JPH044775Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はパチンコ機の入賞玉遅動装置に係り、
打玉捕捉ゲートに入つた打玉を上下往復運動の玉
受片により受け、該玉受片が下降位置付近まで移
動する間は打玉を玉受片から流下させず、下降位
置付近に於いてのみ流出口に向う流下を生じさせ
る遅動を生じさせる利用分野をもつものである。

（従来の技術） パチンコ機において、打玉流下速度を遅動させ
る装置は極く多数類が提案されているが、上下動
する前下がり傾斜の玉受片と、打玉捕捉ゲートと
流出口の間に設けた前面板とによつて遅動させる
構成を具体化したものはない。

（考案が解決しようとする問題点） 打玉捕捉ゲートに入つた打玉を遅動させて流出
口から流出するタイミングを、上下の往復運動を
行う玉受片が下降位置付近にあるときをほぼ一定
にすることとし、往復運動をはじめ玉受片により
受止められるさまざまな時間と、玉受片の下降位
置に戻る間の不定の時間を加算したタイミングに
できるものである。

（問題点を解決するための手段） 基板に設けた打玉捕捉ゲート２の下方に流出口
７を設け、前記ゲート２と流出口７との間の前面
に、打玉ａを通す間隔を持たせた前面板８を設
け、該前面板８の裏面に、前縁を該裏面板の捕捉
打玉案内面との間隔を打玉の直径以下にすると共
に、前記ゲートに入つた打玉を受ける上昇位置
と前記流出口上側の下降位置の間を往復移動す
る前下がり傾斜の玉受片１４を設置し、前面板８
の裏面には前記下降位置の上側と下側間に玉受
片１４により受けられた打玉ａを該片１４の前縁
１４ａから転がり出させて落下させる前窪み２０
を形成してなり、玉受片１４により受けられて該
片の下降位置付近に運ばれた打玉ａを前記流出
口７に向つて流下させるようにしたことを特徴と
するものである。

（作用） 本考案は前下がりの玉受片１４が下降位置か
ら上昇しはじめたあと、上昇位置を経て下降位
置に停止するまでの間に、打玉捕捉ゲート２か
ら入つた打玉を玉受片１４が下降位置に戻るま
では流出させず下降位置に戻る前後に玉受片１
４の前下がり構造と、前面板８の裏面の窪み２０
とにより前記打玉ａを前記前縁１４ａから流出口
７に向つて流下させる構成になり、玉受片１４が
下降位置で停止しているときも、上昇及び下降の
往復運動をしているときも、上昇位置を基準に
し流出口７に流れるまでのタイミングを同一と
し、それより前は、玉受片１４が往復移動中どの
位置にあるときでも、その位置と下降位置との
間に要するを加算したタイミングの遅動時間を取
ることができるようにするにある。

（実施例） 添付図面は本考案の好適な一実施例を示すもの
で、第１、２図に示すように基板１の前面の、可
動片対３の軸４による軸支部分間に打玉捕捉ゲー
ト２を設け、そのゲートには下方に長い案内溝５
を基板１に設け、さらに基板の前面に前記のゲー
ト２に入つた打玉を案内する凵形の案内片６を設
け、該片６の下端後側に合致させて基板１に流出
口７を設ける。この流出口７は案内片６の下端に
することもできる。打玉捕捉ゲート２と流出口７
の間には打玉を通す間隔を生じさせた前面板８を
基板１によつて支持する。

基板１の裏面には、第３図に示すように打玉捕
捉ゲート２と流出口７の両側に該当する位置に縦
方向の二条平行の案内条９，９を突出して各案内
条９の突出縁間に裏板１を固定し、その中央部に
円孔１１を設ける。また、案内条９，９と裏板１
０との間に第６図により図示した連動片１２を上
下動自由に嵌め、該片１２に水平接触面１３を形
成すると共に、案内溝５から基板１の前面に突出
する前下がり傾斜の玉受片１４を形成する。裏板
１０の裏面には減速モータ１５を取付け、該モー
タの出力軸に欠部１７を設けた円板１６と、円孔
１１内で回転するカム円板１８とを取付け、カム
円板１８に前記した連動片１２の水平接触面１３
の下方から接触する偏心ピン１９（第６図参照）
を基板１の前面に突出する。モータ１５は通常の
とき欠部１７及び偏心ピン１９を第３、４図のと
おりに下方にして停止するもので、その停止は、
裏板１０の裏面に取付けた停止スイツチS_w1のア
クチエータが回転している円板１６の欠部１７を
探り当てて第３図のとおりに嵌まり込むことによ
り生ずる。裏板１０の裏面には偏心ピン１９と前
記欠部１７が180°回転して上方になつたとき、ア
クチエータを欠部１７に嵌まり込ませる一時回転
停止スイツチS_w2を取付ける。

