JPH0826976B2 - 燃焼装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （１）発明の目的 ［産業上の利用分野］ 本発明は、燃焼炉中で被燃焼粉体を燃焼して生成した
燃焼ガスと加熱溶融して生成したスラグとを燃焼炉から
スラグ分離室に導入することにより互いに分離する燃焼
装置に関し、特に、燃焼炉からスラグ分離室に向け燃焼
ガスを鉛直方向に案内したのち水平方向に拡張された衝
突床面に対して衝突せしめて燃焼ガスに同伴された微粒
子状スラグを分離したのち衝突床面の拡張方向に向けて
燃焼ガスを排出してなる燃焼装置関するものである。

［従来の技術］ 従来、この種の燃焼装置では、たとえば第４図に示し
た燃焼装置10のごとく、旋回流型燃焼炉20の燃焼室22内
で旋回流に乗った被燃焼粉体の一部を燃焼ならびに加熱
溶融しまたその残部を旋回流に伴なう遠心力によって燃
焼室22の内壁面に付着し燃焼ならびに加熱溶融して燃焼
ガスおよびスラグを生成せしめたのち、微粒子状スラグ
を同伴しつつ排出口26からスラグ分離室30の案内通路32
に向けて放出される燃焼ガスを案内通路32の傾斜衝突面
32Aに衝突せしめることにより、燃焼ガス中に浮遊して
同伴されてきた微粒子状スラグを傾斜衝突面32Aにそっ
て流下するスラグ（“スラグ流”という）に補修せしめ
て分離してなるものが提案されていた（特開平２−3351
3号公報参照）。

［解決すべき問題点］ しかしながら、従来の燃焼装置10では、スラグ分離室
30の案内通路32に形成された傾斜衝突面32Aに対し燃焼
ガスを衝突せしめて燃焼ガスに同伴されてきた微粒子ス
ラグをスラグ流に補集せしめて分離していたので、
（ｉ）微粒子状スラグがスラグ流に補集されても案内通
路32ないしはスラグ分離スペース34内で再び飛散されて
しまい易く、燃焼ガス中に拡散されて排出口35から後続
の装置に向けて排出されてしまい易い欠点があり、この
ため（ii）排出口35の内部あるいは後続の装置の内部に
スラグが付着され蓄積され易い欠点があり、（iii）ス
ラグの除去作業のために運転停止を余儀なくされる欠点
があった。

従来の燃焼装置10では、また、スラグ分離室30のスラ
グ分離スペース34から斜上方に延長された排出口35によ
って燃焼ガスが排出されていたので、（iv）スラグ分離
スペース34内を落下するスラグが飛散され易く、燃焼ガ
スに同伴されて排出口35から後続の装置に向けて排出さ
れ易い欠点もあった。

そこで、本発明は、これらの欠点を除去すべく、燃焼
炉に付設されたスラグ分離室の案内通路を鉛直方向に延
長せしめてスラグ分離スペースの水平方向に拡張された
衝突床面に対して燃焼ガスを衝突せしめることにより燃
焼ガスに同伴されてきた微粒子状スラグを分離したのち
衝突床面の拡張方向に向けてスラグ分離スペースから燃
焼ガスを排出してなる燃焼装置を提供せんとするもので
ある。

