JPH0445412B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、メツキ物、特にICリードフレーム
の如き短冊状のメツキ物を複数枚整列させたまま
同時にメツキするメツキ装置のライン出側に配し
て複数枚のメツキ物を整列させたままライン外へ
取出すメツキ物のアンローデイング装置に関す
る。

ICリードフレームその他の短冊状のメツキ物
をメツキ処理する場合、メツキ装置全体としての
処理効率を高める必要があり、メツキ装置自体の
処理速度のみならず、処理後のメツキ物を装置の
ライン外へ取出すアンローデイング装置に至るま
で、高効率化が必要とされている。ところが、
ICリードフレームの如きメツキ物は、多数の小
突起を有する端部形状のものが多く、互いに引掛
つたりし易く、また薄い物であるため撓んだりし
易いために、従来はこのようなメツキ物を整列状
態で収納し、取出すことが難かしく、不整列の状
態で収納し且つ取出すようになつていた。ところ
が、このように不整列状態で収納するとメツキ物
同志が擦れ合つてメツキ処理した表面に傷がつい
たりするという不具合があつた。

そこで、本出願人は、複数枚整列させた状態で
メツキ処理されてライン端へと出てくるメツキ物
を、整列状態のまま収納して取出し得るアンロー
デイング装置を先に提案した。この装置は、メツ
キ物を滑落させる傾斜板の先端部にメツキ物の落
下方向を規制する湾曲ガイド板を設け、該湾曲ガ
イド板の下方にメツキ物を複数枚重ねて収納自在
とする収納ボツクスを配するようにしたものであ
り、傾斜板、湾曲ガイド板、収納ボツクスを各々
複数並列して備え、メツキ装置から複数枚同時に
整列した状態で滑落して来るメツキ物を収納ボツ
クス内に収納し、その後に収納ボツクスごと取出
すようにしたものである。

上記の装置にあつては、メツキ物を整列状態の
ままで取出すことはできるものの、メツキ物が先
端部から先に傾斜状態で収納ボツクス内へ落下す
るようになつているため、メツキ物が収納ボツク
ス内で大きく動くことになり、所定の位置で静止
しない場合や傾斜板や湾曲ガイド板に引掛つてし
まつて後続のメツキ物を収納できなくなつたりす
るという状態が起きる可能性があり、又整列状態
での収納が出来ない場合もあり得るものであつ
た。

本発明は叙情の点に鑑みてなされたものであ
り、引つ掛かり等の生じ易いガイド板のようなも
のが不要であり、しかも、メツキ物同志が擦れ合
つたり、あるいは絡み合つたりすることのないよ
うにして整列・収納させることのできるアンロー
デイング装置の提供を目的とし、その構成を左右
一対のテーパローラとフラツトローラとを交互に
連設し、短冊状のメツキ物を複数整列・載置して
は若干下向き傾斜方向へ送り出す送りローラと、
該送りローラにて送り出された上記メツキ物を受
入れ且つ送り出し方向へ付勢して送り出す上下一
対の挟持ローラと、該挟持ローラの出側に配した
トレー上に底面部を傾斜させて複数整列・載置さ
れるメツキ物の収納ボツクスと、そして該収納ボ
ツクス底面部の傾斜方向に対し略直角交差方向で
上下動自在なトレー載置用のベースとより成るも
のとし、上記挟持ローラによりメツキ物を付勢し
て収納ボツクス内へ向けて空中を送り飛ばし、こ
の送り飛ばされたメツキ物を、収納ボツクスの奥
壁に当てることにより所定の整列状態で位置決め
させ、この位置決め状態において着座させること
により順次堆積させるようになつているものであ
り、ライン端へ送り出されるメツキ物の移動態勢
を崩さぬよう整列させたまで収納できる装置を提
供せんとするものである。

