JPH0445565Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、サークルとなるベツドフレームを有
するベビーベツドの改良に関する。

（従来の技術） 一般に、ベビーベツドにおいては、必要に応じ
て様々な形態で使用できれば便利であるところか
ら、例えば実開昭58−29357号公報に記載されて
いるように、乳幼児の成長に合わせて床板の取り
付け部の位置を高さ方向中間部から底部に移せる
ようにしたり、床板を取り外してベツドフレーム
をサークルとして使用できるように構成されたり
することがある。そして、通常は高さ方向中間部
に床板を取り付けた状態で使用されるが、その場
合、床板の下方に比較的広い空きスペースが生じ
るため、そのスペースに箱や籠を置く等して利用
されていた。

ところで、上記のように高さ方向中間部に床板
があると、該床板上に乳幼児を寝かせる時やその
世話をする際にベツドフレームの上半部が邪魔に
なることがある。そのため、従来のベビーベツド
においては、ベツドフレームの前面の上半部を手
前側に倒せるようになつているか或いは下方にス
ライド可能とされているものが多い。

（考案が解決しようとする課題） 然るに、ベツドフレーム前面の上半部が可倒式
又はスライド式とされた上記のような従来のベビ
ーベツドにおいては、ベツドフレーム前面の上半
部を手前側に倒した時又は下方にスライドさせた
時に、そのフレーム前面上半部によつて該フレー
ム前面の下半部が閉鎖されるため、次のような問
題が生じていた。

即ち、上記のようにしてフレーム前面の下半部
が閉鎖された状態では、中間部床板支持部の下方
スペースに箱等を置こうとしても、上記下方位置
にあるフレーム前面上半部が邪魔になつて置けな
いため、該フレーム前面上半部を上方位置に一々
戻すという面倒な操作を行う必要があつたのであ
る。

更に、従来のベビーベツドにおいては、乳幼児
が或る程度成長した時点でベツドフレームをサー
クルとして使用できるようにフレーム前面の下半
部が例えば柵状に構成されていることが多いた
め、中間部床板支持部の下方スペースを箱等の置
き場所として利用する場合には、上記柵状のフレ
ーム前面下半部を取り外しておかなければならな
いが、その場合に取り外されたフレーム前面下半
部の保管場所が別途必要になるという問題があつ
た。

本考案は、従来のベビーベツドにおける上記の
ような問題に対処するもので、中間部床板支持部
の直下方をベツドフレームの前面部分の収納スペ
ースとして有効に利用することにより、該フレー
ム前面の上半部又は下半部（更にはその両方）が
不要の場合でも邪魔になることがないベビーベツ
ドを提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 上記目的達成のため、本考案は、高さ方向中間
部で床板を支持できるようにしたベツドフレーム
を有するベビーベツドにおいて、ベツドフレーム
の前面を中間部床板支持部の高さ位置で上下に分
割して、その少なくとも一方を開閉可能とすると
共に、その開閉可能とされたフレーム前面上半部
又は下半部の少なくとも一方を収納し得る収納部
を上記中間部床板支持部の直下方に設けたことを
特徴とする。

ここで、上記フレーム前面の上半部又は下半部
は、可倒式のものであつてもスライド式のもので
あつてもよく、更には取り外し可能に構成された
ものであつてもよい。要するに、所定の操作を行
うことによつて、フレーム前面上半部又は下半部
のうち少なくとも一方の占有部分を必要に応じて
開放することができるようになつていればよい。

（作用） 上記の構成によれば、中間部床板支持部の直下
方にベツドフレーム前面の上半部又は下半部の少
なくとも一方を収納する収納部が設けられている
から、該前面上半部又は下半部が不要の場合に
は、それらを上記収納部に収納しておくことがで
きる。その結果、ベツドフレームの前面上半部又
は下半部が邪魔になるといつたことがなくなり、
その分だけ使い勝手が向上されることになる。ま
た、特に上記ベツドフレームの前面上半部又は下
半部を完全に取り外しておくような場合には、こ
れを保管するための場所を別途確保したり探した
りしなくても済むことになる。

（実施例） 以下、本考案の実施例について説明する。

第１図は、本考案の一実施例に係るベビーベツ
ドを示す斜視図である。同図に示すようにベビー
ベツド１は、左右一対の側部フレーム２，３と前
後一対の横柵４，５とでベツドフレーム（サーク
ル用枠）を形成し、このベツドフレームの高さ方
向中間部に床板６を取り外し可能に支持させた構
成である。

上記各側部フレーム２，３の前側には側柱２
ａ，３ａが設けられており、それらの側柱２ａ，
３ａ間には床板６用の支持桟７が架設されている
と共に、上記前側の横柵４が取り付けられてい
る。ここで、支持桟７のベツド内方に面する側面
には、床板６を支持するボルト６ａ（第３図及び
第５図参照）が取り外し可能に突設されている。

