JPH04500456A - 炭水化物および炭水化物誘導体を用いるウイルス―宿主細胞相互作用のモジュレート法 - Google Patents
炭水化物および炭水化物誘導体を用いるウイルス―宿主細胞相互作用のモジュレート法Info
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。
Description
炭水化物および炭水化物誘導体を用いるウィルス−宿主細胞相互作用のモジュレ
ート法
1、発明の分野
本発明はウィルス感染治療分野に関する。さらに詳細には、本発明は宿主細胞上
またはウィルス上またはその両方のレセプター部位に結合することにより、ウィ
ルス−宿主細胞相互作用を妨害または阻止する生物学的に活性な薬剤の分野に関
する。
2、発明の背景
2’、1.HIV
後天性免疫不全症候群(AIDS)は今日、世界でもつとも恐れられている疾患
のひとつである。AIDSの原因であると考えられているヒト免疫不全ウィルス
(HIV−1)の感染は多くの場合致命的である。この疾患の症状は発病に数年
かかり、そのことがこのウィルスを知らぬまに内包している人々によるこの致命
的疾患のまん延を助長している。AIDSの治療には限界があり、この疾患の制
御は成功していない。
HIV−1のエンベロープ糖タンパク質がウィルスによるヒト組繊細胞の感染過
程において決定的な役割を果たしていることが一般に認識されている。エンベロ
ープ糖タンパク質は2個の主要な糖タンパク質部分、gp120およびgp41
から成っている。gp120はこれら2個の糖タンパク質から成る複合体の最外
部であると考えられている。細胞のウィルス感染における決定的な出来事である
HIV−1粒子のヒト細胞への結合は、gp120とある種のヒト細胞上のCD
4として知られているレセプタータンパク質複合体との間の結合を必要とする。
ヒト細胞上のCD4発現は、HIV−1の結合、侵入、および感染の受けやすさ
を増大させることが示されている。55.000ダルトンの細胞表面積タンパク
質CD4はHIV−1エンベロープ糖タンパク質(gp120)が結合する細胞
表面レセプターであると考えられている。この相互作用が同様に原形質膜とのウ
ィルスの融合およびそれに続く細胞への侵入に必要な出来事を促進している。
gp12Q分子上には少なくとも3種の別々の結合部位が存在しておりこれらが
一緒になってCD4レセプターとの高アフィニティ結合部位を形成すると考えら
れている。CD4レセプターへのこの親和性は極度に強く、この結合アフィニテ
ィは標準的な免疫学的防御において宿主により産生された抗体の結合と置き換る
かまたはそれを阻止しつる。例えば、多くのAIDS患者および多くのARC(
AIDS関連症候群)患者はgp120に対する高レベルの抗体を有するが、g
p120−CD4相互作用は結合した抗体に取って代わることができ従ってgp
120に対するワクチンは効果がないと予想される。なぜならそれらが宿主から
惹起する抗体は比較的効果がないであろうからである。抗感染剤として有用であ
るひとつの商業的に入手可能な化合物はCD4の形態をしている。
この化合物はそれが天然のCD4と同じくらい緊密にgp120と結合するので
作用を有すると考えられる。この方法で、遊離の(投与された)CD4はもし充
分に高い濃度で与えられると全てのウィルスgf1120に結合し、そして宿主
細胞上のCD4にそれが結合するのを阻止するであろう。
則■利ウィルスはCD4表面糖タンパク質を発現する細胞に優先的に感染するこ
とが示されている。この向性はウィルスエンベロープgp120とウィルス吸収
を可能にするCDJ高アフィニティ結合部位糖タンパク質との間の相互作用から
生じると考えられる。細胞表面CD4分子へのウィルスの最初の結合に続いて、
ウィルスエンベロープの他の領域がウィルスと細胞膜との間の融合を開始するの
に重要であると考えられている。この相互作用はウィルス侵入、脱外被および複
製に先だっと考えられている。
前記の提案された一連の事象を支持する多くの証拠があるにもかかわらず、いく
つかの研究ではCD4がHIV−1の細胞への侵入を媒介するのに必要ではある
が充分ではないことが示されている。これらの実験はCD4を発現する第1次細
胞およびCD4でトランスフェクトされたヒト細胞系を用いている。これらの細
胞は則■−1ウィルスに結合し、内在化する。さらに、HIV−1により感染さ
れた単球およびある種のまれなり細胞系はCD4タンパク質をコードする可能性
のあるmRNAを発現する。最後に、CD4エピトープに特異的な抗体はウィル
ス結合およびシンシチウム形成ならびにウィルス感染を阻止する。
ヒトCD4糖タンパク質を発現する大部分のマウス細胞はHIV−1に結合する
がシンシチウムを容易に形成せず、容易に感染されない。さらに、ウィルス−C
D4相互作用を崩壊させる抗体はある種のヒトニューロン細胞系のウィルス感染
を阻止しないことが報告されている。これらの後者の観察はCD4の他にヒト細
胞上に存在する他の因子およびまたは他の分子がHIV−1の侵入に作用してい
ることを示唆している。
細胞表面レセプターは多くの種類の細胞上に存在することが知られている。これ
らのレセプターは、細胞−細胞認識過程、成長調節、代謝およびホルモン調節お
よび細胞構造的集合のような広く種々の細胞機能に重要であると考えられている
。CD4レセプターのようなこれらの細胞表面レセプターのいくつかは糖タンパ
ク質であると考えられている。糖タンパク質はポリサッカライド部分と結合した
タンパク質部分を含んでなる分子である。タンパク質部分がその分子の大きな部
分を構成する。レセプターCD4に結合するHIV−1のエンベロープ糖タンパ
ク質であるgp120のような、いくつかのレセプターのリガンドもまた糖タン
パク質である。糖タンパク質分子のポリサッカライド部分がレセプターとそのリ
ガンドとの間の相互作用において役割を果しており、そして少なくともいくつか
の場合においてレセプター−リガンド結合に特異性を付与するのに重要であると
考えられている。
2.2.治療剤としてのポリサッカライドポリサッカライドは単一の糖分子の結
合により形成されている生物学的に重要なポリマーである。これらの物質は生物
に遍在する。澱粉は多くの天然に存在する組成物である普通に知られたポリサッ
カライドである。ポリサッカライド鎖の小セグメントは、多くのタンパク質の物
理的および化学的性質、特に真核生物において重要であることが知られている。
種々のポリサッカライドおよびその誘導体は生物系における表面現象に重要であ
ることが知られている。例えばヘパリンは約5 、000−40.000の範囲
の分子量を有するポリ硫酸化ポリサッカライドの混合物である。このものは肺組
織のような生物学的物質から商業的に調製される。ヘパリンに含有される物質は
重要な生物学的界面活性剤でありそしてまた血液中の凝血塊形成を阻止する。ヘ
パリンおよびヘパリン様物質もまた細菌の感染の可能性のある膀胱、尿道および
尿管の表面への付着を阻止することが知られている。
ヘパリンは血液凝血塊の治療に医薬において長く用いられてきたが、ヘパリンは
最近他の用途に研究者の注目をあびている。5cience Focus、 N
ew York Academyof 5ciences、 2(3): 1.
1988、は、ヘパリンはAIDSの原因となるウィルス物質であるHIVを選
択された細胞において、ウィルスの再生産サイクルの1段階で阻止しうると報告
している。しかしながら、ヘパリンはよく知られた強い抗凝固剤であり、そして
哺乳類にそれを継続的に使用することは出血性障害を生じうる。さらに、商業上
のヘパリンは天然起源由来の物質の異種混合物である。
Mitsuyaら、 5cience、 240: 646−649. (19
88)、は高分子量(約8.000M、 W、 )のポリ硫酸化線状ポリデキス
トランの使用によりある種のヒト白血球の旧V−1感染を阻止できることを示し
ている。Babaら、 Proc、 Natl。
Acad、 Sci、 U、S、A、 85.6132−6136 、はデキス
トラン硫酸(5000m、 w、 )およびヘパリンがある種の白血球の旧V−
1感染を阻止できることを示している。米国特許第4 、783.446号、1
988年、はAIDSおよび他のレトロウィルス感染を治療するのにカラゲーニ
ンまたはカラゲーニン混合物の使用を開示している。カラゲーニンは分子量5.
