JP3120989B2 - レトロウイルス感染症処置用の硫酸化ビニルポリマー組成物 - Google Patents

レトロウイルス感染症処置用の硫酸化ビニルポリマー組成物

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JP3120989B2 JP02040895A JP4089590A JP3120989B2 JP 3120989 B2 JP3120989 B2 JP 3120989B2 JP 02040895 A JP02040895 A JP 02040895A JP 4089590 A JP4089590 A JP 4089590A JP 3120989 B2 JP3120989 B2 JP 3120989B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の分野) 本発明はエイズやエイズ関連疾患のようなレトロウイ
ルス感染症を処置するための新規な治療剤に関する。
(従来の技術) エイズまたは後天性免疫不全症候群は、人体中のヘル
パーTリンパ球細胞が枯渇することから起こる汎発流行
性の免疫抑制疾病である。その原因物質は、ヒト免疫不
全ウイルスまたはHIVと呼ばれるレトロウイルスとして
確認されている。現在、そのレトロウイルスの二つの異
なるタイプ(HIV−1とHIV−2)が記載され、両タイプ
は、HIV−1がHIV−2よりも広く波及しているが、エイ
ズまたはエイズ関連疾患を引き起こす。
インビトロでのHIV(通常タイプ1)の増殖を阻害す
る、適当な抗HIV剤や種々の物質や化合物を発見しよう
とする試みがこれまでになされて来た。
示唆された、抗HIV化合物の中で、3′−アジド−
2′,3′−ジデオキシチミジン(アジドチミジンまたは
AZT)は、現在、エイズ患者の処置において臨床的に有
効であることが判明した唯一の化合物である[フィシュ
ル等、ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メデ
ィシン317,185−191(1987)参照]。AZT(その5′−
三リン酸エステル型に転換後)の活性は、明らかに逆転
写酵素、T−リンパ球細胞中のHIV−1の増殖に一役演
じている酵素、の阻害に基づいている。
さらに、デキストラン硫酸、ヘパリンおよびペントサ
ンポリ硫酸エステルのような硫酸化多糖は、インビボ試
験で、HIV−1増殖の高度に強力な選択的インヒビター
である。
伊藤等、アンチバイラル・リサーチ7,361−367(198
7)、馬場等、プロシーディングス・オブ・ナショナル
・アカデミイ・オブ・サイエンス・ユーエスエイ,6132
−6136(1988)および馬場等、アンチバイラル・リサー
,335−343(1988)参照。
これらの硫酸化多糖の活性は、明らかにT−リンパ球
細胞の細胞膜へのウイルス粒子の吸着を阻害することに
基づく。
(発明の課題) この既知事項に加えて、有効なHIV−1インヒビター
として作用する他の物質の化合物が必要である。それゆ
え、本発明は、第一の目的としてそのようなインヒビタ
ーとそれを含む治療用組成物を提供する。
(課題を解決するための手段および発明の効果) 本発明によれば、硫酸化ポリビニルアルコールおよび
(メタ)アクリル酸とビニルアルコールの硫酸化コポリ
マーのような硫酸化ビニルポリマーさらにその薬理学的
に許容されうる塩は、インビボでのHIV−1およびHIV−
2の増殖の高度に強力な選択的インヒビターであるこ
と、また、それゆえそれらはレトロウイルス感染症、例
えばエイズおよびエイズ関連疾患の処置を意図した医薬
組成物に有利に用いられることが判明した。
本発明で用いられる用語「硫酸化ポリビニルアルコー
ル」とは、水性液によく溶解し、且つ直鎖炭化水素(ポ
