JPH0446444Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案は、シヤワー、スチームサウナ、バ
ス、トイレ用の各ユニツトルーム、あるいはこれ
らの複合機能を備えたユニツトルームなどを対象
にしたユニツトルームに関する。

〔背景技術〕

たとえば、シヤワーユニツトルームとかバスユ
ニツトルームには、一面が開口している箱形に形
成された上・下２つのユニツトを接合してなつて
いるものがある。これら各ユニツトはFRP材料
を用いてそれぞれ型により一体成形されるように
なつている。

ところで、上記ユニツトルーム内には、タオル
や多少の衣類を掛けておいたり、あるいはそれら
を予備として収納しておいたりするのが便利であ
るが、従来のユニツトルームには、これらの収納
手段がなく、出入り扉の内面にタオル掛けが設け
られていた程度に過ぎなかつた。このものは、室
内に露出したタオル掛けにタオルが掛けられるよ
うになつていたので、入浴したあとでタオルを使
用しようとすると、シヤワーなどにより濡れてい
て不都合であつた。

〔考案の目的〕

前記事情に鑑みて、この考案は、必要な物品を
収納できて必要な時に室内において簡単に使用す
ることができるようにした収納手段を配したユニ
ツトルームを提供することを目的とする。

〔考案の開示〕

前記目的を達成するため、この考案は、ユニツ
ト本体が合成樹脂材料により箱形に形成され、か
つ、同本体の箱形を形成する側壁の複数個所に現
場に合わせて選ばれる出口となるセツト口が形成
されており、これらのうち選択されたセツト口に
出入り戸が配置されるようになつているユニツト
ルームであつて、前記出入り戸が配置されるセツ
ト口以外のセツト口に偏平な箱体が底を室内に向
けて扉状に開閉自在に取り付けられて、この箱体
が収納手段として利用されるようになつているこ
とを特徴とするユニツトルームを要旨とする。

以下に、この考案を、その実施例をあらわした
図面を参照しつつ詳しく説明する。

第１図ないし第９図は、この考案にかかるユニ
ツトルームがシヤワールームである場合の一実施
例をあらわしている。このシヤワールームは、こ
れらの図にみるように、下ユニツト１０と上ユニ
ツト１１をユニツト本体として備えている。これ
ら上・下ユニツト１１，１０は、いずれもFRP
材料を用いて、一面が開口した箱形に形成されて
いるとともに、これらユニツト１１，１０は前記
各開口を合わせるようにして接合されている。前
記下ユニツト１０は、底壁１２と４面の側壁１３
……を一体に備えているとともに、前記側壁１３
……の上端部にはフランジ１５が突設されてい
て、その内側開口が開口部１４となつている。こ
の下ユニツト１０の４面全ての側壁１３……は、
同ユニツト１０が上方外開き状となるように１〜
1.5°程度の抜け勾配を有する。これら下部側壁１
３……のうち１面を除く３面は、出入り扉装置３
０を取付けるための開口（出入り口）４０が開け
られる可能性のある側壁であり、これら３面の側
壁１３……には、第３図にみるような開口４０が
開けられる可能性のある部分とそれ以外の部分と
の間にそれぞれ段差が設けられ、これらの段差で
囲まれた内側の空間が、室内側からみて凹状のセ
ツト口５……とされている。

前記各セツト口５……を形成する段差部により
第１の突隆部１６と第２の突隆部１８が形成され
ている。前記第１の突隆部１６は、下端部の第１
水平突出壁１６ａとその左右両端部から立ち上が
り状となつている第１垂直突出壁１６ｂ，１６ｂ
により上端が開口したＵ字形に形成されている。
前記第１水平突出壁１６ａは、上方外開き状の勾
配をもつ側壁１３から外向きに略水平に突出し、
第１垂直突出壁１６ｂ，１６ｂは、側壁１３に直
交しかつ垂直な面を形成するように同じく外向き
に突出している。前記第１突隆部１６の外側端部
には、枠状の取付け壁１７が垂直な面内に位置す
るように形成されている。この取付け壁１７は垂
直であるので、勾配をもつ側壁１３との間に形成
された第１垂直突出壁１６ｂは、縦方向に細長い
台形の面とされている。前記第２突隆部１８は、
第２水平突出壁１８ａとその左右両端から立ち上
がり状となつている第２垂直突出壁１８ｂ，１８
ｂを備えている。前記第２水平突出壁１８ａは、
取付け壁１７から外向きに略水平に、また第２垂
直突出壁１８ｂは取付け壁１７から外向きに直角
となるように突出している。前記第２垂直突出壁
１８ｂは、取付け壁１７側が垂直であり閉止壁１
８ｃ側が勾配をもつので前記第１垂直突出壁１６
ｂと同様に細長い台形状の壁面とされ、その向き
は、第１垂直突出壁１６ｂが上方に向けて次第に
細くなつているのとは逆に下方に向けて次第に細
くなつている。前記第２突隆部１８の外側端部
は、前記側壁１３に平行な傾斜状となつており、
この外側端部の形成する面内には、側壁１３と同
じ角度の抜け勾配をもつた閉止壁１８ｃが一体に
形成されている。なお、前記下ユニツト１０内に
は、上方からみて略三角形をした台座部８と給湯
給水台９が一体に形成されているとともに、腰掛
け用の台座部８の上側に上部すのこ２０が、また
前記底壁１２の上側に下部すのこ１９が設置され
ている。

