JPH0447553Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、風呂付き給湯器の雑水混入防止装置
に関し、特には、風呂への給湯に上水供給圧を利
用することにより風呂付き給湯器の構成の簡素
化、小型化及びコストダウンを図れるとともに、
設置の自由度を高められるようにした風呂付き給
湯器の雑水混入防止装置に関するものである。

（従来の技術） 一般に、風呂付き給湯器では、例えば第３図あ
るいは第４図に示すように、風呂側回路１の雑水
が上水側回路２に混入しないようにするために雑
水混入防止装置としてのホツパータンク３が設け
られる。

（考案が解決しようとする課題） 従来の雑水防止装置では、ホツパータンク３か
ら風呂への給湯に上水側の給水圧を利用すること
ができないので、例えば第３図に示すように、風
呂側回路１にホツパータンク３から浴槽４に湯を
汲み出す落込み用ポンプ５を設けたり、第４図に
示すように、ホツパータンク３を浴槽４よりも高
位置に配置したりしている。また、第３図に示す
従来例では、前記ポンプ５やホツパータンク３に
上水側回路２から受ける水量とホツパータンク３
から浴槽４へ汲み出す水量とのバランスを取るた
めにホツパータンク３の上流側と下流側とに設け
た電磁弁６，７を制御するための図示しない制御
回路が必要となり、構成が複雑でコストダウンを
図る上で不利である。第４図に示す従来例では、
構成は簡単であるが、ホツパータンク３の設置の
自由度が大きく制限されている。更に、これらの
従来例に共通する問題として、ホツパータンク３
には相当な容量が必要とされるので、設置スペー
スが大型になるとともに、その設置位置にも風呂
の位置やポンプの能力等によつて種々の制限が加
えられるという問題がある。

本考案は、前記の事情を考慮してなされたもの
であつて、風呂への給湯に上水供給圧を利用する
ことにより風呂付き給湯器の構成の簡素化、小型
化及びコストダウンを図れるとともに、設置の自
由度を高められるようにした風呂付き給湯器の雑
水混入防止装置を提供することを目的とするもの
である。

（課題を解決するための手段） 本考案に係る風呂付き給湯器の雑水混入防止装
置は、前記の目的を達成するために、下流側から
上流側への逆流を防止する１対の逆止弁を風呂給
湯路の上流側と下流側とに直列に介在させ、両逆
止弁の間に上流側の逆止弁と開閉が逆になるよう
に連動させた大気開放弁を設けたことことを特徴
としている。

（作用） 上記の構成によれば、風呂給湯時には両逆止弁
は共に上水側の供給圧、即ち、水道等の供給圧に
よつて開弁され、大気開放弁が閉弁されるので、
風呂側に水道等の供給圧を利用して給湯すること
ができ、ホツパータンク、ホツパータンク内の水
位調整機構、落込み用のポンプ、雑水混入防止装
置への水量の出し入れや落込み用ポンプの運転を
制御するための制御回路が不要になる。従つて、
これらを省略して風呂付き給湯器の構成の簡素
化、小型化及びコストダウンを図れる。また、水
道等の供給圧を利用して浴槽への給湯ができるの
で、浴槽と雑水混入防止装置、更には上水側回路
との位置関係が特に制限されなくなり、設置の自
由度を大幅に高めることができる。

尚、上水側からの給湯が停止された場合には上
流側の逆止弁を開弁させる水圧がなくなるので、
上流側の逆止弁が閉弁され、また、風呂側回路の
水がオーバーフローする場合には雑水混入防止装
置の上流側の水圧が雑水混入防止装置の下流側の
水圧以下になるので、上流側及び下流側の両逆止
弁が閉弁され、上流側の逆止弁に連動して大気開
放弁が開弁されてオーバーフロー水が大気開放弁
から外部に排水されることになり、風呂側から上
水側への雑水の混入が確実に防止される。

（実施例） 以下、本考案を図例に基づき具体的に説明す
る。

第１図は本考案の一実施例に係る風呂付き給湯
器の雑水混入防止装置の縦断面図であり、第２図
はその風呂付き給湯器の概略構成図である。図に
おいて、１は風呂給湯路の風呂側回路、２は上水
側回路、４は浴槽、８は風呂給湯電磁弁、９はド
レン路、１０は雑水混入防止装置、１１はそのケ
ーシングである。１２は風呂給湯路に直列に配し
た上流側逆止弁、１３は下流側逆止弁である。１
４は大気開放弁、１５は連動用フラツパである。