リビニル)骨格からぶら下がった幾らかの−OH基と多数
の−OSO3H基の存在によって化学的に特徴づけられる、
分子量と重合度の異なっている一群のポリマーである。
これらは、酢酸ビニルまたは他の、水酸基が保護された
ビニルアルコール誘導体を重合し、次いで得られたポリ
マーの水酸基の脱保護化、そして遊離水酸基の硫酸化に
よって合成しうる。硫酸化度は50%と100%との間のい
かなる値をも取りうる。
本発明で用いられる用語「(メタ)アクリル酸とビニ
ルアルコールの硫酸化コポリマー」とは、水性液にかな
り溶解し、且つ直鎖(ポリビニル)炭化水素骨格からぶ
ら下がった幾つかの遊離−OH基と多数の−OSO3H基、同
様に−COOH基と要すればメチル基、の存在によって化学
的に特徴づけられる分子量と重合度の異なっている一群
のポリマーである。これらは、アクリル酸またはメタア
クリル酸またはこの誘導体と水酸基が保護されたビニル
アルコールとの共重合、次いで得られるコポリマーの水
酸基の、さらに要すればカルボキシル基の、脱保護、そ
して遊離水酸基の硫酸化により合成しうる。硫酸化度は
50%と100%との間のいかなる値をも取りうる。
−OSO3H基と−COOH基(存在するならば)は時に薬理
学的に許容されうる塩の形で存在し得、かかる塩は本発
明に用いうる。
本明細書で用いられる用語「硫酸化ビニルポリマー」
とは、硫酸化ポリビニルアルコール、(メタ)アクリル
酸とビニルアルコールの硫酸化コポリマーおよびその薬
理学的に許容されうる塩からなる全群を示す。
かかる硫酸ポリマーは、それらの分子の炭化水素骨格
中に本質的に環状基がないということから、硫酸化多糖
と異なることに注目されるべきである。
硫酸化ビニルポリマーは既知化合物である。硫酸ポリ
ビニルアルコールはチヤルガフ等によりジャーナル・オ
ブ・バイオロジカル・ケミストリー115、160(1936)に
開示され、商業的に入手可能である。(メタ)アクリル
酸とビニルアルコールの硫酸化コポリマーおよびその塩
はEP−A−0093489に開示され、そこでは血液凝固阻止
剤としての使用を意図している。
本発明に到る試験において、硫酸化ビニルポリマー
は、濃度0.8μg/mlで、MT−4細胞中でのHIV−1の細胞
変性およびCEM細胞中でのHIV−1の抗原表現を完全に阻
害することが明らかとなった。これらの化合物はHIV−
2応答に対しほぼ等しく活性を示した。これは重要なこ
とであって、それは、T細胞中のHIV複製から起きるHIV
の細胞変性がかかる細胞の破壊機構の主要のものである
と通常考えられているからである。
さらに、アジドチミジンと比べ、硫酸化ビニルポリマ
ーは、濃度4μg/mlで、非感染T細胞からHIV−1誘発
巨細胞(多核シンシチウム細胞)形成を完全に阻害す
る。これは重要なことであって、それはHIV感染細胞のg
p120表面抗原と非感染細胞のCD4レセプターとの相互作
用から起こる巨細胞形成にT細胞の破壊機構のもう一つ
の可能性があるからである。
巨細胞形成を阻害することで本発明の硫酸化ビニルポ
リマーは、かかる効果を示さないアチドチミジンよりも
明らかに優れている。
さらに本発明の硫酸化ビニルポリマーは、約4μg/ml
の濃度で、HIV粒子のCD4陽性細胞への吸着を完全に阻害
することが明らかとなった。これはHIV複製に対するこ
れらポリマーの強い活性を意味するかも知れない。
本発明の硫酸化ビニルポリマーを硫酸化多糖、例えば
デキストラン硫酸と比較すると、両グループの化合物
は、HIV複製阻害、巨細胞形成阻害およびT細胞へのウ
イルス吸着阻害の能力を有することが示される。それに
もかかわらず、これら両グループの化合物間には、活性
に明らかな相異がある。
巨細胞形成阻害に関する比較試験で、デキストラン硫
酸は100μg/mlの濃度でのみ、巨細胞形成を完全に抑制
