JPH0446440Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、建造物の解体時などに使用される
養生パネルに関する。

（従来の技術） 従来、建造物の解体時などには、その外側を養
生パネルで覆い、塵埃や騒音が外部へ洩れないよ
うにしている。

この養生パネルは、方形に組んだ枠体の一側に
表面パネルを設けた構造で建造物等の周囲に組ん
だ足場枠に係止しながら積上げて、建造物等を覆
うようにしている。

前記枠体や表面パネルは、鋼製のものからアル
ミニウム又はアルミニウム合金製のものに変化し
てきている。

（考案が解決しようとする課題） 前記枠体や表面パネルが鋼製のものからアルミ
ニウム又はアルミニウム合金製のものに変化して
いるのは、養生パネルの軽量化を目的として行な
われているものである。

然し乍ら、枠体や表面パネルをアルミニウムや
アルミニウム合金で構成した場合、軽量化は達成
できる反面、全体的に強度が十分でなく、変形し
易い問題点があつた。特に、足場枠との係止部は
変形し易く、繰り返しの使用ができなくなる問題
点があつた。

一方、この養生パネルは、前記の通り足場枠を
介して積上げて使用されるが、養生パネル相互の
隣接部に隙間が係止されるのは避けられず、この
隙間から塵埃や騒音が洩れる問題点があつた。前
記隙間を塞ぐ手段として、一方の養生パネルの側
面にゴムその他の弾性帯を貼着して挾着する方法
があつたが、弾性帯の厚さ分だけ養生パネルの設
置位置がずれることになり、高層の建物で、養生
パネルの積み上げ枚数が多くなると、設置位置の
ずれが無視できなくなり、整然と設置できない問
題となつていた。

（課題を解決するための手段） そこでこの考案は、養生パネルを構成する部材
夫々に、剛性を付加して全体としての強度を向上
させると共に、側面にはパツキン嵌入溝を設け
て、隙間の形成も避けるようにしたものである。

即ちこの考案は、型材を方形に組んだ枠体の一
側に表面パネルを設けて成る養生パネルにおい
て、前記型材は外側にパツキン嵌入溝が、一側に
はパネル縁嵌入溝が夫々長手方向に沿つて設けて
られ、また、前記型材の他側のコーナー部分の所
定位置には貫通孔が設けられており、枠体のコー
ナー部分には補強アングルが添接固着されている
と共に、前記表面パネルは箱形に成形されて、前
記表面パネルの四周の垂下縁が前記型材のパネル
縁嵌入溝に嵌入固着され、前記枠体の他側内側に
は係合用の空間部が形成され、前記貫通孔が該空
間部に位置していることを特徴とした養生パネル
である。

（作用） この考案によれば、枠体がコーナー部分を補強
アングルで補強されると共に、表面パネルも箱形
に成形されて剛性を増大されている結果、全体と
して強度の高い養生パネルを構成することができ
る。

又、枠体を構成する型材の側面にはパツキン嵌
入溝を設けたので、養生パネル隣接部の隙間を塞
ぐと共に、養生パネルを積上げた場合の設置位置
のずれも回避することができる。

（実施例） 以下この考案の実施例を添付の図面を参照して
説明する。

第１図乃至第３図に示したように、アルミニウ
ム製の型材１，１を方形に組んだ枠体２の一側に
アルミニウム板を箱形に成形した表面パネル３を
設けて養生パネル２４が構成されている。

前記型材１は図示したように、外側にはパツキ
ン嵌入溝４を、又上側縁１ａにはパネル嵌入溝５
を夫々長手方向に沿つて設け、下側縁１ｂの周辺
のコーナー部分の所定位置に取付用の貫通孔１７
が設けたもので、端部を45度に斜切した４本の型
材１，１によつて長方形の枠体２が構成されてい
る。枠体２のコーナー部分は第２図に示したよう
に、Ｌ字形をした鋼製の補強アングル６を内側よ
り添接してリベツト７，７で型材１に固着するこ
とによつて連結強度を得ている。

一方、箱形に成形した表面パネル３はその四周
の垂下片８を型材１の上側に形成したパネル嵌入
溝部５に嵌入し、該部を型材を貫通するように設
けたリベツト９，９で固着してある。

表面パネル３の内側には、木製のソフトボード
１０、発泡合成樹脂板１１、ソフトボード１０を
順次嵌込み、内側のソフトボード１０の内面には
ガラスクロス１２を張設して耐火性を与えると共
に、該ガラスクロス１２の内側にエキスパンドメ
タル１３を設置して全体を固定している。エキス
パンドメタル１３の縁部は型材１，１の内側に設
けた係止片１４，１４で支持されているが、この
係止片１４は第４図に示したように、はじめ下向
きの係止片１４ａとしてあり、前記ソフトボード
１０、発泡合成樹脂板１１、……エキスパンドメ
タル１３を順次嵌込んだ後、矢示１５の方向に折
曲させたものである。