000−500.000 テあり、100.000−500.000の範囲が最
も多い。しかしながら、この現象がこの化金物の特異的作用であるかまたは非特
異的作用であるかは明らかではない。なぜならこの種のかがる大きな分子量を有
する物質は細胞表面およびウィルスエンベロープ表面の脂質の性質に非特異的な
模作用を及ぼしうる可能性がある。さらに、ヘパリンと同様に高分子量化合物は
強い抗凝固剤である。
HIV利に感染した個体の治療は、哺乳動物細胞へのウィルスの結合能力および
そのウィルスによる感染の毒性が極度に高いゆえに複雑化している。ワクチンと
してのほんの部分的に不活性化された、全期V−1またはウィルスの構成部分は
健康な個体を不適切にも感染させてしまう可能性がある。薬剤によりウィルスを
制御する努力は今日に至るまで成功していない。旧V−1に感染した個体を治療
する別の手段ならびに細胞のHIV−1感染を予防または阻止する別の手段(こ
れらはHIV−1感染個体に毒性がなくそしてウィルスに感染していない個体に
安全である)が必要とされる。
3、発明の要約
本発明は阻止剤として炭水化物を用いて細胞のウィルス感染を阻止するための新
規の方法を提供する。本発明はまた阻止剤として炭水化物を用いるウィルスの細
胞−細胞伝達を阻止する方法にも関する。炭水化物阻止剤は宿主細胞と相互作用
できそして細胞にウィルスが結合するのを妨害する。好ましくは、炭水化物阻止
剤は約12個までの糖モノマーを有する環状オリゴサツカライドの非常に水溶性
の高い誘導体である。この環状オリゴサツカライド誘導体はイオン性および/ま
たは非イ′オン性の置換基を含有しうる。本出願で用いられている[非常に水溶
性」なる用語は、0°Cで測定して蒸留水中に少なくとも約1.5gm/100
m1、好ましくは少なくとも約20gm/100m1、さらに好ましくは30g
m/100m1以上の溶解度を包含することを意図する。好ましくは環状オリゴ
サツカライドは約6−8個の糖モノマーを有する。
本発明はまた細胞またはウィルスと相互作用しうる炭水化物阻止剤を提供するこ
とを含んでなる細胞間のシンシチウム形成を阻止する方法をも提供する。該炭水
化物阻止剤は約12個までの糖を有しかつ少なくとも20gm/100m1の溶
解度を有することを特徴とする環状、オリゴサツカライド誘導体を含有する。こ
の阻止剤は環状オリゴサツカライド誘導体と該細胞とを相互作用させそれによっ
てシンシチウム形成を阻止するために選択された条件下で該細胞に投与される。
別の実施態様においては、本発明の環状オリゴサツカライド誘導体は、ウィルス
が細胞への結合を阻止される条件下で炭水化物阻止剤を投与することによりシン
シチウム形成を阻止しうる。
本発明はさらに(1)蒸留水中に0°Cで少くとも20gm/100m1の溶解
度を有することを特徴とする環状オリゴサツカライドの非常に水溶性の高い誘導
体を(2)少くとも1種の抗ウィルス剤と組み合せて含有する、ヒトを含めた哺
乳動物におけるウィルス感染を阻止するための組成物をも提供する。この組成物
はまたウィルスの細胞−細胞伝達を阻止するのにも使用できる。他の実施態様に
おける組成物は、感染細胞のシンシチウム形成を阻止するのに使用できる。
本発明はさらに、(1)環状オリゴサツカライドの非常に水溶性の高い誘導体を
(2)細胞増殖をモジュレートする少なくとも1種のステロイドまたは非ステロ
イド有機化合物と組み合せて含有する、ヒトを含めた哺乳動物におけるレトロウ
ィルス感染を阻止するための組成物をも提供する。ここにおいて前記ステロイド
化合物はグルココルチコイド活性がないものとしそして該誘導体は、蒸留水中に
0°Cで少なくとも20 g /100m1の溶解度を有することを特徴とする
。一実施態様においては、この組成物は、AIDS患者にしばしば現われるカボ
ジ肉腫の治療に使用できる。この組成物はまたウィルスの細胞−細胞伝達を阻止
するのにも使用できる。
さらに、(1)環状オリゴサツカライドの非常に水溶性の高い誘導体を(2)少
なくとも1種の抗ウィルス剤および(3)少なくとも1種の増殖モジュレート性
ステロイドまたは非ステロイド有機化合物と組合せて含有する、ヒトを含む哺乳
動物におけるレトロウィルス感染を阻止するための組成物も提供される。ここで
前記ステロイド化合物はグルココルチコイド活性を有さずまた該誘導体は蒸留水
中にO″Cで少なくとも20g/100m1の溶解度を有することを特徴とする
ものとする。一実施態様においては、これらの組成物はAIDS患者にしばしば
現われるカボジ肉腫の治療に使用できる。
4、
第1図は320μMβ−シクロデキストリンスルフェートの存在下(A)または
非存在下(B)におけるシンシチウム形成を示す。
第2図は逆転写酵素活性により測定した旧■感染力におよほすシクロデキストリ
ンおよびシクロデキストリン誘導体の作用を示す。アッセイされた試料(A)未
処理対照細胞、(B)β−シクロデキストリン未置換環、(C)部分的硫酸化β
−シクロデキストリン環、(D)プロピル化β−シクロデキストリン環、(E)
硫酸化β−シクロデキストリン環、および(F)メチル化β−シクロデキストリ
ン環である。数字は試験化合物の%希釈を示し、1=2.5mM濃度を表わす。
第3図は、HIV RNA産生におよほすβ−シクロデキストリンテトラデカス
ルフェート(β−CD−143またはβ−CD−TDS)の作用を示す。ウィル
ス粒子をIMのβ−CD−143の存在下または非存在下で標的細胞とインキュ
ベートした。感染後72時間目、細胞を洗浄し、ドツトプロット アッセイを行
ってウィルスRNA産生の存在または非存在を判定した。(A)では標的細胞を
硫酸化β−シクロデキストリンの存在下(レーンA)、シクロデキストリンの非
存在下(レーンB)、または未置換β−シクロデキストリンの存在下(レーンC
)で感染させた。細胞の4希釈は左から右であり、101細胞/使用ウエルで開
始した。(B)ではウィルス感染細胞(+)または非感染細胞(−)のウィルス
RNA産生能をドツトプロット分析によりアッセイした。CDは1mMβ−CD
−143とインキュベートした感染細胞である。細胞の各希釈は上から下であり
、そして10@細胞/ウエルで開始した。
第4図は1mMβ−CD−143の存在下に感染H9細胞により生成された旧ソ
−1粒子の電子顕微鏡写真を示す。生成されたウィルス粒子の成熟形態(左上)
ならびに出芽中のウィルスに注目。
第5図は1μMのβ−CD−1,43の存在下におけるモノクローナル抗体結合
を示す。ヒトT細胞系CEMをIMのβ−CD−143とブレインキュベートし
、続いて下記6゜1、項に注記される種々のモノクローナル抗体とインキュベー
トした。蛍光ヒストグラムは列挙した各モノクローナル抗体の相対的蛍光強度(
横軸)対相対的細胞数(縦軸)を示す。第1次抗体結合をβ−CD−143の存
扛下(右)または非存在下(左)で評価した。
第6図は旧■感染力におよぼすデキストランポリスルフェートおよび置換β−シ
クロデキストランの作用を比較する。(A)ではシンシチウム阻止の度合いを添
加各化合物に関して縦軸に示す。5UL=600μMβ−CD−143、AI、
=600uM未置換β−CD、 Pro=600 μMプロポキシル化β−CD
、 2MET=300μMメトキシル化β−CD、 DS5・600μMデキス
トラン硫酸5,000. DS500・600μMデキストラン硫酸500.0
00各3時点の結果を示す。(B)では逆転写酵素アッセイを使用した同様の結
果を示す。
感染性ウィルス粒子を硫酸化β−シクロデキストリン(レーン1)、デキストラ
ン硫酸5.000(レーン2)または培地(レーン3)の存在下で6日間インキ
ュベートし、そこで細胞を新鮮な培地に再懸濁し、そしてさらに100日間イン
キュベート収穫した。逆転写酵素活性は下記6310項記載のようにしてアッセ
イした。添加化合物の各希釈を下(2,5mMの最高濃度)から上(最低濃度)
に示す。
5、発明の詳細な記載
本発明は細胞と相互作用できてウィルスが細胞に結合するのを妨害しつる炭水化
物阻止剤を使用する、ウィルスによる細胞の感染を阻止する方法を提供する。
本発明はまたウィルスの細胞−細胞伝達を阻止するためのかかる炭水化物阻止剤
の使用法にも関する。本発明はさらにシンシチウム形成を阻止するためのかかる
炭水化物阻止剤の使用法をも提供する。本発明はさらに少なくとも1種の抗ウィ
ルス剤と組み合せた炭水化物阻止剤を含んでなる組成物にも関する。また少なく
とも1種のステロイドまたは非ステロイド有機化合物(ここでステロイドはグル
ココルチコイド活性を含有しない)と組み合せた炭水化物阻止剤を含んでなる組
成物も提供される。
5.1.炭水化物阻止剤二オリゴサツカライド本発明の方法に従い使用するのに
好適な炭水化物阻止剤は12個までの糖モノマーを育する環状オリゴサツカライ
ドの非常に水溶性の高い1種またはそれ以上の誘導体を含んでなる。オリゴサツ
カライドは共に結合した2個から約10個までの単糖を含有する炭水化物として
一般に定義される。ポリサッカライドは10個をこえる単糖が共に結合している
。しかしながら、ここにおける目的のためには、オリゴサツカライドなる用語は
共に結合した2から約12の単糖を含有する炭水化物を意味するのに用いられる
。約12未満の糖モノマーを有するオリゴサツカライドが用いられるのか好まし
い。
さらに好ましい環状オリゴサツカライドはα−1β−9またはγ−シクロデキス
トリンのような6−8糖モノマーを存する環状分子からなる。シクロデキストリ
ン(CD)は、少なくとも6個のグルコビラノース単位を有する環状、非線状オ
リゴサツカライドである。12個までのかかる単位を有するシクロデキストリン
が知られているが、最初の3種の同族体のみが充分に研究されている。低分子量
シクロデキストリンの一般名称は、それぞれ6.7および8グルコビラノ一ス単
位に相当するα−9β−9およびγ−シクロデキストリンである。シクロデキス
トリンはまた時としてシクロアミロースとしても知られている。数多くのシクロ
デキストリン誘導体が知られている。一般に、これらの化学的に修飾されたシク
ロデキストリンはアルファ(1−4)へミアセタール結合を妨げることなく、炭
素2,3゜または6に結合した第1または第2ヒドロキシル基の反応により形成
される。グルコース以外の糖例えばアラビノース、ガラクトース、および他の5
−および6−炭素種、および「糖」として当業者に知られている他の多くの他の
形態も使用できる。
非イオン性および/またはイオン性置換基を担持する非常に水溶性の高い環状オ
リゴサツカライドが本発明に従って使用できる。好適な高水溶性環状オリゴサツ
カライド誘導体はメチル、エチル、その他のようなアルキル置換基を包含するが
それらに限定されない非イオン性置換基を有するα−2β−1およびγCD誘導
体、ならびに多数のヒドロキシル基がCDの親水活性を増大させるために他の基
により置換されているものが包含される。かかる基には、エステル、エーテル(
例えばアルコキシ)、チオエステル、チオエーテル、カルボン酸、炭水化物、ま
