JPH0447084Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ペースト状内容物を収納した絞り
出しチユーブの口栓に関する。

〔従来の技術〕

ペースト状内容物が揮発性成分を含んでいた
り、膨脹し易い物質である場合、内圧が増加して
チユーブの変形や破裂などが生じる場合がある。
そのため、チユーブの口部に通気性を有する薄い
合成樹脂から成る口栓を嵌めておき、この口栓を
透過したガスがキヤツプの隙間を通つて外気に放
出されるようにする手段が提案されている。

〔考案の課題〕

しかしながら、上記のような口栓は、常時ガス
を透過させるため、内容物が過度に乾燥して固形
化したり、香気成分が失われるなどの問題があ
る。

そこで、この考案の課題は、内圧上昇時のみガ
スを逃がすことができるような口栓を提供するこ
とである。

〔課題の解決手段〕

上記の課題を解決するため、この考案において
は、チユーブ本体の口部に挿入する筒状部材の一
部周方向に通気性を有する薄膜部を設け、前記筒
状部材の内面に摺動自在のピストンを取り付け、
このピストンをチユーブ本体に対して前記薄膜部
を常時閉じる位置にバネで偏向させ、内圧増加に
よつて前記バネに抗して前記ピストンを移動さ
せ、前記薄膜部をチユーブ本体に対して開放する
ようにしたのである。

〔作用〕

内圧上昇によつてピストンが移動し、通気性を
有する薄膜部をチユーブ本体に開放するため、ガ
スが放出され、内圧が下がるとバネがピストンを
押して薄膜部をチユーブ本体に対して閉じるので
ガスが放散しない。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて
説明する。

第１図及び第２図に示すように、口栓１は、筒
状部材２と、その内部に摺動自在に収納されたピ
ストン１０より成り、前記筒状部材２の外周の一
部は薄膜部３となつており、通気性を持たせてあ
る。

前記ピストン１０には、第３図に示すように、
一体のバネ板１１が設けられており、第１図、第
２図に示すように、バネ板１１の先端が、筒状部
材２の頂壁４の内面に当接し、ピストン１０を下
方に偏向させている。そして、筒状部材２の内面
に設けたストツパ５がピストン１０を受け止め、
薄膜部３を筒状部材２の開口６に対して遮断する
位置にピストン１０を保持している。

なお、前記薄膜部３の周囲に、半径方向の切欠
き８を有する鍔７を設けておくのがよく、また筒
状部材２の頂壁４に、孔９を設けておくことがで
きる。さらに、第４図に示すように、ピストン１
０に、開口６の方向に狭くなるテーパ孔１２を設
けておいてもよい。

上記のような口栓１の使用例を説明する。第５
図に示すように、まずチユーブ２０に内容物Ａを
充填し、口栓１の筒状部材２をその鍔７がチユー
ブ１０の口部２１に当接するまで押し込む。この
とき接着剤を塗付しておいてもよい。

上記のように、内容物Ａの充填直後は、内圧が
高いため、ピストン１０は第５図のようにバネ板
１１に抗して上方に押圧されている。従つて通気
性を有する薄膜部３は、チユーブ２０の内部に対
して開放され、内部のガスは、薄膜部３を通つ
て、口部２１にねじ嵌合されたキヤツプ２２の隙
間から外気に放出される。そして、内圧が下がる
と、第６図に示すように、バネ板１１によつてピ
ストン１０が押し下げられ、通気性を有する薄膜
部３はチユーブ２０の内部に対して閉塞される。
この状態で、内容物Ａの揮発成分が蒸発したり、
内容物Ａが膨脹したり、内圧が上昇すると、前述
と同様の動作で、内圧を逃がすことができる。

なお、口栓１の頂壁４に設けた孔９を封緘する
シール２３は、口栓１に予め固着しておいてもよ
いが、口栓１をチユーブ２０の口部２１に嵌め合
せた後に固着してもよい。

チユーブ２０の使用後には、口栓１を取り付け
たまゝでもよく、その場合には第４図のように、
ピストン１０にテーパ孔１２を設けておく。ま
た、内容物Ａの種類やチユーブ２０の形態によつ
ては、口栓１を取り外して使用してもよい。

〔効果〕

この考案によれば、以上のように、チユーブの
口栓内部に、内圧に応動するピストンを設け、こ
のピストンによつて口栓に設けた通気性薄膜部を
開閉するようにしたので、過度の揮発成分の放散
によつて内容物が固化したり、香気成分が失われ
るようなことがない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の口栓の一実施例を示す縦断
面図、第２図は同上の縦断斜視図、第３図は同上
のピストンを示す斜視図、第４図は口栓の他の実
施例を示す縦断面図、第５図及び第６図は口栓の
動作を示すためのチユーブの縦断面図である。 １……口栓、２……筒状部材、３……薄膜部、
４……頂壁、５……ストツパ、６……開口、７…
…鍔、８……切欠き、９……孔、１０……ピスト
ン、１１……バネ板、１２……テーパ孔、２０…
…チユーブ、２１……口部、２２……キヤツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. チユーブ本体の口部に挿入する筒状部材の一部
   周方向に、通気性を有する薄膜部を設け、前記筒
   状部材の内面に摺動自在のピストンを取り付け、
   このピストンをチユーブ本体内部に対して前記薄
   膜部を常時閉じる位置にバネで偏向させ、チユー
   ブ本体内部の内圧増加によつて前記バネに抗して
   前記ピストンを移動させ、前記薄膜部をチユーブ
   本体内部に対して開放するようにした絞り出しチ
   ユーブの口栓。