し得ることが明らかにされた。かかる濃度は極度に高
く、ヒト血漿中では達成し得ないものである。
一方、本発明の硫酸化ビニルポリマーは4μg/mlの濃
度で巨細胞形成を阻止しうるものであり、この濃度は容
易に達成しうる。
このように、硫酸化ビニルポリマーは、デキストラン
硫酸のような硫酸化多糖よりも明らかに優れている。
レトロウイルス、例えばエイズまたはエイズ関連疾患
処置用の有効成分として本発明の硫酸化ビニルポリマー
を含む医薬組成物は、ヒトへの実施に粉末、分散液、溶
液、噴霧液、乳化液、軟膏またはクリームの形態を取り
うるし、また、局所処理用、鼻腔内、直腸内、ちつ内あ
るいは経口または非経口(静脈内、皮内、筋肉内、気管
内等)投与用に使用されうる。かかる組成物は、硫酸化
ビニルポリマーと薬理学的に許容しうる中性の賦形剤
(例えば水性または非水性溶媒、安定剤、乳化剤、清浄
剤、添加剤)さらに要すれば色素および香料とを結合
(例えば混合、溶解等)することにより調製されうる。
医薬組成物中の活性成分の濃度は、投与の仕方により、
0.1%と100%の間を広く変わりうる。さらに投与される
べき活性成分の用量は体重1kg当り0.1mgと100mgの間を
変わりうる。
硫酸化ビニルポリマーの抗HIV性は以下の実施例によ
り裏付けられるが、これらは限定的に解釈されるべきで
はない。デキストラン硫酸は比較のために用いた。
実施例において、添付図面、第1−3図が参照され
る。
第1図はHIV−1の細胞変性阻害試験結果とウイルス
抗原表現阻害試験結果の概略を示す。
第2図は、巨細胞形成阻害試験の結果をグラフで示し
たものである。
第3図は、HIV吸着阻害試験の結果をグラフで示した
ものである。
実施例に用いたウイルスは、HIV−1とHIV−2であ
る。これらは、HIV−1で持続的に感染したHUT−78細胞
の培養上清液とHIV−2で持続的に感染したCEM細胞の培
養上清液から、それぞれ得た。HIV−1とHIV−2の蓄積
力価は、それぞれ、1ml当り2×105と5×104CCID50(1
CCIDは50%細胞培養感染用量である)であった。
実施例で用いた細胞は、MT−4、CEMおよびMolt−4
(クローンNo.8)細胞であった。MT−4細胞は、I、三
好等によりガン・モノグラフ(Gann Monogr.)28、219
−228(1982)に開示され、HIV細胞変性阻害試験とウイ
ルス吸着阻害試験に用いた。CEM細胞は、ホリイ等によ
りキャンサー18、522−529(1965)に開示され、ウイル
ス抗原表現阻害試験に用いられ、Molt−4(クローンN
o.8)細胞は、菊川等によりジャーナル・オブ・バイオ
ロジー57、1159−1162(1986)に開示され、巨細胞形成
検定に用いた。全ての細胞は、マイコプラズマ陰性であ
った。細胞は、10%加熱不活性化ウシ胎児血清、100U/m
lペニシリンGおよび20μg/mlゲンタマイシンを補ったR
PMI1640培地からなる培養培地中で成育、保存した。こ
のRPMI1640培地は、無機塩、例えばNaCl、NaHCO3、Na2H
PO4等およびグルコース、幾つかのアミノ酸と幾つかの
ビタミンを含んだ標準培地である。
試験化合物として4つの物質を使用した。即ち、 −PAVAS(MW10,000)、分子量10,00で硫酸化度60%のア
クリル酸とビニルアルコール(モノマー比1:9)の硫酸
化コポリマー −PAVAS(MW20,000)、分子量20,000で硫酸化度50%の
アクリル酸とビニルアルコール(モノマー比1:9)の硫
酸化コポリマー −PVAS(MW20,000)、分子量20,000で硫酸化度50%の硫
酸化ポリビニルアルコール −デキストラン硫酸(MW5,000)、分子量5,000で硫酸化
度約67%の硫酸化デキストラン 実施例1 HIV−1の細胞変性阻害 試験化合物は、ME−4細胞中、HIV−1の細胞変性に