たは極性性または水素結合性成分により親水活性をもたらす他の基が包含される
。
置換はヒドロキシル基のいくつかまたは全てで起りつる。好ましい実施態様にお
いては、環状オリゴサツカライドは約1〇−約16個の基を含有する。
本発明に有用な環状オリゴサツカライドは高度に親水性であり従って非常に水溶
性が高い。高度に親水性である特性は恐らく細胞表面と相互作用できるのに重要
である。親水活性は水への溶解度により測定される、水への親和性により適度に
大ざっばに示される。溶解度は0℃で測定することが重要である。なぜならそれ
より高い温度では最も好適な誘導体は溶解度が高すぎて意味のある測定が困難だ
からである。
イオン性および/または非イオン性置換基を担持する非常に水溶性の高い環状オ
リゴサツカライド誘導体がいくつかの場合には有利な性質を有しうろこと、およ
びそれらが本発明の範囲内であることか意図される。
水溶性の高い誘導体が一般に有用であると考えられているが、塩誘導体が好まし
い。ここで用いられる「溶解度が高い」なる用語はO″Cで測定して少なくとも
20gm/100m1好ましくは30gm/100m1以上の溶解度を指す。
ここで用いられる「塩誘導体」なる語は好適な反応剤との反応により環状オリゴ
サツカライドから誘導されるイオン性化合物を意味する。好ましい塩誘導体は、
無毒性の生理学的に受容できるカチオンと一緒のスルフェート、ホスフェート、
カルボキシレートおよびそれらの混合物からなる群から選択される置換基を有す
る環状オリゴサツカライドにより提供される。該好ましい誘導体の多くが既知化
合物である(Crof tおよびBartech、 1983. Tetrah
edron 39:1417−1474)。しかし多くの有用でありうる形態は
、既知化合物の構造的または化学的変形物であることができる。誘導体の好まし
い塩形態のいくつかはナトリウムおよびカリウム形態である。なぜならこれらは
有機アニオンに水溶性増大を付与する傾向があるからである。ここで有用な塩誘
導体は水溶液中にある場合電解質および高分子電解質に特徴的な電解質導電性お
よび浸透圧性質を示す。
特に好ましい塩誘導体は約12−16個のスルフェート基を含有するβ−シクロ
デキストリン誘導体であろう。
グルコース2単位当り平均1スルフエート基またはグルコース1単位当り平均2
スルフェート基のような、グルコース単位当り種々の硫酸化度が用いられうる。
グルコース単位当り約2スルフエート基を有するシクロデキストリンが好ましい
。
前記は本発明の実施に有用でありうるオリゴサツカライドの一般的理解を提供す
るために示したものである。しかしながら、かかるオリゴサツカライドはそれら
がなんであるかというよりむしろそれらがなにをするかにより最善に記載される
ことが理解されるべきである。ここで有用であるオリゴサツカライドは、ウィル
スの宿主細胞への結合を妨害する様式で宿主細胞となりうるものと相互作用でき
るものである。当業者は、ウィルスの宿主細胞への結合を妨害する様式は関連す
る特定のウィルス−宿主細胞結合に従い変化しようことを認識するであろう。オ
リゴサツカライドの異なる部分は特定のウィルス−宿主細胞相互作用の特異的な
要求に従い、宿主細胞となりつるものへの結合に関与することが予想される。
5.2.抗ウィルス剤
本発明の一実施態様によれば、少なくとも1種の抗ウィルス剤と組合せた非常に
水溶性の高い環状オリゴサツカライド誘導体が細胞とのウィルスの相互作用を妨
害するのに使用される。抗ウィルス剤は、ウィルスの細胞への結合、ウィルスの
細胞への侵入、ウィルスの脱汁液、ウィルス核酸複製の阻害、ウィルスタンパク
質合成の阻害、およびウィルス粒子の成熟を包含するがそれらに限定されないウ
ィルス複製サイクルの任意の段階を阻害する任意の有機または無機化合物である
。
抗ウィルス剤の例はヌクレオシド誘導体である。ヌクレオシド誘導体は、RNA
およびDNAの構成単位であるプリン(アデノシンおよびグアノシン)およびピ
リミジン(チミジン、ウリジン、およびシチジン)ヌクレオシドの修飾形態であ
る。現在特許請求する発明において利用できるヌクレオシド誘導体は、AZT(
3°−アジド−2’、3’−ジデオキシチミジン、アジドチミジン、シトプシン
(zidovudine) ) ;2“、3゛ジデオキシアデノシン、2゛、3
°ジデオキシグアノシン、2°、3゛ジデオキシシチジン、2゛、3°ジデオキ
シチミジン、および2゛、3“ジデオキシイノシンを含む2°、3゛ジデオキシ
ヌクレオシド;3゛−デオキシチミジン−アレン(alene)(3°−デオキ
シ−2°、3゛−ジデヒドロチミジン):およびD4T(2°、3゛−ジブ1ニ
ドロー2′、3“−ジデオキシチミジン)
を包含するがそれらに限定されない。ヌクレオシド誘導体の他の例には、CD4
ペプチドまたはその類似体およびピペリジン(byperiein)が包含され
るがそれらに限定されない。
5.3.ステロイドおよび非ステロイド有機化合物本発明は環状オリゴサツカラ
イド誘導体を単独でまたは細胞増殖モジュレータ−すなわち、促進および阻害を
包含する増殖挙動を改変または変化させつる化合物である、ステロイドまたは非
ステロイド有機化合物と組合せて含有する任意の組成物を提供する。
ステロイド増殖モジュレート性化合物のうちで最も好ましいものは、グルココル
チコイド活性およびミネラロコルチコイド活性を欠く潜在性の増殖阻害性ステロ
イドである。なぜならかかる活性は望ましからぬ副作用であり、そして本発明の
目的にとってステロイドの用量の大きさまたは使用度合いを限定するからである
。かかる最も好ましいステロイドには、11α、17゜21−トリヒドロキシプ
レグホー4−エン−3,20−ジオン(11−デスオキシコルチゾールまたはコ
ルチキソロン)、17α、2】−ジヒドロキシプレグナ−4、9(11)−ジエ
ン−3,20−ジオンおよびテトラヒドラコルチゾールがある。
非ステロイド有機化合物には、本質的にはペプチド、炭水化物または脂質であり
うる化合物が包含されるがそれらに限定されない。かかる化合物の例には、イン
ターロイキン−1,インターロイキン−2およびインターフェロンα、β、およ
びγが包含されるがそれらに限定されない。
5.4.適用および使用方法
本発明は細胞のウィルス感染を阻止する新規な方法を提供する。宿主細胞と相互
作用しうる炭水化物阻止剤が細胞にウィルスが結合するのを妨害するために提供
される。この炭水化物阻止剤は約12個までの糖モノマーを有する1種またはそ
れ以上のオリゴサツカライドを含んでなる。宿主細胞は炭水化物阻止剤が細胞と
相互作用できてその結果ウィルスが細胞に結合するのを妨害できるように選択さ
れた量、時間および条件下で炭水化物阻止剤と接触される。
炭水化物阻止剤はウィルスが細胞に結合するのを妨害するのに有効な濃度で細胞
に投与される。細胞に投与される任意の特定のオリゴサツカライドの濃度は、細
胞を取り囲む媒体中へのその溶解度、ウィルスの宿主細胞となりえるものへの結
合を妨害するその能力および細胞の他の生物学的系統におよぼすその作用のよう
なパラメーターの如何による。約0.15−2ミリモルの範囲の濃度でウィルス
の細胞への結合が妨害されることが予想される。炭水化物阻止剤はウィルスの細
胞への結合を妨害できかつそれを維持するに充分な時間細胞に投与される。当業
者は特定の炭水化物阻止剤か投与される時間の長さは、投与される炭水化物阻止
剤の濃度、ウィルス−宿主細胞相互作用の種類および炭水化物阻止剤がウィルス
の細胞への結合を妨害する能力のような因子の如何による。
特定の炭水化物阻止剤がウィルスのありうる宿主細胞への結合を妨害する条件は
下記6.11項に記載されるシンシチウム阻止アッセイのような好適なアッセイ
で測定できる。かかるアッセイは細胞のウィルス感染を阻止するのに最も有効な
炭水化物阻止剤の濃度を判定する助けとなろう。
当業者は、これら濃度の炭水化物阻止剤は細胞表面で身体の細胞外媒体中に少な
くとも前記濃度を付与する用量を用いていくつかの投与経路の任意のものにより
、ヒトを含めた哺乳動物体内の細胞に提供されうろことを認識するであろう。か
かる投与経路には、とりわけ経口、静脈内および経皮経路が包含される。
本発明の方法はウィルス感染の治療に用いるのに好適である。それらは、ヒト免
疫不全ウィルス−1(HIV−1)、ヒト免疫不全ウィルス−2(旧V−2)、
ヒトT細胞リンパ向性ウィルス−1(HTLV−1)、ヒトT細胞リンパ向性ウ
ィルス(HTLV−II )、トリ白血病ウィルス、ラウス肉腫ウィルス、トリ
赤芽球症ウィルス、ニワトリ骨髄芽球症ウィルス、ネコ白血病ウィルスおよびウ
シ白血病ウィルスを包含するがそれらに限定されないレトロウィルスに使用でき
る。これらはまたバラミクソウィルス(例えば、はしかウィルスおよびレスビラ
トリイシンシチウムウイルス)およびヘルペスウィルス(例えばエプスタインパ
ールウィルス)にも用いられうる。かかる化合物は、ウィルスの細胞への結合を
妨害する作用ができる。かかる細胞にはリンパ芽球細胞(T細胞およびB細胞)
および単球が包含されるがそれらに限定されない。
ウィルスが宿主細胞となりうるものに結合するのを阻止することは細胞のウィル
スによる感染を予防するのに重要であると考えられている。HIV−1または旧
V−2のようなレトロウィルスの場合、宿主細胞への結合および侵入はウィルス
のライフサイクルの重要な部分である。もしレトロウィルスの細胞への侵入が阻
止されれば細胞がウィルスに感染することはなかろう。レトロウィルスそしてよ
り詳しくは旧V−1のようなウィルスによる感染の結果のひとつは、細胞が共に
融合し始めてシンシチウムを形成することである。シンシチウムの形成は冒され
た細胞には致命的である。
さらに、いくつかの細胞表面レセプターはまた短いポリサッカライド残基を有す
るある種の細胞外物質を認識する酵素でもあると考えられている。これらの細胞
表面レセプターのいくつかは、糖タンパク質および他の生物学的分子に存在する
短いポリサッカライド残基を認識するグリコジルトランスフェラーゼであると考
えられている。ウィルス表面上に見られ、それによってウィルスが特定の細胞型
または種特異的向性を示すものである糖タンパク質も細胞の感染に先だち宿主細
胞に結合するのにかかる細胞表面レセプター/酵素を用いると考えられている。
ウィルスとありうる宿主細胞との間の相互作用の阻止は、シンシチウム形成が疾
患の経過におけるウィルスまたはウィルス物質の作用の重要な部分である疾患の
病態生理学を最小限に抑制するのに重要である。
本発明はまたウィルスの細胞から細胞への伝達を阻止する方法をも提供する。宿
主細胞と相互作用しつる炭水化物阻止剤が一細胞から他の細胞へのウィルスの伝
達を妨害するために提供される。かかる細胞の例には、T細胞、B細胞、および
単球が包含されるがそれらに限定されない。宿主細胞は、炭水化物阻止剤が細胞
と相互作用して細胞から細胞へのウィルスの伝達を妨害しつるために選択された
量、時間および条件下に炭水化物阻止剤と接触される。炭水化物阻止剤は非常に