以下本発明を図面に示す一実施例に基づいて詳
細に説明する。

図中１が送りローラで、左右一対のテーパロー
ラ２と、このテーパローラ２間に配したフラツト
ローラ３とを１ユニツトとして交互に図中矢印Ａ
方向で複数連設したもので、前段の処理工程より
複数整列させられて送り出されてくるメツキ物４
の整列数と同じ整列数で並設されている。図示の
例では、上記の様に構成した送りローラ１をメツ
キ物４の前進方向で２連設けてあり、しかも前方
の送りローラ１を後方の送りローラ１より若干下
方に位置決めしてあり、両送りローラ１はテーパ
ローラ２の傾斜を利用して複数のメツキ物４を左
右方向（図中矢示Ａ方向）で各々位置決めし、フ
ラツトローラ３で水平方向〔図中矢示Ｂ〕より若
干下向き傾斜方向〔図中矢示B′〕に送り出すよ
うになつている。図中５はセンサでライン端より
送りローラ１に送り込まれるメツキ物４の枚数を
計測している。このセンサ５としては、光電式の
ものが適するが、勿論機械式その他種々の手段、
計器が採用できる。

図中６ａ，６ｂは上下一対の挟持ローラで送り
ローラ１にて送り出された上記メツキ物４を受け
入れ、前方への送り出し方向、具体的には上記下
向き傾斜方向B′へ付勢して送り出すものである。
この挟持ローラ６ａ，６ｂによるメツキ物４の付
勢とは、換言すれば、挟みこんだメツキ物４に対
し両挟持ローラ６ａ，６ｂの回転力を付与し、い
わばメツキ物４を送り出し方向へ投げ飛ばすこと
である。尚、下方側の挟持ローラ６ｂと、上記送
りローラ１には駆動ベルト２０が掛け回されてお
り、この駆動ベルト２０を介してモータ２１によ
り同期回転させられるようになつている。

上記挟持ローラ６ａ，６ｂの出側には、メツキ
物４の収納ボツクス７がトレー８上に複数整列・
載置され、図中矢示Ａ方向で連設されており、そ
の数はメツキ物４の整列数に等しくなつている。
この収納ボツクス７は、メツキ物４の長さｌ、幅
ｗに相応させた、長さＬ、幅Ｗ及びメツキ物４を
複数枚収納し得る高さＨの内法寸法を備えてい
る。尚、収納ボツクス７の両側壁７ａはその開口
部分に傾斜ガイド面２２が形成されており、収納
ボツクス７内へのメツキ物４の進入をガイド出来
るようになつている。

トレー３は、上記収納ボツクス７の幅Ｗに相応
させた凹部９を複数備えた底板１０と、この底板
１０を載置するためのトレーケース１１とから構
成されている。そして複数の収納ボツクス７は
夫々凹部９に嵌め込まれてトレー３上に整列・載
置される。尚、メツキ物４の形状寸法が異なるた
め内法寸法の異なる収納ボツクス７を使用する必
要がある時は、予めその収納ボツクス７に合わせ
て凹部９を形成した別物の底板１０をトレーケー
ス１１上に交換・載置すれば良い。

１３はベースで、上記トレー８を載置するため
のものであり、収納ボツクス７の底面部１２の傾
斜方向〔図中矢示Ｃ方向〕に対して略直角交差方
向〔図中矢示C′方向〕で上下動自在とされてい
る。具体的にはベース１３の上下方向に配した２
個のホイール１４間にチエーン１５を掛け回し、
該チエーン１５をモータ１６へ接続して矢示C′方
向に駆動することにより、ベース１３を上下動さ
せるようになつている。尚、図中１７は上下動用
ガイドシヤフト、１８はガイドローラ、１９はガ
イドバーである。

また、モータ１６は、上記センサ５が図示せぬ
制御装置を介して接続されており、送りローラ１
上を通過したメツキ物４の枚数、即ち既に各収納
ボツクス７内に収納されたメツキ物４の枚数に応
じてベース１３の位置を上下させ、収納ボツクス
７内のメツキ物４の収納位置Ｘを常にメツキ物４
が送り飛ばされる放物線に沿うやや下方に位置さ
せ、メツキ物４が収納ボツクス７の奥壁７ｂに当
つて停止した状態が即『整列用の位置決め状態』
となるようにしてある。そして、整列用に位置決
めされたメツキ物４は、収納位置Ｘに対し着座す
る。つまり、奥壁７ｂに当つた位置から僅かに落
下して収納位置Ｘに収まるようになつている。