（２）発明の構成 ［問題点の解決手段］ 本発明により提供される問題点の解決手段は、 燃焼炉中で被燃粉体を燃焼して生成した燃焼ガスと加
熱溶融して生成したスラグとを燃焼炉からスラグ分離室
に導入することにより互いに分離してなる燃焼装置にお
いて、 （ａ）燃焼炉の下端部からスラグ分離室に向け鉛直方向
に延長されており、燃焼炉の下端部から燃焼ガスおよび
スラグを受け取ってスラグ分離室スペース（34）まで案
内するための案内通路（32）と、 （ｂ）スラグ分離スペース（34）の下端で水平方向に拡
張されており、案内通路（32）によって案内された一次
燃焼ガスが衝突せしめられ、一次燃焼ガスに同伴された
微粒子状スラグを案内通路（32）から予め落下されもし
くは補集されて蓄積されたスラグに補集せしめるための
衝突床面（34A）と、 （ｃ）スラグ分離スペース（34）から後続の装置に向け
て衝突床面（34A）の拡張方向に沿ってほぼ水平に延長
されており、一次燃焼ガスおよびスラグをスラグ分離ス
ペース（34）から二次燃焼炉（40）に排出するための排
出口（35）と、 （ｄ）前記排出口（35）に連なって前記衝突床面の拡張
方向に設けられ、燃焼室（42）と二次燃焼ガス排出口
（47）とを有する二次燃焼炉（40）と、 （ｅ）前記二次燃焼ガス排出口（47）に接続され、二次
燃焼ガスに低温ガスを供給する低温ガス供給管（53）
と、低温ガスが混合された二次燃焼ガスを外部へ排出す
る燃焼ガス排出管（54）とを有する燃焼ガス冷却装置
（50）と、を包有してなることを特徴とするものであ
る。

また請求項２は、請求項１において、前記燃焼ガス冷
却装置（50）は、この装置全体が前記二次燃焼ガス排出
口（35）に接続されてその上方に位置して設けられるも
のであり、前記排出口（47）に下端部が開口接続され、
上端部近傍に前記低温ガス供給管（53）が開口接続する
ケーシング筒体（51）と、このケーシング筒体（51）の
内部に設けられ、ケーシング筒体（51）の内周面との間
に低温ガス案内スペース（51a）を形成しかつ下端部近
傍に低温ガスを流出する開口（52a）が設けられさらに
低温ガスが混合された二次燃焼ガスを外部に排出する排
出管（54）に接続する開口が設けられた筒状ダクト（5
2）と、を備えたことを特徴とするものである。。

請求項３は、請求項２において、前記筒状ダクト（5
2）は、熱伝導性のよい金属材料からなることを特徴と
するものである。

［作用］ 本発明にかかる燃焼装置は、上述の［問題点の解決手
段］に明示したごとく構成されているので、一次燃焼ガ
スをさらに二次燃焼させることによって溶融スラグのフ
ライアッシュ化を促進するとともに、この二次燃焼によ
り新たに生じた溶融スラグを燃焼ガス冷却装置において
冷却することにより、燃焼ガスから分離させることがで
きる。

［実施例］ 次に、本発明にかかる燃焼装置について、その好まし
い実施例を挙げ、添付図面を参照しつつ、具体的に説明
する。しかしながら、以下に説明する実施例は、本発明
の理解を容易化ないし促進化するための記載されるもの
であって、本発明を限定するために記載されるものでは
ない。換言すれば、以下に説明される実施例において開
示される各要素は、本発明の精神ならびに技術的範囲に
属する全ての設計変更ならびに均等物置換を含むもので
ある。

（添付図面の説明） 第１図は、本発明にかかる燃焼装置の一実施例を示す
ためのＩ−Ｉ線にそった縦断面図であって、一次燃焼炉
として旋回流型燃焼炉20が採用された場合を示してい
る。

第２図は、第１図実施例のII−II線にそった横断面図
である。

第３図は、第１図実施例のIII−III線にそった縦断面
図である。

（実施例の構成） まず、第１図ないし第３図を参照しつつ、本発明にか
かる燃焼装置の一実施例について、その構成を詳細に説
明する。ここでは、便宜上、旋回流型燃焼炉20に適用さ
れる場合を例示的に説明するが、本発明は、これに限定
されるものではなく、別種の燃焼炉に適用される場合も
包摂する。

