JPH0449005B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は送入された微粉炭を高温・高熱負荷の
条件下で燃焼し、周壁に付着させた燃焼灰を溶融
状態にて排出するサイクロン石炭燃焼炉を具設し
たボイラに関するものである。

［従来の技術］ 第５図は従来技術の例である。第５図において
５１はサイクロン石炭燃焼炉、５２はボイラ本
体、５３はアツシユコンテナ、５４はボイラ本体
燃焼室下部灰出し装置、５５はボイラ本体接触部
下部灰出し装置、５６は水封装置、５７はスラグ
排出コンベヤである。送入された微粉炭はボイラ
本体５２の燃焼室の前壁に連通させて具設した横
型サイクロン石炭燃焼炉５１において高温・高熱
負荷の条件下で燃焼し、燃焼ガスの旋回力によつ
て燃焼灰の大部分（80〜90％）を周壁に衝突、付
着させ溶融状態にて下部排出孔から外部に排出
し、冷却したのちアツシユコンテナに貯蔵され
る。サイクロン石炭燃焼炉５１からボイラ本体５
２の燃焼室に送入された高温の可燃性のガスはボ
イラ本体５２の燃焼室内において燃焼を完了した
のち、輻射および接触熱伝達によつてボイラ水と
熱交換を行ない、低温状態でボイラ後部から排出
される。この過程において、ボイラ本体５２内に
送入された燃焼灰の大部分は排ガスとともにボイ
ラ後部から排出されるが、その内の一部はボイラ
本体５２の燃焼室および接触部において落下し堆
積する。これに対処するために従来はボイラ本体
５２の燃焼室底部に灰出し装置５４を配設し、ま
たボイラ本体５２の接触部下部に灰出し装置５５
を配設して、落下した燃焼灰の外部への搬出を行
なつていた。

［発明が解決しようとする問題点］ しかしながら上記従来の、ボイラ本体燃焼室の
前壁に連通させて横型サイクロン石炭燃焼炉を具
設したボイラにおいては、つぎのような不具合を
生じていた。まず横型のサイクロン石炭燃焼炉５
１とボイラ本体５２の燃焼室との連通部が水平で
あるために、サイクロン石炭燃焼炉の周壁に付着
した溶融状態の燃焼灰の一部が、燃焼ガス流によ
つてボイラ本体５２の燃焼室内に流入し、該燃焼
室内において雰囲気温度の低下に伴なつて凝固す
る。これによつて横型のサイクロン石炭燃焼炉５
１とボイラ本体５２の燃焼室との連通部が閉塞す
るほか、ボイラ本体５２の燃焼室下部に流下した
溶融燃焼灰も凝固することにより、ボイラ本体５
２の燃焼室底部に配設された灰出し装置５４の流
入部が閉塞し、ボイラ本体５２の燃焼室底部に燃
焼灰が堆積すると言う不具合を有していた。

［問題点を解決するための手段］ 上記問題点を解決するための手段は、前記特許
請求の範囲に記載のとおり、送入された微粉炭を
高温・高熱負荷の条件下で燃焼し、周壁に付着さ
せた燃焼灰を溶融状態にて排出するサイクロン石
炭燃焼炉を具設したボイラにおいて、ボイラ本体
燃焼室の下部にサイクロン石炭燃焼炉との接続孔
を具設したボイラである。

［作用］ 燃焼室を有するボイラ本体があり、ボイラ本体
の燃焼室の下部に竪型または横型のサイクロン石
炭燃焼炉がある。サイクロン石炭燃焼炉の入口部
には微粉炭送入孔が配設されており、送入された
微粉炭は、サイクロン石炭燃焼炉内で旋回しなが
ら高温・高熱負荷の条件下で燃焼する。燃焼灰は
旋回流によつて周壁に衝突、付着し、溶融状態に
て周壁を降下して排出孔から排出し、冷却された
後外部に排出される。またサイクロン石炭燃焼炉
からボイラ本体燃焼室に送入される可燃性の燃焼
ガス中に含有されている浮遊燃焼灰の一部はボイ
ラ本体燃焼室中を上昇する間に燃焼ガス流速の低
下に伴なつてボイラ本体燃焼室の底部に降下す
る。ボイラ本体燃焼室の底部に降下した燃焼灰の
大部分は、更にボイラ本体とサイクロン石炭燃焼
炉との接続孔からサイクロン石炭燃焼炉内に落下
し、再び燃焼ガスの旋回流によつて周壁に付着
し、溶融状態にて外部に排出されるか、或いはサ
イクロン石炭燃焼炉下部に配設されているスラグ
水封装置中に落下し、冷却されたのち外部に排出
される。したがつて本発明によればサイクロン石
炭燃焼炉で生成された溶融状態の燃焼灰のボイラ
本体燃焼室への流入を防止することによつてサイ
クロン石炭燃焼炉の安定した連続運転を可能に
し、ボイラ本体燃焼室底部の灰出し装置を不要な
らしめるほか、ボイラ本体燃焼室の下部にサイク
ロン石炭燃焼炉を設置することにより、ボイラ設
備全体をコンパクトにし得ると言う効果を有す
る。

