JPH0445596B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0445596B2 JPH0445596B2 JP58175535A JP17553583A JPH0445596B2 JP H0445596 B2 JPH0445596 B2 JP H0445596B2 JP 58175535 A JP58175535 A JP 58175535A JP 17553583 A JP17553583 A JP 17553583A JP H0445596 B2 JPH0445596 B2 JP H0445596B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pickling
- wire
- descaling
- stainless steel
- scale
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 33
- 229910001220 stainless steel Inorganic materials 0.000 claims description 15
- 238000013000 roll bending Methods 0.000 claims description 3
- 238000005554 pickling Methods 0.000 description 31
- 238000005491 wire drawing Methods 0.000 description 18
- 239000000243 solution Substances 0.000 description 11
- GRYLNZFGIOXLOG-UHFFFAOYSA-N Nitric acid Chemical compound O[N+]([O-])=O GRYLNZFGIOXLOG-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 7
- 229910001039 duplex stainless steel Inorganic materials 0.000 description 7
- 229910017604 nitric acid Inorganic materials 0.000 description 6
- QZPSXPBJTPJTSZ-UHFFFAOYSA-N aqua regia Chemical compound Cl.O[N+]([O-])=O QZPSXPBJTPJTSZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 5
- KRHYYFGTRYWZRS-UHFFFAOYSA-N Fluorane Chemical compound F KRHYYFGTRYWZRS-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- VEXZGXHMUGYJMC-UHFFFAOYSA-N Hydrochloric acid Chemical compound Cl VEXZGXHMUGYJMC-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 150000001447 alkali salts Chemical class 0.000 description 4
- HEMHJVSKTPXQMS-UHFFFAOYSA-M Sodium hydroxide Chemical compound [OH-].[Na+] HEMHJVSKTPXQMS-UHFFFAOYSA-M 0.000 description 3
- 229910000831 Steel Inorganic materials 0.000 description 3
- 238000005422 blasting Methods 0.000 description 3
- 229960002050 hydrofluoric acid Drugs 0.000 description 3
- 238000005507 spraying Methods 0.000 description 3
- 239000010935 stainless steel Substances 0.000 description 3
- 239000010959 steel Substances 0.000 description 3
- QAOWNCQODCNURD-UHFFFAOYSA-N Sulfuric acid Chemical compound OS(O)(=O)=O QAOWNCQODCNURD-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 2