また、前記枠体２の内側で、前記係止片１４の
下方は何も設置されてなく、係合用の空間部２５
を形成している。

尚、前記補強アングル６の各片には夫々、長孔
１６，１６が穿設してあり、前記型材１の貫通孔
１７は、該長孔１６と対応させて、穿設されてい
る。前記長孔１６と貫通孔１７とを足場枠及び隣
接養生パネルとの係合部１８としてある。また、
前記係合部１８は、前記係合用の空間部２５に位
置している。

上記実施例の養生パネルは、従来の養生パネル
と同様に足場枠を介して建物等の周囲に積上げる
ことができる。即ち第５図に示したように、建物
等１９の外側に設置された足場枠２０にクランプ
２１を所定の間隔毎に固着し、該クランプ２１に
突設した係止爪２２に前記係合部１８を順次嵌合
させるようにする。

この場合、係止爪２２と係合部１８の係合およ
び離脱を繰返すと、アルミニウム製の型材等で
は、係合部１８の周囲が無理な力で変形し易い
が、枠体のコーナー部は補強アングル６が添設固
着されて補強されているので、この変形を避ける
ことができる。

養生パネル相互の隣接部は第６図に示したよう
に、対向したパツキン嵌入溝４の部分にパツキン
２３を収容でき、隙間なく、しかも気密に隣接さ
せることができる。然して養生パネルを積上げる
場合、パキンの介在による養生パネルの位置ずれ
は生じることはなく、予定された位置へ設置する
ことができる。従つてクランプ２１の係止爪２２
と養生パネルの係合部１８が合わないという事態
も避けることができる。

次に、前記表面パネル３は箱形に成形されるこ
とによつて剛性が増しているので、型材１，１に
よる枠体２を補強する作用があり、結果として養
生パネルの強度を大きくすることができる。又、
表面パネル３の表面３ａはフラツト面としたの
で、該表面３ａに、カラーシートを貼着すること
が可能で、所望の色彩の養生パネルをすると共
に、表面３ａを傷等から保護することができる。
又、傷が付いた場合でも、カラーシートを貼替え
るのみで簡単に補修することもできる。

尚、この養生パネルは、第３図に示したように
各コーナー部において隣接する側壁夫々に係合部
１８を設けたので、設置する際は長辺を横にして
も、縦にしても設置できる。又、第６図に示した
隣接構造も、上下方向および左右方向共、同一構
造となり、夫々の方向で隙間なく、かつ気密に隣
接できることは言うまでもない。

（考案の効果） 以上に説明したように、この考案によれば、箱
形に成形した表面パネルを、表面パネルの四周の
垂下縁と型材のパネル縁嵌入溝とを嵌合させ、更
に、コーナー部が補強アングルで補強された枠体
に嵌入固着して養生パネルを構成したので強度を
向上することができる。この結果、アルミニウム
或いはアルミニウム合金等のような比較的剛性の
低い材質でも構成でき、軽量で高強度の養生パネ
ルが提供できる効果がある。

又、枠体を構成した型材の外側にパツキン嵌入
溝を設けて、養生パネルの隣接部にパツキンを収
容できるようにしたので、養生パネルを隙間な
く、かつ気密に隣接できる効果がある。更に、枠
体の下側コーナー部に係合部が形成され、枠体の
下側内側は空間部が形成されるので、足場枠との
係合あるいは隣接する養生パネル同志の係合が容
易にできる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の一部を省略した断
面図、第２図は同じく実施例の一部分解斜視図、
第３図は同じく実施例の一部斜視図、第４図は同
じく実施例の組立を説明する断面図、第５図は同
じく実施例の使用状態の説明図、第６図は使用状
態における隣接部の断面図である。 １……型材、２……枠体、３……表面パネル、
４……パツキン嵌入溝、５……パネル嵌入溝、６
……補強アングル、８……垂下片、１６……長
孔、１７……貫通孔、１８……係合部、２１……
クランプ、２２……係止爪、２３……パツキン、
２４……養生パネル、２５……空間部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 型材を方形に組んだ枠体の一側に表面パネルを
   設けて成る養生パネルにおいて、前記型材は外側
   にパツキン嵌入溝が、一側にはパネル縁嵌入溝が
   夫々長手方向に沿つて設けてられ、また、前記型
   材の他側のコーナー部分の所定位置には貫通孔が
   設けられており、枠体のコーナー部分には補強ア
   ングルが添接固着されていると共に、前記表面パ
   ネルは箱形に成形されて、前記表面パネルの四周
   の垂下縁が前記型材のパネル縁嵌入溝に嵌入固着
   され、前記枠体の他側内側には係合用の空間部が
   形成され、前記貫通孔が該空間部に位置している
   ことを特徴とした養生パネル。