JPH0450013B2 - - Google Patents

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JPH0450013B2
JPH0450013B2 JP62220352A JP22035287A JPH0450013B2 JP H0450013 B2 JPH0450013 B2 JP H0450013B2 JP 62220352 A JP62220352 A JP 62220352A JP 22035287 A JP22035287 A JP 22035287A JP H0450013 B2 JPH0450013 B2 JP H0450013B2
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JP
Japan
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blood vessel
artificial blood
polyurethane
innermost layer
thickness
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Noriaki Kaneko
Yoshimi Hirata
Masahiro Moriwaki
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、管壁全体が多孔質で、長期開存性を
維持できる最内層を有する人工血管に関する。
[従来の技術] 人工血管は、生体に移植されると、まず血液と
接触する内表面に初期血栓が生じ、この上に細胞
が増殖して新生内膜を形成し、抗血栓性の内膜組
織となる。このように、血管の内壁が生体化して
はじめて人工血管は生体代用物としての役割を果
たす。
このため、かかる内膜が効果的に形成されるよ
うに内表面側の最内層を多孔質としたものがある
(特開昭60−2257)。
しかし、最内層が多孔質であつても、その孔が
相互に独立したものであると、内表面には単なる
凹部が形成されるにすぎない。このため、内表面
と内膜組織や肉芽組織との組織癒合力が低下し、
特に吻合部においては肉芽組織が剥離すると更に
肉芽組織が成長してその過剰形成(パヌス)をひ
き起し、この部分で血管が閉塞する原因となる。
[発明が解決しようとする問題点] 上記のとおり、最内層を単に多孔質構造とした
人工血管では、組織癒合力が弱いことに起因して
長期開存性を維持することができず、内直径6mm
以下、殊に4mm以下の血管としては、実用上使用
できなかつた。
したがつて、本発明は、組織癒合力が高く、パ
ヌス生長や内膜の肥厚を抑制して長期開存性に優
れた人工血管を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明者は、最内層をただ単に多孔質構造とし
たけでは不十分であるという前記事実に着目して
検討を行なつた。
その結果、最内層の構造を、層内の孔が相互に
連通した開放孔構造とすると、内膜組織や肉芽組
織がこの層内へ侵入するため組織癒合力が高まる
という事実を見出した。
しかも、最内層の構造が開放孔構造であつて
も、厚さが少な過ぎると組織癒合力が弱く、前記
の如くパヌス生長による血管の閉塞を生じ、一
方、厚さが厚過ぎると初期血栓や新生内膜が肥厚
して長期開存性を維持することが難しく、内膜内
部すなわち血管外表面側に位置する内膜細胞への
栄養供給が不十分となり、細胞死による内膜剥離
が生ずることもわかつた。
したがつて、これらの知見に基づいて検討を重
ねた結果、最内層を開放孔構造にするとともに、
ある一定範囲の厚さとすることで内膜等の組織結
合力の高い人工血管とすることが可能であること
を見出し、本発明を完成するに到つた。
本発明は、ポリウレタン及び/又はポリウレタ
ンレアの複数層からなり、管壁全体の多孔質の人
工血管において、開放孔構造の最内層を有し、該
開放孔と管壁の外側とは連通しておらず、前記最
