JPH0446736Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は歯科材料を含む医薬的または準医薬的
液体を所望の位置に正確に吐出するための点滴器
具、とくに虫歯検知液を歯牙窩洞に適用したり、
シーラントを小窩裂溝に適用するのに適した点滴
器具に関するものである。

（従来の技術） 従来から医療分野、特に歯科分野で種々の薬液
を点滴状に取出すための器具が用いられている。
たとえば従来から用いられている虫歯検知液を歯
牙に適用するための器具は第４図に示すように、
薬液を収容するためのプラスチツク製の可撓性容
器１、プラスチツク製のキヤツプ３および該キヤ
ツプに取りつけられた細長いノズル部材２から構
成されている。上記キヤツプ３は容器１とは一体
に成形してもよい。

（考案が解決しようとする問題点） 上記点滴器具においては、容器１の圧縮を解放
した場合にノズルからの薬液を流出が速かに止ま
つて、ノズル内の薬液を容器１内に戻す必要があ
るが、第４図に示す点滴器具においてはキヤツプ
３の先端に設けた管状流路４に嵌装されるノズル
部材２の拡径部の内孔先端が円錐形状であるた
め、キヤツプの管状流路にノズル部材を嵌装した
ときに、Ｂに示すようにノズル部材の拡径部の内
孔先端部と管状流路の先端との間で空隙が形成さ
れ、ノズル内の薬液は該空隙に滞溜する。上記空
隙に滞留する薬液は点滴器具を使用するときに毛
細管現象によりノズルから流出して付近を汚染し
たり、また容器と圧縮と圧縮の解放を繰り返すう
ちに薬液、特に粘性を有する薬液の場合には薬液
中に気泡をまき込むなどの問題があつた。

したがつて、本考案の目的はノズル部材をキヤ
ツプに接続したときに該ノズル部材の拡径部に形
成された内孔とキヤツプの管状流路先端との間に
薬液の滞留する空隙のない点滴器具を提供するこ
とである。

（問題点を解決するための手段） 本考案の点滴器具は、上端に開口を有する直円
筒状の小径部を一体に設けた可撓性の薬液容器
と、該直円筒状の小径部に螺嵌されて容器内部の
薬液を点滴状に取り出すノズル部材からなる点滴
器具であつて、該ノズル部材は、薬液容器に一体
に設けられた直円筒状の小径部が螺嵌される直円
状の内孔の先端に平坦な上壁を形成した拡径部
と、該拡径部の先端に該直円状の内孔に連通する
よう接続されたノズルからなり、該薬液容器の直
円筒状の小径部にノズル部材の拡径部を螺嵌させ
たときに、該直円筒状の小径部の先端が拡径部の
直円状の内孔の平坦な上壁に当接するよう構成し
たことを特徴とする点滴器具である。

（実施例） 次に本考案の点滴器具の一実施例を図面にて説
明する。第１図は本考案の点滴器具の断面図であ
り、該点滴器具は可撓性の筒状容器１及びノズル
部材２で構成されている。筒状容器１はポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の可撓
性を有する樹脂からなり、通常内部に収容される
液体が外から見える程度の透明性を有しているこ
とが好ましい。一方光重合型のシーラントでは着
色された樹脂などで遮光した容器を用いる必要が
ある。また第１図に示すように容器の壁面は薄い
均一な厚みを有しており、容器内に収容された液
体は容器の向かい合つた壁面を手で圧縮すること
により容器の上端に設けられた開口から押し出す
ことができる。該容器の断面は通常円形を有して
おり、その上部に外壁面にねじを有する小径部が
設けられている。

上記容器には、第２図に示すように先端に管状
流路４を有するキヤツプ３を螺嵌してもよい。そ
の場合には後述のノズル部材２は管状流路４に嵌
装される。キヤツプ２は容器１と一体に成形して
もよい。したがつて本考案の薬液容器とはキヤツ
プを接続した容器も含まれることは容易に理解さ
れるであろう。ノズル部材２は上記容器の上端部
に設けたねじを有する直円筒状の小径部が螺嵌さ
れる、上壁が平坦で、かつ側壁にねじを設けた直
円状の内孔を有する拡径部５と、該拡径部の先端
に、該内孔に開口するノズル６（虫歯検知液では
内径0.1〜１mm程度）を有している。該ノズル６
を適度な弾性と塑性変形のある樹脂（例えばポリ
エチレン、ポリプロピレン等）で形成するとノズ
ルを任意の位置で折り曲げて使用できる。このた
め口腔内において種々の歯牙部位に薬液を適用で
き、しかも繰り返し種々の位置で折り曲げて使用
できるという利点がある。

上記ノズル部材２を可撓性の容器に取り付けた
ときに、第１図のＡで示すように容器の直円筒状
の小径部の先端をノズル部材の直円状内孔の上壁
の平坦部に当接させると、ノズル部材と容器との
間には薬液が滞留する空隙がないため容器の圧縮
を解放した場合に、ノズル内の薬液を全て容器内
に戻すことができる。

第２図は容器１の先端小径部に管状流路４を有
するキヤツプ３を螺嵌し、該キヤツプの管状流路
にノズル部材２を螺嵌した例である。

第３図は本考案の点滴器具をペンか鉛筆を持つ
ように手に保持したときの斜視図で、容器１の下
部にホルダ７を取り付けている。ホルダ７は使用
者の親指と人差指との間に置かれるに十分な長さ
を有しており、容器１を親指と人差指でつまんで
持つことができる。使用時には可撓性の容器１の
両壁面を圧縮すると容器内の薬液は必要量だけノ
ズル６から正確に所定の位置に注入される。容器
の圧縮を解放すると、薬液の流出は速かに止ま
り、ノズル中に残存する液は容器１内にもどる。

（考案の効果） 本考案の点滴器具は以上のように構成されるこ
とにより、点滴器具を使用しないときにはノズル
中に残存する薬液が速かに容器内に戻るという効
果がある。

本考案は上記のような効果を有するため、医療
用、特に虫歯検知液、シーラント、ボンデイング
液、エツチング剤、各種の歯料用前処理剤を歯牙
に点滴状に適用する点滴器具として用いられる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の点滴器具の断面図
であり、第３図は使用状態を示す斜視図であり第
４図は従来の点滴器具の断面図である。 １……薬液容器、２……ノズル部材、３……キ
ヤツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上端に開口を有する直円筒状の小径部を一体に
   設けた可撓性の薬液容器と、該直円筒状の小径部
   に螺嵌されて容器内部の薬液を点滴状に取り出す
   ノズル部材からなる点滴器具であつて、該ノズル
   部材は、薬液容器に一体に設けられた直円筒状の
   小径部が螺嵌される直円状の内孔の先端に平坦な
   上壁を形成した拡径部と、該拡径部の先端に該直
   円状の内孔に連通するよう接続されたノズルから
   なり、該薬液容器の直円筒状の小径部にノズル部
   材の拡径部を螺嵌させたときに、該直円筒状の小
   径部の先端が拡径部の直円状の内孔の平坦な上壁
   に当接するよう構成したことを特徴とする点滴器
   具。