JPH0450463B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、回転駆動部の回転力を増大させると
共に、増速して出力側より取出す回転駆動装置で
あつて、例えば、自転車、バイク、自動車等の回
転機構、あるいは、発電機その他のあらゆる回転
機構として広く応用できる装置に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

自転車を例にとると、その駆動部は、チエーン
ホイールと、その左右に取り付けたクランクと、
クランクに固定したペダルとから成つていて、ペ
ダルを踏むことによりチエーンホイールを回転さ
せ、その回転をチエーンを介して後輪に伝える。
このような駆動機構の場合、クランクの回転がク
ランク軸を介してそのままチエーンホイールに伝
達されるので、チエーンホイールに大きな回転力
を与えるためには、ペダルに大きな力をかけなけ
ればならず、登坂走行、高速走行等には負担とな
る。

本発明者は、この問題を解決するための種々の
装置を既に提唱している（特願昭61−197938号
等）。

〔発明が解決しようとする課題〕

然るに、上記従来の装置の場合十分な出力トル
クが得られず、且つ、トルク発生効率がよいとは
いえず、必らずしも満足のいくものではなかつ
た。

そこで本発明は、上記のような過負荷時にもさ
して大きな力を要せずに、効率よく大きな出力ト
ルクが得られ、以てスムーズ走行等を可能ならし
める回転駆動装置であつて、自転車の外、種々の
回転機構に応用することができる回転駆動装置を
提供することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、主軸に支持された入力手段に偏心回
転する円板軸を取付け、前記円板軸を以て、内歯
車と外歯車とを備えていてその外歯車が静止内歯
車に噛合する複合ギアの回転軸となし、前記複合
ギアを前記円板軸に固定したギア取付板で押え、
前記ギア取付板に、前記主軸に対し偏心する二段
ギアとその上段ギアに噛合する外歯車とを軸着
し、前記二段ギアの下段ギアは前記複合ギアの内
歯車に噛合させ、前記主軸に支持されていて外側
に出力手段を備えた内歯車に、前記ギア取付板に
おいて軸支される外歯車を噛合させて成る回転駆
動装置、を以て上記課題を解決した。

〔作用〕

入力手段からの回転入力により円板軸が偏心回
転することにより、静止内歯車に噛合する複合ギ
アが公転駆動され、それに伴つて自転する。この
複合ギアの自転運動によつて二段ギアが駆動され
る。二段ギアは、複合ギアと同様主軸に対し偏心
回転（公転）をするが、更に主軸に対して偏心し
て自転する。このような二段ギアは偏心して自転
運動するので、偏心してない場合よりも増速さ
れ、変速効率がよい。二段ギアの回転はそれに噛
合する外歯車に伝達され、外歯車から出力手段を
備えた内歯車へと伝達され、出力手段から増速さ
れ且つパワーアツプされた回転駆動力が出力され
る。

〔実施例〕

本発明を自転車の駆動部に適用した場合の実施
例を図面に依拠して説明する。図中１はクランク
軸で、その一端に、常法により入力手段としての
クランクアーム２とペダルが取り付けられる。他
の回転駆動装置においては、クランクアーム２の
代わりに、入力用のギアやプーリ等が取り付けら
れることになる。３はクランクアーム２に固定さ
れた円板で、それに、円板３より小径の円板軸４
が一体的に取付けられている。円板３及び円板軸
４には偏心的にクランク軸挿入孔が設けられてお
り、以てクランク軸１に対し偏心回転をするよう
になつている。６はギア取付板で、リベツト７等
を以て円板軸４に固定される。ギア取付板６もク
ランク軸１に対し偏心的に回転するようにされて
いる。８はギア取付板６において軸支される外歯
車で、カラーを介してギア取付板６から浮上させ
てある。９はギア取付板６において軸支される二
段ギアであり、上段ギア１０と下段ギア１１とか
ら成る。外歯車８は、この二段ギア９の上段ギア
１０と噛合する。１２は小径の支持ホイール１５
に固定された複合ギアで、歯間ピツチの大きい内
歯車１３を内側に、また、歯間ピツチの小さい外
歯車１４を外側に備えている。支持ホイール１５
の中心孔１６内には円板軸４が嵌め入れられる。
従つて、支持ホイール１５及びそれと一体となつ
た複合ギア１２も、クランク軸１に対し偏心回転
することになる。但し、支持ホイール１５は円板
軸４の回転に追随することはなく、その回転とは
全く別個に回転する。上記二段ギア９の下段ギア
１１は、複合ギア１２の内歯車１３に噛合してい
る。外歯車１４は、車体１８等に固定された静止
内歯車１７に噛合する。１９は支持ホイール２０
に固定されたそれと同径の内歯車で、これに外歯
車８が噛合する。支持ホイール２０の輪心には出
力ギアとしてのチエーンホイール２１が固定さ
れ、そこにクランク軸１が挿通される。２２はチ
エーンである。

