JPH074913Y2 - 外壁用断熱パネル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は建築物の断熱に関し、殊に建築物の外壁に使用
する断熱パネルに関する。

〔従来の技術〕

従来から建築物の断熱構造としては、グラスウールをた
て枠、よこ枠と外装材、内装材の空間に現場裁断して充
填する工法があり、または木質系ボード・ポリスチレン
フォーム板等を上記空間に張設する工法があった。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、これらの工法では、建築物の躯体に対する断熱
材の取付け施工に多くの労力を要し、又枠に内接する四
周部分に隙間があることに起因して内部結露を防止する
ことが困難なため断熱材が吸湿・吸水し結果として断熱
性能の大幅な低下をきたす欠陥を有するものであった。
又外装材は通常比較的薄い板材で構成されるので外部か
らの衝撃に対して外壁の強度が充分とは云えなかった。

従って本考案の目的は、上記の従来技術の欠点に鑑み
て、耐湿・耐水性に優れ、建築物の躯体即ちたて枠又は
よこ枠に対する取付性を向上し、かつ充分な耐衝撃強度
を有する断熱外壁を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的は本考案によれば、建築物の外壁に使用する
断熱パネルであって、外装材の屋内面上に所定の間隔を
あけて適宜の高さを有する板状補強材を並設し、該補強
材はその屋内側端部に、建築物のたて枠又はよこ枠に取
付けた取付具に係合する係合部が設けられ、上記外装材
の屋内側に硬質発泡ウレタンを充填して上記外装材と補
強材と硬質発泡ウレタンとによって直六面体状のパネル
を一体状に形成してなる外壁用断熱パネルによって達成
される。

〔実施例〕

以下に、添付図面について本考案の実施例を説明する。

第１図及び第２図は本考案の外壁用断熱パネル（以下単
に断熱パネルと称す）の斜視図及び断面図、第３図及び
第４図は本考案の断熱パネルを建築物に取付けた状態を
示す縦断面図及び横断面図である。

第１図及び第２図において通常定尺寸法に形成された外
装材１は耐火フレキシブルボード、石綿化粧板又は合板
等からなり、その屋内面上に所定の間隔をあけて複数の
板状態補強材２が並設される。この補強材２は金属又は
強化プラスチックの押出成品からなり、適宜の高さ（こ
の高さは後述する硬質発泡ウレタンの厚さに略等しい）
を有し、その断面は第５図に示すようにＴ形部３とＣ形
チャンネル部４を組合せた形状に形成することが好まし
い。このＴ形断面部３の上辺は外装材１の屋内面に安定
状に当接させるのに適し、Ｃ形チャンネル部４は後述す
る取付具に係合する係合部の機能を有する。また補強材
２の長さがこれに対応する外装材１の長さに略等しく形
成する。

このように構成した外装材１と補強材２との関係位置を
保って型枠（不図示）に入れ、公知の方法では硬質発泡
ウレタン５を充填発泡させて、外装材１と補強材２と硬
化した硬質発泡ウレタンとによって形成された一体状の
直六面体の断熱パネルを得る。硬質発泡ウレタンは現在
実用化されているうちで最も優れた断熱用素材で、グラ
スウールと比較すると２倍の断熱性がありしかも軽量で
ある。また耐吸湿性、耐吸水水が優れ、さらに泡化反応
時に強い付着性を示すので硬質発泡ウレタン５と外装材
１及び補強材２とを一体に付着し、上記の断熱パネルの
構成部品を殆んど一体にすることができる。

上記のように一体状に形成して取扱いが容易となった外
壁用断熱パネルを本考案ではさらに該断熱パネルと建築
物躯体即ち枠体との取付の容易を計っている。尚、補強
材２の屋内側レベルは硬化した硬質ウレタン５の屋内面
と同一レベルになるようにその高さを設定しているの
で、第３図及び第４図のように本柱（たて枠）６、間柱
（たて枠）７の屋外面に当接した断熱パネルの外装材１
に外部から衝撃が加えられた場合、断熱パネル内に適度
に分布された補強材２によって上記の衝撃を分散的に受
止め従って外装材１が破損することがない。８は内装
材、９は断熱パネルの端面間に充填した目地材を示す。

第３〜７図に示すように本柱６及び間柱７の側面上で係
合部４に対応した位置には前部にＴ形部10を有する強化
プラスチック又は金属製の短尺板状の取付具11がビス等
の固定部材12を介して各柱6,7に調節可能に設けられて
いる。又このＴ形部10は上記の補強材２の係合部４に略
補完状に噛合うように形成されている。従って断熱パネ
ルの係合部４に夫々の取付具11を係合した状態で断熱パ
ネルの屋内面を柱6,7の屋外面に当てがい、取付具11を
屋内方向に引寄せ気味にして固定部材12を柱6,7に固定
すと柱に対する断熱材の安定した取付けが得られる（第
７図）。

尚上記の説明では断熱パネルを柱に取付けたが、補強材
をたて方向にした断熱パネルを上枠、下枠間に張設する
こともできる。

〔考案の効果〕

本考案は上記のように構成したので下記のような多くの
利点を有する。

イ．・外装材として耐火フレキシブルボード板・石綿化
粧板等を使用しその屋内綿に所定厚さの硬質発泡ウレタ
ンを一体形成したパネルであるから、これを一般の外壁
材と同様に張設することにより、断熱性の高い外壁を構
成することができ、従来に比べて断熱施工の工程が省略
できる。

ロ．・本願の外壁用断熱パネルの張設施工は、断熱パネ
ルに内蔵していた補強材の係合部と枠体に調節可能に取
付け得る取付具との組合わせにより、断熱パネル随意位
置に簡単に取付が可能であることにより、省力化が期せ
られる。

ハ．・補強材は強化プラスチック等の合成樹脂材で作ら
れるので、大きな強度を有する断面係数を持つ形状とす
ることができ、また施工上切断を要する場合容易であ
り、補強材の働きにより外装材及び硬質発泡ウレタンの
変形を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の外壁用断熱パネルの斜視図、第２図は
第１図のＡ−Ａ線に沿った断面図、第３図及び第４図は
本考案の外壁用断熱パネルを柱に取付けた状態を示す縦
断面図及び横断面図、第５図は補強材の拡大斜視図、第
６図は取付具の拡大側面図、第７図は補強材と取付具と
の係合関係を示す拡大説明図である。 １…外装材、２…補強材、４…係合部、５…硬質発泡ウ
レタン、6,7…たて枠、11…取付具。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】建築物の外壁に使用する断熱パネルであっ
   て、外装材（１）の屋内面上に所定の間隔をあけて適宜
   の高さを有する板状補強材（２）を並設し、該補強材
   （２）はその屋内側端部に、建築物のたて枠（6,7）又
   はよこ枠に取付けた取付具（11）に係合する係合部
   （４）が設けられ、上記外装材（１）の屋内側に硬質発
   泡ウレタン（５）を充填して上記外装材（１）と補強材
   （２）と硬質発泡ウレタン（５）とによって直六面体状
   のパネルを一体状に形成してなる外壁用断熱パネル。
2. 【請求項２】成形された上記硬質発泡ウレタン（５）の
   厚さが上記補強材（２）の高さに略等しい請求項１に記
   載の断熱パネル。
3. 【請求項３】上記補強材（２）の長さがそれに対応する
   外装材（１）の長さに略等しい請求項１又は２に記載の
   断熱パネル。
4. 【請求項４】上記補強材（２）の係合部（４）が取付具
   （11）に略補完状に係合するＣ形チャンネル状に形成さ
   れた請求項1,2,3いずれか１項に記載の断熱パネル。