水溶性の高い環状オリゴサツカライド誘導体である。
これらの方法は、ヒト免疫不全ウィルス1 (HIV−1)、ヒト免疫不全ウィ
ルス2 (HIV−2)、ヒトT細胞リンパ向性ウィルスI (HTLV−1)
、ヒトT細胞リンパ向性ウィルスII (HTLV−II )、トリ白血病ウ
ィルス、ラウス肉腫ウィルス、トリ骨髄芽球症ウィルス、ネコ白血病ウィルス、
およびウシ白血病ウィルスを包含するがそれらに限定されないレトロウィルスで
の使用に好適である。これらの方法はまたバラミクソウィルス(例えば、はしか
ウィルスおよびレスビラトリイシンシチウムウイルス)およびヘルペスウィルス
(例えばエプスタインパールウィルス)でも使用できる。
本発明はまた細胞間のシンシチウム形成を阻止する方法をも提供する。ウィルス
と細胞との相互作用を阻止する炭水化物阻止剤が提供される。かかる細胞の例に
はT細胞、B細胞および単球が包含されるがそれらに限定されない。炭水化物阻
止剤は作用剤が細胞と相互作用できるために選択された条件下で細胞に投与され
、かくしてシンシチウム形成が阻止される。本発明の炭水化物阻止剤は非常に水
溶性の高い環状オリゴサツカライド誘導体である。これらの方法は、ヒト免疫不
全ウィルスl (HIV−1’) 、ヒト免疫不全ウィルス2(旧■−2)、ヒ
トT細胞リンパ向性ウィルスi (HTLV−1、)、tニドT細胞すンパ向性
つイ/l、 スII (HTLV−I[”)、トリ白血病ウィルス、ラウス肉腫
ウィルス、ニワトリ骨髄芽球症ウィルス、ネコ白血病ウィルス、およびウシ白血
病ウィルスを包含するがそれらに限定されないレトロウィルスでの使用に好適で
ある。これらの方法はまたバラミクソウィルス(例えば、はしかウィルスおよび
レスビラトリイシンシチウムウイルス)およびペルペスウイルス(例えばエプス
タインパールウィルス)でも使用できる。
ウィルス感染、ウィルスの細胞−細胞伝達およびシンシチウム形成におよぼす炭
水化物阻止剤の有効性は当業上知られた操作を用いてアッセイできる。かかる操
作の記載は下記6.1項に示される。
本発明はさらに上記5.2項記載の抗ウィルス剤と組み合せた、上記5.1項記
載の非常に水溶性の高い環状オリゴサツカライド誘導体の組成物を提供する。か
かる組成物はウィルスの細胞への結合を阻止するのに使用できる。もう一つの実
施態様においては、この組成物はウィルスの細胞−細胞伝達を阻止するのに使用
できる。さらに他の実施態様においては、かかる組成物はシンシチウム形成を阻
止するのに使用できる。これらの組成物は、ヒト免疫不全ウィルス1、ヒト免疫
不全ウィルス2、ヒトT細胞リンパ向性ウィルスT (HTLv−1)、ヒトT
細胞リンパ向性ウィルスII (l(TLV−II )、トリ白血病ウィルス、
ラウス肉腫ウィルス、トリ骨髄芽球症ウィルス、ネコ白血病ウィルス、およびウ
シ白血病ウィルスのようなレトロウィルスで使用できる。
さらに、これらの組成物はパラミクソウィルス(例えば、はしかウィルスまたは
レスビラトリイシンシチウムウイルス)またはヘルペスウィルス(例えばエプス
タインパールウィルス)にも使用できる。ウィルス感染またはシンシチウム形成
におよぼす本発明組成物の有効性は、当業上知られた操作を用いてアッセイでき
る。かかる操作についての記載は下記6.1項に示される。
本発明はさらに、上記5.1項記載の非常に水溶性の高い環状オリゴサツカライ
ド誘導体の組成物を提供する。かかる組成物は上記5.3項記載の増殖モジュレ
ート活性を含有するステロイドまたは非ステロイド有機化合物と組合せて細胞へ
のウィルス結合を阻止するのに使用できる。これらの組成物は、ヒト免疫不全ウ
ィルス11ヒト免疫不全ウイルス2、ヒトT細胞リンパ向性ウィルスI (HT
LV−1’) 、ヒトT細胞リンパ向性ウィルスII (HTLV−n )、ト
リ白血病ウィルス、ラウス肉腫ウィルス、トリ骨髄芽球症ウィルス、ネコ白血病
ウィルス、およびウシ白血病ウィルスのようなレトロウィルスで使用できる。さ
らに、これらの組成物はAIDS患者にしばしば現われるカボジ肉腫の治療にも
使用できる。ウィルス感染またはシンシチウム形成に及ぼす本発明組成物の有効
性は当業上知られた操作を用いてアッセイできる。かかる操作に関する記載は下
記6.1項に示される。
本発明はさらに上記5.1項記載の非常に水溶性の高い環状オリゴサツカライド
誘導体の組成物を提供する。
かかる組成物は5.3項記載の細胞増殖モジュレート活性および上記5.2項記
載の抗ウィルス剤を含有するステロイドまたは非ステロイド有機化合物と組合せ
て細胞へのウィルス結合を阻止するのに使用できる。これらの組成物は、ヒト免
疫不全ウィルスl、ヒト免疫不全ウィルス2、ヒトT細胞リンパ向性ウィルスI
(HTLV−1)、ヒトT細胞リンパ向性ウィルスII ()ITLV−II
)、トリ白血病ウィルス、ラウス肉腫ウィルス、トリ骨髄芽球症ウィルス、ネ
コ白血病ウィルス、およびウシ白血病ウィルスのようなレトロウィルスで使用で
きる。
さらに、これらの組成物はAIDS患者にしばしば現われるカボジ肉腫の治療に
も使用できる。ウィルス感染またはシンシチウム形成に及ぼす本発明組成物の有
効性は当業上知られた操作を用いてアッセイできる。かかる操作に関する記載は
下記6.1項に示される。
6、実施例:合成シクロデスキトリンはインビトロでHIV感染を阻止する
下記実施例は説明のために提供されるのであって本発明を制限するものではない
。本発明はいくつかの好ましい実施態様および実施例に関してここに記載されて
いる。しかしながら、明らかな変形は当業者には明らかであろう。本発明は詳細
な例示された実施態様に限定されるものと考えるべきでない。
631、材料および方法
融合阻止(シンシチウム)アッセイは刊行された方法(Dalgleishら、
Nature 312: 763. (1984)および5odroskiら
、 Nature 322: 470. (1986))に従い行った。
5up−TI細胞はHIV−1産生細胞系と共に培養した場合、それらの細胞融
合の度合いが速いので好ましい標的細胞である。細胞培養はDalgleish
ら、 (Nature 312ニア63゜(1984))の方法に従い行われる
。5up−TI細胞を96ウエルプレート(RPMr 1640+10%FC3
中10+1飽に入れ、37°Cでβ−シクロデキストリンテトラデカスルフェー
ト(β−CD−TDSまたはβ−CD−143)の希釈物の存在下または非存在
下にインキュベートした。次にHTLV−III B (HIB−1)またはW
MJ感染H9細胞を5XIO’/ウエルで加え、18時間抜16×視野当りの多
核巨細胞の数をZeiss逆視野位相差顕微鏡で計数した。シンシチウムは容易
に同定されβ−CD−TDSの種々の希釈物によるシンシチウムの阻止をβ−C
D−TDSを含まない調製物と比較できる。当業者には、旧V−1により感染さ
れやすい細胞とHIV−1エンベロープ糖タンパク質を発現する細胞との間のシ
ンシチウム形成は)IN’−1感染に伴う同じ分子的現象であるが、ずっと危険
が少なくウィルスそのものにさらされる恐れを伴うことなく、感染メカニズムお
よびHIB−1細胞内感染メカニズムに及ぼすモジュレート因子の作用を研究す
るのに使用できる。
種々の希釈物をスクリーニングするために、β−CD−TDSの150μM溶液
の10倍希釈物を調製しそして前記のようにしてシンシチウムアッセイに直接加
えた。
6 、 I、 1. シンシチウムアッセイHIV利融合のアッセイには、5u
pt Tl細胞を標的細胞として用いた。それらは、HIV−1(H9/l1l
b)産生細胞系と培養した場合、速やかに融合する。旧V−2媒介細胞融合をア
ッセイするには、H9細胞を標的細胞として用いた。それラバ、HIV−2(C
EMROD 2)産生細胞系と培養した場合に速やかに融合する。HIV感染細
胞を96ウエルプレート(RPMI 1640+10%FC3中10+1巾は非
存在下にインキュベートした。次に標的細胞を5X 10’/ウエルで加え、そ
してシンシチウムの数を本文中に記載されているインキュベート期間後に定性的
に測定する。
6 、 1. 2.逆転写酵素アッセイウィルス感染細胞を遠心によりペレット
となしそして培養上清50μlを各ウェルから収集してアッセイした。培養上清
(25μI)を96ウエル丸底プレートに入れ、転写酵素カクテル50μlを各
ウェルに加えた。カクテルは50mM )リス−〇CI, pH8.0. 20
mM DTT. 0.6mMMnC1t. 60mM NaC1. 0.05%
NP−40. 5 μg/ml dt(オリゴデオキシチミジル酸)、10μg
/m lポリA(ポリリポアデニル酸) 、10,cJ dTTP. I Ci
/mm ”P dTTPである。
次にプレートを37°Cで60分間インキュベートした。インキュベート後、試
料をWhatman DEAE−81紙にスポットし、洗浄し、計数または直接
オートラジオグラフィーにより分析した。
6 、 1. 3.ウィルスRNA分析ウィルス処理した細胞を組織培養で増殖
させ、感染72時間目にアッセイのために収穫した。次に細胞濃度をリン酸緩衝
食塩水でlXl0’細胞/mlに調整し、ドツトプロット装置を使用して、あら
かじめ湿したシーンスクリーンに直接スポットした。次にフィルターを1%グル
タルアルデヒドを含有する3%NaC1. 10mMNaH2PO4, (1)
87.2)中4°Cで1時間固定した。固定したプロットを次にタンパク分解緩
衝液(50mM EDTA. 0. 1Mトリス−HCl (pH8.0)、
20μg/mlプロティナーゼK)を用いて37°Cで30分間ずつ3回すすい
だ。フィルターを風乾後にプローブした。pH1envlプラスミド(Dr。
J. 5oclrofskyの寛大な贈り物)に由来しそして)IXB2。
HIV− 1ウイルスのエンベロープ領域をコードする5ail−Xholプロ
ーブを標準法を用いるランダムプライマー法により標識しそして先に記載される
ようにして(Weinerら, 1986. Ce1l Immunol. 1
00:197)フィルターにハイブリダイズさせた。
6 、 1. 4.構造的研究
ウィルス感染細胞を洗浄しそして試験化合物の存在下または非存在下で新たな培
地中に再懸濁した。48時間培養後、培養物をペレットにし、1%グルタルアル
デヒド、0.IMカコジルレートHC1. pH7.3 、続いて0804中で
固定し、そして電子顛微鏡によりこれらの切片を検査するために5pur re
sin中に封埋した。
6 、 1. 5.サイトフルオリメトリーヒトT細胞系を遠心しモしてFAC
3緩衝液(0.1%NaN3を含有するリン酸緩衝食塩水中1%ウシ血清アルブ
ミン)で2回洗浄した。細胞を107/mlで再懸濁し、そして指示されている
ようにしてβ−CD−TDSの存在下または非存在下でブレインキュベートした
。続いて第1次抗体を加えさらに30分間おき、試料を先に記載されている (
Wi lliamsら. 1988, Proc. Natl. Acad.