また、上記前側の横柵４は、第２図に示すよう
に床板６と略同一の高さ位置で上部横柵８と下部
横柵９とに分割されている。

このうち上部横柵８は、第３図に示すように、
その両側下部が枢支ピン８ａを夫々介して上記各
側柱（同図には、その一方のみを示すが、他方の
側柱２ａについても同様に構成されている。以
下、同様。）３ａに枢支されていると共に、両側
上部にバネ付き引き手ピン８ｂが夫々設けられて
いる。このバネ付き引き手ピン８ｂの先端部は、
上部横柵８が第１図に示すようにフレーム前面上
部位置にある時は上記側柱３ａの上部に形成され
た係止孔３ｂにバネ（図示せず）で付勢された状
態で嵌合されている。そして、この状態から、バ
ネ付き引き手ピン８ｂを上記バネに抗して側柱３
ａから遠ざかる方向にひいて係止孔３ｂから該ピ
ン先端部を離脱させた場合には、上記枢支ピン８
ａを中心にして上部横柵８を手前側に回動させな
がら倒す（つまり開く）ことができるようになつ
ている（第２図参照）。

一方、下部横柵９は、その両側上部が各枢支ピ
ン９ａを夫々介して上記各側柱２ａ，３ａに回動
可能に枢支されていると共に、両側下部に上部横
柵８の場合と同様のバネ付き引き手ピン９ｂが設
けられている。このバネ付き引き手ピン９ｂの先
端部は、下部横柵９が第１図に示すようにフレー
ム前面下部位置にある時は上記側柱３ａの下部に
形成された係止孔３ｃにバネ（図示せず）で付勢
された状態で嵌合されている。そして、上部横柵
８の場合と同様にして係止孔３ｃから各ピン先端
部を離脱させた場合には、上記枢支ピン３ｃを中
心にして下部横柵９の下辺側を上方に回動させる
ことにより開くことができるようになつている。

尚、この実施例の場合、上記各側柱２ａ，３ａ
の内側には、第５図に拡大して示すように側柱３
ａと支持桟７との結合部の近傍に、上部横柵８及
び下部横柵９の各枢支ピン８ａ，９ａがスライド
可能に夫々係合する上部横柵用の第１縦溝桟ｄ及
び下部横柵用の第２縦溝３ｅが形成されている。
そして、第１図に示す通常の使用状態において
は、上部横柵８の枢支ピン８ａが第１縦溝３ｄの
所定部位に、また下部横柵９の枢支ピン９ａが第
２縦溝３ｅの所定部位に夫々位置するようになつ
ている。

更に、このベビーベツド１においては、本考案
の特徴として、第３図に示すように上記中間部床
板支持部の直下方に上部横柵８及び下部横柵９を
収納することができる収納部１０が設けられてい
る。この収納部１０は、その構成要素として、各
側部フレーム２ａ，３ａの内側に水平に取り付け
られて前後方向に延びるスライド用桟１１を有す
る。

このスライド用桟１１の内側面には、第３〜５
図に示すように、前端が上記側柱３ａの所定位置
まで延びる上部横柵用の第１ガイド溝１１ａと、
この第１ガイド溝１１ａの下方に位置されて前端
が第１ガイド溝１１ａの前端位置よりも所定量だ
け後方に位置する下部横柵用の第２ガイド溝１１
ｂとが互いに平行且つ水平に形成されている。こ
のうち第１ガイド溝１１ａは、その溝内に上部横
柵８における引き手ピン８ｂ及び枢支ピン８ａの
先端部を係合させた状態で、上部横柵８を前後方
向にスライドさせることができるようになつてい
る。また、第２ガイド溝１１ｂは、その溝内に下
部横柵９における引き手ピン９ｂ及び枢支ピン９
ａの先端部を係合させた状態で、下部横柵９を前
後方向にスライドさせることができるようになつ
ている。

尚、この実施例においては、特に第１ガイド溝
１１ａ及び第２ガイド溝１１ｂの各前端が上記第
１縦溝３ｄ及び第２縦溝３ｅの各下端に夫々接続
されている。そして、第１縦溝３ｄは側柱３ａに
おける支持桟７の前方に位置されており、また第
２縦溝３ｅは支持桟７の直下方にあつて、第１ガ
イド溝１１ａと交差した上で、その上端が該第１
ガイド溝１１ａよりも上方に位置されている。こ
れは、上部横柵８の枢支ピン８ａが第１縦溝３ｄ
の所定部位に、また下部横柵９の枢支ピン９ａが
第２縦溝３ｅの所定部位に夫々位置する第１図に
示す状態において、上部横柵８の下端と下部横柵
９の上端との間になるべく隙間を生じさせないよ
うにするためである。

上記の構成によれば、ベビーベツド１が第１図
に示す状態にある場合には、上部横柵８の両側上
部における引き手ピン８ｂを引いて該ピン８ｂの
先端部を側柱３ａの係止孔３ｂから離脱させた
後、第２図に示すように上部横柵８の枢支ピン８
ａを中心にして該横柵８の上部を手前側（ベツド
外方側）に回動させることにより、上部横柵８を
ベツドフレーム前面下方に倒すことができる。こ
れにより、ベツドフレームの前面上部が開放され
るから、床板６上の乳幼児に対するオムツ替えや
授乳等が行い易くなる。

