JPH0445515Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は魚や貝を加工するときに用いる作業
台に係わるものであり、殊にベルトコンベヤー付
の作業台に関するものである。

（従来技術及び問題点） 従来魚貝類のうち殊に魚を機械的に開いたり、
三枚に下ろしたものにおいては、一部に内臓が付
着していたり、ひれや骨が残つているため、これ
ら魚身の表面の汚物を手作業により除去している
のが現状である。

ところが、これら加工魚に供せられる魚は一般
に冷凍魚を解凍したものが多く、従来の固定台で
は、作業能率が低下したり、或いは一部の魚身
が、作業忘れで作業台上に長時間残るおそれがあ
り、品質が低下するおそれがある。

（解決しようとする問題点） この考案は前述のような従来の作業台を改善
し、手作業による作業の容易さと、作業効率率の
向上並びに作業台上に魚身が滞在する時間が均一
化させ、一部の魚身の品質が低下することのない
ようにすることであり、かゝる製品を市場に提供
することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） この考案は水平な搬送面をもつベルトコンベヤ
ーが、通常の作業台相当高さに、機枠に装備して
あり、このベルトコンベヤーの少なくとも片側に
は流し台及び更に流し台の外側に汚物流し溝が、
前記ベルトコンベヤーと平行に機枠に設けてあ
り、前記流し台の上面には前記ベルトコンベヤー
の搬送面とほゞ面一に、作業台板が数枚ずつ着脱
自在に装備してあり、前記のベルトコンベヤーの
上位真上位置には、ベルトコンベヤーの搬送面よ
りも充分間隔をおいて、上棚が設けてあり、前記
流し台上方には、下向きに開口する水洗口が数個
ずつ流し台の長さ方向に列設してあることを特徴
とする魚貝類処理作業台とすることによつて問題
点を解決した。

（作用） この考案のものを使用するには、中央のベルト
コンベヤーを最適速度で運行させ、作業台の両側
に数人ずつ作業者を配置する。

このようにしてベルトコンベヤーの搬入端より
処理すべき魚身、貝を供給すると、これら魚身、
貝は順次搬出側に搬送される。而して水洗口より
洗滌水を流し台上にそれぞれ放出させておく。

作業者は自分の手前に到達した魚身、貝をベル
トコンベヤー上より作業台板上に移し、残つてい
る骨、ひれなどを包丁で切除し手前の汚物流し溝
に捨て、魚身、貝は上方の水洗口より流下する
水、流し台中の溜水で滌ぎ、上棚上に予め載置し
た浅い籠の中に順次いれる。

ベルトコンベヤー上の魚身、貝数が減少すれば
新しい未処理魚身、貝を供給する。上棚上の籠に
処理後の魚身、貝が溜つたところで、これを上棚
上よりおろし、再び空の籠を載置する。

流し台内に汚物が留まつたり、水が汚れたとき
は、流し台の内部を滌ぐ。汚物流し溝に捨てられ
た汚物は、常時洗滌水の一部もこの汚物流し溝に
流入するため、これらの洗滌水によつて押し流さ
れ、汚物流し溝の一端より汚物留に排出される。

汚物溜に留まつた汚物は汚水処理場で処理する
か、或いは脱水乾燥し、飼料若しくは肥料とす
る。

（効果） 叙上のように構成し作用をなすこの考案のもの
においては、作業台にベルトコンベヤーが設けて
あるから、処理すべき魚貝類は、ベルトコンベヤ
ーの搬入端からのみ供給すればよく、またベルト
コンベヤーの少なくとも片側に流し台及び汚物流
し溝が設けてあるから、少なくとも一側から同時
に数人が作業をすることができ、場所取らない。

しかもベルトコンベヤーの搬送面と作業台板と
はほゞ面一に設けてあるからベルトコンベヤー上
の魚身、貝を作業台板上に移動させるときに魚
身、貝を損傷させることなく、そのまゝの高さで
摺動させることが出来る。

また前記の作業台板は数枚の板よりなり着脱自
在に流し台上面に装備してあるから、魚身、貝の
大きさや、作業者の数に応じて、前記作業台板の
間隔を設けて配設することができ、上部の水洗口
からの洗滌水を作業台板上に流下させるか、或い
は流し台中に直接流下させるか、目的に応じて選
択することもできる。

また汚物流し溝は作業者に最も近いところにあ
り、汚物が処理し易いだけでなく、それぞれの魚
身、貝に付着していた汚物及び魚身、貝から分離
後の汚物はベルトコンベヤーから汚物流し溝方向
の作業台板上を一方向に移動させればよく、一度
分離した汚物が再度魚身、貝に付着するおそれは
殆どない。