対する阻害効果は評価した。方法は、R.ポーウェルス等
により阻害効果を評価した。方法は、R.ポーウエルス等
によりジャーナル・オブ・バイオロジカル・メソッヅ1
6、171−185(1987)に記載されている。
第一系列試験で、MT−4細胞を培養培地中、3×105
細胞/mlに分散し、HIV−1で1,000CCID50/mlに感染させ
た。感染後直ちに、100μ部の細胞分散液を、種々の
濃度の試験化合物を含むミクロタイター トレイのウイ
ルに置いた。37℃で5日間インキュベーション後、各ウ
エル中の生細胞数を、3−(4,5−ジメチル−チアゾー
ル−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウム ブ
ロミドを着色剤として用いる比色検定(MTT法)の手段
により決定した。この比色決定は、ポーウエルス等によ
りジャーナル・オブ・・バイオロジカル・メソッヅ20、
309−321(1988)に記載されている。
第一系列の試験を平行して、模擬感染細胞を用い、種
々の濃度の試験化合物の存在下にインキュベートして第
二系列試験を実施した。対照試験は、試験化合物を存在
させることなく、模擬感染細胞をインキュベートするこ
とにより実施した。
これらの試験結果は、第1図の棒グラフにより示さ
れ、それは各試験における試験化合物の濃度に対する5
日間インキュベーション後のウイルス細胞数(対照試験
における数のパーセントで)をプロットすることにより
得た。黒い棒はウイルス感染細胞での試験を示し、白い
棒は模擬感染細胞での試験を示す。パネルA、Bおよび
Cは、それぞれ、PAVAS(MW10,000)、PAVAS(MW20,00
0)およびPVAS(MW20,000)を用いた試験に関する。
第1図から、三つの試験化合物は、0.80μg/mlの濃度
でウイルス誘発細胞破壊から細胞を完全に保護したと推
測されうる。
三つの試験化合物は、いずれも2500μg/mgまでの濃度
では模擬感染MT−4細胞の生存度を減少させなかった。
従って、各化合物のMT−4細胞に対する50%細胞傷害性
用量(CD50)は2500μg/mlよりも高かった。
実施例2 ウイルス抗原表現の阻害 試験化合物につき、HIV感染CEM細胞におけるウイルス
抗原表現の阻害効果を評価した。CEM細胞を培養培地中
1×105細胞/mlに分散させ、HIV−1により0.04の感染
多重度で感染させた。感染細胞を種々の濃度の試験化合
物の存在下にインキュベートした。4日間のインキュベ
ーション後、ウイルス抗原表現を、プローブとしてポリ
クロナル抗体を用いて、間接免疫蛍光法およびレーザー
細胞間接撮影法により測定した。
これらの試験結果は、第1A、1Bおよび1C図中曲線(●
−●)により示され、これは、各試験における試験化合
物の濃度に対する抗原陽性細胞数(未処理ウイルス感染
細胞数のパーセントで)をプロットすることにより得
た。又、第1A,1Bおよび1C図は、それぞれ、PAVAS(MW1
0,000)、PAVAS(MW20,000)およびPVAS(MW20,000)を
用いた試験に関する。
第1A,1Bおよび1Cの曲線から、三つの試験化合物は、
0.8μg/mlおよびそれよりも高濃度で、CEM細胞における
HIV−1ウイルス抗原表現をほぼ完全に阻害したと思わ
れる。
平行系列の試験の間、試験化合物は、500μg/mlまで
の濃度では模擬感染CEM細胞の生存度を減少させなかっ
た。従って、試験化合物のCEM細胞に対する細胞傷害性
用量(CD50)は500μg/mlよりも高かった。
実施例3 HIV感染細胞変性およびHIV抗原表現の阻害 実施例1および2の試験を、試験ウイルスとしてHIV
−1とHIV−1、および試験細胞としてMT−4とCEM細胞
を包含するよう拡大した。さらに、試験化合物として、
