JPS602257A - 新規な人工血管 - Google Patents

新規な人工血管

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JPS602257A
JPS602257A JP58111595A JP11159583A JPS602257A JP S602257 A JPS602257 A JP S602257A JP 58111595 A JP58111595 A JP 58111595A JP 11159583 A JP11159583 A JP 11159583A JP S602257 A JPS602257 A JP S602257A
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JP
Japan
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layer
blood vessel
artificial blood
artificial
thickness
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JP58111595A
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Inventor
吉良 一明
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は人工血管に関する。さらに詳しくは抗血栓性に
優れた血液接触面と生体血管に類似した物理的性質を併
せもった人工血管に関する。
1912年のカーレル(0arrel )らの研究以来
、人工血管に関する多くの研究が行なわれてきている。
現在、管内径約6mm以上の大口径動脈用人工血管とし
て、たとえば米国UEIO工社製のダ々pンの編物であ
るドベイスキー人工血管や米国ボア社製の延伸ポリテト
ラフルオ四エチレンからなるボアテックスなどが臨床に
用いられている。
しかし、臨床に用いて充分な開存性を有する管内径約/
)mmm製溝小口径動脈用人工血管や静脈用人工血管は
存在しない。その理由としてはつぎのことかあげられる
。すなわち、大口径動脈用人工血管は生体に属人後すみ
やかに生体組織によって覆われ、そしてこの組織が安定
に、かつ一定の厚さに維持されることにより人工血管と
しての使命を果している。一方、小口径動脈用人工血管
ではその内径や血液流量が小さいため、管内径に対する
血栓形成の比率が大きくなり易く、また静脈用人工血管
では血液の流速が遅いために血栓が早く、多量に生成し
、管内が生体組織で覆われるまでに血栓により人工血管
が閉塞する、いわゆる初期閉塞を生じ易い。また、管内
が生体組織によって覆われても生体血管と人工血管との
物理的性質の相違により、吻合部に各種のストレスが生
じたりし、血液の流れが変形したりすることに加え、管
内径が小さいことや血液が凝固しゃすいことなどが相剰
的に影響し、覆っている生体組織の厚さを一定に維持で
きなくなり人工血管が閉塞する、いゎゆ墨晩期閉塞が生
じたりする。なお管内が生体組織によって覆われても生
体血管と人工血管との物理的性質の相違により吻合部に
各種のストレスが生じたり、血液の流れが変形したりす
る問題は大口径動脈用人工血管でも発生し、解決がせま
られている問題であるみ すなわち、現在開発されているダタ四ンの編物または延
伸ポリテトラプルオロエチレンナトからなる人工血管は
初期閉塞に大きな影響を持つ血液接触面の抗血栓性を犠
牲にして、逆に血液接触面に形成された血栓からの仮性
内皮形成に重点をおいた有孔性のものであり、かつ物理
的性質が生体血管と大きく異なるため、小口径動脈用人
工血管や静脈用人工血管としては使用できない。
人工血管の物理的強度を生体血管に類似させる試みが米
国特許第4175689号明細書に開示されている。し
かし、その方法では人工血管の血液接触面が大きな凹凸
を有し、血液の流れをみだし、抗血栓性に劣るという欠
点がある。しかもこの方法で作製された人工血管のコン
プライアンスは確かに大きくはなるけれども生体血管の
それと比較するとまだまだ小さいという問題が残ってい