更に洗滌処理後の魚身、貝は上棚上に予め用意
した浅い籠の中に入れれば作業台板よりは上位に
あるため、前記籠中の魚身、貝に再度汚物が付着
するおそれは全くない。

殊に中央のベルトコンベヤーを最適速度に運行
すれば、仮りに未処理の魚身、貝がベルトコンベ
ヤー上に残つていたとしても、所定時間経過すれ
ばベルトコンベヤーの搬出端に達するから、作業
者はこれに気付き、作業台板上に移動させて、処
理するから、未処理魚身、貝の一部が長時間残る
おそれはなく、一部魚身、貝の品質低下のおそれ
がない。

上棚もベルトコンベヤー式のものにおいては搬
入端から順次空の籠を供給し、他端から処理済籠
が搬出されるから、魚身、貝の搬入、搬出及び籠
の搬入者がこの考案の作業台の端部で魚身、貝な
どの搬出入作業ができ魚身、貝洗滌作業者とぶつ
かることもなく、作業性がすこぶるよい。

（実施例） 今この考案を図示の代表的な実施例に基づいて
説明する。

１０は作業台であり平面にみて長方形状をして
おり、通常の作業台高さ（70乃至80cm）のところ
であつて、前記作業台１０の長さ方向にベルトコ
ンベヤー１２が作業台機枠１１に装備してあり、
ベルトコンベヤー１２の幅は40cm乃至60cm程度と
してある。このベルトコンベヤー１２の両側には
これに添つて細長い流し台１３ａ，１３ｂがそれ
ぞれ設けてあり、この流し台１３ａ，１３ｂの水
槽部分の底には排水口１４ａ，１４ｂが設けてあ
り、流し台１３ａ，１３ｂの上面には、これを覆
う数枚ずつの作業台板（俎板）１５ａ，１５ｂが
装備してあり、これら作業台板１５ａ，１５ｂの
上面は前記ベルトコンベヤー１２の搬送面と面一
か或いは若干低い位置になるよう、流し台１３
ａ，１３ｂの上縁に嵌め込み取外し自在に設けて
ある。これら流し台１３ａ，１３ｂの更に外側に
は汚物流し溝１６ａ，１６ｂが設けてあつて、少
なくとも一端が開放され、その開放端に樋状のシ
ユータ１７を取付けてある。

前述の機枠１１にはベルトコンベヤー１２より
も更に上方に伸びる四本の支柱部１８によつて支
持された上棚１９がベルトコンベヤー１２とは15
乃至40cm程度の高低差をもつて階層的に設けてあ
り、図示の例においては上棚１９面は上部ベルト
コンベヤー２０になつている。

前述のベルトコンベヤー１２は図示の例におい
ては流し台１３ａ，１３ｂよりも搬出端部が搬送
方向に突出して設けてある。

前述の上棚１９の両側には洗滌水供給パイプ２
１ａ，２１ｂが設けてあり、これより水洗口２２
ａ，２２ｂが数個ずつ丁度流し台１３ａ，１３ｂ
上にこれに向けて開口してある。

その他２３はベルトコンベヤー１２及び上部ベ
ルトコンベヤー２０を駆動するモータ、２４は機
枠１１の下端に装備してあるキヤスターである。

叙上のように構成しているこの実施例におい
て、これを使用するには、洗滌水供給パイプ２１
ａ，２１ｂを水道若しくは海水などの洗滌水供給
源に接続し、洗滌水を供給すると、洗滌水は前記
パイプ２１ａ，２１ｂを通つて各水洗口２２ａ，
２２ｂより流し台１３ａ，１３ｂに流下する。こ
のとき、水洗口２２ａ，２２ｂの真下に作業台板
１５ａ，１５ｂの位置を少しずらして、流下する
洗滌水が直接流し台１３ａ，１３ｂ中に入るよう
にすることが望ましい。

而して、ベルトコンベヤー１２及び上部ベルト
コンベヤー２０をそれぞれ最適速度で運行させ、
作業台１０の両側にそれぞれ数人ずつの作業者を
配し、ベルトコンベヤー１２の搬入端上に処理す
べき魚身Ａを順次供給すると共に、上部ベルトコ
ンベヤー２０の上には空の浅い籠若しくはトレー
よりなる容器２５を順次供給する。

各作業者らはベルトコンベヤー１２によつて順
次搬送されて来る魚身Ａをそれぞれ手作業により
作業台板１５ａ又は１５ｂ上に移し、分離不充分
な骨やひれを除去し、内臓などの汚物が付着して
いるものについては、水洗口２２ａ，２２ｂより
流下若しくは流し台１３ａ，１３ｂ中に留まつて
いる洗滌水で滌ぎ、上棚１９上の浅い容器２５中
に順次魚身Ａを入れる。