PAVAS(MW10,000)、PAVAS(MW20,000)、PVAS(MW20,0
00)およびデキストラン硫酸(MW5,000)を用いた。
結果は、第1表にED50(50%抗ウイルス有効用量)お
よびCD50(50%細胞傷害性用量)の値で示され、全デー
タは二つの別個実験の平均値である。
第1表から、4つの試験化合物の各有効用量は、細胞
傷害性用量よりもはるかに低いことが判る。さらに、PA
VASとPVASは、MT−4およびCEM細胞中のHIV−2およびH
IV−1複製を同等に阻害することが認められうる。PAVA
SとPVASは、HIV−1に対しデキストラン硫酸よりも少し
活性を示し、HIV−2に対しデキストラン硫酸よりも少
し活性が低い。
実施例4 巨細胞形成の阻害 Molt−4細胞を、種々の濃度の試験化合物を含むミク
ロタイター トレイのウエル中で、同数(5×104)のH
IV−1感染HUT−78細胞と共生培養した。24時間インキ
ュベーション後、細胞群をおだやかにピペットでほぐ
し、巨細胞(多核シンシチウム細胞)の数を顕微鏡で記
録した。対照試験は、試験化合物を存在させないで実験
した。
対照試験では、巨細胞の形成が明らかであった。この
ような巨細胞は、Molt−4細胞を非感染HIV−78と共生
培養した場合は認められなかった。
種々の濃度の試験化合物での試験結果は、第2図にグ
ラフで示され、各試験での各濃度の試験化合物に対す
る、24時間インキュベーション後の巨細胞数(対照試験
での数のパーセントで)をプロットしたものである。
第2図での曲線は、次の通り示される。
●−●PAVAS(MW10,000) ▲−▲PAVAS(MW10,000) ■−■PVAS(MW20,000) ○−○デキストラン硫酸(MW5,000) 第2図から、巨細胞形成は、4μg/mlの濃度でPAVAS
およびPVASにより完全に阻害されたことが明らかであ
る。0.8μg/mlの低濃度ですら、PAVAS(MW10,000)およ
びPAVAS(MW20,000)は巨細胞数とほぼ50%減少させ
た。
一方、これと著しく対照的に、デキストラン硫酸は、
4μg/mlの濃度で巨細胞形成を阻害しなかった。デキス
トラン硫酸は、巨細胞形成を完全に阻害するのに100μg
/mlの濃度を要した。
他の系列の試験で、PAVAS(MW10,000)とPAVAS(MW2
0,000)とPVAS(MW20,000)は、HIV−2によって感染さ
れた巨細胞形成を、HIV−2によって感染された巨細胞
形成阻害に要したと同じ濃度で、阻害した。
このように、PAVASとPVASは、HIV−1およびHIV−2
により誘発される巨細胞形成の有効なインヒビターであ
る。
実施例5 ウイルス吸着の阻害 ウイルス吸着に対する試験化合物の阻害効果を、この
目的のために確立されている、間接免疫蛍光/レイザー
流細胞撮影法によって測定した。
本試験において、MT−4細胞を、試験化合物の存在下
または非存在下に、HIV−1感染HUT−78細胞の上清から
集められたHIV−2ビリオンに暴露した。37℃で30分イ
ンキュベーション後、細胞をリン酸緩衝食塩水で徹底的
に洗い吸着されていないウイルス粒子を除去した。次い
で、細胞を、HIV−1へのポリクロナル抗体を用いる間
接免疫蛍光処理に付し、またレーザー流細胞間接撮影に
より細胞結合HIV−1ビリオンを分析した。対照試験
は、HIV−1ビリオンにさらさないMT−4細胞について
実施した。
結果は第3図の蛍光ヒストグラムで示され、それは、
その強度の対数に対する強度の緑色蛍光に属する相対細
胞数をプロットして得た。
実線ヒストグラムは対照試験でのMT−4細胞の蛍光を
示し、点線ヒストグラムは実際の試験でのMT−4細胞の
蛍光を示す。パネルA,BおよびCは、それぞれ、試験化
