JPH0449625Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はカセツトからのフイルム抜取り装置に
関し、特に、110サイズのフイルムの場合、フイ
ルムはその背面側を帯状のフイルム支持紙に面接
支承され、このフイルム支持紙の移動にて、カセ
ツト内を移動するよう構成されており、このカセ
ツト部よりフイルムのフイルム支持紙の分離と同
期してのフイルムの抜取り装置に関する。

（従来の技術） カートリツジ式フイルムは、カセツト内より帯
状のフイルム支持紙をもつて面接支承された撮影
済みフイルムを抜取る折、このフイルム支持紙を
カセツトより引き出すことにより支持紙の移動に
伴つてフイルムをカセツトより容易に抜取ること
ができる。

このフイルムの抜取り手段は、広く採用されて
いたが、その折、帯状のフイルム支持紙を１対の
送りローラ間にくわえ込ませ、少なくとも一方の
送りローラを回転せしめ、フイルム支持紙を移動
せしめることにより、フイルムを支持紙面より剥
離し、フイルムのカセツトからの抜取りを行つて
いた。

（考案が解決しようとする課題） 従来の１対の紙送りローラ間に帯状のフイルム
支持紙をくわえ込ませて、支持紙の移動に伴動す
るフイルムの抜取り手段は、フイルムを損傷せし
めることがない点で優れているも、フイルム支持
紙の端部を１対の紙送りローラ間に供給するため
の手段および移動するフイルム支持紙の所定個所
への送り出しのためには別個の手段が必要とな
り、機構の簡易化という面では解決が求められる
問題点が存在した。

本考案はカセツトの背面側に位置し、カセツト
よりフイルム支持紙を背面側より押し出すための
必須の部材たる押し棒を積極的に再利用して、こ
の押し棒をして、フイルム支持紙の移動のための
一機構として転用し、さらに、フイルム支持紙を
して所定の個所への誘導部材としても活用し、従
来のこの種の装置に内在する問題点を一挙に解決
せしめ得る装置を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） この目的を達成させるために、本考案はつぎの
ような構成としている。

フイルム抜取り装置の所定の位置には、フイル
ムと片面にこのフイルムを面接支承した帯状のフ
イルム支持紙を納めたカセツトがセツトされてい
る。フイルム支持紙側のカセツト背面側には押し
棒が配されている。一方フイルム支持紙面上のフ
イルム側のカセツト正面側には、フイルムガイド
およびフイルム支持紙を反フイルム側のカセツト
背面側より後押してカセツト正面側に亘つて一部
移動した前記押し棒の縁部に外接する位置に紙送
りローラがそれぞれ配置されている。そしてこの
押し棒の外縁部の長手方向には凹条が刻まれ、又
紙送りローラの外周面には環状凸条が隆設され、
押し棒とこれに外接する紙送りローラとは、その
凹条に環状凸条を嵌合せしめて組立てられてい
る。

（作用） 所定の個所にセツトされた撮影済みのフイルム
を収めたカセツトの背面側から押し棒がカセツト
の窓部より挿し込まれて、押し棒の先端は帯状の
フイルム支持紙をカセツト部より押し出しなが
ら、押し棒の一部はカセツトの正面側へと移動す
る。

この押し棒の移動に伴い、フイルムの端部はフ
イルムガイドの先端に付設したフイルム起し爪に
てフイルム支持紙面より剥離し、フイルムガイド
上に案内される。一方、フイルム支持紙は押し棒
の外縁部に沿いつつ押し棒と押し棒の外縁部に接
触状態にある紙送りローラ間に挟持され、その後
この紙送りローラの回転に伴い、フイルム支持紙
はカセツトより次第に引き出される。フイルム支
持紙の移動に伴い、フイルムもフイルムガイドを
案内として、図示省略した巻取り装置へ送られ
る。

（実施例） つぎに本考案に係るフイルム抜取り装置の具体
的実施例を図面を用いて説明する。

第１図はフイルム抜取り装置の側面図で、カセ
ツト１はフイルム抜取り装置の所定個所にセツト
され、撮影済みフイルムＦは帯状のフイルム支持
紙Ｐにて面接支承されて、カセツト１内に納つて
いる。

