JPH045049Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はアジマス角調整機能を備えた磁気ヘツ
ド装置に関するものである。

［従来の技術］ 従来の磁気ヘツド装置の１例を第５図に示す。

第５図において、符号１で示すものはヘツドキ
ヤリツジで、その先端部に形成された開口部１ａ
中にジンバルバネと呼ばれる弾性板２を介して磁
気ヘツド３が固定されている。

弾性板２は四辺形状の外枠２ａと、これに一部
を連続して一体的に設けられた中枠２ｂとから成
り、この中枠２ｂに磁気ヘツド３が固定される。

磁気ヘツド３の第５図において下側に設けられ
た図示を省略した接続端子はヘツドキヤリツジ１
内を導かれてくるフレキシブルプリント基板４に
電気的に接続される。

ヘツドキヤリツジ１の一方の側縁には突起５が
穿設されており、これら突起５に形成された透孔
５ａ中に図示を省略した一方のガイド軸が摺動自
在に嵌合される。

また、ヘツドキヤリツジ１の他方の側縁には上
下１組の突片６，６が突設されており、これら突
片６，６間には図示を省略したもう一方のガイド
軸が摺動自在に嵌合される。

一方、ヘツドキヤリツジ１の第５図における上
側にはもう一方の磁気ヘツドを支持するヘツドア
ーム７が取り付けられる。

このヘツドアーム７の基端には板バネ８が連結
されており、この板バネ８を挟んで支持枠９を介
してネジ１０によつてヘツドアーム７はヘツドキ
ヤリツジ１の基端に固定される。

ヘツドアーム７の先端部には同じく弾性板２を
介して図示を省略したもう１つの磁気ヘツドが固
定され、この磁気ヘツドはフレキシブルプリント
基板４に電気的に接続される。

また、支持枠９の先端部とヘツドアーム７との
間にはスプリング１１が弾装されており、ヘツド
アーム７をヘツドキヤリツジ１側に押圧し、上下
の磁気ヘツドへ図示を省略した磁気デイスクを挟
んで磁気記録、再生を行なう。

［考案が解決しようとする問題点］ ところで、上述したような構造の磁気ヘツド装
置においては磁気ヘツド３が固定された弾性板２
はアジマス角度を調整された後ヘツドキヤリツジ
１側に固定され、ヘツドアーム５はアジマス角度
トラツク位置を調整しつつネジ１０によつてヘツ
ドキヤリツジ側に取り付けられていた。

このようにアジマス角が固定された状態で装置
側に組み込まれると、必ず組み立て誤差が生じる
ため、組み込まれた磁気ヘツド以外の他の装置の
磁気ヘツドによつて記録された磁気デイスクを再
生する場合、磁気デイスク上に記録された他のヘ
ツドのアジマス角と、現在のヘツドに与えられた
アジマス角とが一致せず、アジマスロスを生じ、
良好な再生特性が得られなくなると言う問題点が
あつた。

［問題点を解決するための手段］ 本考案においては上述した問題点を解決するた
めに、磁気ヘツドが固定される弾性板と、磁気ヘ
ツドとの間に圧電素子を取り付けた構造を採用し
た。

［作用］ 上述したような構造を採用すると圧電素子に電
圧を供給することにより弾性板を支持部材に対し
て変位させ、取り付けられた磁気ヘツドのアジマ
ス角を調節することができる。

［実施例］ 以下、図面に示す実施例に基づいて本考案の詳
細を説明する。

［第１実施例］ 第１図及び第２図は本考案の第１の実施例を説
明するもので、各図中第５図と同一部分または相
当する部分には同一符号を付し、その説明は省略
する。

本実施例にあつては弾性板２の中枠２ｂ上に、
磁気ヘツド３を囲んだ状態で四辺形状の支持部材
１３を固定し、この支持部材１３と、磁気ヘツド
１４との間にそれぞれ左右２個ずつの圧電素子１
４を配置した構造を採用している。