る。
特開昭57−150954号公報にはエラストマーのソ
リッドなゾーンと多孔質のゾーンとを組合せてコンプラ
イアンスをうる方法が提案されている。該公報に記載さ
れている方法はソリッドなゾーン−食塩を含むゾーン−
ソリッドなゾーンを作製し、ついで水などで食塩を溶出
させるという方法であるが、ソリッドなゾーンを通して
食塩が溶出されるとは考えられない。また、独・立的に
ポリマー中に包まれている造孔剤の溶出は困難であり、
これらの方法でエラストマー自体を1〜150μmの多
孔質体にするのは技術的に困難であり、この方法で人工
血管のコンプライアンスを生体血管に合わすことは困難
であると考えられる。
以上のことを踏え、本発明者は小口径動脈用人工血管や
静脈用人工血管などに適用できる優れた人工血管をつる
には初期閉塞と晩期閉塞とを同時に克服する必要があり
、初期閉塞を防止するためには人工血管の血液接触面の
抗血栓性を向上させることが重要であり、晩期閉塞を防
止するためには人工血管の物理的性質、たとえば管の厚
さ、硬度、伸展度およびコンプライアンスなどを生体血
管に類呟させることが重要であるどの考えに到達した。
本発明者は前記のような考えにもとづき初期閉塞と晩期
閉塞とを同時に克服する人工血管をうるため鋭意研究を
重ねた結果、抗血栓性に優れた弾性体材料からなり、血
液と接触する凹凸のある面を有する層(以下、A層とい
う)と弾性体材料からなる1層または複数層の支持層(
以下、B層という)とからなり、A層とB層との間およ
びB層と他のB層との間が部分的に結合し、残りの部分
が空隙として存在する人工血管を用いることにより、前
記諸口的を達成しうろことを見出し、本発明を完成する
に至った。
すなわち本発明ではA層に抗血栓性に優れた弾性体材料
を用い、血液と接触する面を凹凸にすることにより、該
面を抗血栓性に優れた材料を用い、抗血栓性を良好する
滑らかな面にしたばあいに生ずる問題点(人工血管に付
着した血液成分や生体組織が人工血管から剥離されやす
くなり、安定的に生体組織で覆れ難く1また長期間生体
に埋入することにより生ずる偽内膜の人工血管側で剥離
し、生体血管側で付着している、いわゆるパンヌスを形
成するという危険性など)を解消し、血液接触面を覆う
生体組織のアンカーとしての効果を発現させ、抗血栓性
を低下させないという効果かえられる。また人工血管を
A層と弾性体材料からなる1層または複数層のB層とか
ら形成し、A層とB層との問およびB層と他のB層との
間を部分的に結合させ、残りの部分を空隙として存在さ
せることにより、人工血管の物理的性質、とくに晩期閉
塞に強い影響を与えるコンプライアンスを生体血管に類
似させることができ、人工血管の厚さを生体血管の厚さ
とほぼ同一にし、吻合性を良好にする巳とができるとい
う効果かえられる。
本発明に用いるA層は血液と接触する層であり1血液と
接触する面には凹凸が存在する。前記凹凸は、血液の流
れを混乱させたり、血液成分を損傷させないように、血
液接触面全体にわたって実質的に同じ形状で均一に分布
することが望ましい。好ましい凹凸の形状は山の部分と
谷の部分が連続して存在する波状の凹凸である(このば
あいの凹凸の大きさとは波状の門または凸の幅を意味す
る)。さらに好ましくは、血液接触面の形が円形あるい
は楕円形の穴であり(このばあいの凹凸の大きさとは、
血液接触面の穴の形の直径を意味する)、血液接触面全
体にわたり均一に独立して存在することが好ましいが、
穴同士が一部分結合しており連続化していてもよい。穴
とは底を有するくぼみを意味するが、部分的には底のな
い、いわゆる孔であってもよい。
凹凸の大きさは、好ましくは0.5〜10μmであり、
さらに好ましくは0.8〜8μmであり、とくに好まし
くは1〜5μmである。これらの大きさの凹凸番j抗血
栓性を低下させずに、血液接触面を覆う生体組織に対す
るアンカーとしての効果を発揮し、人工血管の長期に渡
る開存性を向上させる。凹凸の大きさが0.5μmより
小さくなるとアーンカーとしての効果が減少し、凹凸の
大きさが、10μmより大きくなると、血液の流れを混
乱させたり、血液成分を損傷し抗血栓性を低下させる傾
向にある。