上記構成において、クランクアーム２に加えら
れた回転入力は、円板３及び円板軸４を介してギ
ア取付板６に伝達され、クランク軸１を軸に円板
３、円板軸４及びギア取付板６が偏心回転する。
この円板軸４等の偏心回転に伴ない、支持ホイー
ル１５及びこれと一体となつた複合ギア１２がク
ランク軸１に対し偏心回転し、静止内歯車１７に
沿つて公転する。即ち、複合ギア１２は、その外
歯車１４が噛合する静止内歯車１７に沿つて上記
偏心回転をする。その際複合ギア１２は、その外
歯車１４が、固定されていて回転しない静止内歯
車１７に噛合しているため、偏心回転方向とは逆
の方向に公転速度よりも高速にて回転駆動される
（自転）。複合ギア１２の自転運動は、その内歯車
１３からそれに噛合する二段ギア９の下段ギア１
１に伝達されるが、二段ギア９は、ギア取付板６
の回転に伴い複合ギア１２の自転方向と逆方向に
公転しているため、非常に効率よく増速される。
下段ギア１１の回転はそのまま上段ギア１０に伝
わり、上段ギア１０はそれに噛合する外歯車８を
回転させる。そして、外歯車８は上段ギア１０と
内歯車１９との間にあつて、遊星歯車として機能
し、内歯車１９を回転駆動する。内歯車１９の回
転はそのままチエーンホイール２１に伝わり、チ
エーン２２を介して後輪が駆動される。

〔発明の効果〕

本発明は上述した通りであり、３つの内歯車が
用いられるためにコンパクトな機成となり、ま
た、数段に亘つて偏心回転が採り入れられている
ために、小さな回転入力によつて効率よく増速さ
れた回転駆動力が得られる効果があり、種々の回
転機構に応用しうる非常に有用なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例の分解斜視図、第２図
はその組立状態を示す部分切截図である。 符号の説明、１……クランク軸、２……クラン
クアーム、３……円板、４……円板軸、６……ギ
ア取付板、８……外歯車、９……二段ギア、１０
……上段ギア、１１……下段ギア、１２……複合
ギア、１３，１９……内歯車、１４……外歯車、
１５，２０……支持ホイール、１７……静止内歯
車、２１……チエーンホイール。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 主軸に支持された入力手段に偏心回転する円
   板軸を取付け、前記円板軸を以て、内歯車と外歯
   車とを備えていてその外歯車が静止内歯車に噛合
   する複合ギアの回転軸となし、前記複合ギアを前
   記円板軸に固定したギア取付板で押え、前記ギア
   取付板に、前記主軸に対し偏心する二段ギアとそ
   の上段ギアに噛合する外歯車とを軸着し、前記二
   段ギアの下段ギアは前記複合ギアの内歯車に噛合
   させ、前記主軸に支持されていて外側に出力手段
   を備えた内歯車に、前記ギア取付板において軸支
   される外歯車を噛合させて成る回転駆動装置。