内層は、厚さが5μm以上、かつ、管壁の厚さの2/
3以下であつて、該開放孔構造が平均直径が5〜
150μmの球状、卵状又は/及びこれらの変形形状
で、管壁内面へ5〜150μmの平均直径をもつて開
口する空孔を有し、隣接するこれらの空孔相互間
は少なくとも3μm以上の直径を有する穴で連通し
ていることを特徴とする。
本発明の人工血管は複数層からなる管壁全体が
多孔質構造となつている。とりわけ、最内層は、
内膜組織や肉芽組織との結合に与かつて組織癒合
力を左右する部分である。
この最内層は、相互に連通する開放孔からなる
開放孔構造で厚さが5μm以上、かつ、管液の厚さ
の2/3以下であることが必要である。しかし、例
えば、血液の透析用の血管に用いた場合の繰返し
穿刺などの操作にも耐えるためには20μm以上で
あることが好ましい。ここにおいて、例えば内直
径4mmの人工血管で管壁全体の厚さが0.4mmのと
きには、最内層の厚さは10〜200μmの範囲が好ま
しく、より好ましくは20〜100μmが最適である。
また、この最内層は,平均直径が5〜150μmの
球状、卵状又は/及びこれらの変形形状の空孔が
最密充填様に配置されるとともに、管壁内表面に
おいて5〜150μmの平均直径をもつて開口し、隣
接する空孔が少なくとも3μm以上の直径を有する
穴で連通した開放孔構造となつている。
上記空孔及び開口の平均直径は、5〜150μmの
範囲であることが好ましく、これ以下では吻合部
において生体血管から生長してくる肉芽組織を抑
制することができない。
一方、平均直径が150μmを越えると、管壁内表
面での凹凸が大きくなることから、移植後の初期
血栓が多量に生じ、短期閉塞の原因となる不都合
がある。しかも、初期血栓層の厚さと、長期間を
経てその上に生ずる新生内膜の厚さとは、比例関
係にあるため、短期閉塞に至らなくとも長期を経
て内直径が細くなり、ついには閉塞してしまう。
ここにおいて、空孔及び開口等の平均直径と
は、倍率1000倍の走査型電子顕微鏡でランダムに
写真撮影して得られる1.2mm2の視野の中で、各空
孔及び各開口等の最大直径を測定し、同様の操作
を10回行つた平均値をいう。
以上より、この最内層の開放孔構造は実質的に
等方性で、この層を任意の位置で任意の方向に切
断すると、断面は管壁内面と同様の外観を呈す
る。
したがつて、最内層を前記した厚さを有する開
放孔構造とすると、移植後における内膜組織等と
の癒合力が高まり、パヌス生長や内膜組織の肥厚
を抑制して血管の閉塞を長期に亘つて防止するこ
とが可能となる。
また、この層の空隙率(嵩比重/原料の比重)を0.90 〜0.99と極めて高くすると、内膜組織等の侵入生
長を容易にすることができる。
最内層がかかる構造を有する本発明の人工血管
の構成材料としては、血液や組織との適合性に優
れた物質、即ち急性及び慢性の毒性、発熱性、溶
血性を持たず、長期に亘つて移植しても周囲の組
織に炎症を惹起しないポリマーが好ましい。この
ようなポリマーとしては、例えばポリハロゲン化
ビニル、ポリスチレン及びその誘導体、ポリオレ
フイン系重合体、ポリエステル系縮合体、セルロ
ース系高分子、ポリウレタン系高分子、ポリスル
ホン系樹脂、ポリアミド系高分子などが挙げられ
る。勿論これらを相互に含む共重合体や混合物で
もよい。力学的性質や生体内での安定性、更に、
抗血栓性の面から見て、これらの中で好ましいの
は、ポリウレタン系のものである。その具体例と
しては、ポリウレタン、ポリウレタンウレア、こ
れらとシリコーンポリマーとのブレンド物又は相
互侵入網目構造を有するものが挙げられる。ま
た、これらには、セグメント化ポリウレタン又は
ポリウレタンウレア、主鎖中にポリジメチルシロ
キサンを含むもの、ハード、ソフトセグメントに
フツ素を含むものを包含する。生分解を受けにく
いという点で、ポリエーテル型のポリウレタン又
はポリウレタンウレアがポリエステル型よりも好
ましい。
前記ポリウレタン等のポリエーテルセグメント
を構成するポリエーテルとしてはポリテトラメチ