［実施例］ 以下に本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１〜２図は本発明に基くボイラ本体燃焼室の
下部にサイクロン石炭燃焼炉を具設した例で、第
１図に竪型サイクロン石炭燃焼炉を使用した場
合、第２図は横型サイクロン石炭燃焼炉を使用し
た場合の例である。第３〜４図は第１〜２図の実
施例に用いるサイクロン石炭燃焼炉の側断面図
で、第３図は竪型サイクロン石炭燃焼炉、第４図
は横型サイクロン石炭燃焼炉である。第１〜４図
において、１はサイクロン石炭燃焼炉、２はボイ
ラ本体、３はボイラ本体接触部下部灰出し装置、
４は水封装置、５はスラグ排出コンベヤ、６は微
粉炭送入孔、７は接続孔である。微粉炭送入孔６
から送入された微粉炭は、ボイラ本体２の燃焼室
下部に具設した竪型または横型のサイクロン石炭
燃焼炉１において旋回しながら高温・高熱負荷の
条件下で燃焼する。燃焼灰の大部分（80〜90％）
は旋回流によつて周壁に衝突、付着し、溶融状態
にて周壁を降下して排出孔から排出し、水封装置
４で冷却された後スラグ排出コンベヤ５によつて
外部に排出される。またサイクロン石炭燃焼炉１
からボイラ本体２の燃焼室に送入される可燃性の
燃焼ガス中に含有されている浮遊燃焼灰の一部は
ボイラ本体２の燃焼室中を上昇する間に燃焼ガス
流速の低下に伴なつて底部に降下し、一部はサイ
クロン石炭燃焼炉１とボイラ本体２の燃焼室との
接続孔７からサイクロン石炭燃焼炉１内に落下
し、燃焼ガスの旋回流によつて周壁に付着し、溶
融状態にて外部に排出され、また一部はサイクロ
ン石炭燃焼炉下部のスラグ水封装置４中に直接落
下し、冷却されたのちスラグ排出コンベヤ５によ
つて外部に排出される。

［発明の効果］ 本発明は上記実施例から明らかなように、送入
孔から噴出した微粉炭を高温・高熱負荷の条件下
で燃焼し、周壁に付着させた燃焼灰を溶融状態に
排出するサイクロン石炭燃焼炉が具設したボイラ
において、ボイラ本体燃焼室下部に竪型または横
型のサイクロン石炭燃焼炉との接触孔を具設する
ことにより、サイクロン石炭燃焼炉で生成された
溶融状態の燃焼灰のボイラ本体燃焼室への流入を
防止することが可能になり、それによつてサイク
ロン石炭燃焼炉を具設したボイラの安定した連続
運転が得られる他、ボイラ本体燃焼室底部の灰出
し装置が不要になると言う利点を有する。またサ
イクロン石炭燃焼炉がボイラ本体燃焼室の下部に
配設されることにより、ボイラ設備全体をコンパ
クトに形成し得ると言く効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１〜２図は本発明に基くボイラ本体燃焼室下
部にサイクロン石炭燃焼炉を具設した例で、第１
図はサイクロン石炭燃焼炉に竪型を使用した場合
の縦断面図、第２図はサイクロン石炭燃焼炉に横
型を使用した場合の横断面図である。第３〜４図
は第１〜２図の実施例に用いるサイクロン石炭燃
焼炉の側断面図で、第３図は竪型サイクロン石炭
燃焼炉、第４図は横型サイクロン石炭燃焼炉であ
る。第５図は従来技術の例である。 １……サイクロン石炭燃焼炉、２……ボイラ本
体、３……ボイラ本体接触部下部灰出し装置、４
……水封装置、５……スラグ排出コンベヤ、６…
…微粉炭送入孔、７……接続孔、５１……サイク
ロン石炭燃焼炉、５２……ボイラ本体、５３……
アツシユコンテナ、５４……ボイラ本体燃焼室下
部灰出し装置、５５……ボイラ本体接触部下部灰
出し装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 微粉炭を高温・高熱負荷の条件下で燃焼し、
   周壁に付着させた燃焼灰を溶融状態にて排出する
   サイクロン石炭燃焼炉を具設したボイラにおい
   て、ボイラ本体燃焼室の下部にサイクロン石炭燃
   焼炉との接続孔を具設したことを特徴とする、サ
   イクロン石炭燃焼炉付ボイラ。