Sci。
U.S.A. 85:6488)ようにして調製した。
6、2.結果
6、2.1.置換β−シクロデキストリンによる旧■感染力の阻害
ヒトレンチウィルスの顧著な特色はそれらの標的細胞との融合能力である。イン
ビトロでヒト標的細胞系で分析した場合、HIVに媒介された感染により多核巨
細胞またはシンシチウムの形成を生じる。かかるシンシチウムはAIDS患者で
観察される感染に特徴的である免疫細胞減少の病理の一因をなすことが観察され
ている。この融合過程は、融合がエンドサイト−シス小胞の酸性pHを必要とし
ないという点で、多くの他のレトロウィルスの細胞侵入メカニズムとは異なる。
インビトロでのHIV媒介細胞融合はインビボでのウィルス侵入と類似の方法で
おこると考えられる。
一連の予備実験において、5up−71細胞の)flV利の融合により誘導され
たシンシチウムアッセイは上記6、1。
1項記載のようにして行った。結果を第1表に示す。
第1表に示されるように、1、5μMー1,500μMの濃度のβ−CD−TD
Sで、シンシチウムの阻止が観察された。
これと対照的に、0.15μMの濃度ではシンシチウム形成の阻止は全く観察さ
れなかった。
第 1 表
シンシチウム阻止活性:
HTLVIIiB 0 2M 4L 4L 4L(旧V−I IIIB)
HTLVIIIWMJ OOIs 3M 4Laシンシチウム形成の度合
形成されたシンシチウムの大きさ
一連の付加的実験において、旧■−1誘導シンシチウムの分析は標的として未感
染5upt−1(ヒトCD4+T細胞系)細胞とl1lb単離物で感染したH9
細胞とを一緒に培養することにより行った。HIV−2をアッセイするためには
ROD−2単離物で感染したH[JT 78細胞をH9(ヒトCD4+T細胞系
)標的細胞と共に培養した。置換基なしくβ−CD)、4スルフエート基(β−
CD−43) 、および4プロポキシ基(β−CD−4P「)を有するβ−シク
ロデキストリンは旧V−1のシンシチウム形成阻止に培地単独と同じように効果
がなかった。対照的に、1分子当り14個のスルフェート基を担持するβ−シク
ロデキストリン(β−CD−TDS)は第2表および第1図に示されるように極
度に高い抗シシチウム活性を媒介した。
(本頁以下余白)
第2表
HlV−1侵入を阻止するシクロデキストリンの能力1溶解度 0℃ β−シク
ロデキストリンの濃度(咄)化合物bgin/100m1 H2O2,51,3
,63,32,16,08,04,02,01対照 4L 4L 4L孔4L
4L孔4L孔β−CD O,7孔孔孔4L 4L孔4L 4L孔β−CD−Pr
20 1m 4L 4L孔4L 4L 4L孔孔β−CD−4−7S 13
3m 4L 4L孔4L 4L 4L孔4Lβ−CD−14S 42 0 0
0 0 Is 2m 3L 4L 4Lβ−CD−M 32 0 000003
m孔4La結果は形成されたシンシチウムの数として表わす:シンシチウムは0
−4の数字で採点し、4は広範囲に分布した多数のシンシチウム、モして0はシ
ンシチウムが全く観察されなかったことを示す。
シンシチウムの大きさはS=小、m=中、し=大シンシチウムとして記録する
bβ−CDは未置換基シクロデキストリン環、β−CD−Prはプロポキシ基で
置換された基本的環構造、β−CD−143はスルフェートで完全に置換された
基本的環構造、β−CD−Mはメトキシ基で完全に置換された基本的環構造を示
す。
(本頁以下余白)
14メトキシ基を有するβ−シクロデキストリン(β−CD−14Me)はB−
CD−TDSで観察されたよりも大きい度合いのシンシチウム阻止を示した。こ
のシンシチウム形成の阻止は80μM以下の用量で観察された。
HrV−2のROD−2単離物により媒介されたシンシチウム誘導に関する同様
の結果が第3表に示されているように得られた。
(本頁以下余白)
第3表
対照 孔 孔4L孔4L 4L 4L 4L 4Lβ−CD O,741,4L
4L 41.4L孔4L 4L孔β−CD−14S 42 0 00 Is
2m 3L 4L 4L 4Lβ−CD−M 32 0 000003m4L4
La結果は形成されたシンシチウムの数として表わす:シンシチウムは0−4の
数字で採点し、4は広範囲に分布した多数のシンシチウム、そしてOはシンシチ
ウムが全く観察されなかったことを示す。
シンシチウムの大きさはS=小、m=中、し=大シンシチウムとして記録する
bβ−CDは未置換基シクロデキストリン環であり、β−CD−143はスルフ
ェートで完全に置換された基本的環構造であり、β−CD−Mはメトキシ基で完
全に置換された基本的環構造である。
(本頁以下余白)
ポリ硫酸化β−CDおよびポリメトキシル化β−シクロデキストリンの両方がR
OD−2により媒介されたシンシチウム形成を阻止した。しかしながら、阻止の
度合いはβ−CD−14Meが実質的に大きかった。
シクロデキストリンが旧■感染を阻止する能力を上記6.1.2項記載の逆転写
酵素アッセイを利用してインビトロで評価した。HTLV−III b細胞を含
まないウィルス保存株を合成化合物の存在下または非存在下で標的細胞に接種し
た。10日のインキュベーション期間の後ウェルを収穫し、逆転写酵素活性につ
いて採点した(第1図)。β−シクロデキストリン自体(レーンB)゛は逆転写
酵素活性が陽性感染対照(レーンA)と同様であることが明らかになったので、
ウィルス感染の阻止を全く示さなかった。部分的に硫酸化(レーンC)およびプ
ロポキシル化β−シクロデキストリン(レーンD)は最小限の逆転写酵素活性阻
止しか示さず、実質的に効果がなかった。対照的に、高度に硫酸化されたβ−C
D−143はインビトロでの感染阻止に極度に有効であった(レーンE)。ある
活性は320μM(希釈度4)の高さの濃度で明らかであったが、逆転写酵素活
性は、80μM(希釈度6)の低濃度で劇的に阻止された。β−CD−14Me
(レーンF)は、少くとも有効であり、80μM−40μM(希釈度7)の低い
用量の存在下でウィルスと接触している細胞からの培養物中にウィルス逆転写酵
素活性が全く示されなかった。これらの結果はシンシチウムアッセイからの結果
と同様であるが、それらは、いくつかの置換されたシクロデキストリンの少量の
存在下におけるウィルス感染力は、シンシチウム形成を完全には阻止しない濃度
でさえも著しく減少することを示している。
6.2.2. シクロデキストリンの作用部位シクロデキストリン化合物により
中途妨害されるウィルス病因の特定の部位を判定するために、我々は旧V−1で
すでに感染した細胞の逆転写酵素に及ぼすシクロデキストリン治療の能力をアッ
セイした。ウィルスを未感染細胞に加えた場合に観察された結果とは対照的に(
上記6.2.1.項参照)、逆転写酵素の有意な阻害は全(観察されなかった。
これはシクロデキストリンがウィルスのライフサイクルの比較的初期にその作用
を及ぼすに違いないことを示唆している。
シクロデキストリンがウィルス複製に関連した段階を妨害するかどうか判定する
ために、これらの化合物がウィルス核酸合成を阻害する能力を測定した。ウィル
ス粒子を1mMβ−CD−143の存在下または非存在下で標的細胞とインキュ
ベートした。感染72時間目に、細胞を洗浄しそしてドツトプロットアッセイを
行ってウィルスRNA産生の存在または非存在を判定した。硫酸化β−シクロデ
キストリン(第3A図、レーンA)の存在下で感染した標的細胞からは、はとん
どまたは全く旧V−1特異的RNAが検出されなかった。未置換環および陽性対
照レーンの両方では、実質的なウィルスRNAがこの同じ時点で検出された。し
かしながら、ウィルス核酸複製阻害はウィルスの複製機構におよほす直接作用で
はなかった。硫酸化β−シクロデキストリンとインキュベートした感染細胞はウ
ィルスRNA産生能力を阻害されなかった(第3B図)。これらの結果はシンシ
チウムおよび逆転写酵素アッセイを補うものであり、このことはこれらの化合物
により媒介された抗ウィルス作用が細胞へのウィルス攻撃の初期に働くことを示
唆している。
置換β−シクロデキストリンは感染細胞のウィルスRNAすなわち逆転写酵素活
性を阻害しないが、これら化合物がウィルスの成熟を妨げることは可能である。
この点をさらに調べるために、我々は電子顕微鏡検査により、特別に置換された
シクロデキストリンの存在下でのウィルス粒子産生を分析した。ウィルス感染細
胞を洗浄しそして試験化合物の存在または非存在下で新しい培地に再懸濁した。
48時間の培養期の後、培養物をペレットとなしそして1%グルタルアルデヒド
、0、IMカコジレー1− HCl、 pH7,3、続いて0304中で固定し
そしてうすい切片を検査のために5pur resin中に封埋した。
300gM硫酸化シクロデキストリンの存在下に処理されたウィルス調製物はウ
ィルス出芽および飛び出しに相当する膜が濃い領域を示した。この飛び出たウィ
ルスに観察されたHIV形態はレンチウィルスファミリーに典型的である(第4
図)。置換シクロデキストリンの存在下に産生されたウィルス粒子の詳細な形態
学的検査では正常な成熟器V表現型が示された。さらに、我々はシクロデキスト
リン処理後に存在する成熟ウィルスの比率においてもまたは、これら化合物の存
在下に産生されたウィルス粒子の総数においても有意な偏差を全く観察しなかっ
た。これらの結果が一緒になって、β−シクロデキストリンは旧■ウィルス産生
または成熟化に何ら直接的作用を及ぼさないことを示唆している。これらは明ら
かに細胞への最初の攻撃期間中に細胞膜でその作用を及ぼす。
6.2.3. CD4との相互作用に及ぼすシクロデキストリンの影響
HIV−1感染細胞およびHIV−2感染細胞の両方がCD4ヒトT細胞表面抗
原を発現する。観察される厳密な向性は、CD4担持細胞への結合を媒介するレ
トロウィルスエンベロープ糖タンパク上に提示される高アフィニティ結合部位の
現われである。いくつかの完全に置換されたシクロデキストリン分子がシンシチ
ウム形成、逆転写酵素活性、および感染性ウィルスRNAの移動を特異的に妨害
する能力は、CD4分子に対する抗体の作用と同様である。抗CD4抗体のサブ
セットはウィルスエンベロープがこの特異的レセプターと相互作用する能力を破
壊させる。これら化合物のありうる作用方式はCDJ上のこれら特異的部位との
相互作用である。それゆえ我々はImMの置換β−シクロデキストリンがCD4
糖タンパク質の異なるエピトープに対するモノクローナル抗体の結合を妨害する
能力を測定した。フローサイトメトリーをこの調査に利用した。
Leυ3aモノクローナル抗体はCD4糖タンパク質の第1のシスティン結合領
域に結合しそしてH(V−1、旧V−2ならびにSIV結合を直接妨害すること
が示されている。MTl151モノクローナル抗体はCD4の第2のシスティン
結合領域に位置されそしてgp120− CD 4相互作用に必要な第2次構造
の制約に関係している。OKt 4モノクローナル抗体はこれらのはじめの2個
のモノクローナル抗体から遠位の領域に結合しそしてHIVウィルスとCD4陽
性細胞との間の結合反応に必要でない領域に位置する。
処理細胞および対照細胞に関するこれらの抗体の反応性パターンを比較すると、