圧電素子１４の配置方向はヘツドキヤリツジの
長手方向で、磁気ヘツド３の両側に配置されてい
る。

この圧電素子１４は積層型の圧電素子で、電圧
を印加する方向に応じて収縮あるいは膨張する性
質のものである。

従つて、例えば磁気ヘツドを実装後において第
２図中アジマス角を符号θで示す方向へ調整した
い場合には、実線の矢印で示す方向へ圧電素子１
４が膨張または収縮するように電圧を印加すれば
アジマス角の調整を行なうことができる。

また、第２図において符号Ψで示す方向へアジ
マス角を調整したい場合には、破線の矢印で示す
方向へ圧電素子が変形するように電圧を印加すれ
ばアジマス角の調整を行なうことができる。

本実施例は以上のように構成されているため、
磁気ヘツドの実装後においてもアジマス角の調整
を確実に行なうことができ、他の磁気ヘツドによ
つて磁気記録を行なつた磁気デイスクに対する再
生もアジマスロスのない状態で正確に再生するこ
とができる。

［第２実施例］ 第３図は本考案の第２の実施例を説明するもの
で、本実施例にあつては磁気ヘツド３を挟んで板
バネ１６を配置し、これら板バネ１６の両端部と
対応した位置において弾性板の中枠２ｂ上に支持
部材１５を固定し、この支持部材１５と板バネ１
６の端部との間に積層型の圧電素子１４を配置し
た構造を採用している。

このような構造を採用すると第１の実施例と同
様にして、アジマス角をθ方向及びΨ方向に調整
することができるが、更に、板バネ１６を介在さ
せてあるため、圧電素子１４及び磁気ヘツド３自
体の剪断応力を緩和させることができ、無理な外
力が作用するのを防止することができる。

なお、第３図において実線の矢印で示す方向
は、アジマス角をθ方向に調整する場合の圧電素
子の変形方向を示し、破線の矢印はアジマス角を
Ψ方向へ調整する場合の圧電素子の変形方向を示
す。

［第３の実施例］ 第４図は本考案の第３の実施例を説明するもの
で、本実施例にあつては圧電素子としてバイモル
フ型の圧電素子を用いている。

即ち、第４図に示すように弾性板の中枠上にお
いて、ヘツドキヤリツジの幅方向の両側に細長い
支持部材１７をそれぞれ配置し、この支持部材１
７の両端にそれぞれバイモルフ型の圧電素子１８
の一端を固定し、他端を磁気ヘツド３の端部の両
側に連結してある。

このバイモルフ型の圧電素子１８はバイメタル
と同様の変化動作を行なうもので、電圧の印加方
向に応じて厚み方向の左右いずれかの方向に変形
することができる性質を持つ。

従つて、磁気ヘツドの実装後において第４図に
おいて符号θで示す方向へアジマス角を調整した
い場合には、第４図に実線の矢印で示す方向へ圧
電素子１８が変形するように電圧を印加すれば良
く、Ψ方向へアジマス角を調整したい場合には破
線の矢印で示す方向へ圧電素子１８を変形させれ
ば良い。

このような構造を採用しても前述した実施例と
同様な効果が得られる。

また、圧電素子１８はバネ性を持つため、無理
な外力が加わるのを防止することもできる。

［効果］ 以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、磁気ヘツドが固定される弾性板と、磁気ヘツ
ドとの間に圧電素子を設けた構造を採用している
ため、磁気ヘツドの実装後においてもこれら圧電
素子に電圧を印加して変形させることにより、ア
ジマス角の調整を行なうことができる。

この結果、他の磁気ヘツドで磁気記録を行なつ
た磁気デイスク等に対しての再生をアジマスロス
が無い状態で正確に再生することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の第１の実施例を説
明する要部の斜視図及び平面図、第３図及び第４
図は本考案の第２及び第３の実施例を説明する要
部の平面図、第５図は従来構造を説明する磁気ヘ
ツド装置の分解斜視図である。 １……ヘツドキヤリツジ、２……弾性板、３…
…磁気ヘツド、１３，１５，１７……支持部材、
１４，１８……圧電素子、１６……板バネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. キヤリツジ側に弾性板を介して磁気ヘツドを取
   り付ける磁気ヘツド装置において、弾性板と磁気
   ヘツドとの間に圧電素子を設けたことを特徴とす
   る磁気ヘツド装置。