上ユニツト１１も下ユニツト１０とほぼ同様に
形成されていて、第６図にみるように、天井壁２
１と４面の上部側壁２２……を備えているととも
に、下端開口部の外周囲に上部フランジ２５を備
えている。前記側壁２２……のうちの３面には、
第１突隆部２６と第２突隆部２８が設けられてい
る。前記第１突隆部２６は、内部からみて上方に
突出した弓形の第１曲がり突出壁２６ａと、その
左右両端部から下向きに延びたようになつている
第１垂直突出壁２６ｂ，２６ｂからなつている。
第１垂直突出壁２６ｂと第２垂直突出壁２８ｂ間
には垂直面状の取付け壁２７が形成されている。
第２突隆部２８は、下ユニツト１０側と同様に第
２水平突出壁２８ａと第２垂直突出壁２８ｂと閉
止壁２８ｃによりなつている。これら第１突隆部
２６と第２突隆部２８の内側の凹みがセツト口５
……となつている。

両ユニツト１０，１１は上・下フランジ２５，
１５を介して接合されることにより、各側壁１３
……、２２……には、上下に連続したセツト口５
……が形成されるようになつているとともに、垂
直突出壁１６ｂ，２６ｂと取付け壁１７，２７が
ともに垂直面状に、また閉止壁１８ｃ，２８ｃが
側壁１３，２２と同様に側方からみてくの字状に
形成されるようになつている。上下に連続する閉
止壁１８ｃ，２８ｃのうちユーザーの要望により
出入り扉装置３０の取付け指定のあつた個所は、
前記接合後（または接合前）に切り除かれて、そ
の切り除かれた個所のセツト口５が、外端部を開
口４０とする貫通状に形成されるようになつてい
る。この切り除きは、前記３面のうちユーザーの
要望する１面に対してのみなされるが、必要に応
じて２面以上に対してなされることもある。な
お、３面のうち台座部８、給湯給水台９の上方に
対応するセツト口５，５は出入り扉を嵌め込むた
めの切り除きはなされないが後述する収納装置を
セツトするセツト口の中には含まれている。前記
１面の切り除きによりあとに残された２面の閉止
壁１８ｃ，２８ｃは一体のままとされる。これに
よつて、ユニツト本体は、上下にわたる１つの開
口４０を有し他の個所が閉止されたままのユニツ
トとされ、そののち、前記開口４０を有するセツ
ト口５内に出入り扉装置３０が取付けられる。前
記出入り扉装置３０は、第７図にみるように、サ
ツシ製の扉取付け枠３１と同取付け枠３１内に嵌
め込まれてヒンジ３５により開閉自在とされた出
入り扉３３によつて構成されている。前記扉取付
け枠３１は、その内側端部が、抜け勾配をもつ側
壁１３にではなく垂直な取付け壁１７（または２
７）にシールパツキン３２，３２を介して密着す
るとともに、外側寄りの外周縁部が第２突隆部２
８内に嵌入するように固定されている。なお、扉
取付け枠３１の外側端の開口は出入り口３４にな
つている。

ところで、前記３面のうち、開口４０に対向す
るセツト口５内には、第１図、第２図、および第
８図、第９図にみるように、収納装置５０……が
取付けられている。この収納装置５０……は、開
口４０を除く４個所のセツト口５……のうち２以
上に対して配備してもよい。各収納装置５０は、
上下に連続するセツト口５のうち外側の第２突隆
部２８内に嵌まり込むような本体５１を備えてい
る。この本体５１は、プラスチツク材料からなる
四角形の偏平な箱体によつて構成されている。同
本体５１は、その底を室内に向けてヒンジ５２に
より支持されて室内の方向に扉状に開閉自在にな
つているとともに、閉止により、本体５１の開口
側周縁部に装着されたシールパツキン５３が閉止
壁１８ｃ，２８ｃに密着して、室内に対して密閉
された収納空間５４を形成できるようになつてい
る。本体５１の内部には、鏡５５、タオル掛け５
６、備品入れ５７……などが設けられている。前
記タオル掛け５６には、通常のタオル５８……の
ほかにバスタオル５９……が掛けられている。前
記備品入れ５７には、常用および予備用の石鹸、
シヤンプー、その他の必要品が各種収まるように
配慮されている。これらの備品入れ５７……は着
脱自在としてユーザーの好みに応じて選択組み合
わせ可能にすることもできる。

