JPH0450641B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は磁気記録媒体再生装置に係り特に記録
媒体の微少部分のみ消磁出来る磁気記録再生装置
に関する。

従来技術の問題点 従来の磁気記録再生装置は記録媒体を磁気ヘツ
ドに接触させ、或いは接触に近い状態を保たせな
がら、移動又は走行させ、記録磁気ヘツドに電流
を通し、該磁気ヘツドに設けたギヤツプに磁界を
発生せしめ、記録媒体を磁化させて記録する方法
が用いられていた。記録された磁気信号は、再生
ヘツドを通じて再生され一般に用いられている
が、記録されたものを消磁するためには、消去ヘ
ツドにより記録媒体である磁性材料を交流磁界に
より飽和点まで磁化し、漸減磁界によつて磁気的
中性点に収剣させ、消去する方法が用いられてい
た。磁気記録再生装置において、任意の信号を記
録する場合、記録中に外部からの電気的雑音等の
影響により記録された信号の中に雑音が混入する
ことがあり、後から再生した場合、その雑音がパ
ルス的な音（例えばプツ、或はピチ等）で、比較
的大きなレベルで記録され、こうした雑音障害が
よく問題となることが多い。従来、この様な場
合、障害となる部分を磁気媒体がテープ状であれ
ばカツトしてその部分を除去するためには物理的
除去方法が用いられたが、極めて短かい時間のパ
ルス的雑音をその都度除去する作業は、非常に困
難であり、問題であつた。

発明の目的 本発明は上記欠点に鑑み成されたものであり、
記録媒体状に記録された消去すべき部分をスポツ
ト的に消去し得る磁気記録再生装置を得ることを
目的とするものである。

発明の構成 そして上記目的は本発明によれは磁気媒体を再
生する再生ヘツド位置に対向して消去ヘツドを配
設し、該再生ヘツドにより磁気媒体に記録された
雑音等の消去を要する微小部分を検出して該検出
部分を該再生ヘツド上に停止させ、該再生ヘツド
の両側近傍に配設したテープシフター及びテープ
パツド機構により、上記停止中の磁気媒体を挾着
し、際再生ヘツド上の磁気媒体の上記した微小部
分を上記消去ヘツドに当接させ、上記消去ヘツド
の上記磁気媒体フイルムベース側より消磁する磁
界を与え、磁気媒体に塗布された磁性材料と上記
消去ヘツド間には非磁性材料等により一定のスペ
ースを設けて磁気テープを消磁するようになした
ことを特徴とする磁気記録再生装置を提供するこ
とで達成される。

発明の実施例 以下、本発明の一実施例を図面について詳記す
る。

第１図Ａ，Ｂ，Ｃは本発明の磁気記録再生装置
の説明図であり、１は磁気媒体、２はキヤプスタ
ン、３はピンチローラー、４，５，６は消去、録
音、再生のヘツドである。７は本発明のスポツト
消去ヘツドである。８はテープシフター、９はテ
ープパツドである。

第１図Ａは記録した磁気媒体を再生している状
態を示す説明図で再生中の磁気媒体にパルス的な
雑音をモニター（図示していない）中に見付けた
とすると、まず磁気媒体の走行を停止し、第１図
Ｂに示すように磁気媒体を矢印の方向に戻し又は
送りの操作をしてパルス的な雑音位置を再生ヘツ
ド６によつて見付け、再生ヘツド上に雑音の記録
された磁気媒体位置を止めるようにする。本発明
のスポツト消去操作ボタン等は図示していないが
操作をすると先ず、テープシフター８とテープパ
ツド９によつて再生ヘツド上へ雑音の記録された
テープ位置が移動しないように磁気媒体を挾んで
保持し第１図Ｃに図示したように、再生ヘツド６
の正面、磁気媒体裏面側に配設したスポツト消去
ヘツドの磁界発生位置に該磁気媒体の雑音位置を
当接する状態に移動させる。スポツト消磁要消去
ヘツド７は第２図に示すように巾広いギヤツプｇ
で構成し、第３図に示すような高周波電流をt₁時
間漸増し、漸減させるようにコイル７ａに与え
る、該スポツト消去ヘツドは磁気媒体の磁性媒体
の磁性材塗布面の裏面より磁界を加えるため、磁
気テープのフイルムベース材の厚さだけ消去ヘツ
ドギヤツプ面より離れているため、消去ヘツドの
磁界は、ゆるやかな磁界内で、消磁作用を行なう
ようにする。