合物を用いない試験、デキストラン硫酸(MW5,000)を2
0μg/ml用いた試験およびPAVAS(MW20,000)を4μg/ml
用いた試験を示す。
パネルAから、試験化合物の不存在下では、HIV−1
ビリオンに暴露したMT−4細胞と暴露しなかったMT−4
細胞との間には蛍光特性において明らかに相違すること
が認めうる。事実、HIV−1ビリオンへの暴露は、ヒス
トグラムをより高い蛍光強度に移動させる。
パネルBは、20μg/mlのデキストラン硫酸の存在下で
試験を行なった場合、ヒストグラムが一致することを示
し、これはMT−4細胞をHIV−1ビリオン暴露したとき
としないときとの間に何の相違もないことを意味する。
このことは、HIV−1ビリオンのMT−4細胞への結合が2
0μg/mlのデキストラン硫酸で完全にブロックされたこ
とを意味する。
同様に、パネルCはMT−4細胞へのウイルス吸着は、
4μg/mlのPAVAS(MW20,000)により完全に阻止し得た
ことを示す。
同様の結果は、PAVAS(MW10,000)およびPAVAS(MW2
0,000)によっても達成し得た(データ提示せず)。
【図面の簡単な説明】
第1図はHIV−1の細胞変性阻害試験結果とウイルス抗
原表現阻害試験結果の概略を示すグラフである。 第2図は、巨細胞形成阻害試験の結果をグラフで示した
ものである。 第3図は、HIV吸着阻害試験の結果をグラフで示したも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 サンドル・ジェロル ハンガリー国1107 ブダペスト、ソムフ ァ・コーヅ 13番 (72)発明者 ミクロス・ロー ハンガリー国1078 ブダペスト チェル ハト・ウー 9番 (72)発明者 ミクロス・ナギィ ハンガリー国1113 ブダペスト、ダロー ジィ・ウート 7番 (72)発明者 サンドルネ・ジョルジィ ハンガリー国1022 ブダペスト、アルビ ンツィ・ウート 15番 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 31/795 A61P 31/18 CAPLUS(STN)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性成分として、硫酸化ポリビニルアルコ
    ール、(メタ)アクリル酸とビニルアルコールの硫酸化
    コポリマーおよびそれらの薬理学的に許容されうる塩か
    らなら群から選ばれた硫酸化ビニルポリマーを含有して
    なる、レトロウイルス感染症の処置用の医薬組成物。
  2. 【請求項2】活性成分が、アクリル酸とビニルアルコー
    ルのモノマー比が約1:9の硫酸化コポリマーである、請
    求項(1)の医薬組成物。
  3. 【請求項3】硫酸化コポリマーが、分子量約10,000で硫
    酸化度約60%である、請求項(2)の医薬組成物。
  4. 【請求項4】硫酸化コポリマーが、分子量約20,000で硫
    酸化度約50%である、請求項(2)の医薬組成物。
  5. 【請求項5】活性成分が、分子量約20,000で硫酸化度約
    50%の硫酸化ポリビニルアルコールである、請求項
    (1)の医薬組成物。
  6. 【請求項6】活性成分が、0.1から100%の濃度で存在す
    る、請求項(1)−(5)の医薬組成物。
  7. 【請求項7】組成物が、粉末、懸濁液、溶液、スプレ
    ー、乳化液、軟膏またはクリームの形を有する、請求項
    (1)−(6)の医薬組成物。
  8. 【請求項8】レイロウイルス感染症がエイズまたはエイ
    ズ関連疾患である、請求項(1)−(7)の医薬組成
    物。
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