水平接触面１３を偏心ピン１９上に接触する連
動片１２は、モータ１５が停止しているとき第１
図に示した下降位置に停止し、モータ１５の起
動によりカム円板１８が180°回転したときは第２
図の上昇位置となるものであつて、下降位置
付近までは前縁１４ａ（第９図）と前面板８の裏
面の突条９によつて、前記ゲート２に入つて玉受
片１４により受止めた入賞打玉を玉受片１４の前
下がり傾斜によつて流出させることなく保持する
ようにされており、前面板８には、玉受片１４の
前記下降位置の付近で、受止めた打玉を自動的
に前面に転がすためにその裏面に前窪みを形成す
るもので、縦方向に長い透孔２０はその一例をな
し、該孔２０は打玉ａの直径以下とし、上始端を
下降位置の玉受片１４より少し上方にする。

流出口７には、流出する入賞打玉のアクチエー
タ接触によりオン作動してモータ１５を起動する
起動スイツチS_w3を取付ける。

本実施例の作用を説明する。

モータ１５は普通状態では停止している。偏心
ピン１９により水平接触面１３を支えられた連動
片１２は、玉受片１４を第９図に示した下降位置
にして停止する。

モータ１５の停止の間に入つた打玉ａは、前記
のとおりに下降位置に停止した玉受片１４に落
下し、該片の前下がりの傾斜を滑り、一部を透孔
２０内に入れて前縁１４ａの前で流下し、流出口
７に流れて起動スイツチS_w3をオンにする。この
ためモータ１５が起動し、円板１６とカム円板１
８を回転させるため、連動片１２は偏心ピン１９
により水平接触面１３を押上げられ、玉受片１４
を上昇位置の方向に移動し、偏心ピン１９等が
上方になり玉受片１４が第７図の上昇位置にな
つたとき、既述のように一時停止スイツチS_w2が
作動し、モータ１５は一時停止のあと、数秒間を
経てから同方向に回転し、玉受片１４の下降方向
に移動させる。かくして円板１６が一回転すると
欠部１７に停止スイツチS_w1のアクチエータを嵌
めてモータ１５を停止し、玉受片１４を再び下降
位置に停止する。

モータ１５が起動しはじめて玉受片１４が少な
くとも第８図の位置まで上昇したあとで打玉捕捉
ゲート２に入つて入賞玉となつた打玉ａは、その
すべてが玉受片１４により受止められ、前面板８
の裏面（案内条９があればそれ）により持上が
り、該片１４が上昇位置を経て下降に転じたと
きも依然として同じであり、そのときは第８図状
態を経て第９図のとおりに下降位置に戻る。打
玉ａは玉受片１４が透孔２０の上端を過ぎた下降
終期に該玉受片１４を前方に滑り出る準備を行
い、玉受片１４が下降位置に達すると同時、又
は直前に打玉ａが前縁１４ａで流下を生じ、その
打玉ａが起動スイツチS_w3を作動する前に円板１
６の欠部１７に停止スイツチS_w1のアクチエータ
が入り、該スイツチS_w1を作動させてモータ１５
を停止する。そのタイミングより遅動して流出口
７で起動スイツチS_w3が打玉ａにより作動し、こ
こで改めてモータ１５を起動する。即ち起動スイ
ツチS_w3が作動してから停止スイツチS_w1を作動さ
せて、モータ１５を停止させてしまうような誤動
作を防止できる。

（考案の効果） 本考案は前記の説明によりあきらかにしたよう
に、打玉捕捉ゲート２とその下方の流出口７の間
で往復移動する玉受片１４により、前記ゲート２
から入る入賞打玉ａを受け、玉受片１４が下降位
置で停止しているときも、上下の往復移動を生
じているときも、下降位置が流出口７までのタ
イミングに下降位置までの不特定な往復移動時間
を加算したタイミングを遅動時間にできる、従来
にない効果を生じさせ得る。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案の一実施例を示し、第１図は
正面図、第２図は前面板８を取除いて示した正面
図、第３図は裏面図、第４図は第１図中心部縦断
側面図、第５図は円板１６の裏正面図、第６図は
連動片１２の斜視図、第７〜９図は本考案の遅動
作用を順を追つて示した側断面図である。 ａ……打玉、……下降位置、……上昇位
置、２……打玉捕捉ゲート、７……流出口、８…
…前面板、９……案内条、１０……裏板、１２…
…連動片、１３……水平接触面、１４……玉受
片、１４ａ……前縁、１５……減速モータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基板に設けた打玉捕捉ゲートの下方に流出口を
   設け、前記ゲートと流出口との間の前面に、打玉
   を通す間隔を持たせた前面板を設け、該前面板の
   裏面に、前縁を該裏面板の捕捉打玉案内面との間
   隔を打玉の直径以下にすると共に、前記ゲートに
   入つた打玉を受ける上昇位置と前記流出口上側の
   下降位置の間を往復する前下がり傾斜の玉受片を
   設置し、前面板の裏面には前記下降位置の上側と
   下側間に玉受片により受けられた打玉を該片の前
   縁から転がり出させて落下させる前窪みを形成し
   てなり、玉受片により受けられて該片の下降位置
   付近に運ばれた打玉を前記流出口に向つて流下さ
   せるようにしたことを特徴とするパチンコ機の入
   賞玉遅動装置。