10は、本発明にかかる燃焼装置であって、一次燃焼炉
としての旋回流型燃焼炉20と、旋回流型燃焼炉20の下方
に配設されており旋回流型燃焼炉20によって発生された
燃焼ガス（“一次燃焼ガス”という）とスラグとを互い
に分離するためのスラグ分離室30と、スラグ分離室30の
側方に配設されておりスラグ分離室30においてスラグが
分離された一次燃焼ガス中に残存する可燃成分を燃焼せ
しめて発生された燃焼ガスを一次燃焼ガスともども二次
燃焼ガスとして排出するための二次燃焼炉40と、二次燃
焼炉40の上方に配設されており二次燃焼ガスを冷却して
二次燃焼ガス中に浮遊して同伴されてきた微粒子状スラ
グを付着性のないフライアッシュに変換するための燃焼
ガス冷却装置50とを備えている。燃焼ガス冷却装置50に
よって冷却された二次燃焼ガスは、後続の燃焼ガス処理
装置（たとえば二次燃焼ガスから熱を回収するための熱
回収装置60;以下、この場合について説明する）によっ
て適宜に処理される。

旋回流型燃焼炉20は、炉体21の内部に形成された筒状
（たとえば円筒状あるいは六角筒状以上の多角筒状）の
燃焼室22に対し燃焼用空気（“一次空気”ともいう）を
供給して旋回流を形成するための少なくとも１つ（たと
えば４つ）の空気供給管23と、被燃焼粉体（たとえば乾
燥汚泥粒子，石炭粒子あるいは焼却灰など）を搬送気体
（通常“加温空気”）とともに炉体21内の燃焼室22に供
給するための少なくとも１つ（たとえば４つ）の粉体供
給管24と、炉体21の頂部に配設されており被燃焼粉体の
燃焼を開始せしめるあるいは燃焼室22内の温度が低下し
過ぎたとき加湿するための補助バーナ25と、炉体21の下
端部に形成されており燃焼室22から一次燃焼ガスおよび
スラグを排出するための排出口26とを備えている。

スラグ分離室30は、旋回流型燃焼炉20の排出口26に対
して一端部が開口されかつ炉体31内に鉛直方向に向けて
形成されており旋回流型燃焼炉20の燃焼室22から排出さ
れた一次燃焼ガスおよびスラグを案内するための案内通
路32と、案内通路32の他端部に対して頂部すなわち導入
口33が開口されかつ炉体31内に形成されており一次燃焼
ガスを水平方向に拡張された衝突床面34Aに対して衝突
せしめ一次燃焼ガス中の微粒子状スラグを衝突床面34A
上に予め蓄積されたスラグ（“スラグ流”という）に補
集せしめて互いに分離するためのスラグ分離スペース34
と、スラグ分離スペース34に対して一端部が開口されか
つ他端部が水平方向に延長されたのち後続の二次燃焼炉
40に対して連通されておりスラグ分離スペース34から一
次燃焼ガスおよびスラグ流を排出するよう形成された排
出口35とを備えている。スラグ分離室30は、また、スラ
グ分離スペース34に対して配設されており一次燃焼ガス
の温度が低下し過ぎたとき加温するための少なくとも１
つの補助バーナ36と、スラグ分離スペース34に対して開
口されており一次燃焼ガスの温度が上昇し過ぎたとき冷
却するための冷却ガス（通常“燃焼排ガス”）を供給す
るための少なくとも１つの冷却ガス供給管37とを所望に
より備えている。

二次燃焼炉40は、炉体41の内部に形成された燃焼室42
に対して配設されており燃焼室42内の温度が低下し過ぎ
たとき加温するための補助バーナ43と、スラグ分離スペ
ース34に開口されており燃焼用空気（“二次空気”とも
いう）を供給するための少なくとも１つの空気供給管44
と、燃焼室42の傾斜床面42Aの最下位置に開口されたス
ラグ流出孔45に配置されており傾斜床面42Aによって集
合されたスラグ流を加熱するための補助バーナ46と、燃
焼室42の頂部に開口されており二次燃焼ガスを燃焼ガス
冷却装置50に向けて案内するための燃焼ガス排出口47と
を備えている。燃焼室42とスラグ分離スペース34との間
には、垂直壁48が形成されており、スラグ分離室30にお
いて一次燃焼ガスが効率よく衝突床面34Aに衝突するよ
う配慮されている。