前記のような凹凸はA層の表面を走査型電子顕微鏡を用
いて観察することにより確認できるが、前記凹凸には人
工血管成形時の異物付着や成型器材の影響などによる部
分的に生じた偶発的な孔や凹凸は含まない。
A層の厚さとしては、好ましくは約5〜5]Dμm1さ
らに好ましくは約10〜200μm1とくに好ましくは
15〜150μmである。A層の厚さが約5μm未満に
なると血液接触面の凹凸が損なわれたり、使用時にA層
の破壊が生じやすくなる傾向にある。また厚さが約30
0μmをこえると強度が強くなりすぎ、コンプライアン
スなどの性質が生体血管に類似しなくなる傾向にある。
なおA層はその内部に微小な孔を有することが望ましい
その孔の形状、大きさにはとくに限定はないが、球状で
あり9、直径約1μm以下の微小な孔であることが好ま
しく、それらの孔はA層の内部に均一に存在することが
好ましい。
本発明に用いるA層を構成する材料としては抗血栓性に
侵れた弾性体材料であればとくに限定されないが、好ま
しい具体例としてはポリウレタン、ポリウレタンウレア
、シリコーンゴム、ポリウレタンやポリウレタンウレア
とシリコーンポリマーとのブレンド物などがあげられる
前記ポリウレタンまたはポリウレタンウレアのなかでは
生体内での耐久性の面からポリエステル型よりもポリエ
ーテル型のポリウレタンまたはポリウレタンウレアの方
が好ましく、さらに好ましい例としてはセグメント化ポ
リウレタ2・やセグメント化ポリウレタンウレアや特開
昭57−211658号公報に開示されている主鎖中G
こボ1ノジメチルシ田キサンを含有するポリウレタンや
ポリウレタンウレアなどがあげられる。とくに好ましい
ものとしては、ポリジメチルシロキサンを次式のような
形状で含有し、 H30H3 →R50すR6− (式中、R□〜R6は炭素数1以上のアルキレン基、好
ましくは炭素数2〜6のエチレン、プルピレン、ブチレ
ン、ヘキサメチレンなどのアルキレン基、aSeは0〜
60の整数、b1山は0または1.0は2以上の整数、
好ましくは5〜150、とくに好ましくは10〜40の
整数をあらオ)す)ポリエーテル部分が+CH2−CH
2−0H2−OH2−0”26〜s。
あるいは+0H2−OH−0−)、6〜20であるポリ
ウレタンまたはポリウレタンウレアである。
本発明に用いるB層は血液と接触せず、人工血管の強度
、耐久性、コンプライアンス、管の厚さなどを調節する
目的でA層の外側に存在する層であり、その厚さとして
は好ましくは約5〜500μm1さらに好ましくは約1
0〜300μm1とくに好ましくは約20〜200μm
である。B層が約5μm未満になると強度が不足したり
、剥離したりする傾向が生じ、約500μmをこえると
強度が強くなりすぎ、生体血管に類似したコンプライア
ンスかえられにくくなる。B層目体は密度の低い構造が
好ましく、内部に微小な孔を均一に有することが望まし
い。その孔の形状、大きさにはとくに限定はないが球状
であり、直径約10μm以下が好ましく、直径約1μm
以下がさらに好ましい。
本発明に用いるB層を構成する材料としては弾性体材料
であればとくに限定しないが、好ましい具体例としては
ポリエーテル型のポリウレタンまたはポリウレタンウレ
アなどがあげられる。
B層を構成する材料とA層を構成する材料とは共通の溶
媒に溶解し、かつ相互に結合するものであれば同一であ
っても異なっていてもよい。
本発明に用いるB層は1層であってもよく、複数層であ
ってもよい。B層の層数は人工血管のコンプライアンス
や管の厚さなどが生体血管のコンプライアンスや管の厚
さなどと類貝するように決定されればよい。
本発明の人工血管はA層とその外側のB層または複数層
のB層とからなり、A層とB層との間およびB層と他の
B層との間は部分的に結合しており、残りの部分は空隙
として存在している。前記の部分的な結合は人工血管全
体にわたって実質的に均質に存在していることが好まし
い。前記空隙の大きさとしては円周方向にはぜましくは
約1〜1000μm1さらに好ましくは約6〜500μ
m1とくに好ましくは約5〜200μm1半径方向には
好ましくは約1〜600μm1さらに好ましくは約2〜
200μm1とくに好ましくは約6〜100μm1そし