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 2
- 238000005098 hot rolling Methods 0.000 description 2
- 238000007654 immersion Methods 0.000 description 2
- 239000007788 liquid Substances 0.000 description 2
- 239000002245 particle Substances 0.000 description 2
- 238000005096 rolling process Methods 0.000 description 2
- 238000007493 shaping process Methods 0.000 description 2
- 238000004513 sizing Methods 0.000 description 2
- 238000003462 Bender reaction Methods 0.000 description 1
- 239000002253 acid Substances 0.000 description 1
- 239000003929 acidic solution Substances 0.000 description 1
- 238000005452 bending Methods 0.000 description 1
- 239000011248 coating agent Substances 0.000 description 1
- 238000000576 coating method Methods 0.000 description 1
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 1
- 230000007547 defect Effects 0.000 description 1
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 1
- 238000002347 injection Methods 0.000 description 1
- 239000007924 injection Substances 0.000 description 1
- 238000007689 inspection Methods 0.000 description 1
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 1
- 239000011259 mixed solution Substances 0.000 description 1
- 239000000843 powder Substances 0.000 description 1
- 238000010791 quenching Methods 0.000 description 1
- 230000000171 quenching effect Effects 0.000 description 1
- 239000004576 sand Substances 0.000 description 1
- 238000005496 tempering Methods 0.000 description 1
- 230000004580 weight loss Effects 0.000 description 1
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23G—CLEANING OR DE-GREASING OF METALLIC MATERIAL BY CHEMICAL METHODS OTHER THAN ELECTROLYSIS
- C23G3/00—Apparatus for cleaning or pickling metallic material
- C23G3/02—Apparatus for cleaning or pickling metallic material for cleaning wires, strips, filaments continuously
- C23G3/027—Associated apparatus, e.g. for pretreating or after-treating
- C23G3/028—Associated apparatus, e.g. for pretreating or after-treating for thermal or mechanical pretreatment
Description
(発明の背景)