燃焼ガス冷却装置50は、一端部が燃焼ガス排出口47に
連通されおり二次燃焼炉40から二次燃焼ガスを受け取る
ためのケーシング筒体51と、ケーシング筒体51の内部に
配置されており一端部すなわち燃焼ガス排出口47に近接
した部分においてケーシング筒体51の内周面との間に形
成された低温ガス案内スペース51aに対し連通する少な
くとも１つの開口52aを有した熱伝動性のよい金属製の
筒状ダクト52と、ケーシング筒体51の他端部近傍に開口
されており低温ガスを低温ガス案内スペース51aに対し
て供給するための低温ガス供給管53と、筒状ダクト52の
他端部近傍に開口されており冷却された二次燃焼ガスを
外部へ案内するための燃焼ガス排出管54と備えている。
筒状ダクト52は、高温の二次燃焼ガスが直接に接触され
微粒子状スラグが付着されることを回避するために、燃
焼ガス排出口47の内径よりも大きな内径を有しているこ
とが好ましく、また燃焼ガス排出口47の延長軸（ここで
は鉛直軸）に平行する延長軸を有していることが好まし
い。低温ガス供給管53によって低温ガス案内スペース51
aおよび開口52aを介して筒状ダクト52の内部空間52bに
対し供給される低温ガスとしては、150〜250℃程度の温
度を有する排ガス、排スチームもしくは空気などを使用
することが好ましい。

熱回収装置60は、燃焼ガス排出管54の他端部に対して
連通されており1000℃以下の温度に冷却された二次燃焼
ガスを受け取るための装置本体61と、装置本体61から後
続の燃焼ガス処理装置（たとえば脱硫装置；図示せず）
に向けて熱交換済の二次燃焼ガスを排出するための燃焼
ガス排出管62と、装置本体61に対して空気を供給するた
めの空気供給管63と、装置本体61から熱交換済の空気
（すなわち加熱空気）を排出して空気供給管23などに供
給するための空気排出管64とを備えている。

（実施例の作用） さらに、第１図ないし第３図を参照しつつ、本発明に
かかる燃焼装置の一実施例について、その作用を詳細に
説明する。

旋回流型燃焼炉20では、空気供給管23を介し燃焼用空
気（すなわち一次空気）が燃焼室22内に実線矢印A1で示
すごとく供給されており、燃焼室22内でその対称軸の周
囲に実線矢印A2で示すごとく旋回流を形成している。

旋回流型燃焼炉20では、更に、粉体供給管24を介して
加温空気などの搬送気体によって被燃焼粉体が破線矢印
B1で示すごとく燃焼室22の中央部ひいては旋回流（実線
矢印A2参照）に向けて供給されており、旋回流によって
破線矢印B2で示すごとく広範囲に拡散される。

被燃焼粉体は、補助バーナ25によって予め所望の温度
に保持されている燃焼室22内に向け放出することによ
り、燃焼室22の内部空間および内壁面で持続的に燃焼な
いし加熱溶融される。被燃焼粉体は、一部が燃焼に伴な
って一次燃焼ガスとなり、他の一部が加熱溶融に伴なっ
てスラグとなり、別の一部が一次燃焼ガスに浮遊しつつ
同伴され、残部がスラグに補集される。一次燃焼ガス
は、旋回流に乗って、実線矢印A3で示すごとく、排出口
26から排出される。スラグは、一部が旋回流に伴なう遠
心力によって燃焼室22の内壁面に付着されて流下され、
かつ残部が微粒子状となって一次燃焼ガス中に浮遊しつ
つ、破線矢印B3で示すごとく、排出口26から排出され
る。

