JPH0119276Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、磁気シートレコーダに対して適用
されるヘツド支持装置に関する。

従来の磁気シートレコーダでは、レコーダの磁
気シート取付面の高さの誤差、磁気シートの中心
に設けられたフランジの寸法誤差、磁気シート自
体のカールなどによつて、磁気ヘツドと磁気シー
トとの接触状態が不安定となる問題点があつた。

この考案は、かかる従来のヘツド支持装置の問
題点を解決し、磁気シートなどの記録媒体と安定
に磁気ヘツドを接触させることができるヘツド支
持装置の実現を目的とするものである。

以下、この考案の一実施例について図面を参照
して説明する。第１図において、１が板バネを示
し、２がヘツドベースを示し、３がヘツドチツプ
を示す。図示せずも、ヘツドチツプ３の上方に磁
気シートが位置する。

板バネ１は、第２図Ａに示すように展開された
形状にエツチングで成形されたものである。板バ
ネ１としては、例えばバネ用ステンレスを用いる
ことができる。そして、治具を用い、第２図Ａに
おける破線に沿つて折り曲げることによつて、第
２図Ｂに示す形状に加工される。この第２図Ｂか
ら明かなように、互いに平行するくさび形の支持
部４Ａ及び４Ｂと、この支持部４Ａ及び４Ｂの一
端側を連結するヘツドチツプ３の取付部５と、支
持部４Ａ及び４Ｂの他端側を折り曲げてなる係合
部６Ａ及び６Ｂとを板バネ１が有している。支持
部４Ａ及び４Ｂの一部が抜ち抜かれているが、こ
れは、板バネ１の軽量化を図ると共に、その弾性
を所定のものにするためである。

また、ヘツドベース２は、非磁性体であつて、
変形しにくく、加工が容易な材料例えば真ちゆう
からなり、第３図にも示すように、上下の面に係
合用の溝７Ａ及び７Ｂが形成されている。この溝
７Ａ及び７Ｂの位置は、上下面でずらされてお
り、ヘツドベース２の厚みを余り大きくできない
ときに、溝７Ａ及び７Ｂが形成されることによつ
て、強度が下がることが防止されている。この溝
７Ａ及び７Ｂ内に、前述の板バネ１の係合部６Ａ
及び６Ｂが挿入され、両者が接着されることでヘ
ツドベース２に対して板バネ１が固定される。

この溝７Ａ及び７Ｂの開口幅は、板バネ１の厚
み例えば30〔μm〕に対して150〜300〔μm〕のよう
に数倍程度大きく選ばれている。これは、板バネ
１にヘツドチツプ３を接着し、板バネ１をヘツド
ベース２に接着する場合、この３者の位置関係を
正確に規定のものにする必要があり、板バネ１の
寸法誤差などを吸収するために必要である。図示
せずも、ヘツドベース２に対して、このように板
バネ１を接着するときに、位置決め用のピンが挿
入されるくさび形の切欠が形成されている。

また、ヘツドベース２には、段部８が形成され
ている。この段部８に対してバイモルフ９の一端
部が接着されている。バイモルフ９は、２枚の圧
電素子を貼り合わせてなるもので、その厚み方向
に電界をかけることによつて、厚み方向に湾曲す
る。したがつてバイモルフ９の基部をヘツドベー
ス２の段部８に固着し、この基部から延長された
他端部を下側に突出させて作動子１０とし、この
作動子１０の先端を板バネ１の支持部４Ｂの内面
に近接させた構成によつて、バイモルフ９の変位
と同様に板バネ１を変位させることができる。

このバイモルフ９によつて、板バネ１を変位さ
せ、ヘツドチツプ３を上下動させ、ヘツドチツプ
３を磁気シートに対して離接するようになされ
る。これによつて磁気シートが回転し始める時
や、磁気シートが回転中でも接触する必要がない
時には、バイモルフ９に所定のドライブ電圧が加
えられ、作動子１０が板バネ１を押し下げること
により、ヘツドチツプ３が下方に移動され、ヘツ
ドチツプ３と磁気シートとが離間される。記録時
などには、バイモルフ９の作動子１０が上方に移
動されて、第１図Ｂに示すように、作動子１０が
板バネ１から離れ、ヘツドチツプ３と磁気シート
とが接触される。

なお、バイモルフ９に代えてバイメタルを使用
するようにしても良い。

第４図は、この考案の他の実施例を示す。前述
の一実施例と同様の板バネ１の一方の支持部４Ｂ
の先端を下方に延長して折り曲げることで接極片
１１が形成され、この接極片１１の下方に電磁石
１２が配されたものである。電磁石１２は、磁気
シートの径方向に沿う棒状のもので、板バネ１、
ヘツドベース２及びヘツドチツプ３が移動してど
の位置にある場合でも、接極片１２を吸引し、ヘ
ツドチツプ３を磁気シートから離間できる構成と
されている。

第５図は、この考案の更に他の実施例を示す。
この例では、ヘツドベース２にプランジヤ１３を
設け、このプランジヤ１３の作動棒と板バネ１の
取付部５との間を金属細線１５によつて結合する
ようにしたものである。このプランジヤ１３の上
下動が金属細線１５を介して取付部５の上下動に
変換され、磁気シートに対してヘツドチツプ３を
離接させることができる。

上述の実施例の説明から理解されるように、こ
の考案に依れば、ヘツドチツプ３を板バネ１のバ
ネ力によつて磁気シートに押し付けているので、
磁気シートレコーダの磁気シート取付面の高さ及
び磁気シートの中心に設けられたフランジの誤差
や、磁気シート自体のカールによつて磁気シート
がバタついても、これに追従することができ、磁
気シートとヘツドチツプの接触状態を常に良好な
ものとできる。また、この考案では、板バネとし
て折り曲げ加工された一体形のものを用いるの
で、少ない部分点数とでき、ローコストの構造を
実現できる。更に、この考案では、板バネが取り
付けられる溝の開口幅が板バネの厚みの数倍程度
とされているので、ヘツドベースに対して板バネ
を介して正確な位置関係でもつてヘツドチツプを
取付けることができる。

なお、この考案は、磁気シートレコーダに限ら
ず、VTRなどの回転ヘツド形レコーダに適用し
て同様の利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の正面図及び側面
図、第２図はこの考案の一実施例における板バネ
の展開図及び斜視図、第３図はこの考案の一実施
例におけるヘツドベースの斜視図、第４図はこの
考案の他の実施例の斜視図、第５図はこの考案の
更に他の実施例の側面図である。 １……板バネ、２……ヘツドベース、３……ヘ
ツドチツプ、４Ａ，４Ｂ……支持部、５……取付
部、６Ａ，６Ｂ……係合部、７Ａ，７Ｂ……溝、
９……バイモルフ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 互いに平行する第１及び第２の支持部と、これ
   らの支持部の一端側に設けられたヘツドチツプの
   取付部と、上記第１及び第２の支持部の他端側を
   折り曲げてなる係合部とが一体に加工された板バ
   ネと、この板バネの厚みの数倍程度の開口幅の溝
   が形成されたヘツドベースとを備え、上記板バネ
   の取付部にヘツドチツプを接着すると共に、上記
   溝内に挿入された係合部を接着するようにしたヘ
   ツド支持装置。