本発明は、ステンレス鋼線材、特に熱間仕上ス
テンレス鋼線材の脱スケール方法に関する。 (従来の技術) 一般に、線材は熱間圧延および伸線工程を経て
所定の寸法形状としてから、サイジングさらには
異型加工、そして必要により焼入れ焼戻し等の熱
処理を行つて製品としている。しかし、上述の熱
間圧延および伸線工程で得られた熱間仕上げ線材
にはその表面に酸化被膜からなるスケールが生
成、付着している。スケールの存在は後続工程に
おける伸線、異型加工等の際に表面疵あるいはダ
イス損傷の原因となる。したがつて、上記のサイ
ジングおよび/または異型加工に先立つ酸洗等の
脱スケール処理を行なう。また、酸洗等による脱
スケール処理は、表面疵の発見を容易にするため
製品検査に先立つて行う場合もある。 通常、かかる酸洗による脱スケール処理は塩酸
または硫酸溶液を使つて連続的に行うが、ステン
レス鋼線材、特に2相ステンレス鋼線材等のスケ
ールは非常に密着性がよいため、その除去には多
くの困難がみられる。 このようなステンレス鋼線材、特に2相ステン
レス鋼線材にあつては従来、NaOH等の溶融ア
ルカリ塩に浸漬してスケールにクラツクを生成せ
しめた後、硝酸とフツ酸の混合液(以下、硝フツ
酸液と称する)のような強力な酸洗液を使つて、
しかも長時間かけて酸洗による脱スケールが行わ
れている。 しかしながら、かかる従来法には、次のような
欠点がみられる。 (1) 溶融アルカリ塩処理のような特殊な前処理設
備が必要であること。 (2) 硝フツ酸のような強力で危険度の高い酸を用
いるため、処理設備が高価になると同時に、公
害防止、作業安全のための付帯設備に万全の対
策が必要とされること。 (3) 酸洗に一般に数時間から数十時間という長時
間を要すること。 その他、従来技術としては、上述のような酸洗
処理と組合せてその予備処理として行う次のよう
な機械的脱スケール方法も知られている。 (1) 硬質粒子を高速で線材表面に吹付ける方法: この方式には硬質粒子として砂粒、スケール
粉、鋼球などが、また吹付け方法としては、高
圧空気噴射、遠心力吹付けなどがあるが、これ
らの中で最も脱スケール能力の高いのは鋼球を
遠心力で吹付けるシヨツトプラスト法である。 この方法を用いると、スケール被膜の上層部
分は除去されるが、しかし、残つた下層部分の
スケールは以前として緻密であり、酸洗性を向
上するにはほとんど効果がない。 (2) ロールベンデイング方式: これは多数のロール列中に線材を通し、繰返
し曲げをかけてスケールを剥離させるものであ
るが、ステンレス線材の脱スケールにはほとの
ど効果がなく、またその後に酸洗を行う場合で
も酸洗性があまり向上しない。 (3) ダイス伸線法: ミルスケールの付着した線材を通常の穴型ダ
イスを通して伸線した後酸洗する方法である。
この方法ではダイスを通してもスケールはほと
んど脱落しないが、スケールにクラツクが入
り、その後の酸洗性を向上する効果が高い。酸
洗液としては硝フツ酸液のような強力な酸性液
が酸洗液としては一般に用いられる。 しかし、ミルスケール付着線材をダイス伸線
するこの方法では、ダイス損傷が起り易く、大
量に生産するには適当でないばかりか製品の表
面に疵を発生し易いという欠点がある。ステン
レス鋼線材、特に2相ステンレス鋼線材のスケ
ールは非常に密着性が良いことから、その場合
のダイス損傷および製品の表面疵発生は特に著
しく、到底実用化し得ない。 (発明の目的) 本考案の1つの目的は、熱間仕上線材、例えば
ステンレス綱、特に2相ステンレス鋼の熱間仕上
線材の簡便なかつ迅速な脱スケール方法を提供す
ることである。 さらに本発明の別の目的は、前処理に溶融アル
カリ塩のような特殊な方法を使わず、かつ酸洗液
として危険度の高い硝フツ酸液の使用をやめて、
酸洗時間も短縮し得る新しい脱スケール方法を提
供することである。 (発明の要約) そこで、本発明者らはまず、溶融アルカリ塩に
よる処理に比較した場合の機械的脱スケール処理
の有利さに着目し、種々検討した結果、ローラダ
イスを使つて伸線した後に酸洗すると、硝フツ酸
液のような強力な酸洗液を使用することなく、例
えば王水等によつても十分に満足のゆく酸洗が行
い得ることを見い出した。 ローラダイス伸線の場合は伸線時のダイスと線
材の摩擦状態がころがり摩擦である。この点ダイ
ス伸線法ではすべり摩擦となる。したがつて、ミ
ルスケール付着線材を伸線した場合でもダイス損
傷は問題なく、また製品の表面疵発生も皆無であ
つた。 また、ローラダイス伸線は通常オーバルーラウ
ンド方式の孔型圧廷であるため、それを利用した
場合、伸線の際、相当量の脱スケールも可能とな
つた。 すなわち、本発明の要旨とするところは、熱間
仕上ステンレス綱線材を脱スケールする際に、ロ
ールベンデイング後、ローラダイスを用いて5%