また、第１図の状態で下部横柵９の両側下部に
おける引き手ピン９ｂを引いて該ピンの先端部を
側柱３ａの係止孔３ｃから離脱させた後、枢支ピ
ン９ｂを中心にして下部横柵９の下辺側を上方に
回動させれば、ベツドフレームの前面下部が開放
されるから、その開放された下部からベツド１の
床下に物品を出し入れすることができる。

ところで、このようにしてベツドフレームの前
面上部及び下部を必要に応じて開放できるように
構成されたベビーベツド１においては、所定期間
フレーム前面上部又は下部を開放した状態で使用
したいような場合に、上記のような上部横柵８や
下部横柵９がフレーム前面にあると邪魔になると
いう問題が生じる。しかし、上記の構成によれ
ば、このような問題は、中間部床板支持部の直下
方に設けられた収納部１０に上部横柵８又は下部
横柵９（或いはその両方）を次のようにして収納
しておくことにより、完全に解消することができ
る。

即ち、下部横柵９を収納する場合には、側柱３
ａの係止孔３ｂからバネ付き引き手ピン９ｂの先
端部を離脱させた後、該横柵９を僅かに下方に移
動させて枢支ピン９ａを第２縦溝３ｅの下端に位
置させた状態で該枢支ピン９ａを中心にして下部
横柵９を手前側に水平になるまで回動させ、更に
その状態で第２ガイド溝１１ｂに沿つてベツド後
方にスライドさせる。そして、上記引き手ピン９
ｂが第２ガイド溝１１ｂの位置まで来た時に、該
溝１１ｂに引き手ピン９ｂの先端部を係合させた
上で所定位置まで移動させる。これにより、下部
横柵９は第２ガイド溝に引き手ピン９ｂ及び枢支
ピン９ａを介して支持された状態で、中間部床下
支持部の直下に収納されることになる。

一方、このようにして下部横柵９を収納した状
態で更に上部横柵８を収納する場合には、側柱３
ａの係止孔３ｂからバネ付き引き手ピン８ｂの先
端部を離脱させた後、枢支ピン８ａを第１縦溝３
ｄの下端に位置させた状態で該ピン８ａを中心に
して上部横柵８を手前側に水平になるまで回動さ
せ、その状態で第１ガイド溝１１ａに沿つてベツ
ド後方にスライドさせる。そして、上記引き手ピ
ン８ｂが第１ガイド溝１１ａの位置まで来た時に
該ピン８ｂを引いてその先端部を第１ガイド溝１
１ａに係合させ、然る後、その上部横柵８の前端
（第１図においては上端）が第２縦溝３ｅより後
方に位置するまで該横柵８を更にスライドさせ
る。これにより、上部横柵８は第１ガイド溝１１
ａに引き手ピン８ｂ及び枢支ピン８ａを介して支
持された状態で、中間部床下支持部の直下に収納
されることになる。

尚、この実施例においては、ベツドフレーム前
面の上部及び下部の両方を開放することができる
ように上部横柵８及び下部横柵９の双方が開閉可
能とされているが、それらの何れか一方のみを上
記側柱２ａ，３ａ間に固定させる構成としてもよ
いことは勿論である。

（考案の効果） 以上のように、本考案のベビーベツドによれ
ば、中間部床板支持部の直下方に設けられた収納
部にベツドフレームの前面上半部又は下半部の少
なくとも一方を収納することができるから、それ
らが不要の場合に、該前面上半部又は下半部が邪
魔になるといつた問題が生じなくなり、その分だ
け使い勝手が向上されることになる。また、特に
ベツドフレームの前面上半部又は下半部を完全に
取り外しておくような場合には、その保管場所を
別途確保したり探したりしなくても済むことにな
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
該実施例に係るベビーベツドを示す斜視図、第２
図は上部横柵及び下部横柵の開動状態を示す要部
斜視図、第３図は第１図−線で切断した縦断
面図、第４図は第３図−線で切断して見た端
面図、第５図は第３図の要部拡大図である。 １……ベビーベツド、２，３，４，５……ベツ
ドフレーム（２，３……側部フレーム、４，５…
…横柵）、６……床板、８……ベツドフレームの
前面上半部（上部横柵）、９……ベツドフレーム
の前面下半部（下部横柵）、１０……収納部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 高さ方向中間部において床板を支持できるよう
   にしたベツドフレームを有するベビーベツドであ
   つて、ベツドフレームの前面が中間部床板支持部
   の高さ位置で上下に分割され且つその少なくとも
   一方が開閉可能とされていると共に、その開閉可
   能とされたフレーム前面上半分又は下半分の少な
   くとも一方を収納し得る収納部が上記中間部床板
   支持部の直下方に設けられていることを特徴とす
   るベビーベツド。