次に作用を説明する。

メツキ処理が完了したメツキ物４は、図中矢示
Ａ方向に於いて複数整列状態で送りローラ１のフ
ラツトローラ３上へ送り出され、テーパローラ２
で位置決めされつつ２連の送りローラ１上を挟持
ローラ６ａ，６ｂへ向けて水平方向Ｂより若干下
向き傾斜方向B′で送り出される。複数のメツキ
物４は整列状態を略保つたまま一対の挟持ローラ
６ａ，６ｂ間に挟持され、その回転力によつて付
勢されて収納ボツクス７へ向けて飛ばされる。メ
ツキ物４は挟持ローラ６ａ，６ｂによつて飛ばさ
れた後、若干落下しつつ収納ボツクス７内へ進入
し、奥壁７ｂに当つて停止することにより整列状
態に位置決めし、この状態で収納位置Ｘに着座し
て収納される。

そして次に収納されるべきメツキ物４がライン
端より送りローラ１へ送り出されてくると、セン
サ５が検知し、モータ１６が作動して１枚のメツ
キ物４分だけベース１３を下方に下げ、次のメツ
キ物４の収納位置Ｘを位置決めする。

上記の作用が繰返され、メツキ物４が収納ボツ
クス７内へ所定枚数重なつて堆積し、一杯に収納
されたところで、トレー８ごと複数の収納ボツク
ス７を持ち上げて取り外せば、メツキ物４は、整
列したままでライン外へ取出される。

以上説明してきたように、この発明によれば、
メツキ物は、送り出されてくる途中で引掛つた
り、収納ボツクス内で大きく動いて所定位置で静
止しなかつたり、更には撓んで変形したり互いに
擦れ合つて傷がついたりすることが無くなり、確
実に整列・載置されたままの態勢で、移動方向が
崩されることもなく、収納ボツクス内へ収納する
ことができるという効果が得られる。またメツキ
物の収納及びライン外への取出しがうまく行なえ
ないためメツキ装置を停止させる、ということが
無くなるので、メツキ装置全体としての処理効率
をも上昇させることになるという効果も得られ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例を一部破断して示
す概略斜視図、第２図は、第１図中の矢示方向
より見た概略平面図、そして第３図は、第１図中
の矢示方向より見てメツキ物の送り出し、収納
状態を示す説明図である。 １……送りローラ、２……テーパローラ、３…
…フラツトローラ、４……メツキ物、５……セン
サ、６ａ，６ｂ……挟持ローラ、７……収納ボツ
クス、８……トレー、１２……収納ボツクスの底
面部、１３……ベース、Ｂ……水平方向、B′…
…下向き傾斜方向、Ｃ……収納ボツクス底面部の
傾斜方向、C′……収納ボツクス底面部の傾斜方向
と略直角交差方向。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 左右一対のテーパーローラとフラツトローラ
   とを交互に連設し、短冊状のメツキ物を複数整
   列・載置しては若干下向き傾斜方向へ送り出す送
   りローラと、該送りローラにて送り出された上記
   メツキ物を受入れ且つ送り出し方向へ付勢して送
   り出す上下一対の挟持ローラと、該挟持ローラの
   出側に配したトレー上に底面部を傾斜させて複数
   整列・載置されるメツキ物の収納ボツクスと、そ
   して該収納ボツクス底面部の傾斜方向に対し略直
   角交差方向で上下動自在なトレー載置用のベース
   とより成り、 上記挟持ローラによりメツキ物を付勢して収納
   ボツクス内へ向けて空中を送り飛ばし、この送り
   飛ばされたメツキ物を、収納ボツクスの奥壁に当
   てることにより所定の整列状態で位置決めさせ、
   この位置決め状態において着座させることにより
   順次堆積させるようになつているメツキ物のアン
   ローデイング装置。