以上の減面率で前記熱間仕上線材に伸線加工を施
した後、酸洗することを特徴とする線材の脱スケ
ール方法である。 本発明の好適様態にあつては、上記のローラダ
イスによる伸線はオーバルーラウンド方式の孔型
圧延により行われ、酸洗液としては比較的取扱い
が容易な王水が使用される。ローラダイス伸線に
よる減面率が5%未満ではスケールの剥離、ある
いは酸洗による除去が十分に行われない。 かくして、本発明によれば、一般にはスケール
の密着性の良いといわれるステンレス鋼、特に2
相ステンレス鋼の熱間仕上線材の脱スケールが容
易にかつ短時間で効果的に行ない得るのである。 (発明の態様) 添付図面は、本発明に係る脱スケール方法を略
式で説明する工程図であり、図示例の場合には、
ローラダイス伸線に先立つてロールベンダーを通
してスケール除去をより一層確実なものとしてい
る。 すなわち、熱間仕上線材(以下単に線材とい
う)1はアンコイラー2からペイオフされ、千鳥
状に配列された一連のロールからなる一連のロー
ルベンダー3を通り、次いでローラダイス4で伸
線加工を受ける。好ましくはこのローラダイス4
はオーバル形からラウンド形への伸線加工を行う
もので、これによりスケールのクラツク発生は特
に顕著になり、後続工程の酸洗がより容易にな
る。 ローラダイス4を経て伸線された線材1は次い
で一旦ロール5で巻取られてから酸洗工程6に送
給される。酸洗工程6は特に制限されず、従来の
王水酸洗液を使用するものであつてもよい。しか
し、2相ステンレス鋼の線材を脱スケール処理す
る場合にも、従来のような硝フツ酸液を使用する
必要はない。 なお、図示例のようにロールベン
ダーで繰り返し曲げ−曲げ戻しを与えることによ
り結果として線径は細くなる。このときのロール
ベンダーでの伸び率は一般には5%以上30%以下
である。伸び率5%未満ではあまり脱スケールに
効果がなく、一方、30%を越えると溶接部の折損
が生じる場合がある。 次に本発明をその実施例に関連してさらに説明
する。 実施例 第1図に示す工程にしたがつて、スケール量約
20g/m2の2相ステンレス鋼(25%Cr−7%Ni−
3.5%Mo)の線材を、まずロールベンダーを通し
た。このとき線径が7mmから6.4mmに伸びた。伸
び率20%であつた。 次いで、この2相ステンレス鋼線材(直径6.4
mm)にローラダイス伸線を行つた。伸線速度は
51m/分であつた。このとき線径が6.4mmから6.0
mmにまで減面率12.1%で伸線された。 このようにして伸線された線材は一旦ロールに
巻取られた後、50℃王水(硝酸:塩酸=1:3)
を酸洗液とした酸洗工程に送られ、スケールが完
全に除去されるまで酸洗による脱スケール処理を
行つた。 このようにして脱スケール処理した2相ステン
レス鋼線材について、ローラダイス伸線後の残存
スケール量および酸洗所要時間を求めた。 結果を第1表および第2表にそれぞれまとめて
示す。 なお試験No.1〜2は本発明に係るもので特に試
験No.2ではローラダイス伸線に先立つて、鋼球を
遠心力で吹付けるシヨツトブラスト処理を行つ
た。試験No.3、4は比較のために示すものであ
る。 本発明方法におけるシヨツトブラストの使用
は、それを使用しなかつた場合に比べ脱スケール
に対し効果はわずかにあるが(第1表、試験No.2
参照)、第2表の試験No.2に示す如く、いずれの
場合も酸洗に要する時間は30分とほぼ同じく、し
たがつて、本発明にあつてシヨツトブラストの使
用は必ずしも必要とされない。 次に、第2表に示す酸洗減量を王水(50℃)へ
の浸漬時間と関連させてその時間経過に対する変
化を第2図にグラフにまとめて示す。図示グラフ
からも明らかなように、ローラダイズを使つた本
発明によれば脱スケールが30分以内と速やかに行
われるのが分かる。
テンレス鋼線材の脱スケール方法に関する。 (従来の技術) 一般に、線材は熱間圧延および伸線工程を経て
所定の寸法形状としてから、サイジングさらには
異型加工、そして必要により焼入れ焼戻し等の熱
処理を行つて製品としている。しかし、上述の熱
間圧延および伸線工程で得られた熱間仕上げ線材
にはその表面に酸化被膜からなるスケールが生
成、付着している。スケールの存在は後続工程に
おける伸線、異型加工等の際に表面疵あるいはダ
イス損傷の原因となる。したがつて、上記のサイ
ジングおよび/または異型加工に先立つ酸洗等の
脱スケール処理を行なう。また、酸洗等による脱
スケール処理は、表面疵の発見を容易にするため
製品検査に先立つて行う場合もある。 通常、かかる酸洗による脱スケール処理は塩酸
または硫酸溶液を使つて連続的に行うが、ステン
レス鋼線材、特に2相ステンレス鋼線材等のスケ
ールは非常に密着性がよいため、その除去には多
くの困難がみられる。 このようなステンレス鋼線材、特に2相ステン