レンオキシドが最も好ましいが、その他のポリア
ルキレンオキシド(但しアルキレンの炭素数は2
及び/又は3)も好ましい。かかるポリアルキレ
ンオキシドの具体例としては、ポリエチレンオキ
シド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシ
ド−プロピレンオキシド共重合体又はブロツク共
重合体が挙げられる。また同一主鎖中にポリテト
ラメチレンオキシドセグメントとポリアルキレン
オキシド(但しアルキレンの炭素数は2及び/又
は3)とを含む親水性と力学的特性とを兼ねそな
えたポリウレタンを用いてもよい。このポリウレ
タンは抗血栓性、生体適合性が群を抜いて優れて
いることから本発明の人工血管の構成材料として
はより好ましいものである。
これらのソフトセグメントを形成するポリエー
テルの分子量は通常400〜3000の範囲であり、好
ましくは450〜2500、更に好ましくは500〜2500の
範囲であり、中でも最も優れたポリエーテルセグ
メントは分子量800〜2500、特に分子量1300〜
2000のポリテトラメチレンオキシド鎖である。こ
のポリエーテルソフトセグメントの分子量が3000
を超えると、ポリウレタン人工血管の機械的性質
が劣悪となり、400未満では人工血管として成形
しても固すぎて使用できない。
ポリウレタンの合成は、両末端水酸基の上述の
ポリエーテルを、4,4′−ジフエニルメタンジイ
ソシアネート、トルイジンジイソシアネート、
4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネートなど公知の
ポリウレタン合成に用いるジイソシアネートと反
応させて末端イソシアネートのプレポリマーをつ
くり、これをエチレンジアミン、プロピレンジア
ミン、テトラメチレンジアミンなどのジアミン
や、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブタンジオールのようなジオールで鎖延長す
る常法を用いて合成してもよい。
また、特願昭60−133195に示された人工血管の
ように、抗凝固剤であるヘパリンを含むポリウレ
タンやポリウレタンウレアで人工血管の全体又は
最内層を形成しても良い。このようにすると、特
に内直径4mm以下の人工血管において初期血栓の
形成を薄くするために有効であり、従つて、長期
間経過後の新生内膜の厚さも薄くすることが可能
である。
更に、上記した人工血管の製造に際し、構成材
料中に、例えばポリエステル、ポリプロピレン、
ポリエチレン、ナイロン及びテフロン等の合成樹
脂製の短繊維を混入してもよい。このようにする
と人工血管としての強度が向上し、特に内膜組織
等との結合に予かる最内層の強度を高める上で有
効である。
[実施例] 以下、実施例を掲げ、添付図面を用いて本発明
を更さらに詳しく説明する。なお、以下において
構成材料の成分について用いる「%」は全て「重
量%」を表す。また、添付図面は管壁断面におけ
る倍率50倍での顕微鏡写真のスケツチ図である。
実施例 1 分子量1500の両末端が水酸基のポリテトラメチ
レングリコールを4,4′−ジフエニルメタンジイ
ソシアネートと反応させて両末端がイソシアネー
ト基のプレポリマーを得た。次いで、該プレポリ
マーにブタンジオールを反応させてポリウレタン
(平均分子量1.2×104)を得た。得られたポリウ
レタンは、テトラヒドロフラン−エタノール系の
混合溶剤中で計3回再沈澱をさせ、精製した。次
いで、精製したポリウレタンを、ジメチルアミド
60%とテトラヒドロフラン40%の混合溶剤に溶解
させて、ポリウレタン濃度が17%の溶液を製造し
た。次いで、直径6mmのオリフイスから該オリフ
イスと同中心になるように設置された外直径4mm
で、表面粗さが平均で0.3μmのクロムメツキされ
たステンレススチール製の棒によつて、上記のよ
うにして得たポリウレタン溶液を、一定速度で押
し出した。かかる操作により、オリフイスとステ
ンレススチール製の棒との間の均一な距離の間隙