排出口26から排出された一次燃焼ガスは、スラグ分離
室30の案内通路32を通過してスラグ分離スペース34に放
出された時点で実線矢印A3で示すごとく旋回流を保持し
ているが、漸次に減弱される。

排出口26から排出されたスラグは、大半が案内通路32
の内壁面を流化したのち破線矢印B3で示すごとくスラグ
分離スペース34に落下し、一部が微粒子状となって一次
燃焼ガスに浮遊しつつ排出される。

スラグ分離室30のスラグ分離スペース34では、空気供
給管44から実線矢印C1で示したごとく供給された二次空
気ともども、高温（たとえば1300〜印1500℃）の一次燃
焼ガスが排出口35から実線矢印A4で示すごとく二次燃焼
路40に向けて放出され、スラグが排出口35の下面にそい
つつ二次燃焼炉40に向けて破線矢印B4で示すごとく流出
される。一次燃焼ガスは、その温度が過度に低下した場
合、補助バーナ36によって適宜に加温され、また、その
温度が過度に上昇した場合、冷却ガス供給管37から実線
矢印Ｄで示すごとく冷却ガスを供給して適宜に冷却され
る。

二次燃焼炉40では、一次燃焼ガス中に残存された可燃
成分が補助バーナ43によって燃焼ないし加熱溶融される
ことにより、燃焼ガスおよびスラグとされる。燃焼ガス
は、一次燃焼ガスともども二次燃焼ガスとして燃焼ガス
排出口47から燃焼ガス冷却装置50に向けて放出される。
スラグは微粒子状スラグとして二次燃焼ガスに浮遊しつ
つ同伴されるものを除き、燃焼室42の傾斜床面42Aに落
下されたのち破線矢印B5で示したごとく案内され、スラ
グ流として破線矢印B6で示したごとくスラグ流出孔45か
ら放出される。スラグ流は、付着滞留することを防止す
るために、スラグ流出孔45で補助バーナ46により適宜に
加温される。

燃焼ガス冷却装置50では、低温ガスが、低温ガス供給
管53によって実線矢印E1で示すごとくケーシング筒体51
と筒状ダクト52との間に形成された低温ガス案内スペー
ス51a内に供給されている。低温ガスは、その低温ガス
案内スペース51a内を実線矢印E2で示すごとく、筒状ダ
クト52をスラグ（すなわち溶融ダクト）の固化温度より
低い温度に冷却しつつ燃焼ガス排出口47の方向（すなわ
ち二次燃焼ガスの移動方向に逆行する方向）に向けて移
動され、開口52aから筒状ダクト52の内部空間52bへ放出
される。ちなみに、筒状ダクト52の温度は、スラグの溶
融温度より300℃以上低い温度に保持されていること
が、好ましい。

筒状ダクト52の内部空間52bでは、燃焼ガス排出口47
から実線矢印A5で示すごとく供給された燃焼ガスが、実
線矢印E2で示すごとく供給された低温ガスと短時間で混
合されかつ熱伝導性のよい金属製の筒状ダクト52の内周
面に接触されることにより、1000℃以下の適宜の温度
（好ましくは、スラグの溶融温度より100℃以上低い温
度）まで急速に冷却される。

これにより、二次燃焼ガスに浮流しつつ同伴されてき
た微粒子状スラグが、付着性のないフライアッシュに短
時間で変換され、かつ筒状ダクト52の内周面が低温ガス
によって冷却されているので、筒状ダクト52の内周面に
対して付着されることがない。

筒状ダクト52の内部空間52bで微粒子状スラグがフラ
イアッシュに変換された二次燃焼ガス（冷却燃焼ガスと
もいう）は、燃焼ガス排出管54を介して実線矢印A6で示
すごとく熱回収装置60に与えられ、その装置本体61の内
部空間を通過したのち、燃焼ガス排出管62から後続の装
置に向けて実線矢印A7で示すごとく放出される。このと
き、装置本体61には、空気供給管63から低温空気が実線
矢印F1で示すごとく供給されており、冷却燃焼ガスとの
間で熱交換されたのち、加温空気として空気排出管64か
ら実線矢印F2で示すごとく放出されている。