レス鋼線材にあつては従来、NaOH等の溶融ア
ルカリ塩に浸漬してスケールにクラツクを生成せ
しめた後、硝酸とフツ酸の混合液(以下、硝フツ
酸液と称する)のような強力な酸洗液を使つて、
しかも長時間かけて酸洗による脱スケールが行わ
れている。 しかしながら、かかる従来法には、次のような
欠点がみられる。 (1) 溶融アルカリ塩処理のような特殊な前処理設
備が必要であること。 (2) 硝フツ酸のような強力で危険度の高い酸を用
いるため、処理設備が高価になると同時に、公
害防止、作業安全のための付帯設備に万全の対
策が必要とされること。 (3) 酸洗に一般に数時間から数十時間という長時
間を要すること。 その他、従来技術としては、上述のような酸洗
処理と組合せてその予備処理として行う次のよう
な機械的脱スケール方法も知られている。 (1) 硬質粒子を高速で線材表面に吹付ける方法: この方式には硬質粒子として砂粒、スケール
粉、鋼球などが、また吹付け方法としては、高
圧空気噴射、遠心力吹付けなどがあるが、これ
らの中で最も脱スケール能力の高いのは鋼球を
遠心力で吹付けるシヨツトプラスト法である。 この方法を用いると、スケール被膜の上層部
分は除去されるが、しかし、残つた下層部分の
スケールは以前として緻密であり、酸洗性を向
上するにはほとんど効果がない。 (2) ロールベンデイング方式: これは多数のロール列中に線材を通し、繰返
し曲げをかけてスケールを剥離させるものであ
るが、ステンレス線材の脱スケールにはほとの
ど効果がなく、またその後に酸洗を行う場合で
も酸洗性があまり向上しない。 (3) ダイス伸線法: ミルスケールの付着した線材を通常の穴型ダ
イスを通して伸線した後酸洗する方法である。
この方法ではダイスを通してもスケールはほと
んど脱落しないが、スケールにクラツクが入
り、その後の酸洗性を向上する効果が高い。酸
洗液としては硝フツ酸液のような強力な酸性液
が酸洗液としては一般に用いられる。 しかし、ミルスケール付着線材をダイス伸線
するこの方法では、ダイス損傷が起り易く、大
量に生産するには適当でないばかりか製品の表
面に疵を発生し易いという欠点がある。ステン
レス鋼線材、特に2相ステンレス鋼線材のスケ
ールは非常に密着性が良いことから、その場合
のダイス損傷および製品の表面疵発生は特に著
しく、到底実用化し得ない。 (発明の目的) 本考案の1つの目的は、熱間仕上線材、例えば
ステンレス綱、特に2相ステンレス鋼の熱間仕上
線材の簡便なかつ迅速な脱スケール方法を提供す
ることである。 さらに本発明の別の目的は、前処理に溶融アル
カリ塩のような特殊な方法を使わず、かつ酸洗液
として危険度の高い硝フツ酸液の使用をやめて、
酸洗時間も短縮し得る新しい脱スケール方法を提
供することである。 (発明の要約) そこで、本発明者らはまず、溶融アルカリ塩に
よる処理に比較した場合の機械的脱スケール処理
の有利さに着目し、種々検討した結果、ローラダ
イスを使つて伸線した後に酸洗すると、硝フツ酸
液のような強力な酸洗液を使用することなく、例
えば王水等によつても十分に満足のゆく酸洗が行
い得ることを見い出した。 ローラダイス伸線の場合は伸線時のダイスと線
材の摩擦状態がころがり摩擦である。この点ダイ
ス伸線法ではすべり摩擦となる。したがつて、ミ
ルスケール付着線材を伸線した場合でもダイス損
傷は問題なく、また製品の表面疵発生も皆無であ
つた。 また、ローラダイス伸線は通常オーバルーラウ
ンド方式の孔型圧廷であるため、それを利用した
場合、伸線の際、相当量の脱スケールも可能とな
つた。 すなわち、本発明の要旨とするところは、熱間
仕上ステンレス綱線材を脱スケールする際に、ロ
ールベンデイング後、ローラダイスを用いて5%
以上の減面率で前記熱間仕上線材に伸線加工を施
した後、酸洗することを特徴とする線材の脱スケ
ール方法である。 本発明の好適様態にあつては、上記のローラダ
イスによる伸線はオーバルーラウンド方式の孔型
圧延により行われ、酸洗液としては比較的取扱い
が容易な王水が使用される。ローラダイス伸線に
よる減面率が5%未満ではスケールの剥離、ある
いは酸洗による除去が十分に行われない。 かくして、本発明によれば、一般にはスケール
の密着性の良いといわれるステンレス鋼、特に2
相ステンレス鋼の熱間仕上線材の脱スケールが容
易にかつ短時間で効果的に行ない得るのである。 (発明の態様) 添付図面は、本発明に係る脱スケール方法を略
式で説明する工程図であり、図示例の場合には、
ローラダイス伸線に先立つてロールベンダーを通
してスケール除去をより一層確実なものとしてい
る。 すなわち、熱間仕上線材(以下単に線材とい
う)1はアンコイラー2からペイオフされ、千鳥
状に配列された一連のロールからなる一連のロー
ルベンダー3を通り、次いでローラダイス4で伸