前記上流用逆止弁１２は、上流側に連通する弁
孔１２ａと、上流側に弁孔１２ａを介して連通さ
れ、かつ、大気開放弁１４の弁室１４ａと一連に
形成された弁室１２ｂと、弁室１２ｂ内に配置さ
れ、弁孔１２ａを開閉する弁部材１２ｃと、弁部
材１２ｃを閉弁付勢する閉弁バネ１２ｄとで構成
される。また、前記下流側逆止弁１３は大気開放
弁１４の弁室１４ａに連通する弁孔１３ａと、弁
孔１３ａを介して大気連通弁１４の弁室１４ａに
連通するとともに下流側に連通する弁室１３ｂ
と、弁室１３ｂ内に配置され、弁孔１３ｂを開閉
する弁部材１３ｃと、弁部材１３ｃを閉弁付勢す
る閉弁バネ１３ｄとで構成される。更に、前記大
気開放弁１４は弁室１４ａと、弁室１４ａをドレ
ン路９に連通させる弁孔１４ｂと、弁室１４ａ内
に配置され、弁孔１４ｂを開閉する弁部材１４ｃ
と、弁部材１４ｃを開弁方向に付勢する開弁バネ
１４ｄとを備えている。前記フラツパ１５は上流
側逆止弁１２の弁室１２ｂと大気開放弁１４の弁
室１４ａとにわたつてシーソー揺動可能にケーシ
ング１１に支持され、その逆止弁１２側の端部に
は閉弁バネ１２ｄを受け止め、大気開放弁１４側
の端部には開弁バネ１４ｄを受け止めている。

上記の構成において、風呂給湯弁８が開弁さ
れ、上流側、即ち、上水側回路２から水道等の供
給圧で弁孔１２ａを通つて弁室１２ａに給湯され
ると、給湯の動圧によつて、一方では上流側逆止
弁１２の弁部材１２ｃが開弁され、他方では、閉
弁バネ１２ｄ及びフラツパ１５を介して開弁バネ
１４ｄを圧縮させて大気開放弁１４が閉弁され
る。そして、弁室１２ａ，１４ａに流入した給湯
の動圧によつて下流側逆止弁１３が開放され、上
流側と下流側とが連通されることになる。上流側
の供給圧が所定値を下回り、あるいは、風呂給湯
弁８が閉弁されて弁孔１２ａの上流側の水圧が所
定値を下回ると、弁室１２ｂの内圧との差圧、開
弁バネ１４ｄの弾性復元力及び閉弁バネ１２ｄの
弾性復元力によつて逆止弁１２が閉弁されてバキ
ユームブレーカ機能が発揮されるとともに大気開
放弁１４が開弁されてオーバーフロー機能が発揮
される。そして、大気開放弁１４の弁室１４ａの
内圧が逆止弁１３の弁室１３ｂの内圧と閉弁バネ
１３ｄの弾性復元力との合力以下になると逆止弁
１３も閉じられる。

このようにして、ホツパータンク３を使用せず
に、風呂給湯時に雑水混入防止装置１０内で上流
側と下流側とを直接連通させるので、上水側回路
の水道等の供給圧を利用して浴槽４に給湯するこ
とができる。従つて、ホツパータンク３、ホツパ
ータンク３内の水位調整機構、落込み用ポンプ
５、雑水混入防止装置への水量の出し入れや落込
み用ポンプの運転を制御するための制御回路等を
省略して風呂付き給湯器の構成の簡素化、小型化
及びコストダウンを図れる。また、浴槽４と雑水
混入防止装置１０、更には上水側回路との位置関
係が特に制限されることがなく、設置の自由度が
大幅に高められることになる。

（考案の効果） 以上のように、本考案によれば、上水側回路の
水道等の供給圧を利用して浴槽に給湯することが
できるので、ホツパータンク、ホツパータンク内
の水位調整機構、落込み用ポンプ、雑水混入防止
装置への水量の出し入れや落込み用ポンプの運転
を制御するための制御回路等を省略して風呂付き
給湯器の構成の簡素化、小型化及びコストダウン
を図れる。また、浴槽と雑水混入防止装置、更に
は上水側回路との位置関係が特に制限されなくな
るので、設置の自由度が大幅に高められる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る風呂付き給湯
器の雑水混入防止装置の縦断面であり、第２図は
その風呂付き給湯器の概略構成図である。第３
図，第４図は従来例を示す概略構成図である。 １……風呂側回路、２……上水側回路、１２…
…上流側逆止弁、１３……下流側逆止弁、１４…
…大気開放弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下流側から上流側への逆流を防止する１対の逆
   止弁を風呂給湯路の上流側と下流側とに直列に介
   在させ、両逆止弁の間に上流側の逆止弁と開閉が
   逆になるように連動させた大気開放弁を設けたこ
   とを特徴とする風呂付き給湯器の雑水混入防止装
   置。