねじ筒１のフランジ３の円周方向複数箇所に
くぎ穴４が開いている。また雄ねじ筒２のフラン
ジ５には、その円周方向複数箇所に回し工具６
（第３図鎖線示）の掛け凹部７又はピンが係合す
る突起８又は小穴が設けられている。

雌ねじ筒１の筒部の外周面およびフランジ３の
表裏両面、雄ねじ筒２のフランジ５の裏面はそれ
ぞれやすり等による粗面加工を施して、塩化ビニ
ール排水管９（第４図鎖線示）との摩擦接合、床
および防水材等との密着性を良くしている。

第２図は、床１０に設けた排水口１１にフラン
ジ付雌ねじ筒１をはめるところを示しており、フ
ランジ３を床１０に重ねてくぎ穴４を通して木ね
じ１２を床１０にねじ込むことによりフランジ付
雌ねじ筒１を床１０に固定する。

次いで第３図のように、床１０の上に雌ねじ筒
１のフランジ３まで覆うように防水材１３を施工
する。

第３図は、上記のようにして床１０に固定され
たフランジ付雌ねじ筒１に、フランジ付雄ねじ筒
２をねじ込むところを示したもので、雌ねじ筒１
にはめた雄ねじ筒２は、そのフランジ５の小穴８
に回し工具６のピン７をはめてねじ込み方向に回
すもので、フランジ５の周縁５Ａが防水材１３に
食い込むまでねじ込む。

以上のようにして、フランジ付雄ねじ筒２をね
じ込み固着した後、更に防水材１３の上に防水処
理１４を行なう。その防水処理１４は雄ねじ筒２
のフランジ５の小穴８も隠すように施工する。そ
して最後にフランジ５の上の防水処理１４の端縁
に沿つてパテその他のシール１５を施すものであ
る。

図中１６は雄ねじ筒２の開口上に載せた防塵目
皿で、目皿１６の下部に取り付けた複数本のばね
性足１６Ａを雄ねじ筒２の内周面に接触させるこ
とによつて安定している。

塩化ビニール製排水管９は、下方から雌ねじ筒
１の外周に、接着剤を塗布しておいて嵌合接続す
るものである。

〔考案の効果〕

本考案の床用排水口金具は上記の構成にしたか
ら、製作が容易であると共に、床に対する取り付
けが簡単である。そして床に取り付けた状態にお
いてそのフランジ部分は床の上面に施工した防水
層の厚みの範囲に収まつてフランジが床の上に出
つ張ることがないもので、排水口の周囲に段差が
なくて排水効率が良好であると共に、経年変化が
ないので損壊のおそれがなく、而も錆びるおそれ
がないから漏水を確実に防止することができる。
また上記のようにフランジが防水層の厚みの中に
収まることにより、フランジの周囲からの水漏れ
を生じさせない。

フランジ付雌ねじ筒の外周に排水管を嵌合接続
する際、ねじ筒の外周にねじの凹凸があるのでね
じ筒に対する排水管の食い付きがよくて接続が確
実となる利点もある。

さらに、前記雄ねじ筒のフランジの表面の複数
箇所を外面方向に突起状に隆起させて回し締め用
係合片を形成してあることにより、回し締め工具
を用いて薄鋼板製の雌ねじ筒をきわめて容易且つ
確実に締付けることができ、防水効果を高めるこ
とができる。

また、ステンレス鋼板から成る雄ねじ筒のフラ
ンジ及び雌ねじ筒のフランジに防水材を挟んで一
体に締結される当該内外筒のねじ部を絞り成形加
工することによつて、前記の雄ねじ筒及び雌ねじ
筒がきわめて軽量に製造することができる。しか
も、その内外の筒の螺合加工も機械加工によつて
簡単且つ確実に成形することができる。

そして、内筒の平面開口部に複数の位置決め用
ばね性足を有する防塵目皿を内筒に掛止したこと
により、内筒内周面に圧接して安定して装着でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案床用排水口金具の分解斜視図、
第２図は床に対するフランジ付雌ねじ筒の取り付
け要領を示す正面図、第３図は床に固定されたフ
ランジ付雌ねじ筒に対するフランジ付雄ねじ筒の
取り付け要領を示す正面図、第４図は雌雄のフラ
ンジ付ねじ筒を床に取り付けた状態の縦断正面図
である。 １……フランジ付雌ねじ筒、２……フランジ付
雄ねじ筒、３，５……フランジ、１０……床、１
１……排水口、１３……防水材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 床の排水口１１にはめて一体成形の薄板フラン
   ジ３を介して床１０に取付けるために、止め具用
   穴４をあけたフランジ付雌ねじ筒１と、その雌ね
   じ筒のフランジ３の上面を含む床面に施工した防
   水材１３の上から上記フランジ付雌ねじ筒１にね
   じ込む薄板フランジ５を有する雄ねじ筒２とから
   成り、上記雌雄一組のフランジ付ねじ筒１，２
   は、ステンレス薄鋼板の絞り加工によつて形成さ
   れ、且つ前記雄ねじ筒１におけるフランジ５に
   は、その円周方向の複数箇所に回し工具の掛け凹
   部又はピンが係合する突起８又は小穴を設けたこ
   とを特徴とする床用排水口金具。