第４図は磁気媒体の断面の状況を示す説明図で
７ｂはスポツト消去ヘツドのボールで、１０はギ
ヤツプに生じたシヤープな磁界であり、１１はゆ
るやかな磁界を示し、１ａはフイルムベースを１
ｂは磁性面を示す。このシヤープな磁界内で消磁
させた場合は磁気媒体が停止している関係上、ギ
ヤツプエツジに磁性材の磁気スピンが配列された
状態になり、磁気的なポテンシヤンが生じ、消去
したことによる雑音が残る。この磁気的なポテン
シヤンが生じる原因には、高周波電流の高周波成
分により、波形の対褫性と面積比が正方向と負方
向で異なり、消去ヘツドに直流帯磁現象を生じて
いるためである。

この様な消磁作用に障害となる雑音を除外する
ために、本発明のスポツト消磁用消去ヘツドは、
ヘツド面と磁気媒体の磁性面とに、スペースを設
ける方法を用い、そのスペース値はスポツト消磁
ヘツドのギヤツプの大きさにより異なるがその厚
みＳを（第２図参照）10μ〜100μ位に選定し使用
する磁気媒体のフイルムベース材の厚さと、塗布
されている磁性材料のHcと、塗布厚によつて定
めることが好ましい。

一般に用いられている消去ヘツドで消磁した場
合は第５図に示すように、バルク消磁気で消磁し
た媒体を消去ヘツドで消磁した場合、消去ヘツド
のギヤツプ位置で媒体の磁性材料は磁気的に飽和
され、徐々に離れるにつれ、漸減磁界により磁気
的スピン方向に消去ヘツドの離れ側のポールエツ
ジによる影響で高周波電流による磁界によつて、
スピンが配列された形となつている。第２図に示
すように消去ヘツドにスペーサー１２を設けて磁
界のシヤープな立上り域を離れた磁界内で消磁を
行なえば、第５図に示したようなスピンが配列さ
れるような影響が極めて少なく、ランダムな方向
を向くため磁気的エネルギーの分散度がよく消去
ヘツドによる雑音は極めて少なくなる効果を得
る。

上述したようにすでに記録された重要なテープ
の中に混入した雑音を消磁するために、スポツト
消磁用消去ヘツドとして、一部又は微小部分を消
磁するに重要な役割を果すものである。

第６図は上述した効果を説明する図で、第６図
ａは記録された信号の磁気的スピンの配列を、本
発明のスポツト消磁用消去ヘツド７により微小部
分を消磁したことを示したものである。第６図ｂ
は第６図ａに対応した磁気信号を波形により示し
たものである。

上記したように、本発明のスポツト消磁を有す
る磁気記録再生装置はすでに記録された媒体上の
雑音等を除去できる効果が得られ、従来の媒体を
カツトして除去する方式に比し極めて容易に行え
て効果は大きいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａ，Ｂ，Ｃは本発明の磁気記録再生装置
の動作を説明する磁気媒体走行系の略線的平面
図、第２図は本発明に利用される消去ヘツドの側
面図、第３図は第２図のコイルに流す電流波形
図、第４図は消去ヘツドのギヤツプ部分の磁束を
説明するヘツド側面図、第５図ａ，ｂは従来の磁
気ヘツドによる磁気媒体のドメインと記録波形の
説明図、第６図ａ，ｂは本発明の磁気ヘツドによ
る磁気媒体のドメインと記録波形の説明図であ
る。 図中、１……磁気媒体、２……キヤプスタン、
３……ピンチローラ、４……消去ヘツド、５……
録音ヘツド、６……再生ヘツド、７……スポツト
用消去ヘツド、８……シフター、９……パツド、
１０，１１……磁束。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 磁気テープ等の記録媒体の一部に記録された
   雑音を消去する磁気記録再生装置に於いて、再生
   した記録媒体に記録された雑音を検出する再生手
   段と、検出した雑音を消去する消去ヘツドと、上
   記再生手段で再生し検出された雑音が記録された
   上記記録媒体の微少部分と上記消去ヘツドのギヤ
   ツプ面とに間隔Ｓを有して記録媒体を保持する保
   持手段と、上記保持手段で保持された状態で上記
   消去ヘツドに高周波電流を漸増し漸減して消去磁
   界を生じる消去磁気界発生手段を具備し上記間隔
   Ｓを10μ〜100μとしたことを特徴とする磁気記録
   再生装置。 ２ 磁気テープのフイルムベース側に消去ヘツド
   を設け磁気記録媒体との間隔を磁気テープのフイ
   ルムベース厚としたことを特徴とする特許請求の
   範囲第１項記載の磁気記録再生装置。