JPH0450381A - 羽毛の高品質加工方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はダウンウェアー、ダウンジャケットなどの防寒
着用の羽毛や羽毛布団、羽根布団、羽根枕、羽根入りク
ツションなどの寝具用の羽毛の高品質加工方法に関する
。

［従来の技術］ 一般にアヒル、ガチョウ、カモ、白鳥、ニワトリなどの
原羽毛（フェザ−やダウン）には、土、砂、埃、フン尿
、血液、細菌、害虫などの汚垢が付着しており、これら
の汚垢は洗浄やすすぎ工程で完全に除かれる。同時に羽
毛が本来有しているワックスや油脂分し洗浄やすすぎ工
程で大巾に除かれ悪臭のしない羽毛が生産される。

しかし、このようにして生産された羽毛は、ワックスや
油脂分が多く除かれるために、羽毛が本来もっていた特
性である羽毛の疎水性・撥水性が著しく失なわれ、親水
性になり、水や界面活性剤を含む溶液になじんで簡単に
濡れるようになる。その結果、羽毛入りの防寒着や寝具
は、雨や寝小便などによりあるいは洗濯のために水に浸
漬された場合、含水量が多くなり、乾燥に時間がかかる
事になる。

また−度ぬれた羽毛は固まるので、これをほぐずのに多
大の労力を要するのが現状である。固まった羽毛が完全
にほぐされない場合は、羽毛の嵩高性が低下し防寒着や
寝具の保温性が著しくそこなわれる。

そこで、羽毛に疎水性加工を施すことにより、ダウンウ
ェアーや羽毛入り寝具が雨や寝小便でぬれたり、じみが
付いて汚れた場合に、その場で水をかけたり、洗濯液中
で洗濯しても乾燥に時間かかからず羽毛のほぐしもほと
んど不必要で家庭で手入れすることができるようにして
いる。

羽毛を疎水性に仕上げる方法としては、例えば特開昭５
９−３０９６８号に記載された技術なとが知られている
。この方法は、羽毛を水中に浸漬し、これにウニルナ−
型クロム錯化合物溶液を添加し、攪拌する。次に、この
浴に塩基性硫酸クロムなどを添加し、６０〜７５℃に昇
温し攪拌する。

そして、この浴から羽毛を取り出し、濯いだ後乾燥する
というものである。

しかしながら、上記の方法は、クロム化合物などの重金
属を用いており、強酸性下で高濃度、高温で行なわれる
ため、工程が複雑であり、しかも排水処理の問題が生じ
ていた。また羽毛の損傷が著しく、嵩高性の低下が見ら
れるという欠点があった。

一方、シリコン系撥水剤も知られているが、このシリコ
ン系撥水剤は一般に有機溶媒中に溶解されており、また
水系に不安定であり、従って溶剤系で加工を行わねばな
らず工程が複雑となるため採用が困難である。また撥水
性能かフッ素系の撥水剤に比へて相当劣ることが判明し
た。

本発明はこれらの事情に鑑みてなされたもので、羽毛を
疎水性にして、耐水性、耐洗濯性、保温性の優れた高品
質の羽毛を得ることができ、しかも上記の問題を生じる
ことのない羽毛の高品質加工方法を提供することを目的
とするものである。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本発明の加工方法は、羽毛
を洗浄し、すすぎを行った後に、該羽毛をフッ素樹脂エ
マルジョン系撥水剤と自己架橋型アクリル酸エステル共
重合樹脂の混合液の中に浸漬し、その後乾燥させること
を特徴とするものである。

フッ素樹脂エマルジョン系撥水剤としては、アクリル酸
フッ素化アルキルエステル重合物、メタアクリル酸フッ
素化アルキルエステル重合物やテ）・ラフロロエチレン
重合物などであって、必要乾燥・熟成温度が１１０℃以
下の化合物が用いられる。

また、自己架橋型アクリル酸エステル共重合樹脂は、羽
毛の耐洗濯性をさら７こ増すために、また嵩高性の低下
を防ぐために添加される。羽毛に柔軟な被膜を与えるた
めには、この化合物のガラス転移点Ｔｇが一２０℃以下
であることが好ましい。

アクリル酸エステル共重合樹脂のエステル基は、エチル
基やブチル基などの一般の飽和脂肪アルコールから得ら
れるアルキル鎖長のものである。

前記フッ素樹脂エマルジョン系撥水剤の濃度は、純分換
算で０．０ｉ％以上２．０％以下の範囲であることが好
ましい。この範囲より少ないと撥水効果が少なく、この
範囲より多いと羽毛同志が乾燥時に接着するという問題
が生じる。最適濃度は０．０１５％以上１．０％以下で
ある。