魚身Ａより除去した汚物は汚物流し溝１６ａ，
１６ｂに捨て、汚物は汚物流し溝１６ａ，１６ｂ
の端より排出される。

作業台板１５ａ，１５ｂが汚物で汚れたとき
は、これら洗滌水の流下位置に移動させ、その表
面を滌ぎ、洗滌後の水を汚物流し溝１６ａ，１６
ｂに流し込む。

上棚１９上の籠、トレーなどの容器２５は上部
コンベヤー２０の運行と共にその搬出端まで搬送
され、人力若しくは別のベルトコンベヤー２６に
よつて搬出する。

（実施例の効果） 叙上のように構成し、作用を為すこの実施例に
おいては、この考案のものの効果を奏することは
勿論のこと、ベルトコンベヤー１２の幅及び流し
台１３ａ，１３ｂの幅を前述のような寸法にした
から、作業者はベルトコンベヤー１２の左右何れ
の側からでも、ベルトコンベヤー１２上の魚身Ａ
を確実に掴める位置となり、作業台板１５ａ，１
５ｂへの移行が容易であるし、これら作業台板１
５ａ，１５ｂは各作業者の体に極く近い位置であ
るから、作業し易い。

また魚身Ａを洗滌するときの水は跳る返り、作
業台板１５ａ，１５ｂ上に飛散するから、通常は
これら作業台板１５ａ，１５ｂ上は特に滌がなく
とも、飛散水を手前の汚物流し溝１６ａ，１６ｂ
に手や包丁で掻き寄せれば通常は作業台１５ａ，
１５ｂ上を充分清潔に保ち得ることができ、度々
作業台板１５ａ，１５ｂを洗滌する必要はなく、
作業が中断したり、能率が低下することがない。

また流し台１３ａ，１３ｂに流下する洗滌水の
流量と排水口１４ａ，１４ｂから流出する流量を
ほゞ等しくするか、或いは流し台１３ａ，１３ｂ
と汚物流し溝１６ａ，１６ｂの境界壁板２４ａ，
２４ｂの全部又は一部の背丈を若干低くして、排
水口１４ａ，１４ｂに水栓を設け、流し台１３
ａ，１３ｂ中に留まつた洗滌水が流し溝１６ａ，
１６ｂ中に溢水するようにしてあるものにおいて
は、流し台１３ａ，１３ｂ中の水深が一定する
し、この中の洗滌水が汚れすぎるおそれもなく、
また汚物流し溝１６ａ，１６ｂ中の汚物は常にこ
の溢水によつて押し流され、作業環境を悪化させ
ない。

上棚が上部ベルトコンベヤー２０のものにおい
てはその搬入側より常に空の籠を供給すれば、処
理された魚身、貝を入れた籠は上棚の上部ベルト
コンベヤー２０の搬出端より搬出されることにな
る。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案に係わるものであつて、第１図
は全体の斜視図、第２図は縦断正面図である。 図中の主な符号、１０……作業台、１１……機
枠、１２……ベルトコンベヤー、１３ａ，１３ｂ
……流し台、１５ａ，１５ｂ……作業台板、１６
ａ，１６ｂ……汚物流し溝、１９……上棚、２１
ａ，２１ｂ……洗滌水供給パイプ、２２ａ，２２
ｂ……水洗口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 水平な搬送面をもつベルトコンベヤーが、通
   常の作業台相当高さに、機枠の装備してあり、
   このベルトコンベヤーの少なくとも片側には流
   し台及び更に流し台の外側に汚物流し溝が、前
   記ベルトコンベヤーと平行に機枠に設けてあ
   り、前記の流し台の上面には前記ベルトコンベ
   ヤーの搬送面とほゞ面一に、作業台板が数枚ず
   つ着脱自在に装備してあり、前記のベルトコン
   ベヤーの上位真上位置には、ベルトコンベヤー
   の搬送面よりも充分間隔をおいて、上棚が設け
   てあり、前記流し台上方には、下向きに開口す
   る水洗口が数個ずつ流し台の長さ方向に列設し
   てあることを特徴とする魚貝類処理作業台。 ２ 前記上棚はベルトコンベヤーであることを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   魚貝類処理作業台。 ３ 前記作業台の幅は汚物流し溝の外側縁からベ
   ルトコンベヤーの幅中央位置までが40cm乃至80
   cmであることを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の魚貝類処理作業台。