この分析の限界内において、これらのモノクローナル抗体により認識されるエピ
トープはどれもCD4と相互作用する能力が減少しなかったことが示される(第
5図)。これらの結果は、CD4への結合に重要なタンパク質相互作用は、ウィ
ルス結合と類似の様式で、シクロデキストリン処理に変化しないことを示唆して
いる。さらに、これらの結果はまたこれらの化合物が標的細胞上のCD4発現を
妨害しないことをも示唆している。これらの結果はgp120− CD 4相互
作用に及ぼす作用を排除しないが、これらはシクロデキストリンがCD4部位で
の特異的なタンパク質−タンパク質相互作用に何ら直接作用を有しないことを示
している。
6 、2.4.デキストランポリスルフェートと置換シクロデキストリンとの比
較
最近の研究ではポリアニオンデキストラン硫酸がインビトロでHIV−1感染を
阻止する能力が示された(Mitsuyaら、1988. 5cience 2
40:646−649 and Babaら。
1988、 Proc、 Natl、 Acad、 Sci、 U、S、A、
85:6132−613g)置換β−シクロデキストリンで観察されたウィルス
活性の阻害はデキストラン硫酸について報告されたそれと同様であることが明ら
かになった。我々はH■■誘導のシンシチウム形成に及ぼすこれら化合物および
置換β−シクロデキストリンの作用を評価および比較している(第6A図)。
24時間抜に、完全に硫酸化し、たβ−シクロデキストリンおよび完全にメチル
化したβ−シクロデキストリンはデキストラン硫酸s 、 oooと同じHIV
利感染阻止能力を示した。これらの化合物は全て、シンシチウム形成を阻止する
点で比較的大きなデキストラン硫酸500、000よりもより効果的であった。
しかしながら、2種類の複合糖により示された抗ウィルス作用の長さには劇的な
相異があった(第6AおよびB図)。48時間までに、デキストラン硫酸5 、
000の活性はほぼ90%減少した。メチル化または硫酸化シクロデキストリン
で処理した培養物においては、抗シンシチウム活性は培養期間中変化しなかった
。この結果は培養144時間までにさらに著しくなりその時点でデキストラン硫
酸5.000の抗ウィルス作用は数百μMの範囲で存在する場合でさえも非常に
少ないかまたは全(ない。対照的に、置換β−シクロデキストリンは連続培養6
日後でその効力のわずか50%しか失わなかった。
これらの結果は、ウィルス侵入および感染力の特異的なインジケーターとして逆
転写酵素アッセイを利用して確認されている(第6B図)。感染性ウィルス粒子
を硫酸化β−シクロデキストリン(レーン1)、デキストラン硫酸(レーン2)
または培地(レーン3)の存在下6日間インキュベー・・トし、その時点で細胞
を新鮮な培地に再懸濁し、さらに10日インキュベートし、収穫しそして逆転写
酵素活性をアッセイした。硫酸化β−シクロデキストリンは長期間の組織培養後
でさえも存意な抗ウィルス活性を媒介した。この結果は組織培養中における酵素
分解に対するデキストラン硫酸と合成β−シクロデキストリンとの間の影響の受
けやすさの差に関連しているのであろう。
6.3.考察
我々は炭水化物ウィルス阻止剤、特に完全に置換された硫酸化またはメチル化β
−シクロデキストリンの劇的な抗ウィルス作用を示してきた。これらの抗ウィル
ス作用はシクロデキストリン環により提示される側鎖と密接に関連しており、環
それ自体の機能ではない。
さらに、我々はいくつかの種々に置換された分子の作用を検査しそして側鎖の特
定のサブグループだけが有意な抗)11V作用を媒介できると結論している。こ
れらの化合物は旧■病因と関連した初期の事象を妨害することが明らかになった
。これらの結論に関していくつかの証拠がある。完全に硫酸化されたβ−シクロ
デキストリンはすでにHIV−1に感染した細胞には何ら検出可能な作用を及ぼ
さない。我々はシンシチウムアッセイにおいて保護性であることが示された濃度
のシクロデキストリンとインキュベートした感染細胞系からの逆転写酵素活性、
ウィルス粒子産生またはウィルス粒子形態には何ら作用がないことを観察してい
る。すなわちウィルス感染に先立っている。対照的に同濃度のシクロデキストリ
ンは、シンシチウム形成に加え、逆転写酵素アッセイおよびウィルスRNAの存
在により示されるように未感染細胞の旧■感染を阻止する。これらを合わせると
、これらのデータはウィルスと細胞間の出会いの初期にウィルス機能を妨害する
様式を裏書きする。
我々はこれら化合物が、1(IVに対する既知のレセプターに結合するモノクロ
ーナル抗体を特異的に阻害する能力を検査した。その結果は、ウィルス機能に必
要なCD4の領域に特異的に結合する抗体に対する何ら存意な阻害は存在しない
ことを示している。この所見は、これらの化合物でのヒト細胞の処理がこの免疫
学的に重要なレセプターの機能に作用していそうにないという事実を強調してい
るので重要である。
いくつかの研究では、種々の状況において、シクロデキストリンポリスルフェー
トを包含する高度に親水性のグリコサミノグリカンおよび硫酸化糖類(Folk
manら、1989. 5cience 243:1490−1493 and
Folkman andWeisz、 1989. A+++er、 Che
m、 Soc、 Symp、 Ser、 392:19−32)による、細胞表
面への吸収(付着)に対する一般的親和性か示されている(Folkmanら、
1989.5cience243:1490−1493; Folkmanお
よびWeisz、 1989. Amer。
Chem、Soc、Symp、Ser、392:19−32; Mitsuya
ら、1988゜5cience 240:646−649; Itoら、198
7. Antiviral Res。
7:361−367; DeClerq、 1986. J、 Med、 Ch
em、 29+1561−1569HCo1eら、1986. Nature
323ニア23; Hookら、1984゜一−O°・−・・・・F
−4& 嗜
FIG、38
FIG、5
ロ
(り
補正書の翻訳文提比書
平成 3年 1月 7日
Claims (173)
- 1.約12個までの糖モノマーを有する環状オリゴサッカライド誘導体を含有し 、細胞またはウイルスと相互作用してウイルスと細胞との結合を妨害しうる炭水 化物防止剤を用意する、ここで該誘導体は蒸留水中における0℃での溶解度少な くとも約20gm/100mlを有することを特徴とし;そして この炭水化物阻止剤を細胞と相互作用させるために選択された量、時間および条 件下に該細胞を炭水化物阻止剤と接触させてウイルスが細胞に結合するのを妨害 する、 ことを含んでなる、細胞のウイルス感染防止法。
- 2.前記炭水化物阻止剤が約0.15マイクロモルから1.5ミリモルの範囲の 濃度で細胞に投与される請求の範囲1記載の方法。
- 3.前記炭水化物阻止剤が約0.15から150ミリモルの範囲の濃度で細胞に 投与される請求の範囲1記載の方法。
- 4.前記環状オリゴサッカライド誘導体が約6−12個の糖モノマーを含有する 請求の範囲1記載の方法。
- 5.前記環状オリゴサッカライド誘導体が約6−8個の糖モノマーを含有する請 求の範囲4記載の方法。
- 6.前記環状オリゴサッカライド誘導体がアルファー、ベーターまたはガンマー シクロデキストリンである請求の範囲5記載の方法。
- 7.前記環状オリゴサッカライド誘導体が、生理学的に受容されうるカチオンと 一緒の、スルフェート、ホスフェート、カルボキシレートおよびそれらの混合物 からなる群から選択される置換基を有する該オリゴサッカライドのアニオン塩誘 導体である請求の範囲1記載の方法。
- 8.前記環状オリゴサッカライド誘導体が環状オリゴサッカライドスルフェート である請求の範囲1記載の方法。
- 9.前記環状オリゴサッカライドスルフェートが約10−16個のスルフェート 基を含有する請求の範囲8記載の方法。
- 10.前記環状オリゴサッカライドスルフェートがベーターシクロデキストリン テトラデカスルフェートである請求の範囲8記載の方法。
- 11.前記環状オリゴサッカライド誘導体が、アルキル、エステル、エーテル、 チオエステル、チオエーテル、カルボン酸および炭水化物部分からなる群から選 択される置換基を有する該オリゴサッカライドの非イオン性誘導体である請求の 範囲1記載の方法。
- 12.前記環状オリゴサッカライド誘導体がアルコキシ置換環状オリゴサッカラ イドである請求の範囲1記載の方法。
- 13.前記アルコキシ置換環状オリゴサッカライドが約10−16個のメトキシ 基を含有する請求の範囲12記載の方法。
- 14.前記アルコキシ置換環状オリゴサッカライドがテトラデカメトキシ ベー ターシクロデキストリンである請求の範囲12記載の方法。
- 15.前記アルコキシ置換オリゴサッカライドが約10−16個のプロボキシ基 を含有する請求の範囲12記載の方法。
- 16.前記アルコキシ置換オリゴサッカライドがテトラデカプロボキシ ベータ ーシクロデキストリンである請求の範囲12記載の方法。
- 17.前記環状オリゴサッカライド誘導体がイオン性および非イオン性置換基を 含有する請求の範囲1記載の方法。
- 18.前記ウイルスがレトロウイルスである請求の範囲1記載の方法。
- 19.前記レトロウイルスがヒト免疫不全ウイルス−1である請求の範囲18記 載の方法。
- 20.前記レトロウイルスがヒト免疫不全ウイルス−2である請求の範囲18記 載の方法。
- 21.前記ウイルスがパラミクソウイルスである請求の範囲1記載の方法。
- 22.前記ウイルスがヘルペスウイルスである請求の範囲1記載の方法。
- 23.約12個までの糖モノマーを有する環状オリゴサッカライド誘導体を含有 し、細胞またはウイルスと相互作用してウイルスと細胞との結合を妨害しうる炭 水化物阻止剤を用意する、ここで該誘導体は蒸留水中における0°Cでの溶解度 少なくとも約20gm/100mlを有することを特徴とし;そして この炭水化物阻止剤を細胞と相互作用させるために選択された量、時間および条 件下に該細胞を炭水化物阻止剤と接触させて細胞から細胞へのウイルス伝達を妨 害する、 ことを含んでなる、細胞間ウイルス伝達阻止法。
- 24.前記炭水化物阻止剤が約0.15マイクロモルから1.5ミリモルの範囲 の濃度で細胞に投与される請求の範囲23記載の方法。
- 25.前記炭水化物阻止剤が約0.15から150ミリモルの範囲の濃度で細胞 に投与される請求の範囲23記載の方法。
- 26.前記環状オリゴサッカライド誘導体が約6−12個の糖モノマーを含有す る請求の範囲23記載の方法。
- 27.前記環状オリゴサッカライド誘導体が約6−8個の糖モノマーを含有する 請求の範囲26記載の方法。
- 28.前記環状オリゴサッカライドがアルファー、ベーターまたはガンマーシク ロデキストリンである請求の範囲27記載の方法。
- 29.前記環状オリゴサッカライド誘導体が、生理学的に受容されうるカチオン と一緒の、スルフェート、ホスフェート、カルボキシレートおよびそれらの混合 物からなる群から選択される置換基を有する該オリゴサッカライドのアニオン塩 誘導体である請求の範囲23記載の方法。