カセツト１の背面側、より詳しくはカセツト１
のフイルム支持紙Ｐが露出する背面側開口窓部に
位置して円弧状の弯曲形を呈した押し棒３が配置
されている。

一方、カセツト１の正面側には、フイルムガイ
ド５が設置され、フイルムガイド５のカセツト側
の端部にはフイルム起し爪７が付設され、又カセ
ツト１のフイルム引き出し口部にはフイルムのガ
イドローラ９が設置されている。

カセツト１の背面側に位置している押し棒３は
取付軸１１を支点として、セツトされたカセツト
１の正面側へとカセツト１の開口窓より挿し込ま
れ、移動してカセツト１の正面側に一部位置する
押し棒３の外縁部に圧接する位置に自転可能な紙
送りローラ１３が配置されている。

円弧状の押し棒３の外縁部にはその長手方向に
凹条１５が刻まれており、一方紙送りローラ１３
の外周面には連続する環状の凸条１７が隆起し、
押し棒３の外縁部に接するこの紙送りローラ１３
はこれら凹条１５に凸条１７を嵌合せしめること
により、押し棒３と紙送りローラ１３の接触面を
拡大せしめ、かつ両者間のフイルム支持紙Ｐの滑
りの無い強力なくい込み力を助長せしめている
（第２図、第３図参照）。

又、第４図および第５図は紙送りローラ１３の
他の実施例を示すもので、紙送りローラ１３の外
周面に隆設せしめた凸条１７を、特に独立した歯
形突片１８群の連続集合体をもつて構成したもの
で、これによつて押し棒３と紙送りローラ１３に
よるフイルム支持紙Ｐのスリツプのないくわえ込
みは一層強固なものとなる。

更に、第６図および第７図に示したように、紙
送りローラ１３の外周面に、複数本の凸条１７を
備えるようにしても同様な効果を得ることが可能
である。

（考案の効果） 本考案はカセツト内より撮影済みフイルムを抜
取るために、フイルム支持紙が露出位置するカセ
ツトの背面側より、カセツトの開口窓部に押し込
まれる必須部材としての押し棒をして、フイルム
支持紙の移動用部材として転用することにより装
置自体の構成を簡素化でき、又フイルム支持紙の
長い距離を保つての接触によりフイルム支持紙の
振れのない、かつ確実な引き出し、延いてはこれ
によりフイルムの正確な抜取りの実現に結び付け
ることができ、又この押し棒は、帯状のフイルム
支持紙の安定した走行を助け、かつ押し棒と嵌合
状態をもつて接合する紙送りローラとの接触、延
いては強固な咬合によつて、強固なフイルム支持
紙の引き出しが可能となり、これらは全てフイル
ムの円滑な抜取り作業となつて実現する。

又押し棒の弯曲形状、および押し棒の長さの選
択によりフイルム支持紙を連続的に所定の場所に
自由に誘導することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るフイルム抜取り装置の側
面図、第２図は本考案に係る装置の一部の斜視
図、第３図は同正面図、第４図は他の実施例を示
す第２図に相当する図、第５図は第４図の中央縦
断面図、第６図は他の実施例を示す送りローラの
斜視図、第７図は第６図に示す送りローラと押し
棒との噛合時を示す端面図である。 図中、１はカセツト、３は押し棒、５はフイル
ムガイド、７はフイルム起し爪、１３は紙送りロ
ーラ、１５は凹条、１７は凸条、１８は歯形突
片、Ｆはフイルム、Ｐはフイルム支持紙を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 背面側を帯状フイルム支持紙に面接支承され
   たフイルムを納めて、所定の個所にセツトされ
   たカセツトのフイルム支持紙側の背面側には押
   し棒を、一方カセツト正面側にはカセツト側の
   端部にフイルム起し爪を備えたフイルムガイド
   およびフイルム支持紙を背面側より後押して、
   カセツトの正面側に亘つて移動した前記押し棒
   の縁部に外接する位置に紙送りローラを配した
   カセツトからのフイルム抜取り装置。 ２ 前記押し棒の外縁部には押し棒の長手方向に
   凹条が刻まれ、一方紙送りローラの外周面に
   は、この凹条に嵌合する凸条が隆設されている
   請求項１記載のカセツトからのフイルム抜取り
   装置。 ３ 前記紙送りローラ外周面の凸条は環状凸体を
   もつて構成されている請求項２記載のカセツト
   からのフイルム抜取り装置。 ４ 前記紙送りローラ外周面の凸条は独立歯形片
   群の連続集合体をもつて構成されている請求項
   ２記載のカセツトからのフイルム抜取り装置。