線加工を受ける。好ましくはこのローラダイス4
はオーバル形からラウンド形への伸線加工を行う
もので、これによりスケールのクラツク発生は特
に顕著になり、後続工程の酸洗がより容易にな
る。 ローラダイス4を経て伸線された線材1は次い
で一旦ロール5で巻取られてから酸洗工程6に送
給される。酸洗工程6は特に制限されず、従来の
王水酸洗液を使用するものであつてもよい。しか
し、2相ステンレス鋼の線材を脱スケール処理す
る場合にも、従来のような硝フツ酸液を使用する
必要はない。 なお、図示例のようにロールベン
ダーで繰り返し曲げ−曲げ戻しを与えることによ
り結果として線径は細くなる。このときのロール
ベンダーでの伸び率は一般には5%以上30%以下
である。伸び率5%未満ではあまり脱スケールに
効果がなく、一方、30%を越えると溶接部の折損
が生じる場合がある。 次に本発明をその実施例に関連してさらに説明
する。 実施例 第1図に示す工程にしたがつて、スケール量約
20g/m2の2相ステンレス鋼(25%Cr−7%Ni−
3.5%Mo)の線材を、まずロールベンダーを通し
た。このとき線径が7mmから6.4mmに伸びた。伸
び率20%であつた。 次いで、この2相ステンレス鋼線材(直径6.4
mm)にローラダイス伸線を行つた。伸線速度は
51m/分であつた。このとき線径が6.4mmから6.0
mmにまで減面率12.1%で伸線された。 このようにして伸線された線材は一旦ロールに
巻取られた後、50℃王水(硝酸:塩酸=1:3)
を酸洗液とした酸洗工程に送られ、スケールが完
全に除去されるまで酸洗による脱スケール処理を
行つた。 このようにして脱スケール処理した2相ステン
レス鋼線材について、ローラダイス伸線後の残存
スケール量および酸洗所要時間を求めた。 結果を第1表および第2表にそれぞれまとめて
示す。 なお試験No.1〜2は本発明に係るもので特に試
験No.2ではローラダイス伸線に先立つて、鋼球を
遠心力で吹付けるシヨツトブラスト処理を行つ
た。試験No.3、4は比較のために示すものであ
る。 本発明方法におけるシヨツトブラストの使用
は、それを使用しなかつた場合に比べ脱スケール
に対し効果はわずかにあるが(第1表、試験No.2
参照)、第2表の試験No.2に示す如く、いずれの
場合も酸洗に要する時間は30分とほぼ同じく、し
たがつて、本発明にあつてシヨツトブラストの使
用は必ずしも必要とされない。 次に、第2表に示す酸洗減量を王水(50℃)へ
の浸漬時間と関連させてその時間経過に対する変
化を第2図にグラフにまとめて示す。図示グラフ
からも明らかなように、ローラダイズを使つた本
発明によれば脱スケールが30分以内と速やかに行
われるのが分かる。
【表】
第1図は、本発明に係る方法を示す工程図;お
よび第2図は、酸洗液への浸漬時間と酸洗減量と
の関係を示すグラフである。 1……線材、2……アンコイラー、3……ロー
ルベンダー、4……ローラダイス、5……ロー
ル、6……酸洗工程。
よび第2図は、酸洗液への浸漬時間と酸洗減量と
の関係を示すグラフである。 1……線材、2……アンコイラー、3……ロー
ルベンダー、4……ローラダイス、5……ロー
ル、6……酸洗工程。
Claims (1)
- 1 熱間仕上ステンレス鋼線材を脱スケールする
際に、ロールベンデイング後、ローラダイスを用
いて5%以上の減面率で前記熱間仕上ステンレス
鋼線材に伸線加工を施した後、酸洗することを特
徴とするステンレス鋼線材の脱スケール方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17553583A JPS6067683A (ja) | 1983-09-22 | 1983-09-22 | ステンレス鋼線材の脱スケール方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17553583A JPS6067683A (ja) | 1983-09-22 | 1983-09-22 | ステンレス鋼線材の脱スケール方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6067683A JPS6067683A (ja) | 1985-04-18 |
JPH0445596B2 true JPH0445596B2 (ja) | 1992-07-27 |
Family
ID=15997767
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17553583A Granted JPS6067683A (ja) | 1983-09-22 | 1983-09-22 | ステンレス鋼線材の脱スケール方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6067683A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2507733B2 (ja) * | 1987-04-21 | 1996-06-19 | 古河電気工業株式会社 | ダイレス伸線装置 |