- 30.前記環状オリゴサッカライド誘導体が環状オリゴサッカライドスルフェー トである請求の範囲23記載の方法。
- 31.前記環状オリゴサッカライドスルフェートが約10−16個のスルフェー ト基を含有する請求の範囲30記載の方法。
- 32.前記環状オリゴサッカライドスルフェートがベーターシクロデキストリン テトラデカスルフェートである請求の範囲30記載の方法。
- 33.前記環状オリゴサッカライド誘導体が、アルキル、エステル、エーテル、 チオエステル、チオエーテル、カルボン酸および炭水化物部分からなる群から選 択される置換基を有する該オリゴサッカライドの非イオン性誘導体である請求の 範囲23記載の方法。
- 34.前記環状オリゴサッカライド誘導体がアルコキシ置換環状オリゴサッカラ イドである請求の範囲23記載の方法。
- 35.前記アルコキシ置換環状オリゴサッカライドが約10−16個のメトキシ 基を含有する請求の範囲34記載の方法。
- 36.前記アルコキシ置換環状オリゴサッカライドがテトラデカメトキシベータ ーシクロデキストリンである請求の範囲34記載の方法。
- 37.前記アルコキシ置換環状オリゴサッカライドが約10−16個のプロボキ シ基を含有する請求の範囲34記載の方法。
- 38.前記アルコキシ置換環状オリゴサッカライドがテトラデカプロボキシ ベ ーターシクロデキストリンである請求の範囲34記載の方法。
- 39.前記環状オリゴサッカライド誘導体がイオン性および非イオン性置換基を 含有する請求の範囲23記載の方法。
- 40.前記ウイルスがレトロウイルスである請求の範囲23記載の方法。
- 41.前記レトロウイルスがヒト免疫不全ウイルス−1である請求の範囲40記 載の方法。
- 42.前記レトロウイルスがヒト免疫不全ウイルス−2である請求の範囲40記 載の方法。
- 43.前記ウイルスがパラミクソウイルスである請求の範囲23記載の方法。
- 44.前記ウイルスがヘルペスウイルスである請求の範囲23記載の方法。
- 45.約12個までの糖モノマーを有する環状オリゴサッカライド誘導体を含有 し、細胞またはウイルスと相互作用しうる炭水化物阻止剤を用意する、ここで該 誘導体は蒸留水中における0℃での溶解度少なくとも約20gm/10mlを有 することを特徴とし;そしてこの環状オリゴサッカライド誘導体を細胞と相互作 用させるために選択された条件下に前記炭水化物阻止剤を細胞に投与してそれに よりシンシチウムの形成を阻止する、 ことを包含する、ウイルス感染細胞間のシンシチウム形成阻止法。
- 46.前記炭水化物阻止剤が約0.15マイクロモルから1.5ミリモルの範囲 の濃度で細胞に投与される請求の範囲45記載の方法。
- 47.前記炭水化物阻止剤が約0.15から150ミリモルの範囲の濃度で細胞 に投与される請求の範囲45記載の方法。
- 48.前記環状オリゴサッカライド誘導体が約6−12個の糖モノマーを含有す る請求の範囲45記載の方法。
- 49.前記環状オリゴサッカライド誘導体が6−8個の糖モノマーを有する環状 分子である請求の範囲48記載の方法。
- 50.前記環状オリゴサッカライドがアルファー、ベーターまたはガンマーシク ロデキストリンである請求の範囲49記載の方法。
- 51.前記環状オリゴサッカライド誘導体が、生理学的に受容されうるカチオン と一緒の、スルフェート、ホスフェート、カルボキシレートおよびそれらの混合 物からなる群から選択される置換基を有する該オリゴサッカライドのアニオン塩 誘導体である請求の範囲45記載の方法。
- 52.前記環状オリゴサッカライド誘導体が環状オリゴサッカライドスルフェー トである請求の範囲45記載の方法。
- 53.前記環状オリゴサッカライド誘導体が約10−16個のスルフェート基を 含有する請求の範囲55記載の方法。
- 54.前記環状オリゴサッカライドスルフェートがベーターシクロデキストリン テトラデカスルフェートである請求の範囲52記載の方法。
- 55.前記環状オリゴサッカライド誘導体が、アルキル、エステル、エーテル、 チオエステル、チオエーテル、カルボン酸および炭水化物部分からなる群から選 択される置換基を有する該オリゴサッカライドの非イオン性誘導体である請求の 範囲52記載の方法。
- 56.前記環状オリゴサッカライド誘導体がアルコキシ置換環状オリゴサッカラ イドである請求の範囲55記載の方法。
- 57.記アルコキシ置換環状オリゴサッカライドが約10−16個のメトキシ基 を含有する請求の範囲56記載の方法。
- 58.前記アルコキシ置換環状オリゴサッカライドがテトラデカメトキシ ベー ターシクロデキストリンである請求の範囲56記載の方法。
- 59.前記アルコキシ置換オリゴサッカライドが約10−16個のプロボキシ基 を含有する請求の範囲56記載の方法。
- 60.前記アルコキシ置換オリゴサッカライドがテトラデカプロボキシ ベータ ーシクロデキストリンである請求の範囲56記載の方法。
- 61.前記環状オリゴサッカライド誘導体がイオン性および非イオン性置換基を 含有する請求の範囲45記載の方法。
- 62.前記ウイルスがレトロウイルスである請求の範囲45記載の方法。
- 63.前記レトロウイルスがヒト免疫不全ウイルス−1である請求の範囲62記 載の方法。
- 64.前記レトロウイルスがヒト免疫不全ウイルス−2である請求の範囲62記 載の方法。
- 65.前記ウイルスがパラミクソウイルスである請求の範囲45記載の方法。
- 66.前記ウイルスがヘルペスウイルスである請求の範囲45記載の方法。
- 67.(1)蒸留水中における0℃での溶解度少なくとも約20gm/100m lを有することを特徴とする環状オリゴサッカライド誘導体を、(2)抗ウイル ス剤と組み合わせて含有する、ヒトを含めた哺乳動物における細胞の望ましから ぬウイルス感染を阻止するための組成物。
- 68.前記環状オリゴサッカライド誘導体が約6−12個の糖モノマーを含有す る請求の範囲67記載の方法。
- 69.前記環状オリゴサッカライド誘導体が約6−8個の糖モノマーを含有する 請求の範囲68記載の方法。
- 70.前記環状オリゴサッカライドがアルファー、ベーターまたはガンマーシク ロデキストリンである請求の範囲69記載の組成物。
- 71.前記環状オリゴサッカライド誘導体が、生理学的に受容されうるカチオン と一緒の、スルフェート、ホスフェート、カルボキシレート、ナイトレートおよ びそれらの混合物からなる群から選択される置換基を有する該シクロデキストリ ンのアニオン塩誘導体である請求の範囲67記載の組成物。
- 72.前記環状オリゴサッカライド誘導体がシクロデキストリンスルフェートで ある請求の範囲67記載の組成物。
- 73.前記環状オリゴサッカライドスルフェートが約10−16個のスルフェー ト基を含有する請求の範囲72記載の組成物。
- 74.前記環状オリゴサッカライドスルフェートがベーターシクロデキストリン テトラデカスルフェートである請求の範囲71記載の組成物。
- 75.前記環状オリゴサッカライド誘導体が、アルキル、エステル、エーテル、 チオエステル、チオエーテル、カルボン酸および炭水化物部分からなる群から選 択される置換基を有する該オリゴサッカライドの非イオン性誘導体である請求の 範囲67記載の組成物。
- 76.前記環状オリゴサッカライド誘導体がアルコキシ置換環状オリゴサッカラ イドである請求の範囲67記載の組成物。
- 77.前記アルコキシ置換環状オリゴサッカライドが約10−16個のメトキシ 基を含有する請求の範囲76記載の方法。
- 78.前記アルコキシ置換環状オリゴサッカライドがテトラデカメトキシ ベー ターシクロデキストリンである請求の範囲76記載の組成物。
- 79.前記環状オリゴサッカライド誘導体がイオン性および非イオン性置換基を 含有する請求の範囲67記載の組成物。
- 80.前記抗ウイルス剤がヌクレオシド誘導体である請求の範囲67記載の組成 物。
- 81.前記抗ウイルス剤がCD4ペプチドまたはその類似体である請求の範囲6 7記載の組成物。
- 82.前記抗ウイルス剤がヒペリシンである請求の範囲67記載の組成物。
- 83.前記ウイルスがレトロウイルスである請求の範囲67記載の組成物。
- 84.前記レトロウイルスがヒト免疫不全ウイルス−1である請求の範囲67記 載の組成物。
- 85.前記レトロウイルスがヒト免疫不全ウイルス−2である請求の範囲84記 載の組成物。
- 86.前記ウイルスがパラミクソウイルスである請求の範囲67記載の組成物。
- 87.前記ウイルスがヘルペスウイルスである請求の範囲67記載の組成物。
- 88.(1)蒸留水中における0℃での溶解度少なくとも約20gm/100m lを有することを特徴とする環状オリゴサッカライド誘導体を、(2)抗ウイル ス剤と組み合わせて含有する、ヒトを含めた哺乳動物における細胞間のウイルス 伝達を阻止するための組成物。
- 89.前記環状オリゴサッカライド誘導体が約6−12個の糖モノマーを含有す る請求の範囲88記載の組成物。
- 90.前記環状オリゴサッカライド誘導体が約6−8個の糖モノマーを含有する 請求の範囲88記載の組成物。
- 91.前記環状オリゴサッカライドがアルファー、ベーターまたはガンマーシク ロデキストリンである請求の範囲88記載の組成物。
- 92.前記環状オリゴサッカライド誘導体が、生理学的に受容されうるカチオン と一緒の、スルフェート、ホスフェート、カルボキシレートおよびそれらの混合 物からなる群から選択される置換基を有する該オリゴサッカライドのアニオン塩 誘導体である請求の範囲88記載の組成物。
- 93.前記環状オリゴサッカライド誘導体が環状オリゴサッカライドスルフェー トである請求の範囲88記載の組成物。
- 94.前記環状オリゴサッカライドスルフェートが約10−16個のスルフェー ト基を含有する請求の範囲93記載の組成物。
- 95.前記環状オリゴサッカライドスルフェートがベーターシクロデキストリン テトラデカスルフェートである請求の範囲93記載の組成物。
- 96.前記環状オリゴサッカライド誘導体が、アルキル、エステル、エーテル、 チオエステル、チオエーテル、カルボン酸、炭水化物、ハライドおよびアルキル ハライド部分からなる群から選択される置換基を有する該オリゴサッカライドの 非イオン性誘導体である請求の範囲88記載の組成物。
- 97.前記環状オリゴサッカライド誘導体がアルコキシ置換環状オリゴサッカラ イドである請求の範囲88記載の組成物。
- 98.前記アルコキシ置換環状オリゴサッカライドが約10−16個のメトキシ 基を含有する請求の範囲97記載の組成物。
- 99.前記アルコキシ置換環状オリゴサッカライドがテトラデカメトキシ ベー ターシクロデキストリンである請求の範囲973記載の組成物。
- 100.前記アルコキシ置換環状オリゴサッカライドが約10−16個のプロボ キシ基を含有する請求の範囲98記載の組成物。
- 101.前記アルコキシ置換環状オリゴサッカライドがテトラデカプロボキシベ ータシクロデキストリンである請求の範囲98記載の組成物。
- 102.前記環状オリゴサッカライド誘導体がイオン性および非イオン性置換基 を含有する請求の範囲88記載の組成物。