（３）発明の効果 上述のより明らかなように、 請求項１の発明は、燃焼炉中で被燃焼粉体を燃焼して
生成した燃焼ガスと加熱溶融して生成したスラグとを燃
焼炉からスラグ分離室に導入することにより互いに分離
してなる燃焼装置において、 （ａ）燃焼炉の下端部からスラグ分離室に向け鉛直方向
に延長されており、燃焼炉の下端部から燃焼ガスおよび
スラグを受け取ってスラグ分離スペース（34）まで案内
するための案内通路（32）と、 （ｂ）スラグ分離スペース（34）の下端で水平方向に拡
張されており、案内通路（32）によって案内された一次
燃焼ガスが衝突せしめられ、一次燃焼ガスに同伴された
微粒子状スラグを案内通路（32）から予め落下されもし
くは補集されて蓄積されたスラグに補集せしめるための
衝突床面（34A）と、 （ｃ）スラグ分離スペース（34）から後続の装置に向け
て衝突床面（34A）の拡張方向に沿ってはほぼ水平に延
長されており、一次燃焼ガスおよびスラグをスラグ分離
スペース（34）から二次燃焼炉（40）に排出するための
排出口（35）と、 （ｄ）前記排出口（35）に連なって前記衝突床面の拡張
方向に設けられ、燃焼室（42）と二次燃焼ガス排出口
（47）とを有する二次燃焼炉（40）と、 （ｅ）前記二次燃焼ガス排出口（47）に接続され、二次
燃焼ガスに低温ガスを供給する低温ガス供給管（53）
と、低温ガスが混合された二次燃焼ガスを外部へ排出す
る燃焼ガス排出管（54）とを有する燃焼ガス冷却装置
（50）と、を包有してなることを特徴とするから、 （ｉ）燃焼ガスから分離されたスラグおよび燃焼灰が再
び飛散され燃焼ガスに同伴されて後続の二次燃焼炉の燃
焼室等の装置へ向け排出されてしまうことを抑制でき
る。

（ii）後続の二次燃焼炉の燃焼室等の装置に向けて排出
される燃焼ガスに同伴されるスラグ量を削減することが
できる。

（iii）後続の二次燃焼炉の燃焼室等の装置あるいはこ
れらに連通された排出口に蓄積され付着されたスラグの
除去作業のために運転を停止する頻度を削減できる。

（iv）保守作業を軽減しかつ運転能率を高めることがで
きる。

（ｖ）二次燃焼炉において、一次燃焼ガス中の可燃成分
をさらに燃焼、分解することができる。

（vi）二次燃焼により生じた溶融スラグを燃焼ガス冷却
装置において冷却して燃焼ガスから分離することができ
る。

という効果を得ることができる。

また請求項２においては、前記燃焼ガス冷却装置（5
0）は、この装置全体が前記二次燃焼ガス排出口（35）
に接続されてその上方に位置して設けられるものであ
り、前記排出口（47）に下端部が開口接続され、上端部
近傍に前記低温ガス供給管（53）が開口接続するケーシ
ング筒体（51）と、このケーシング筒体（51）の内部に
設けられ、ケーシング筒体（51）の内周面との間に低温
ガス案内スペース（51a）を形成しかつ下端部近傍に低
温ガスを流出する開口（52a）が設けられさらに低温ガ
スが混合された二次燃焼ガスを外部に排出する排出管
（54）に接続する開口が設けられた筒状ダクト（52）と
を備えているから、二次燃焼ガスを冷却ガスにより冷却
するとともに、冷却状態の筒状ダクトの内面に衝突させ
ることによって、溶融スラグを分離することができる。