て軸方向には好ましくは約1〜10000μm1さらに
好ましくは約3〜1000μm1とくに好ましくは約5
〜500μmである。
前記のような人工血管が望ましい理由はつぎのような理
由による。すなわち弾性体材料からなる人工血管の厚さ
を薄くしていくとある厚さのところでその物理的性質、
とくにコンプライアンスが生体血管のそれに近似すると
ころが存在することが本発明者によって見出されたがそ
の厚さでは生体血管の厚さと大きく異なるため吻合が困
難になる。したがってコンプライアンスが生体血管に近
似する厚さの人工血管よりももつと薄い厚さの管を同心
円柱状に重ね、それらの円柱間を部分的に結合し、他の
部分を空隙として存在させることにより、生体血管と管
の厚さがほぼ同一で吻合しやすく、生体血管のコンプラ
イアンスと類似した人工血管かえられるためである。
本発明の人工血管を補強するために必要に応じてA層と
B層との間、B層と他のB Nとの間、A層の内部、3
層の内部または最外層を構成するB層の外側に補強材を
組込んでもよい。前記補強材に関してとくに限定はない
が、弾性体からなる網状のネットが好ましい。また前記
人工血管と埋入場所の組織との結合を強くするために最
外層を構成するB層の外面に約1〜300/1mの直径
と深さをもつ穴、さらに好ましくは約2〜100μmの
穴、とくに好ましくは約5〜60μmの穴を有している
ことが好ましい0 つぎに本発明の人工血管を図面にもとづいて説明する。
第1図は本発明の人工血管の横断面概略説明図であり、
第2図〜第4図はそれぞれ本発明の人工血管の異なった
実施態様におけるA層の血る。
第1図において(1)はA層、A層の内部には微小な孔
(8)が存在する。(2)はA層の凹凸のある血液接触
面であり、第2図に示すような連続した波状の凹凸面で
もよく、第6図に示すような独立した穴からなる凹凸面
でもよく、第4図に示すような独立した穴が部分的に連
結した穴であってもよい。(8) it E層であり、
この例では2層存在する。B層の内部には微小な孔(9
)が存在する。A層とBNとは結合点(4)で結合して
おり、B層と他のB層とは結合点(6)で互いの層が結
合している。それぞれの層間の結合点は結合が人工血管
全体にわたり実質的に均質になるように存在している。
A層とB層との間には空隙(5)が存在し、B層と他の
B層との間には空隙(γ)が存在している。
本発明の人工血管は前記のような構造を有するため、初
期閉塞および晩期閉塞のいずれをも有効に防止しつる。
本発明の人工血管の製法の一実施態様をつぎに示し、説
明する。
A層を構成するポリマー溶液に表面が滑らかな心棒を浸
漬したのち取出し、心棒上にポリマー溶液を実質的に均
一な厚さにコーティングし、乾燥させ、心棒上に実質的
に均一な厚さのポリマー層を形成させる。前記心棒とし
ては表面が上繰返しても各コーティング層の界面は均一
に結合し、同一層となる。A層を構成させた心棒をつぎ
にB層を構成するポリマー溶液に浸漬し、A層の上にB
層を構成するポリマー溶液を実質的に均一にコーティン
グする。B層を構成するポリマーを溶解している溶媒(
以下、良溶媒という)と相溶性が良好で、かつA層およ
びB層を構成するポリマーを溶解しない溶媒(以下、貧
溶媒という)に心棒を浸漬し、良溶媒と貧溶媒とを置換
させることによりポリマーを析出させる。このとき良溶
媒がA層に浸透してA層の心棒と接する面に凹凸が形成
される。
前記凹凸はつぎに記載する因子の調節によって再現性よ
く任意の大きさ、形状に形成することができる。前記の
凹凸形成に影響を与える因子としては(1)A層の厚さ
、(2)良溶媒の種類、(8)A層が形成されている心
棒をB層を構成するポリマー溶液に浸漬してから貧溶媒
に浸漬するまでの時間、(4)B層を構成するポリマー
溶液の濃度、(5)A層上に点存する貧溶媒の量などが
あげ゛られる。A層を薄<、B層を構成するポリマー溶
液の溶媒としてより良溶媒をえらび、A層が形成されて
いる心棒をB層を構成するポリマー溶液に浸漬してから
貧溶媒に浸漬するまでの時間を長くし、B層を構成する
ポリマー溶液の濃度を低くし、A層上に点在する貧溶媒
の量を少なくするとA層に生じる凹凸は大きくなり、穴