- 103.前記ウイルスがレトロウイルスである請求の範囲88記載の組成物。
- 104.前記レトロウイルスがヒト免疫不全ウイルス−1である請求の範囲10 3記載の組成物。
- 105.前記レトロウイルスがヒト免疫不全ウイルス−2である請求の範囲10 3記載の組成物。
- 106.前記ウイルスがパラミクソウイルスである請求の範囲88記載の組成物 。
- 107.前記ウイルスがヘルペスウイルスである請求の範囲88記載の組成物。
- 108.前記抗ウイルス剤がヌクレオシド誘導体である請求の範囲105載の組 成物。
- 109.前記抗ウイルス剤がCD4ペプチドまたはその類似体である請求の範囲 105記載の組成物。
- 110.前記抗ウイルス剤がヒペリシンである請求の範囲105記載の組成物。
- 111.(1)蒸留水中における0。Cでの溶解度少なくとも約20gm/10 0mlを有することを特徴とする環状オリゴサッカライドシクロデキストリン誘 導体を、(2)抗ウイルス剤と組み合わせて含有する、ヒトを含めた哺乳動物に おけるウイルス感染細胞間のシンシチウム形成を阻止するための組成物。
- 112.前記環状オリゴサッカライド誘導体が約6−12個の糖モノマーを含有 する請求の範囲111記載の組成物。
- 113.前記環状オリゴサッカライド誘導体が約6−8個の糖モノマーを含有す る請求の範囲112記載の組成物。
- 114.前記アルファー、ベーターまたはガンマーシクロデキストリン誘導体が シクロデキストリンスルフェートである請求の範囲113記載の組成物。
- 115.前記オリゴサッカライド誘導体が、生理学的に受容されうるカチオンと 一緒の、スルフェート、ホスフェート、カルボキシレート、ナイトレートおよび それらの混合物からなる群から選択される置換基を有する該シクロデキストリン のアニオン塩誘導体である請求の範囲111記載の組成物。
- 116.前記シクロデキストリンスルフェートが約10−16個のスルフェート 基を含有する請求の範囲115記載の組成物。
- 117.前記シクロデキストリンスルフェートがベーターシクロデキストリン テトラデカスルフェートである請求の範囲115記載の組成物。
- 118.前記アルファー、ベーターまたはガンマーシクロデキストリン誘導体が アルコキシシクロデキストリンである請求の範囲111記載の組成物。
- 119.前記アルコキシシクロデキストリンが約10−16個のメトキシ基を含 有する請求の範囲118記載の組成物。
- 120.前記アルコキシシクロデキストリンがテトラデカメトキシ ベーターシ クロデキストリンである請求の範囲118記載の組成物。
- 121.前記アルコキシシクロデキストリンが約10−16個のプロボキシ基を 含有する請求の範囲118記載の組成物。
- 122.前記アルコキシシクロデキストリンがテトラデカプロボキシ ベーター シクロデキストリンである請求の範囲118記載の組成物。
- 123.前記抗ウイルス剤がヌクレオシド誘導体である請求の範囲111載の組 成物。
- 124.前記抗ウイルス剤がCD4ペプチドまたはその類似体である請求の範囲 111記載の組成物。
- 125.前記抗ウイルス剤がヒペリシンである請求の範囲111記載の組成物。
- 126.前記ウイルスがレトロウイルスである請求の範囲111記載の組成物。
- 127.前記レトロウイルスがヒト免疫不全ウイルス−1である請求の範囲12 6記載の組成物。
- 128.前記レトロウイルスがヒト免疫不全ウイルス−2である請求の範囲12 6記載の組成物。
- 129.前記ウイルスがパラミクソウイルスである請求の範囲111記載の組成 物。
- 130.前記ウイルスがヘルペスウイルスである請求の範囲111記載の組成物 。
- 131.(1)蒸留水中における0。Cでの溶解度少なくとも約20gm/10 0mlを有することを特徴とする環状オリゴサッカライド誘導体を、(2)潜在 細胞増殖モジコレート性ステロイドまたは非ステロイド有機化合物(ここで該ス テロイドはグルココルチコイド活性を有しない)と組み合わせて含有する、ヒト を含めた哺乳動物における細胞の望ましからぬレトロウイルス感染を阻止するた めの組成物。
- 132.前記環状オリゴサッカライド誘導体が約6−12個の糖モノマーを含有 する請求の範囲131記載の組成物。
- 133.前記環状オリゴサッカライド誘導体が約6−8個の糖モノマーを含有す る請求の範囲131記載の組成物。
- 134.前記環状オリゴサッカライドがアルファー、ベーターまたはガンマーシ クロデキストリンである請求の範囲131記載の組成物。
- 135.前記環状オリゴサッカライド誘導体が、生理学的に受容されうるカチオ ンと一緒の、スルフェート、ホスフェート、カルボキシレートおよびそれらの混 合物からなる群から選択される置換基を有する該オリゴサッカライドのアニオン 塩誘導体である請求の範囲131記載の組成物。
- 136.前記環状オリゴサッカライド誘導体が環状オリゴサッカライドスルフェ ートである請求の範囲131記載の組成物。
- 137.前記環状オリゴサッカライドスルフェートが約10−16個のスルフェ ート基を含有する請求の範囲136記載の組成物。
- 138.前記環状オリゴサッカライドスルフェートがベーターシクロデキストリ ン テトラデカスルフェートである請求の範囲136記載の組成物。
- 139.前記環状オリゴサッカライド誘導体が、アルキル、エステル、エーテル 、チオエステル、チオエーテル、カルボン酸および炭水化物部分からなる群から 選択される置換基を有する該オリゴサッカライドの非イオン性誘導体である請求 の範囲131記載の組成物。
- 140.前記環状オリゴサッカライド誘導体がアルコキシ置換環状オリゴサッカ ライドである請求の範囲131記載の組成物。
- 141.前記アルコキシ置換環状オリゴサッカライドが約10−16個のメトキ シ基を含有する請求の範囲140記載の組成物。
- 142.前記アルコキシ置換環状オリゴサッカライドがテトラデカメトキシ ベ ーターシクロデキストリンである請求の範囲140記載の組成物。
- 143.前記アルコキシ置換環状オリゴサッカライドが約10−16個のプロボ キシ基を含有する請求の範囲140記載の組成物。
- 144.前記アルコキシ置換環状オリゴサッカライドがテトラデカプロボキシ ベーターシクロデキストリンである請求の範囲140記載の組成物。
- 145.前記環状オリゴサッカライド誘導体がイオン性および非イオン性置換基 を含有する請求の範囲140記載の組成物。
- 146.前記レトロウイルスがヒト免疫不全ウイルス−1である請求の範囲13 1記載の組成物。
- 147.前記レトロウイルスがヒト免疫不全ウイルス−2である請求の範囲13 1記載の組成物。
- 148.前記ステロイドがコルチゾン、ヒドロコルチゾン、コルテキソロンまた はテトラヒドロコルチゾールである請求の範囲131記載の組成物。
- 149.非ステロイド化合物がインターフェロン−アルファ、インターフェロン −ベータまたはインターフェロン−インターフェロンである請求の範囲131記 載の組成物。
- 150.非ステロイド化合物がインターロイキン−1またはインターロイキン− 2である請求の範囲131記載の組成物。
- 151.(1)蒸留水中における0℃での溶解度少なくとも約20gm/100 mlを有することを特徴とする環状オリゴサッカライド誘導体を、(2)潜在細 胞増殖モジコレート性ステロイドまたは非ステロイド有機化合物(ここでは該ス テロイドはグルココルチコイド活性を有しない)および(3)抗ウイルス剤と組 み合わせて含有する、ヒトを含めた哺乳動物における細胞の望ましからぬレトロ ウイルス感染を阻止するための組成物。
- 152.前記環状オリゴサッカライド誘導体が約6−12個の糖モノマーを含有 する請求の範囲151記載の組成物。
- 153.前記環状オリゴサッカライド誘導体が約6−8個の糖モノマーを含有す る請求の範囲151記載の組成物。
- 154.前記環状オリゴサッカライドがアルファー、ベーターまたはガンマーシ クロデキストリンである請求の範囲151記載の組成物。
- 155.前記環状オリゴサッカライド誘導体が、生理学的に受容されうるカチオ ンと一緒の、スルフェート、ホスフェート、カルボキシレートおよびそれらの混 合物からなる群から選択される置換基を有する該オリゴサッカライドのアニオン 塩誘導体である請求の範囲151記載の組成物。
- 156.前記環状オリゴサッカライド誘導体が環状オリゴサッカライドスルフェ ートである請求の範囲151記載の組成物。
- 157.前記環状オリゴサッカライドスルフェートが約10−16個のスルフェ ート基を含有する請求の範囲156記載の組成物。
- 158.前記環状オリゴサッカライドスルフェートがベーターシクロデキストリ ン テトラデカスルフェートである請求の範囲156記載の組成物。
- 159.前記環状オリゴサッカライド誘導体が、アルキル、エステル、エーテル 、チオエステル、チオエーテル、カルボン酸および炭水化物部分からなる群から 選択される置換基を有する該オリゴサッカライドの非イオン性誘導体である請求 の範囲151記載の組成物。
- 160.前記環状オリゴサッカライド誘導体がアルコキシ置換環状オリゴサッカ ライドである請求の範囲151記載の組成物。
- 161.前記アルコキシ置換環状オリゴサッカライドが約10−16個のメトキ シ基を含有する請求の範囲160記載の組成物。
- 162.前記アルコキシ置換環状オリゴサッカライドがテトラデカメトキシ ベ ーターシクロデキストリンである請求の範囲160記載の組成物。
- 163.前記アルコキシ置換環状オリゴサッカライドが約10−16個のプロボ キシ基を含有する請求の範囲160記載の組成物。
- 164.前記アルコキシ置換環状オリゴサッカライドがテトラデカプロボキシ ベーターシクロデキストリンである請求の範囲160記載の組成物。
- 165.前記環状オリゴサッカライド誘導体がイオン性および非イオン性置換基 を含有する請求の範囲160記載の組成物。
- 166.前記レトロウイルスがヒト免疫不全ウイルス−1である請求の範囲15 1記載の組成物。
- 167.前記レトロウイルスがヒト免疫不全ウイルス−2である請求の範囲15 1記載の組成物。
- 168.前記ステロイドがコルチゾン、ヒドロコルチゾン、コルテキソロンまた はテトラヒドロコルチゾールである請求の範囲151記載の組成物。
- 169.前記非ステロイド化合物がインターフェロン−アルファ、インターフェ ロン−ベータまたはインターフェロン−インターフェロンである請求の範囲15 1記載の組成物。
- 170.前記非ステロイド化合物がインターロイキン−1またはインターロイキ ン−2である請求の範囲151記載の組成物。
- 171.前記抗ウイルス剤がヌクレオシド誘導体である請求の範囲151記載の 組成物。
- 172.前記抗ウイルス剤がCD4ペプチドまたはその類似体である請求の範囲 151記載の組成物。
- 173.前記抗ウイルス剤がヒペリシンである請求の範囲151記載の組成物。
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