から該棒の全周表面に均一な量のポリウレタン溶
液を付着させた。押し出された棒を直ちに35℃の
水中に導き、外部から急激に凝固させた。その
後、そのまま水中で保持して溶剤を除去したの
ち、水中から引き上げ、棒を抜き出し、洗浄し、
約40℃で乾燥し、内直径3.9mm、外直径5.4mmのポ
リウレタンの多孔質管状物を得た。
上記管状物の内側を、上記ポリウレタン溶液で
塗布したのち、ピストン状のスクイーザ等適当な
冶具を用いて余分の溶液を除去し、つぎに溶性で
ん粉(粒径20〜100μmφ)と長さ0.5mm程度のポリ
エステル短繊維を混合分散させたものを内表面に
散布して1分間放置し、毛管現象によつてポリウ
レタン溶液ででん粉の粉体間を充たした後、水中
で凝固脱溶剤した。しかるのち、この管状物を60
℃の温水で3時間処理してでん粉を溶解除去した
後、水洗、乾燥して相互に連通する開放孔構造の
最内層を有する人工血管を得た。
これが本発明の人工血管で、内直径4mm、外直
径5mm、管壁の厚さ0.6mmで、図面に示す如く管
壁全体が多孔質であつた。
本発明の人工血管の最内層の厚さ、開放孔の平
均直径及び開放孔の形状及び大きさは、管状物の
内側に塗布するポリウレタン溶液の濃度とその
量、散布する溶性でん粉の粒径及びその散布量、
並びに散布後の凝固脱溶剤までの時間などにより
適宜決定される。
また、開放孔相互間を連通している穴は、でん
粉粒子の大きさ及び接触状態により適宜決まるも
のであり、散布された溶性でん粉粒子が相互に接
触している場合に、その粒子及び接触している部
分は、ポリウレタン溶液で充たされないために、
でん粉粒子を溶解除去したときに、開放孔間を連
通する小さな穴として形成される。
この人工血管の内側に位置する最内層1は、厚
さが80μmで、空孔による空隙率は97%であつた。
また、この層1は、ポリエステル短繊維がラン
ダムに分布するとともに、微小な空孔が、管壁内
面へ平均直径15〜70μmで開口し、各空孔は繊維
状又は薄板状のポリウレタンで仕切られていた。
そして、断面の観察で、これらの空孔は、3μm以
上の直径を有する穴で相互に連通しており、最内
層1が開放孔構造となつていることが確認され
た。
また、この層内ではすべての位置で同じ構造を
有していた。
前記層1の外側には5〜10μmの厚さの中間層
2が存在し、約1μmの直径の、相互に独立した球
状の閉鎖孔を多数含んでいた。
更に、この中間層2の外側には平均直径が200
〜300μmの巨大な空孔群からなる最外層3が存在
していた。
ここにおいて、この最外層3は、管壁に柔軟性
を付与し、キンキングを防止し、結合組織との結
合に寄与する部分である。
前記空孔群は、少なくとも管壁厚さの1/5以上
の直径を有すると共に、各空孔が層内の径方向全
体に及んでいることが望ましく、外表面側は空孔
の壁膜がそのまま連続して薄く形成されているこ
とが好ましい。
このように、最内層を開放孔構造としたことに
より、内表面における組織癒合力が向上し、人工
血管の断端面における生体血管からのパヌス生長
あるいは人工血管内表面における内膜組織の肥厚
が抑制され、血管の開存性が著しく改善される。
また、管壁全体が多孔質なので人工血管の断端
面において生体血管との接触面積が小さくなるた
めに異物反応刺激が少なくなり、生体血管の治癒
が促進される。
この血管の内腔に牛血を充填し、450mmHgの内
圧を48時間負荷させたが、血漿は全く通過せず、
管壁は不透過性であつた。この実験に使用した血
管を生理食塩水にて洗浄後、グルタールアルデヒ
ドにて固定したものを標本として、断面を金属顕
微鏡にて観察した。その結果、血液は最内層から
管壁内へは侵入していないことが確認できた。
この人工血管の5cmを雑種成犬の腸骨動脈に移
植した。縫合操作はきわめて容易で、針穴からの
出血もなかつた。
この血管は、8ケ月を経てなお開存しており小
口直径の人工血管として極めて優れていた。
12ケ月後に、この血管を摘出したところ、外面
には厚さ約1.5mmの結合組織が被覆しており、人