前記のように、出入り戸が配置されるセツト口
以外のセツト口が収納手段として利用されるよう
になつているので、必要な物品を収納できて必要
な時に室内において簡単に取り出して使用するこ
とができるようになつた。前記実施例のように、
シヤワーユニツトルームに密閉式の収納装置を構
成すれば、タオルなどが濡れず、入浴後にいつも
乾いたタオルを使用することができて好都合であ
る。前記段差部による突隆部は、補強機能を発揮
するが、この突隆部にさらに収納装置が設けられ
ているので、一層ユニツトが補強されて強くな
る。

なお、前記収納装置は、シヤワー、スチームサ
ウナ、バス用の各ユニツトルームのほかに、トイ
レユニツトルームにも構成することができる。前
記トイレユニツトルームにおいて、収納装置を開
閉構造あるいは密閉構造としないこともある。こ
れは湯水が収納品にかかるおそれが殆どないこと
による。前記収納装置は、セツト口のうち第２突
隆部内のみに嵌入するようにしたり、第１、第２
両突隆部内に嵌入するようにも構成することがで
きる。前記収納装置は、収納部分が移動するよう
になつていたが、収納部はユニツト側に固定し、
この収納部に開閉自在な蓋体を取付けて構成して
もよい。開閉が軽快で損傷しにくくなる。前記収
納装置は、第１０図にみるように、出入り扉３３
に構成することもできる。この収納装置５０は、
出入り扉３３とともに開閉できるほか、出入り扉
３３に対しても独自に開閉されるようになつてい
る。この収納装置は、前記セツト口内に設けられ
た収納装置と併せて設けられる。前記実施例で
は、閉止壁が一体に形成されてのち切り除かれる
ようになつていたが、閉止壁なしの形で成形され
出入り扉装置が取付けられない開口部をあとで蓋
によりカバーリングして収納装置を構成するよう
にしてもよい。前記ユニツトは上下に分けられて
一体化されるようになつていたが、全体を同時に
一体成形するようにしたものであつてもよい。前
記上下のユニツトによるときは、全ての側壁に勾
配が付けられていたが、たとえば、対向する側壁
同志において、その一方を勾配付のものとし、他
方を垂直面状に構成することもある。前記出入り
扉は取り付け枠なしで直接開口に取付けるように
してもよい。前記セツト口は、前記実施例のよう
に段差状である必要はない。たとえば、側壁自体
が内部が空洞で厚肉状の二重構造からなり、その
二重構造部分に、室内側からみて凹状の個所また
は開口した個所が形成されているものをも含む。

〔考案の効果〕

以上みてきたように、この考案にかかるユニツ
トルームは、ユニツト本体が合成樹脂材料により
箱形に形成され、かつ、同本体の箱形を形成する
側壁の複数個所に現場に合わせて選ばれる出口と
なるセツト口が形成されており、これらのうち選
択されたセツト口に出入り戸が配置されるように
なつているユニツトルームであつて、前記出入り
戸が配置されるセツト口以外のセツト口に偏平な
箱体が底を室内に向けて扉状に開閉自在に取り付
けられて、この箱体が収納手段として利用される
ようになつていることを特徴とするので、必要な
物品を収納できて必要な時に室内において簡単に
使用することができるようになつた。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案にかかるユニツトルームの一
実施例をユニツト手前側を切り欠いてあらわした
内部斜視図、第２図はその収納装置が開いた様子
をあらわした斜視図、第３図はユニツトルームの
全体構造を外部からみてあらわした一部分解斜視
図、第４図はセツト口を形成する段差部をあらわ
した下ユニツトの要部斜視図、第５図は下ユニツ
トの平面図、第６図は上ユニツトの底面図、第７
図は出入り扉装置の取付け構造をあらわした横断
平面図、第８図は第１図の収納装置取付け構造を
あらわした横断平面図、第９図は第２図の収納装
置が開いた状態における横断平面図、第１０図は
出入り扉に収納装置が構成された実施例をあらわ
した横断平面図である。 ５……セツト口、１３，２２……側壁、３３…
…出入り扉（戸）、５０……収納装置（収納手
段）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ユニツト本体が合成樹脂材料により箱形に形成
   され、かつ、同本体の箱形を形成する側壁の複数
   個所に現場に合わせて選ばれる出口となるセツト
   口が形成されており、これらのうち選択されたセ
   ツト口に出入り戸が配置されるようになつている
   ユニツトルームであつて、前記出入り戸が配置さ
   れるセツト口以外のセツト口に偏平な箱体が底を
   室内に向けて扉状に開閉自在に取り付けられて、
   この箱体が収納手段として利用されるようになつ
   ていることを特徴とするユニツトルーム。