になり、A層とB層との間に存在する空隙は少なく、小
さくなるが、逆のばあいには凹凸が小さくなったり、穴
が消失して連続した波状の凹凸になったりし、A層とB
層との間に存在する空隙は多く、大きくなる。なおその
とき良溶媒の除去にともないA層およびB層内体に微小
な孔が生じる。前記A層とB層との間に存在する空隙は
必要に応じてあらかじめA層上に貧溶媒を点在させるこ
とにより多くすることもできる。
充分に良溶媒と貧溶媒との置換を行なったのち心棒を取
出し、表面に付着する貧溶媒を1紙などで除失し、肉眼
では貧溶媒の存在は観察されないが微視的には貧溶媒が
B層上に点在する状態にする。この心棒をB層を構成す
るポリマー溶液に浸漬し、取出したのち貧溶媒に浸漬し
、良溶媒と貧溶媒との置換によりポリマーを析出させる
。このときB層には良溶媒の除去にともない微小な孔が
生じる。
B層と他のB層との間の貧溶媒が微視的に存在した部分
は空腔となり、貧溶媒の存在しなかつな部分は結合とな
る。前記空隙が形成される理由は明確ではないが存在す
る貧溶媒が障害となり、B層と他のB層との結合が生ぜ
ず、良溶媒と貧溶媒との混合溶媒がその部分に集まり、
結果として空隙が生じると推定される。したがって、心
棒をB層を構成するポリマー溶液に浸漬してから貧溶媒
に浸漬するまでの操作は可能な限り速く行なうことが重
要である。前記操作の時間が長くなるとコーティング層
上に存在した貧溶媒が良溶媒に溶解し、ついで良溶媒に
よるB層の溶解が生じ、B層と他のB層との間に結合が
生じ空隙が形成されなくなる。前記空隙を形成する因子
としては前記の点在する貧溶媒の量および操作時間の他
に良溶媒の種類、B層を形成するポリマー溶液の粘度、
ポリマー濃度または温度などがあげられる。それらの因
子を調整することにより、任意の空隙を含む層を作製す
ることが可能になる。B層を形成させる操作を所望する
B層の数だけ繰返すことによって本発明の人工血管が作
製される。
本発明の人工血管は抗血栓性に優れた血液接触面を有し
、かつ内部に空隙を含む低密度の人工血管であるため生
体血管と類似した厚さ、強度、耐久性、コンプライアン
スなどを有し、縫合時に人工血管の端部がほつれること
もなく、縫合針の貫通性も生体血管に近く、結節も生じ
ない。以上のような長所を有する本発明の人工血管を生
体に埋入したとき、抗血栓性が優れているため血栓形成
が少なく、初期閉塞を生じない。またコンプライアンス
などの物理的性質が生体血管に類似しており、かつ血液
接触面が生体組織で覆われるばあいに血液接触面の凹凸
によるアンカー効果が生じ、長期間にわたり安定して生
体組織に覆われ、優れた開存性を示す。
本発明の人工血管は以上のような特徴を有するため大口
径動脈用人工血管、小口径動脈用人工血管、静脈用人工
血管はもとより、ブラッドアクセスや血管補修用のバッ
チとしても用いることができる。とくに小口径動脈用人
工血管として好適に使用できる。
つぎに本発明の人工血管を実施例にもとづきさらに詳細
に説明する。
実施例1 主鎖中にポリジメチルシロキサンを含有するポリエーテ
ルポリウレタン(特願11i557−72298号明細
書の実施例1記載のポリウレタン)をジオキサン/ N
、N−ジメチルアセトアミドの7/6(容量比)の混合
溶媒ポリマー濃度10%(重量%、以下同様)で溶解し
た。えられた溶液に直径5mmの表面が滑らかなガラス
棒を浸漬したのち取出し、ガラス棒上にポリマー溶液を
実質的に均一な厚さにコーティングしたのち熱風により
溶媒を完全に除去した。この操作を2回繰返し、ガラス
棒上に約70μmの実質的に均一な厚さのポリウレタン
層を形成させた。つぎにこのガラス棒を前記ポリマー溶
液に浸漬したのちただちに取出し、水に浸漬し、溶媒と
水とを置換させてポリマーを析出させた。水を6回交換
し、約2時間かけて充分に溶媒を水で置換させた。
ガラス棒を水から取出し、表面の水を1紙で除来し念の
ち、前記と同じ操作を6回繰返した。
そののち50°0で1日間時々水を交換して溶媒を水で
置換させた。えられたガラス棒上の成形体の両端をナイ
フで切断し、ガラス棒から成形体を抜取り、人工血管を
えた。