一方アクリル酸エステル共重合樹脂の濃度は、フッ素樹
脂エマルジョン系撥水剤の半量、すなわち、０．００５
％以上１．０％以下の範囲であることが好ましい。この
範囲より少ないと添加の効果が認められず、この範囲よ
り多いと羽毛同志の接着が起り嵩高性が阻害されるとい
う問題が起る。

最適濃度は０．Ｏ１％〜０．５％である。

これらの混合液に第３成分として例えば蛍光増白剤、抗
菌・防カビ剤、消臭剤、香料、帯電防止剤、風合向上剤
などを添加することができる。これら第３成分は該化合
物のいずれとも反応したり沈澱を起したりしない成分で
あること、そして、羽毛に悪影響を与える強酸または強
塩基でないことが必須である。

上記した加工方法においては、使用される薬品は全て５
０　ｐｐｍ以下の低ホルマリン含量である事が必要であ
る。５０ｐｐｍより多いホルマリン含量であると、加工
した羽毛を防寒着や寝具に用いることが実際上不可能と
なるからである。従って、熱硬化性樹脂であるメラミン
やグリオキザール樹脂をアクリル酸エステル共重合樹脂
に代えて用いる事は出来ない。

「発明の効果」 本発明の加工方法によれば、羽毛を疎水性・撥水性にす
ることができ、羽毛の耐水性、耐洗濯性を向上させるこ
とができる。このため、羽毛の嵩高性を維持できて保温
性を向」ユさせることができる。また、羽毛を疎水性・
撥水性にすることができるので、羽毛に防汚性、抗菌性
、防ダニ性を付与できる。さらに、本発明の加工方法は
、クロム化合物などの重金属を用いていないので、比較
的に加工方法が簡単で、しかも排水処理の問題を生じな
い。さらに、羽毛の損傷かなく、嵩高さも確保すること
ができる。さらに、ノリコン系撥水剤を用いていないの
で工程が複雑になることらない。

［実施例］ （実施例Ｉ） 羽毛洗浄用ワッシャ−（洗浄機）に水１０００ｋｇ、洗
浄乾燥された羽毛（ダウン率、７６％）５０ｋｇを入れ
てＩＯ分間ワッンヤーを回転させて羽毛を水になじませ
る。これにアクリル酸フッ素化アルキルエステル重合物
であるポリ（１，１−ジハイドロベルフルオルオクヂル
アクリレート）を１００％純分換算で０．４ｋｇ、自己
架橋型アクリル酸エステルノ（重合樹脂（ガラス転移点
１゛ｇか一５０℃のちの）を１００％純分換算で０．２
ｋｇ入れ、４０℃に昇温して１０分間回転させたのち遠
心脱水（６０％絞り）し、９０〜１００℃で１０分間乾
燥させた。この羽毛は優れた撥水性を示した。

その性状を第１表に示す。撥水性以外の性状については
未加工羽毛と同等またはそれ以］−であった。

（以下余白） 第１表 羽毛は一週間放置後でも浮遊し、水にぬれないが未加工
羽毛は即時に水にぬれ、水中に分散した。

（以下余白） ＊ｌ　使用羽毛 ホワイトブースダウンＷＧＤ　　７６％、中国（山車）
から輸入し、洗浄・濯ぎ・乾燥したものを用いた。

羽毛の組成＝７６％ダウン、２０％フェザ−４％ファイ
バー ＊２　撥水性の評価方法 財団法人日本羽毛協会の試験方法に基いて評価した。そ
の方法は、１００１１（！のふた付きガラスビンに水を
７０〜８ｏｆｆｌａ入れ、それに羽毛を相当屑入れて１
００回振とうした。加工（実施例２） 実施例！に示した方法により加工された羽毛１５ｋｇを
用いて羽毛布団（シングルサイズ）を製作し、加工され
ていない羽毛を用いた羽毛布団に対して、水洗い洗濯後
の脱水率、乾燥速度などの相違について比較した。その
結果を第２表に示す。

（以下余白） 第２表に示すように、加工された羽毛布団は洗濯後の脱
水率か高く、また乾燥に時間かかからないことがわかっ
た。また中綿羽毛のほぐれ、嵩高性に於いても加工され
た羽毛は未加工の羽毛よりし優れていた。

出願人　株式会社　九　八　真綿

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 羽毛を洗浄し、すすぎを行なった後に、該羽毛をフッ素
   樹脂エマルジョン系撥水剤と自己架橋型アクリル酸エス
   テル共重合樹脂の混合液の中に浸漬し、その後乾燥させ
   ることを特徴とする羽毛の高品質加工方法。