工血管との癒合が完全で剥離させることはできな
かつた。吻合部内面は滑らかに生体血管とつなが
つており、0.1〜0.2mmの厚さの薄い内膜が完全に
内面をおおい、パヌスや血栓の発生もみられなか
つた。
従つて、開存性に優れていることから、従来の
人工血管と異なり6mm以下の血管にも使用するこ
とができる。
実施例 2 実施例1と同じ方法で内直径5mmのポリウレタ
ンの多孔質チユーブを作成した。
得られた人工血管は内直径5mm、管壁全体の厚
さは0.8mmで、多孔質であつた。
この人工血管の最内層は、厚さが80〜120μm
で、空孔による空隙率は96〜98%であつた。ま
た、前記空孔は、壁面内表面へ平均直径30〜
100μmで開口していた。そして、断面の観察によ
れば、この層内では太さ2〜10μmの繊維状ポリ
ウレタンがからみ合うとともに、ポリエステル短
繊維がランダムに分布し、隣接する空孔が相互に
連通した開放孔構造となつていた。
この層の外側には約80μmの厚さで、内部に1
〜3μmの独立した閉鎖孔を多数含む中間層が存在
し、更に該層の外側には、300〜500μmの平均直
径を有する巨大な空孔をもつ最外層が存在してい
た。
この血管の8cmを雑種成犬の頸動静脈間にバイ
パス移植し、皮下に埋め込んだ。
3週間経過後に外部から、18Gの針を穿刺した
ところ、スムースに人工血管壁を貫通した。この
まま針を4時間留置したのち抜き取つたが、出血
は10秒後完全に止まり、すぐれた止血性を示し
た。
この後引き続き、この血管に対して毎日5回の
穿刺を1ケ月続けたが、血腫も血漿腫も起きず、
血液透析用ブラツドアクセスとして優れた性能を
示した。
3ケ月後にこの血管を摘出し、その状態を観察
した結果、外面の結合組織は強固に人工血管に癒
合していた。また、内面にはパヌスも血栓も存在
しなかつた。
[発明の効果] 本発明の人工血管は、最内層を開放孔構造とす
るとともに、その厚さを5μm以上で、かつ、管壁
の厚さの2/3以下としたので、内表面が単なる凹
部となつている人工血管に比べて組織癒合力が優
れ、パヌス生長や内膜組織の肥厚を抑制可能であ
る。これにより、内直径6mm以下の血管、殊に4
mm以下の人工血管として用いても、すぐれた長期
開存性を発揮する。
【図面の簡単な説明】
添付図面は本発明の一実施例を示す人工血管の
管壁断面における顕微鏡写真のスケツチ図であ
る。 1……最内層、2……中間層、3……最外層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリウレタン及び/又はポリウレタンウレア
    の複数層からなり、管壁全体が多孔質の人工血管
    において、開放孔構造の最内層を有し、該開放孔
    と管壁の外側とは連通しておらず、前記最内層
    は、厚さが5μm以上、かつ、管壁の厚さの2/3以
    下であつて、該開放孔構造が平均直径が5〜
    150μmの球状、卵状又は/及びこれらの変形形状
    で、管壁内面へ5〜150μmの平均直径をもつて開
    口する空孔を有し、隣接するこれらの空孔相互間
    は少なくとも3μm以上の直径を有する穴で連通し
    ていることを特徴とする人工血管。 2 ポリウレタン及び/又はポリウレタンウレア
    の複数層からなり、管壁全体が多孔質の人工血管
    において、開放孔構造の最内層を有し、該開放孔
    と管壁の外側とは連通しておらず、前記最内層
    は、厚さが5μm以上、かつ、管壁の厚さの2/3以
    下であつて、該開放孔構造が平均直径が5〜
    150μmの球状、卵状又は/及びこれらの変形形状
    で、管壁内面へ5〜150μmの平均直径をもつて開
    口する空孔を有し、隣接するこれらの空孔相互間
    は少なくとも3μm以上の直径を有する穴で連通し
    ており、管壁の少なくとも最内層に合成樹脂製の
    短繊維を含むことを特徴とする人工血管。
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