CN100386159C (zh) * | 2006-04-26 | 2008-05-07 | 玉溪玉杯金属制品有限公司 | 无酸洗同步同速连续在线生产钢丝的方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS53118258A (en) * | 1977-03-25 | 1978-10-16 | Nippon Steel Corp | Method of manufacturing steel strip |
JPS54100958A (en) * | 1978-01-25 | 1979-08-09 | Sumitomo Metal Ind Ltd | Acid washing of hot rolled steel plate |
-
1983
- 1983-09-22 JP JP17553583A patent/JPS6067683A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS53118258A (en) * | 1977-03-25 | 1978-10-16 | Nippon Steel Corp | Method of manufacturing steel strip |
JPS54100958A (en) * | 1978-01-25 | 1979-08-09 | Sumitomo Metal Ind Ltd | Acid washing of hot rolled steel plate |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6067683A (ja) | 1985-04-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6249929B2 (ja) | 鋼線材の連続表面処理方法 | |
EP3251765A1 (en) | Method and device for descaling metal wire | |
CN107881423B (zh) | 冷镦钢及制备方法与采用该冷镦钢制备钢丝的方法 | |
US2369596A (en) | Process for treating steel for drawing | |
JPH0445596B2 (ja) | ||
JPH0461048B2 (ja) | ||
US2389838A (en) | Method of scaling stainless steel | |
JPS58148016A (ja) | チタン線またはチタン合金線の製造方法 | |
JPS63174748A (ja) | 冷間鍛造用Ti及びTi合金線材の連続伸線方法 | |
US2213952A (en) | Process for treating metal surfaces | |
US3389021A (en) | Process for preparing steel for cold working | |
JPH07292486A (ja) | 冷間加工のための被膜および潤滑剤を除去する方法および装置 | |
JP3033842B2 (ja) | 冷間加工用線材の製造方法及び冷間加工用線材の製造設備 | |
JPS582245B2 (ja) | 薄い黒皮スケ−ルを有する熱延鋼帯の製造方法 | |
JP4862690B2 (ja) | ステンレス鋼帯及びステンレス鋼帯の製造方法 | |
JP6454584B2 (ja) | 鋼線材の連続表面処理方法 | |
JPS6237384A (ja) | 鋼線材コイルの脱スケ−ル処理方法 | |
JPH0128111B2 (ja) | ||
US2056424A (en) | Process of applying finishes to metallic sheets and the like | |
JPH0525666A (ja) | オーステナイト系ステンレス鋼帯の製造方法 | |
JPH07216522A (ja) | 表面性状の優れたチタン板の製造方法 | |
JPH0417908A (ja) | ステンレス冷延鋼帯の製造方法 | |
JPH03146211A (ja) | 冷間圧延用ステンレス予備処理鋼帯の製造方法 | |
JPH05320961A (ja) | ステンレス熱延鋼板の脱スケール方法 | |
JPH02125813A (ja) | ばね用オイルテンパー硬引丸鋼線並びにばねの製造方法 |