さらに請求項３において、筒体ダクトが熱伝導性の良
好な材料により形成されているから、良好な冷却作用を
発揮して、溶融スラグの分離をさらに確実にすることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明にかかる燃焼装置の一実施例を示すため
のＩ−Ｉ線にそった縦断面図、第２図は第１図実施例の
II−II線にそった横断面図、第３図は第１図実施例のII
I−III線にそった縦断面図、第４図は従来例を示すため
の縦断面図である。 10……燃焼装置 20……旋回流型燃焼炉 21……炉体 22……燃焼室 23……空気供給管 24……粉体供給管 25……補助バーナ 26……排出口 30……スラグ分離室 31……炉体 32……案内通路 33……導入口 34……スラグ分離スペース 34A……衝突床面 35……排出口 36……補助バーナ 37……冷却ガス供給管 40……二次燃焼炉 41……炉体 42……燃焼室 42A……傾斜床面 43……補助バーナ 44……空気供給管 45……スラグ流出孔 46……補助バーナ 47……燃焼ガス排出口 48……垂直壁 50……燃焼ガス冷却装置 51……ケーシング筒体 51a……低温ガス案内スペース 52……筒状ダクト 52a……開口 52b……内部空間 53……低温ガス供給管 54……燃焼ガス排出管 60……熱回収装置 61……装置本体 62……燃焼ガス排出管 63……空気供給管 64……空気排出管

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】燃焼炉中で被燃焼粉体を燃焼して生成した
   燃焼ガスと加熱溶融して生成したスラグとを燃焼炉から
   スラグ分離室に導入することにより互いに分離してなる
   燃焼装置において、 （ａ）燃焼炉の下端部からスラグ分離室に向け鉛直方向
   に延長されており、燃焼炉の下端部から燃焼ガスおよび
   スラグを受け取ってスラグ分離スペース（34）まで案内
   するための案内通路（32）と、 （ｂ）スラグ分離スペース（34）の下端で水平方向に拡
   張されており、案内通路（32）によって案内された一次
   燃焼ガスが衝突せしめられ、一次燃焼ガスに同伴された
   微粒子状スラグを案内通路（32）から予め落下されもし
   くは補集されて蓄積されたスラグに補集せしめるための
   衝突床面（34A）と、 （ｃ）スラグ分離スペース（34）から後続の装置に向け
   て衝突床面（34A）の拡張方向に沿ってほぼ水平に延長
   されており、一次燃焼ガスおよびスラグをスラグ分離ス
   ペース（34）から二次燃焼炉（40）に排出するための排
   出口（35）と、 （ｄ）前記排出口（35）に連なって前記衝突床面の拡張
   方向に設けられ、燃焼室（42）と二次燃焼ガス排出口
   （47）とを有する二次燃焼炉（40）と、 （ｅ）前記二次燃焼ガス排出口（47）に接続され、二次
   燃焼ガスに低温ガスを供給する低温ガス供給管（53）
   と、低温ガスが混合された二次燃焼ガスを外部へ排出す
   る燃焼ガス排出管（54）とを有する燃焼ガス冷却装置
   （50）と、を包有してなることを特徴とする燃焼装置。
2. 【請求項２】前記燃焼ガス冷却装置（50）は、この装置
   全体が前記二次燃焼ガス排出口（35）に接続されてその
   上方に位置して設けられるものであり、前記排出口（4
   7）に下端部が開口接続され、上端部近傍に前記低温ガ
   ス供給管（53）が開口接続するケーシング筒体（51）
   と、このケーシング筒体（51）の内部に設けられ、ケー
   シング筒体（51）の内周面との間に低温ガス案内スペー
   ス（51a）を形成しかつ下端部近傍に低温ガスを流出す
   る開口（52a）が設けられさらに低温ガスが混合された
   二次燃焼ガスを外部に排出する排出管（54）に接続する
   開口が設けられた筒状ダクト（52）と、を備えた請求項
   １の燃焼装置。
3. 【請求項３】前記筒状ダクト（52）は、熱伝導性のよい
   金属材料からなる請求項２の燃焼装置。