えられた人工血管の内径は5mm 、管の厚さは約0 
、5mmであった。人工血管の血液接触面を走査型顕微
鏡を用いて倍率2000倍で観察し、その結果を写真に
とり、その写真のスケッチ図を第その結果を写真にとり
、その写真のスケッチ図を第5図に示した。
第6図からえられた人工血管の血液接触面には穴が実質
的に均一に存在することがわかる。
また第5図からA層には微小な孔が存在し、A層とB層
との間およびB層と他のB層との間には結合および空隙
の存在することがわかる0えられた人工血管の端を縫合
したところ縫合針の貫通力は生体血管並であり、端から
2mmの所に縫合糸を通して引張っても人工血管がちぎ
れることはなかった。またこの人工血管のコンプライア
ンスは大きく、犬の頚動脈に類貝していた。
前記人工血管の長さ卸Omのものを雑犬の頚動脈に、長
さ5cmのものを大腿動脈に埋入し、2力月後に取出し
たところ開存しており、優れた人工血管であることがゎ
がった。
実施例2 実施例1においてガラス棒上に形成した約70μmのポ
リウレタン層の厚さを約4卯mに変更した以外は実権例
1と同様の操作を行ない、人工血管を作製した。
えられた人工血管の性質は実施例1でえられた人工血管
の性質とほぼ同一であった。えられた人工血管の血液接
触面な走査型電子顕微鏡を用いて倍率2000倍で観察
し、その結果を写真にとり、その写真のスケッチ図を第
4図に示した。 4第4図からえられた人工血管の血液
接触面には穴が実質的に均一に存在し、大、の径は実施
例1のばあいよりも大きく、がっ部□公的に連続してい
ることがわがる。
実施例6 実施例1においてガラス棒上に形成した約70μmのポ
リウレタン層の厚さを約80μmにし、ついで前記ぎり
ウレタン層の上に水を点在させた以外は実施例1と同様
の操作を行ない、人工血管を作製した。
えられた人工血管の性質は実施例1でえられた人工血管
の性質とほぼ同一であった。えられた人工血管の血液接
触面を走査型電子顕微鏡を用いて倍率1000倍で観察
し、その結果を写真にとり、その写真のスナツチ図を第
2図に示した。
第2図からえられた人工血管の血液接触面には連続した
波状の凹凸が実質的に均一に存在することがわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の人工血管の横断面概略説明図、第2〜
4図はそれぞれ本発明の人工血管の異なった実施態様に
おけるA層の血液接触面の倍率1000倍、2000倍
および2000倍での走査型電子顕微鏡写真のスケッチ
図、第5図は第6図に示した人工血管(内径5mm 、
管の厚さ約0.5m+n)の横断面の一部分を倍率15
0倍の走査型電子顕微鏡写真にとった写真のスケッチ図
である。 (図面の主要符号) (1) : A層 (2):凹凸のある面 (3) : B 層 (4) (0) :結合点 (5)、(7):空 隙 第1図 、堵’211 ゴj’ ” FjF’JW 、1弓で11シ1 、;i’5(顕

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 抗血栓性に優れた弾性体材料からなり、血液と接触
    する凹凸のある面を有する層と弾性体材料からなる1層
    または複数層の支持層とからなり、凹凸のある面を有す
    る層と支持層との間および支持層と他の支持層との間が
    部分的に結合し、残りの部分が空隙として存在する人工
    血管。
JP58111595A 1983-06-20 1983-06-20 新規な人工血管 Pending JPS602257A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP58111595A JPS602257A (ja) 1983-06-20 1983-06-20 新規な人工血管

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JP58111595A JPS602257A (ja) 1983-06-20 1983-06-20 新規な人工血管

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