JPH045048Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はアジマス角調整機能を備えた磁気ヘツ
ド装置に関するものである。

［従来の技術］ 従来の磁気ヘツド装置の一例を第４図に示す。

第４図において符号１で示すものはヘツドキヤ
リツジで、その先端部に形成された開口部１ａ中
にジンバルバネと呼ばれる弾性板２を介して磁気
ヘツド３が固定されている。

弾性板２は四辺形状の外枠２ａと、これに一部
を連続して一体的に設けられた中枠２ｂとから成
り、この中枠２ｂに磁気ヘツド３が固定される。

磁気ヘツド３の第４図において下側に設けられ
た図示を省略した接続端子はヘツドキヤリツジ１
内を導かれてくるフレキシブルプリント基板４に
電気的に接続される。

ヘツドキヤリツジ１の一方の側縁には突起５が
穿設されており、これら突起５に形成された透孔
５ａ中に図示を省略した一方のガイド軸が摺動自
在に嵌合される。

また、ヘツドキヤリツジ１の他方の側縁には上
下１組の突片６，６が突設されており、これら突
片６，６間には図示を省略したもう一方のガイド
軸が摺動自在に嵌合される。

一方、ヘツドキヤリツジ１の第４図における上
側にはもう一方の磁気ヘツドを支持するヘツドア
ーム７が取り付けられる。

このヘツドアーム７の基端には板バネ８が連結
されており、この板バネ８を挟んで支持枠９を介
してネジ１０によつてヘツドアーム７はヘツドキ
ヤリツジ１の基端に固定される。

ヘツドアーム７の先端部には同じく弾性板２を
介して図示を省略したもう１つの磁気ヘツドが固
定され、この磁気ヘツドはフレキシブルプリント
基板４に電気的に接続される。

また、支持枠９の先端部とヘツドアーム７との
間にはスプリング１１が弾装されており、ヘツド
アーム７をヘツドキヤリツジ１側に押圧し、上下
の磁気ヘツドへ図示を省略した磁気デイスクを挟
んで磁気記録、再生を行なう。

［考案が解決しようとする問題点］ ところで、上述したような構造の磁気ヘツド装
置においては、磁気ヘツド３が固定された弾性板
２はアジマス角度を調整された後ヘツドキヤリツ
ジ１側に固定され、ヘツドアーム５はアジマス角
度トラツク位置を調整しつつネジ１０によつてヘ
ツドキヤリツジ側に取り付けられていた。

このようにアジマス角が固定された状態で装置
側に組み込まれると、必ず組み立て誤差が生じる
ため、組み込まれた磁気ヘツド以外の他の装置の
磁気ヘツドによつて記録された磁気デイスクを再
生する場合、磁気デイスク上に記録された他のヘ
ツドのアジマス角と、現在のヘツドに与えられた
アジマス角とが一致せず、アジマスロスを生じ、
良好な再生特性が得られなくなると言う問題点が
あつた。

［問題点を解決するための手段］ 本考案においては上述した問題点を解決するた
めに、磁気ヘツドを支持する弾性板と、この弾性
板を支持する部材との間に圧電素子を取り付けた
構造を採用した。

［作用］ 上述したような構造を採用すると圧電素子に電
圧を供給することにより弾性板を支持部材に対し
て変位させ取り付けられた磁気ヘツドのアジマス
角を調節することができる。

［実施例］ 以下、図面に示す実施例に基づいて本考案の詳
細を説明する。

［第１実施例］ 第１図及び第２図は本考案の第１の実施例を説
明するもので、各図中第４図と同一部分または相
当する部分には同一符号を付し、その説明は省略
する。

本実施例にあつては磁気ヘツドが搭載される支
持部材であるヘツドキヤリツジ１と、このヘツド
キヤリツジ１に取り付けられる弾性板２との間に
ヘツドキヤリツジの幅方向において支持部材１３
を介して積層型の圧電素子１４をそれぞれ左右２
個ずつ配置した構成を採用している。

この積層型の圧電素子１４は、電圧を印加する
ことによりその電圧の印加方向に従つて収縮ある
いは膨張する形式のもので、たとえばアジマス角
を第２図中符号θで表す方向に調整したい場合に
は第２図に実線の矢印で示すようにそれぞれの圧
電素子１４を変形させる方向に電圧を加えれば良
い。また、アジマス角を第２図中符号Ψで示す方
向へ調整したい場合には、第２図に破線の矢印で
示す方向へそれぞれの圧電素子が変形するように
電圧を印加すればよい。

本実施例は以上のように構成されているため、
アジマス角を所定の角度に設定した状態で実装さ
れた場合においても、実装後において圧電素子に
対する電圧の印加を行なうだけで、目的に応じた
アジマス角の調整を自由に行なうことができる。

従つて他の装置に搭載された磁気ヘツドによつ
て記録が行なわれた磁気デイスクを用いても、正
確な再生を行なうことができる。

［第２実施例］ 第３図は本考案の第２の実施例を説明するもの
で、本実施例にあつては第３図中弾性板２の左右
に２個ずつのバイモルフ型の圧電素子１５を設け
た構造を採用している。

即ち、それぞれのバイモルフ型圧電素子１５の
一端はヘツドキヤリツジ１側に固定されており、
他端側は支持部材１３を介して弾性板２の側縁に
連結されている。

このバイモルフ型の圧電素子１５を電圧を印加
する方向に応じて、第３図中左右いずれかの方向
にバイメタルと同様の変形を生じる性質を持つ。

従つて、磁気ヘツドの実装後において、そのア
ジマス角を例えば第３図中符号θで示す方向に調
整したい場合には、第３図に実線の矢印で示す方
向へそれぞれの圧電素子１５を変形させれば良
い。

また、第３図中符号Ψで示す方向へアジマス角
を調整したい場合には破線の矢印で示す方向へそ
れぞれの圧電素子が変形するように電圧を印加す
れば良い。

上述したような構造を採用しても前述した第１
の実施例と同様の効果を得ることができる。

なお、上述した各実施例においては弾性板とキ
ヤリツジ側との間に配置される圧電素子、キヤリ
ツジの幅方向の両側に配置した構造を採用した
が、このような配置に限定されることなく、キヤ
リツジの長手方向側において、弾性板を両側に配
置しても良いことはもちろんである。

［効果］ 以上の説明から明らかなように本考案によれ
ば、磁気ヘツドが固定された弾性板と、キヤリツ
ジ側との間に圧電素子を設けた構造を採用してい
るため、磁気ヘツドの実装後においてもこれら圧
電素子に電圧を印加することにより、圧電素子を
収縮もしくは膨張させ、アジマス角の調整を行な
うことができ、他の磁気ヘツドによつて記録され
た磁気記録の再生をアジマスロスなしに、確実に
行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の第１の実施例を説
明するもので、第１図は要部の斜視図、第２図は
要部の平面図、第３図は本考案の第２の実施例を
説明する要部の平面図、第４図は従来構造を説明
する磁気ヘツド装置の分解斜視図である。 １……ヘツドキヤリツジ、２……弾性板、３…
…磁気ヘツド、１３……支持部材、１４，１５…
…圧電素子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 弾性板を介して磁気ヘツドをキヤリツジ側に固
   定する磁気ヘツド装置において、弾性板とキヤリ
   ツジ側との間に圧電素子を設けたことを特徴とす
   る磁気ヘツド装置。